162 絶望と後悔と懺悔と
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[唇が声なく紡ぐに、泣きそうな笑みを見せて。>>91
彼を抱き締めたままその場に座り込む。
首に爪を当てて頸動脈を掻き切ると共に]
……祝ってくれて、ありがとう。
[牙を突き立て、 『家族』の終の血を――**]
(103) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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………ははっ、
[僕は駆け抜ける。背中を押すみたいな声に導かれて。>>97 始祖吸血鬼にさらなる棘を打ち込もうと。
――狙いは外した。でも斬ったって手応えはちゃんとある。 始祖吸血鬼も笑ってる。僕には相変わらずその理由がわからない。
このまま同じ狙いを繰り返していればその心臓に届くかな、いつかと言わず、すぐに、]
……っぐ、
[僕は伸びてきた手を右の手で、あわよくば斬り払いのけようとする。 けれど逆に右腕を掴まれた。――へし折られる!?>>93]
(104) 2014/02/22(Sat) 02時頃
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――これ、なんだと思う?
[自身の唇を指で少しだけ持ち上げる、 舌で触れば確実に違いのわかる感触は伸びた犬歯。 普段は大声など出さないから気づかれる事もなかった]
お前の血を飲みすぎたようでな、 もうここまで来てしまった。
[戦場で無茶をするたびに摂取していた聖銀水、 じわじわと蝕む始祖の血は体中を巡り 人間であることをやめさせるには十分で]
(105) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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……あ、や
[肩下から圧が掛かり、半身を押し上げられる。>>97 右手を酷く痛めている筈だから、捨て置いても良いんだと、 視線を向ければ、手首から先が見えない]
――――げほっ。
[腹の奥に気持ち悪さを覚えて、小さな咳。 口中に込み上げた血を、隠すために呑んだ。
背を押す叫びに、遠くを見るように――
瞬迅と駆けるリカルダの手には『菖蒲』、絆を結んだ者の銘。]
(106) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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[>>93リカルダへと預けた刃は始祖の心臓には届かず しかし腹を裂いて、その唇から新たな紅を零させる。
行動が遅れたのは──、 その場に新たに増えた声>>94に、 一瞬意識を奪われたから。]
リッキィ──!
[始祖の手が翻りリカルダの首に伸びるのを見て 絢矢は蹌踉めくようにまろびでる。
一直線に──。
今度こそ、始祖にトドメを。 決意と共に、膝に力を溜めた絢矢の前に、 その動きを遮るようなジャニスの背があった。]
(107) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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―聴こえぬ初音の―
……これは。
[キャロライナの身体をその場に横たえて身を探る。 緑のスカーフがあればと思っての事だが、ポケットの内には小瓶。手の内に収めて口許を拭った。]
……遠回りになってしまった。
っ、早く…
[骨が見えていたままの足に筋肉が纏う。 主の元へ。これなら疾く行けるだろうと。]
……?
(108) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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愉しいだろう? お前も?
[ジャニスの問い掛け>>102にも笑みは変わらず。 時折吐き出す血が増えてはいくが。
リカルダの首に手は伸びた]
やはり人を止めたか?
[徐々にリカルダの首掛けた手に力を込めながら、 ジャニスの牙>>105に目を細める。
その面白いというものが、満たさなければ、 間に合わなければリカルダの首を折ると瞳が語る]
(109) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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[邪魔にならぬようにと右腕を抑え、 両脚に力を入れる。
鬱金の主と、風が運ぶ強い血の香に 焦燥を隠せない。
何を踏もうとも、何を蹴飛ばそうとも。 速く、疾く。
共に在ると言ったのだから。誓ったのだから。]
(110) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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[やがて始祖吸血鬼は僕の首に手をかける。 今はじわじわって力をかけ続けてるけど、その気になったら。 僕が今度こそ残りの腕を落とす気で左の黒い刃を振るうより先に、僕の首をへし折るくらいの力はまだ残ってそう]
―――― く、
[早く、はやく。 絢矢でも明にーさんでもその白いコートの人でもいいから、こいつを]
(111) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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トルドヴィン、さまっ
[貴い名を呼ぶのを躊躇わなかった。 主の周囲に居る者の数は4であっても。
傍にと、駆けるのを止めはしない。]
(112) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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楽しくはないぞ、むしろ奪われてばかりだ。 選択肢も未来も望みもなにもかも。
[>>109逆に問われても緩く否定の首を振る。 語ってもわからないだろうけれど]
あとひと押しというところだ。 こうなったらもう、戻れないらしいしな。
[聖銀水を摂取しすぎて堕ちた隊員を何名か殺した事があるし、 いずれは自分も堕ちるだろうという予感はあった。 少女に見える吸血鬼の首を絞める様子に しかし知っている顔だとしても、 先の零留のこともあって制止はしない。 意識は人間のものと変わりがないのだとしても、 共存なんて夢は見れないのだから]
お前を喰ったら、世界が変わるんだろうか?
