22 共犯者
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>>+94 うん、終わりそうだよね。 ……ね。 どうなるんだろう。
[オスカーの疑問は、自分も先ほど考えたもので…。 オスカーの隣に腰を下ろし、村を見下ろした]
今までは、村を守る代償に儀式が行われてたんだよね? …なら、少なくとも次のお祭までは平和なんじゃないかな? …でも、その次はどうなんだろう…その次も…またその次も…こうやって続いて行くのかな…。
[そう呟いたホリーの表情は、何処か悲しげだっただろうか]
(+97) 2010/08/11(Wed) 23時頃
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……そういうことになると思います。
[ふと緩い笑みを浮かべ、風の流れる方を見つめる。]
私には、帰る場所もありません。もしこの取材を終えて本国に帰ったとしても、私の心はここにあらずでしょう。
それに、あなたは私をどこかに連れて行くことなどできないでしょう?たとえ私があなたの信奉者となったとしても、私の身はヒトのまま――…ヘクターのように、私はあなたの横を歩き、「同胞」と呼ばれることは、未来永劫ないでしょう。
――…いいえ、私は誤魔化してはならない。
この血と肉を。 沸騰しそうなくらいに熱く煮えたぎるそれを。 月が満ちているうちに、あなたの中に取り入れて欲しいのです。
あの時ヘクターが、マーゴさんにしていたように。 ――…余計な感情は、要りませんけどね。
[すっと右手を差し出し、ヴェスパタインの双眸を見つめた。]
(95) 2010/08/11(Wed) 23時頃
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>>+95 「御使い」は既に死なれて……。 酷いことをおっしゃいますのね。
[身振りで村人たちを差し。]
皆信じますわ。きっとまた長い間信じていくでしょう。 これだけの人が死んだのですもの。 家族や、友人や……。
[死者の森に響いたあの声は、生者には届かなかったのだろうか。 ふとそう思えて、最後の単語を飲み込んだ。]
それとも……私たちが、貴方に酷い重荷を負わせていたのかしら?
(+98) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[ すう、とひとつ大きく息を吸った。
『それ』は暫し瞑目し――再び目を開けた時には、月の黄金に輝く瞳は蠱惑を湛えて煌いていた。]
(96) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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― 広場 ―
[大人の理不尽さを語るテッドにこくこくと頷く]
気にしてもしょうがないけど…… やっぱり如何見えてるのかとか気になってしまうのよね。
[個として見られる事より肩書きで見られる事の方が多かった。 それでも望まれる姿であろうとそれなりに努力してきたから 結果が伴うか如何かが気になっていたようだ]
一年もすれば…… うん、そうだと嬉しいな。 一年後の私、大人っぽくなってるのかな。 でも一年後のテッドもきっと大人びて見えるね。 ……一年後も、その先も、こうやって話していたかったね。
[失われた先の話にはやはり未練が滲む。 それでも今こうしてもう一度話せたのだから、と 納得しようと思う自分もいて複雑な面持ちとなる]
(+99) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[ 口唇が艶冶な微笑の形を刻む。 差し出された手に合わせ、重ねるように手を伸ばし、招く。 言葉は無い。 ただ、誘(いざな)う――ここへ来い――と。]
(97) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[一歩、また一歩、イアンは「かれ」の方へと近づく。 それが「死」への旅路であることは分かっていても、なお。]
あなた。
月が、綺麗ですね。
――…今宵は、いちばん、綺麗です。
[深い深い金色の目を見つめ、肺のあたりから熱い溜息を吐き出した。]
(98) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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>>+98 [パピヨンに指し示された先を見、 自嘲めいた笑みを浮かべる。]
俺は信仰の無い儀式に苛立っていた。 我らを忘れた人の子に 儀式を遣り遂げ、我らの意志を示す。 それが目的だった。
我らが姿を見せずとも、人の子だけで、 それを思い出して欲しくて、な。
(+100) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[かつて彼は言った。 彼が本当のことを言っている時は、いちばん嘘をついている――…と。
では、今こうして、満月の下で無言劇を繰り広げている時はどうなのだろう?かれは嘘をついているのか、或いは――]
(そんなことは――…どうでもいいことです。)
[そして、「かれ」のヒトならざる逞しい肉体に、己の胸が合わさる程までに近づき、イアンは目で告げる。
時は満ちた、と。]
(99) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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記者 イアンは、「かれ」の手を、ぐっと握った。
2010/08/11(Wed) 23時半頃
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>>+97
村を護る代償に……。 そう、だね。次の祭まで、村は、平和に……
[そうであればいいと思う。 そうでなければ、ならないと思う]
続いて行くのかな。 でも、もう……今はさ、昔じゃないんだよね。
[ホリーの手に己の手を重ねようと、腕を伸ばした]
残ってるミツカイサマは……どう、思ってたの、かな。
(+101) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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>>+98 重荷…か……。 いや、我らも汝らに重荷を背負わせていたのだろうな。
(+102) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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―広場―
マーゴは大人に混じってがんばってたから、余計に気になるんだろうなあ……
[しみじみと、幼友達>>+99をねぎらうように言葉を紡ぐ。 まだ見習いだから、と目こぼしされてた若者よりは、よほど立場的にも大変だっただろう、と解らないなりに推測して]
一年たてば、きっといろいろ変わってたはず、だよなあ。
