17 吸血鬼の城
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 22時半頃
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俺を、殺してくれないか。
[突然の申し出は、しかし、 いつも飄々としている男の表情が真面目なものになっていることで真剣な願いだと分かる。
どこか切羽詰まったような色をのぞかせ、 息苦しそうに眉をしかめ それでも男はローズマリーの目から片目をそらそうとはせず]
(295) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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>>292
[ナイフの切っ先を自らに向けるマーゴの手を即座に掴む。]
駄目だ。 貴女は、死んではいけない。 マーゴ……
[そして、先ほど用意していた薬瓶を取り出し、それを差し出す。]
これを…
(296) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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― 中庭 ―
[ヘクターとの別れを告げたトーニャと共に、リンダに会えば話しかける彼女(>>288)に会話を任したまま、静かに控えていた]
(297) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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執事見習い ロビンは、足音を立てて廊下を歩いている。
2010/06/23(Wed) 22時半頃
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―――……ッ、はは、 あはは
[白薔薇は笑う、 それは慟哭するかのように、笑って]
ああ、また、…―――い。
[呟けば、ゆるゆると首を振る]
(298) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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ええ。 与えさせるって事は、即ち『得る』って事ですからね。 ま、こんなの俺の持論に過ぎないですから。
[ドナルドが、ベネットが。それをどう語るかは分からない。 愛なんて――この世で最も曖昧で、どうしようもないものの一つではないだろうか。 ふとそんな思いが、胸をよぎり笑った]
あれ?要らないんですか? ……欲しいと思って、手に入るものでもないですしね。
[案外ご賢明な判断かもしれませんね、と肩を竦めた。 少しだけ、痛快な気分だった――ひょっとしたら、少し勝ち誇ったような声になってしまったかもしれない]
(299) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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[ナイフを持った手を掴まれて、思わず目をつぶる。>>296 しかし、それに続く言葉に、おずおずと瞼を開いた。]
…これ、は――?
[差し出された瓶と、サイラスの貌を、 不思議そうな表情で、交互に見比べる。]
(300) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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……そうです。 ええと、……トーニャです。
[霧の向こうから歩み寄る女性は、レセプションや、詩人が姿を消した騒ぎの時に見かけたか。もっとも、彼女は自分の事を知らないだろうと名乗ることにした]
あの、ベネットさんたちと一緒でしたよね。 ……皆さん、ご無事ですか?
(301) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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あと、言いたいことがあるんだ。
マーゴ……君のことを
[その眸を見つめて……それだけいうと、マーゴを抱きしめる。それは、強い、吸血鬼である力も借りて…。]
だから、君を、 自分は…………
[食らいたい……そう告げるのは紅の眸]
(302) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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>>300
これを飲めば、毎日……飲めば、 君の身体の毒は、かなり薄くなる、はずだ。
[抱きしめたまま、その耳に囁く。]
そしたら、もっと君は、笑ったり歌ったりできるから……。
[そして、唇はその首筋に…。]
(303) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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[踏み越えるその衝撃でテーブルが音を立てる。 グラスに注がれていたワインが零れ そのグラスも床に落ちて壊れる音を響かせた。
腰へと回された腕に引き寄せられるように 女は男の胸板に身体を密接させて]
――…刺青と左目? 判らない感情って……
[どういうことなのかと問うように 女の眸が眼帯へと向けられた。 男の吐息が肌に触れる。]
(304) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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――……え?
[続けられたドナルドの言葉は想像もしなかったもの]
如何して貴方を殺さなくてはいけないの?
[苦しそうな表情に釣られるように柳眉を寄せて 見詰める隻眼から、ふ、と視線が外される]
(305) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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―中庭―
トーニャ……さん?
[確認するようにその名を口にする。]
私は、リンダです。 リンダ・ハーシェル。
[彼女の言う皆さんというのが、誰のことを指しているのかは女にはわからなかったが、少なくとも、]
私の知る限りでは、まだ……犠牲者は三人、だと思います。 とは言っても、実際に自分の目で見たわけではないのですが……。
[まだ三人、なのかもう三人、なのか。 女は少し言いにくそうに答えた。]
(306) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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グロリア・バイルシュミット。 旅人、ですわ。
[トーニャが名乗れば、自分も名乗る。 巻き込まれた――という認識も自覚にも些か欠けていたが、客観的事実を拾い集めるとそのような扱いで問題なかろうと思っていた]
(307) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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―イアン客室― [肩を竦める記者の胸元へ、白い指を其の尖った爪先を伸ばす。 視線は落としたまま]
私が欲しいのは お前たちが恐怖に震え、絶望に泣き叫ぶこえ 私の胸を満たすのは お前たちの醜い感情を曝け出すこと
過剰な執着を持たれるのは構わないが 私がそのように変わるのは、本意で無いな。
だから 要らぬ。
[未だ嘗て誰からも得た事の無いもの これから先も、本当の意味ではきっと得る事の無いもの。 子供は城主が全てを持っていると言うが 己が持つモノなど、本当は]
(308) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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[こつり、と足音は止む。 とある客室の前で、弱々しい気配を感じながら。
勿論、人間たる黒薔薇は、眷属ほどの察知能力は持ち合わせてはいない。 従者としての前歴……マフィア時代の頃の直感を使ったにすぎない。]
(309) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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[薬の瓶を受け取って。 不意に、抱きしめられる。>>302
その力は強く、胸が潰れそうなほどに苦しく。 それが酷く―― 切なくて。]
…、――イラ、ス…さ、 ま ――
[切れ切れの息から声を絞り出し、 片手で、サイラスの頭を、そっと抱く。