(113) 2014/02/22(Sat) 02時半頃
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[じわじわとリカルダの首を締め上げてはいるが>>111 アヤや柊が、勿論リカルダが動けば次の瞬間、 骨はへし折るつもりだった]
愉しく無い? それは 残念 だ それ は お前が 人間だからだろう?
[顔色1つ変えぬジャニスに、こちらも笑みを変える事は無い。 ただ流れる血の量に、眠ってしまわない様に 意識を保つ意味でも無意識にリカルダの首へと 力は込めていただろうが]
戻る気があったのか? 私を斃した後、 何処へ戻る気だった?
私を喰って、戻る場所の無い世界を棄てて 新しい世界へと 来るか?
(114) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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[切りかかったリカルダの首が捕えられる。>>114 まるで脅しのように掛かる手に、ここから跳んでも 今の傷では間に合わないと思えば、下手には動けない。
助ける機はないかと、 始祖と、三日月斧を携えるジャニスとが交わす声を、 焦がされるような心情で聞いていた。]
(115) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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[やがて、名を呼び駆け出る姿が現れたなら>>112]
零瑠、君……
[眉根を寄せて目を細める。 血に縛られた吸血鬼において、恐らく始祖の命は未だ有効。 守護隊を全滅させろ、という――ここには絢矢もいる。 名を宛て、宛てられた二人だから、 お互いの血を流し合う事は避けたいと思っていたのに。
そう、守護隊の。 円を背負っていたキャロライナは、どこへ行った――?]
(116) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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人間をやめたらコレが愉しいのか。
[誘われるようにふらり、足を進める。 しかし]
無論、人として戻るつもりだったさ。 始祖に心配されるとは驚きだな。
[>>114ああ、こいつは本当に人を誘うのが巧い。 今すぐ飛びついて甘受してしまいたくなる、 もう少し幼かったら、そうしてしまっていたかもしれない]
そうして第二のお前のようになると? 御免だね。
――だから断ち切るつもりだ。 輪廻の輪にも入らないようにな。
[三日月の付け根まで斧を深く握り直す]
(117) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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[――…ふわり。
―――浮遊する感覚。
――…ゆらり。
―――揺蕩う、意識。]
(+34) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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[死の間際。 望んだのは、全てからの解放。 …だから、この魂は黄泉路を逝くとばかり思っていたけれど。]
――まぁ、 そういうわけには、いかないよなぁ…
[抱かれたのは、昏き地の底でなく、朝焼けの空。
嗚呼、眼下で今、起こっていることの結末は、 自分が向き合わねばならぬこの終焉は、
これまでの行動、その罪に対する罰となり己を縛り責め苛むのか、 それとも希望を遺し、この魂の標、次への福音と生り得るのか。]
(+35) 2014/02/22(Sat) 03時頃
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止めなければ判らぬだろうな。
[やはり人間と鬼は相容れぬのだ。 一歩前に出たジャニス>>117に視線でそうだろう?と問い掛け誘う]
戻れるつもりだったとは驚きだな。
人にも鬼にも成らず、輪廻の輪からも断ち切るとは。 ではお前は何に成るのだろうな。
[三日月の斧を握り直す様子に、やはり傷が癒えるのは 早いと笑う。 断ち切られるのは、ジャニスか、それとも自身か。 血が流れ過ぎた。 もうジャニスを翻弄する動きは出来ない。
足掻くでも無く、詫びるでも懇願でも無く。 ただ、一度しか経験出来ないそれを愉しもうと目を離さない]
(118) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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[今まで散々逃げ続けた男に対する神の選択は、きっと正しい。]
…最後まで見届ける、責任が、あるよな。
[正面から向き合ってやれなかった弟、妹へ。 長く肩を並べ、共に闘ったジャニスへ。 もういなくなってしまった兄、姉へ。 憧れ、背を追い続けたあの人へ。
…そして、刃の届くことのなかった仇敵へも。
――それぞれに対する想いがある。 自分の行いと、それの齎す結果を、今一度見つめて。]
(+36) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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[遂に戦場に姿を現した獣の双眸に映るのは 総身を紅に染めた黄金の鬼に、 細い首を締め上げられる少女の無惨な姿。
嗚呼、――かの鬼は獣から 後、どれだけ大切なモノを奪えば気が済むのか]
(+37) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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[今、獣を駆り立てる衝動は、怒りでも憎悪でも無い。 この足を動かすのは、金色の呪縛から逃れるため、捨て去ろうとしていた願い。