うん……そうだな、生きて、こうやって話していたかった、な。 まあ、しょうがないん、だろうけど。 御使いがほんとうに居たんだし……俺だって、人を殺したし、な……
[明るく話していたけれど。 未来がないことにはやはり、暗さや苦さや未練がにじむ。 考えても仕方がないことだけど、と肩をすくめるのは考えたくない若者の癖だった]
(+103) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[ かつて「ヘクター」と呼ばれた同胞にしたように。 ほんの一夜前、彼を差し招いたように。
腕を広げ、イアンを待つ。 自らの内に招き入れるために。
『それ』もまた、うっすらと開いた唇から欲望に濡れた熱い息を吐いた。]
(100) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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>>+100 貴方がたがおられなければ、私たちのどこが、森の外の人々と違いましょう。
ああ……きっと私、今貴方に酷いことを言っているのでしょうね。 でも私たちは、何の変哲もない人間なのですよ。 その時々の迷信や流行の言葉を信じてしまうような……。 自分の愛する人のことをしか、考えないで生きてしまうような……。
[軽くうつむいて微笑する唇の形は、ヘクターと同じ形にゆがんでいる。]
(+104) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[ 彼の手を握り返し、腕を引いて抱き取る。]
イアン、お前が欲しい。
お前を、喰らいたい。 お前を、丸ごと、くれ。
[ 待ちかねたように、擦れた声で囁いた。]
(101) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[ 胸を合わせ――深い、深い口接けを。]
(102) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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>>+101 …そうだね。
[伸びてきたオスカーの手をそっと握る]
昔のままじゃない…。 でも…ソレは私たちだけじゃなくて、ミツカイサマも…ミツカイサマ自身も、そうなのかも知れない。 だって、何十年も儀式は行われてなかったんだよ? もしかしたら、ミツカイサマも世代交代したかも知れないし…。 …なんでいきなりまた始まったのか…これからどうなって行くのか…ソレはわからないけど…。 もしかしたら、なにかが変わったから、今回再び儀式が行われた…のかも…。
(+105) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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[首を仰け反らせ、完全に満ちた月を見上げる。 逞しくもなく、神秘的なものでもなく――ただ人間の形をしているだけの肉を、「かれ」の御許に差し出す為に。
月が滲み、視界の中で大きくなる。 そう――昨晩かれに侵入された、あの時のように。]
(103) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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テッドもテッドにしか出来ない事を頑張っていたでしょう? ん、気になってしまうのは、もう癖なのよね。
[困ったように幼友達>>+103に呟いて]
少しずつでも変わっていければ素敵だったのにね。 しょうがない、かぁ……。
[結局、御使い様が何を思い何をしたかったのか知らない。 知れば納得できるのかと言われれば微妙な所なのだけど]
私も、ね。 別の誰かを殺していたかもしれない。 いつも守り刀を持っていたし、 殺したくないとは思っていたけれど 生かす為に殺す事を何処かで受け入れていたから。
[何時かのようにテッドの手へと自らの手を伸ばして 自分も同じなのだと小さく告白した]
(+106) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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>>+104 …そうだな。 人間とは、実に弱く、実に強い存在だ。
[今はそれも良く分かる。]
我らも数が減り過ぎたのだ…。 その理由は貴女ならすぐ解るのではないか? 村にも外からの血が随分入った。
[エデンの園から、ぐるりと村を見回し、パピヨンにそう呟いた。]
まさか、 あの英国人が此処まで関わってくるとは思わなかったがね…。
(+107) 2010/08/11(Wed) 23時半頃
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(願わくば、この痛みを、この恐怖を――書き留めておきたい。けれどそれは叶わぬ希望でしょう。
今こうして、私の身ひとつに刻んで、私個人の「痛み」に昇華して、それで全てを終わりにしよう。)
[深い深い口接け。 それは、この世で最後に刻まれるであろう、柔らかな悦楽。 これから与えられる、痛みを伴う快楽の前に味わう、甘い甘い美酒なのだ。]
(村に残る人々は、私が「遺した」記事を読む人々は、きっと私のことを「狂人」と呼び、後の世まで揶揄することでしょう。
けれど私は――…それでいいのです。 この悦楽を、この熱を、私の身ひとつで独占できる。 それは誰にも与えずにいよう。 そう――…これは私だけのもの――…)
(104) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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[大樹の傍から見える光景に何時の間にやら 村長夫人とヘクターの姿がある。 その傍には供物台――また誰かが其処に寝かされるのだろうか。 厭な考えが過り娘は柳眉を寄せた]
――…優しい村にしたかった。 今より少しでも笑顔が増えて 優しい人が哀しまずに済む村に……
[娘の想いを継いで呉れる人は居ないだろう。 それが残念だった]
願わくば……、泣いていたあのこが 笑っていられる村でありますように。
[ピッパの死を悼んでいた純粋な少女。 守る為なら傷付ける事を厭わぬと言った娘が 彼女のしあわせを望むのは滑稽だろうか。 矛盾を抱えながらも娘の願いは変わらずにある**]
(+108) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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>>+105
[死んでも、そこに重ねられた手のぬくもりを感じた。 確かめるように、そっと瞳を閉じて]
……そう、なんだよね。 何十年もやってなかったのに、どうしてこんな事になっちゃったんだろう。 今まで、……そりゃ、ミツカイサマにしてみれば、何十年なんて短い時間なのかもしれないけどさ、でも、僕達人間にとってみれば、何十年っていったら、結構長い時間じゃない?