からり、とナイフが床に落ちた。]
(310) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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[囁かれた言葉に、目を見開いて。>>303 自分には、そんな―― と首を僅かに横に振る。
首筋に触れる唇は冷たく、痺れるようで
胸元で潰された薔薇が、 目の眩むような香気を立てる。 ]
(311) 2010/06/23(Wed) 22時半頃
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本屋 ベネットは、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/06/23(Wed) 22時半頃
本屋 ベネットは、奏者 セシルに話の続きを促した。
2010/06/23(Wed) 22時半頃
本屋 ベネットは、水商売 ローズマリーに話の続きを促した。
2010/06/23(Wed) 22時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 22時半頃
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[そして、つぷりと、マーゴの首筋に牙をたてる。 流れてくる血液は、あたたかく、でも、確かにそれは、死の味をもっていた。
だが、構わず、死を呼ぶそれを啜って飲み込んでいく……。]
(312) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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自身が変わることで、得られるものもあるらしいですよ。
[付きつけられた指に、たじろく事はない。 要らぬと、苦い声音。 同情はしない。するものか。
く、と一度喉を鳴らした。絶対的な強者だと思っていたのに――]
俺は恐怖しています。 俺は、絶望しています。
多分、恐怖していない人間なんて、この城には居ない。
では、それでいいじゃないですか。満足して、血でも何でも啜ってしまえばいいのに。
[ほら、と自身の首筋を指差す。唇は吊り上げたままで]
(313) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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[そして、唇を離して、マーゴの貌を覗き込むと、]
これで、貴女は、 私の………………
[そして、微笑んだ、と同時に、 その毒素が、全身に回り始めたのを感じ、
言葉は唐突に途切れ……。]
(314) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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[あれ、と首を傾げた。ベネットやドナルドといたのは別の人だったか。それよりも]
三人……も、いなくなっちゃったんですよね。
[ヘクター以外の犠牲者のことは知らないに等しかったから、実感はなかったけれど。 大切な人の姿を思い出し、瞼の淵がじわりと濡れた]
(315) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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薬屋 サイラスは、本当に、呆気なく、その場に沈んでいく。
2010/06/23(Wed) 23時頃
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[ドアをノックし、入室の許可を得る。]
……ベネット様。 そんな場所で、何をなされているのですか?
[低くくぐもる声。だがそこには、ほんの少しだけ、不思議そうな色が篭っていた。]
(316) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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[柔らかな肌に、サイラスの牙が差し込まれる。 それは、微かな痛みと――歓びを、もたらすもので…]
――…ぁ ……いけ、ま…せん ――… わたし、は…
[弱々しい否定の声は、サイラスの身を案じてのもの。 サイラスの頭と腰とに、緩く手を回しながら くらり、と膝から力が抜けて。
頽れた、サイラスの横に、膝をつく。]
(317) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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―――……ああ、
[厭わしき血の匂い、本能的に感じている。 それが自らに滅びをもたらすものであると――
けれど、それが、欲しくて。
一度伸びかけた手は、落ちる]
(318) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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>>304>>305 [グラスの破片は煌めいていたのだろうか、 片目の男にはその存在は確認できない。 冷たい体温をもつローズマリーの体が密接すれば香るは甘い誘惑。 男の鼓動は静かに、だが力強く暖かい血液を送り出している。
視線がそらされれば、見捨てられたような表情で 男は女の首元に顔をうずめる]
……俺にもわかんねー。 ただ死にたい。そんだけだ。
[本当はもうちょい生きて人生楽しんでから死ぬつもりだったんだけど。そう男は続ける]
この城にきて吸血鬼に会っちまったら 今死にたい、って思った。
(319) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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若し、以前お会いしていたとするならば、 お召し物が大分変わっていらっしゃいますわね。
[拙い記憶を頼りに一人場違いなほど、些事への話題をリンダに振った。傍らのトーニャの頭を血豆の出来た手で撫でながら、自分の今の服装を揶揄して笑う]
ふふ、恐らく私もですけれど……。
[人の死を数える事も、 自分の死に怯える事も、あまり宜しい傾向ではない。 死を待つ事も、望む事も……]
『それでも今どこかで――』
[それは世界の縮図。この城内だけで括る事に、何の意義があろうか。かの城主以外に]
(320) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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……サイラス、さ…ま――
[サイラスの手からこぼれ落ちた薬瓶に手を伸ばし。 目に涙を溢れさせて、その名を呟いて。
もう一度、ナイフに手を伸ばす。]
(321) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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――お勤めも果たせず
あの方も、殺められず。
――あなたが、いない世界で
わたくしが、わらうなど……
[ゆらり、たちあがって。 ふたたび短剣の切っ先を喉元に当てて。]
(322) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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グロリア、さんですね。
[名乗りをあげるグロリアの名を確認し、静かに控える彼女にぺこりと頭を下げる。]
ト、トーニャさん!?
[急に瞼の縁を濡らすトーニャに驚き、慌てて駆け寄る。]
大丈夫、ですか?
[近寄り、取り出した懐中時計をその耳元へと近づける。]
時計の秒針の音は、胸の鼓動に似たリズムを刻むそうです。
[自分に、この方法を見せてくれた詩人の顔を思い出し、胸に痛みが走ったが、堪える。]
……落ち着きましたか?
[しばらくして、トーニャに尋ねた。]
(323) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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――……これから、どうなっちゃうんだろ。 どうすれば、良いのかな……。
[助けてくれる大きな背中はもうない。 紋様は血と泥に汚れ、ところどころ消えかけていて、まだ役に立つのか少女には分からなかった。
俯いた頭をグロリアに撫でられながら、ぽつりと不安を零してしまう]
(324) 2010/06/23(Wed) 23時頃
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