『囚われた家族の自由を取り戻す』
だから、斃すためではなく、 リカルダを奪い返すため、獣は――周は、黄金の鬼の元へと疾駆するのだ]
(+38) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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――――……
[始祖吸血鬼と白いコートの人が何話してるのか、聞き入る余裕もない。
ただ、左手に握った黒い刃の小太刀――『菖蒲』を、絶対に離さないように、って。
それだけを強く、――強く、思って**]
(119) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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[獣となって叫び続ける弟の、魂の慟哭が戦場を駆ける。
儚く忘れ去られようとする弟の呟きが耳元を吹き抜ける。
結ばれることのなかった二人の、幸せを願う声がぽつりと響いて。
既に消えたかに思われる弟妹達の、魂の声は他にあっただろうか。]
[始祖を倒さんと最後の力を振り絞る一団を認めれば、 その結末を見守らんと、上空から幾らか寄り、]
………。
[決して目を背けることなく、全てを。 それがどのような結果になろうとも、受け入れよう。
あぁ、それでも。 願わくば、そこに一欠けの希望が遺らんことを――]
(+39) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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私は私のままだ、何にもならんよ。 お前だってそうだろう。
[>>118ヒトと吸血鬼のまま、平行線をただ続ける]
なんだ、死すらもただの余興か? それでは何故吸血鬼という存在があるのだ。
[ただ消費されていっただけの命がどれだけになるか、 考えたくもない量の死体が今日も転がっている。 こんなことで人の数が戻るのかと疑問視したこともあった]
(120) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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地に落ちればあっけないものなんだな。 ああでも少し話せて良かったか。
[>>112始祖を呼ぶ声が聞こえる、 そんな名前だったのかと今更知ることになった、が。
もう少し聖銀水の効果を実験したかったが時間も無さそうだ、 少なくとも始祖のことはまだ殺したいままだったし、 操られるような効果も無いようだ。 今後堕ちる前に留まる人材があれば良い戦力になるだろう]
これも楽しかったと、言うことになってしまうのか。
[始祖の心臓を一突きにせんと三日月斧を突き出した]
(121) 2014/02/22(Sat) 03時半頃
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[名を呼ぶ聲>>112が聴こえる。 視線を向けずとも、失った部位は再生したのだろう。 律義な事だと、ジャニスとの話の途中だと言うのに 浮かぶ笑みは少しだけ色を変えた]
吸血鬼の存在? そんなもの知らぬな。 それこそ人間は何の為に存在する?
人間同士で戦争と興亡を繰り返し、管理されなければ 勝手に滅ぶ種類だと思っているがな。
[意義など考えた事も無い。 ただ人間がいるから吸血鬼は存在し、 鬼が生きる事を赦しているから人間は生きられる。 それだけは変わらぬが]
(122) 2014/02/22(Sat) 04時頃
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愉しいだろう? 届かぬと思っていた高見の者を、その手で潰すのは?
[突き出された三日月の斧の刃>>121。 リカルダの首に力を込め掛けたが、血を失い過ぎたか リカルダの身体はずるりと地に落ちる]
ふん。 手に持てぬほど、育ったか。
[視線をリカルダに落しても、明けた筈の世界は薄暗く 見通す筈の視界も、針が落ちる音も逃さぬ耳も 爆発し、死んでいく基地の音を遠くに聞いた]
(123) 2014/02/22(Sat) 04時頃
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………悪くない。
[心臓が潰れれば、全身を駆け巡る灼熱。 記憶の中で一番鮮烈な体験に、全身を紅く染めた 金の鬼は最期まで口元に笑みを浮かべていた**]
(124) 2014/02/22(Sat) 04時頃
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知らぬだと? では何故……人を殺すのだ。
[>>122初めに間違えなければ共存の道もあったかもしれないと 思ってしまうのはまだどこか甘さが残っているからか]
滅びなどしないさ、人間は。
[どんなことになっても生きることには それこそ劣悪な環境ですら執着すれば生は繋がる]
楽しいわけがあるか。 やはり意見は合いそうにないな。
[例えば訓練して技が身につく、上官を倒せる。 強さを実感する、実践で功績を挙げる。 そういった達成感とは別物のこれは なんと名づけたら良かったのか]
(125) 2014/02/22(Sat) 04時半頃
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……最悪だよ。
[>>124笑みを浮かべる姿から三日月斧を引き抜く。 真っ赤な体液に塗れた月はあの笑みに似ていて だからだろうか。
一筋を指先で拭って舐める、 聖銀水とは比べ物にならない濃度が体内に侵食してゆき 完全に人の理からは外れた、ようだ**]
(126) 2014/02/22(Sat) 04時半頃
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