外の世界じゃ、色々大変だっていうしさ。 でも、村は……儀式なんかやらなくても、上手く行ってて……
[そう思いこんでいただけなのかもしれないけど]
変わったとしたら、何が変わったんだろうね。 ……外から、あの人が、来た、から……?
[ただの思いつきを、ぽつり、漏らした]
(+109) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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双生児 オスカーは、儀式の行方を見届けるべく、その双眸は真っ直ぐに――**
2010/08/12(Thu) 00時頃
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>>+107 英国人?
[それは……死者として過ごす間に、薄れかけていた記憶だった。]
ああ……。 彼はまだ生きているのですか? ……そう。さっき、姿を見たような気もしますね。
貴方以外にも御使いがおられるなら……森から出ることはできないでしょうか。 彼には、悪いことをしてしまいましたね。
(+110) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/12(Thu) 00時頃
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我らは確かにこの森に在り、 人の子らを愛し、この森を駆け、護っていた。
それだけを、憶えて―――。
[ああ、月が満ちてきた……。 「最後」の巡礼者に、どうか祝福を。]
(+111) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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墓荒らし へクターは、真円となる月を見つめ、彼は誰を想ったか――**
2010/08/12(Thu) 00時頃
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>>+109 わからない…。
[重ねられた手に、もう一方を重ね、オスカーの肩にもたれかかる]
もしかしたら、今まで村がうまくいってたのは、ミツカイサマが守ってくれてたからなのかも知れないし…そうじゃないかも知れない。 なにかが変わったから儀式が行われたのかも知れないし、そうじゃないかも知れない…。 …なんにしても、私にわかるのは…私たちに出来るのは…。
[す…と、オスカーと同じようにまっすぐに村を見つめ]
…ただ、見守ることだけ…。
(+112) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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―広場― がんばれてたのかな。そうだったら、いいな。
[癖だという幼友達>>+106にそっか、と笑みを向ける]
起こってしまったことは受け入れるしかない、って親方がよく言ってたしな……
[死んでしまったことを受け入れるしかない。 殺したことを受け入れるしかない。 御使いがいたことも――受け入れられるか、ととわれると微妙だと若者は思う。 マーゴの告白を聞きながら、伸ばされた手を、幼い頃のように握り返して]
そう、だな。 人を殺せる道具を持っていった時点で受け入れてたんだな。 でも、やっぱり、守るために、使いたかったな。 殺すためじゃなく。守るために。
[かなわなかった願い。それを小さな呟きとして吐き出し。 幼友達の視線の先>>+108をみて、口をつぐむ。 次に、あの祭壇に乗るのが、誰なのかと考えて、祈るように、瞳を閉じた**]
(+113) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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[「ミツカイサマ」を嫌いなのかと、教会でヴェスパタインに問われた事があった。
自分の大切な人、好きな人が誰かを殺めていたら、ともいいかけていた。]
──イアンは、ヴェスが「ミツカイサマ」でも、ヴェスの事が──?
[だったらいいな、そう思わずにいられない。]
(+114) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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[ ――……そうして彼は、自らを灼き尽くす情欲と食欲の軛を解き放った。
イアンを組み敷き、下肢を押し開き、肉の剣で貫き、抉り、打ちつけ、掻き乱し、逃れることも許さず徹底的に蹂躙する。 愛撫する口唇と肉を噛み裂く牙は手を携え、彼の全身を朱で染めた。
『それ』はイアンの肉を二つながら貪る――生贄たちにそうしたように、だが、もっと時間を掛けて、快楽と苦痛の時を引き伸ばすように。]
(105) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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>>+110
そうです。 彼は、村の秘密を知ってしまったのですから。
[と、思い出したようにささやいた。]
(+115) 2010/08/12(Thu) 00時頃
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