25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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まだ離れたくないから。かな。
[虎鉄の呟きには小首を傾げて。 答えながら、ああと思った。
言われたではないか。去年の夏の祭の夜にと。 友も、自分より此岸に近く見えても。
既に彼岸の側にある者なのだと]
少しでも長く感じていたい。 痛くても、この想いを。
(+95) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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記者 イアンは、虎鉄がついてくるのには不思議そうに首を傾げたが。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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[―――…触れる、]
…私を喰らえ…、…霞…。 …高嶺の名を…全て喰らえ…
元の…1つの月に 戻ろう…。
[渇望していた言葉を紡いで、 半身が望むままに また、1つに交わった。]
(163) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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……え?
[言葉の意味を理解しかねて眉をよせて]
夜光が……側に……? ……幸い、だなんて……俺は [ゆるく首を振り]
(164) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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そんな貌しぃへんといてや。
[離れ穏やかに見詰めた先が見せる表情に、眉尻を下げる。 酷くしとうなる―――何度か謂った言葉は続かない。 その言葉代わりに、互いにかかる糸と糸を絡ますように、指と指を交わらせた。]
―――……朧様の、望みは
[ロビンの表情を見て 「なんや、かあいらしい貌できるやんか」 と、裡で呟いた後、絡めた糸2つが繋がる先に想いを馳せる。]
(+96) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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なんや、判った気ぃするわ。 違うかも、しれへんけど……――――
[鵠と情を交わしたくなるのを耐えたのは、 朧の行く末を見守らんとしたため。
彼の人の望み――尋ねられても曖昧に微笑むのみ。 尋ねる頃には、もう、望みの切片、窺うこともできたか。 想うが正しいか、見、聴き、識ろうと、窺う対岸の世界。
――絡めた指にそっと*力を込めた*]
(+97) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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……主さまは 真顔で恥ずかしい事を仰る。
[息止まった身であるのに、未だ小細工が出来る不思議な場所 文字通り絡め取られた身はすっぽりと腕の中]
仕置きでも 下さるものなら何でも嬉しいですよ?
お陰で、先刻の重い気分が薄れました。
[視線は幾度か現世に。 夜光が向こうへかける言葉に、一つ頷いた]
――…少しでも長く 嗚呼、恐らくは皆
(+98) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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[伝えた友の声に、遅れて気づいた。 その事実に、瞳歪めたまま小さく微笑む]
夜光を――花として、 求めてくださったのでしょう? 良き主に求められるは花として、とても幸福なこと。
……あなたが夜光の花主であらば、 どうぞ、よき主であって下さいませ。
[刷衛に友の笛を、とせがんで、 適うならその黒き笛を――夜光を、天満月の手に託す。 形見は生者が持つものなれば]
私はこれを手にすることは、出来ませんので。
[儚く微笑う]
(@38) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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執事見習い ロビンは、手妻師 華月斎の視線に気付くと、唇の端を持ち上げて蠱惑混じる眼差しを送った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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…えぇ。 分かたれて産まれたことがあやまちならば、
あるべき姿に、ひとつに戻ろう。
[求め求められ、重なる躰。 月の見えないこの夜に、白い身体がひっそりと咲く。 その肩へとそっと歯を立てて、赤は果汁が如くに散る。]
(165) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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−本邸廊下−
[虎鉄はイアンの視線にそのあとどうしたか。 狼はというと、ただ見上げて、あとは好きにしろとばかり 尻尾をゆらりと振っただけなのだが。
扇にも短剣の鞘にも、施されているのは螺鈿の蓮。 黒き塗りの中にあって蓮の花の色を思い起こすに似た色の丁寧な作り。 それを自分の手ではない手が持っているのは少しだけ不思議だった。
黒い狼の鉄色は、じっとその姿を眺める。 気付けば足元は既に空気に透けていた。 この生が本当に終わろうとしているのが解る。 それでも、狼は彼の行く末をただじっと眺めていた]
(166) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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[あぁ、何故… 心も体もこんなにも満たされていくというのに、 胸の奥が張り裂けそうなほどに痛い……]
(167) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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[ぱちん、と素人目に見ても 綺麗な細工で施された蓮の紋が入った鞘に収め 懐に扇と共にしまいこむと また、本郷の身体を抱え 今来た道を戻り、一度尋ねた本郷の部屋へ向かう。
蓮畑でもあればそこへ寝かせることを考えたのだが ないから、蓮の匂いが香る部屋へと]
(168) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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…おぼろ、…おぼろ…… [その熱き血潮を啜りながら、はらはらと溢れる涙。]
我らが最初から…一人であれば、良かったのに…
(169) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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ちょっと外の空気吸ってくる。 大丈夫、すぐ戻るから。 刷衛か明が来たら散歩だって謂っといて。
謂っとくけど 自殺とかしたりはしねーから 心配しないで?
[ひとつ寝たからか 優しさが在るからか 辛く苦しい中で それでも揺らがぬ唯一の約束 使用人へと謂いつけて 少し重い身を引き摺る]
―B棟から本邸への廊下―
(170) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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[密やかなる場所に聞こえるは二つの荒い息遣い。 喰らう獣と、喰らわれる獣が、 零す声は艶やかなものだけではなく。 暴くのは白い肢体だけではなく、その本性まで。]
[裂かれるたびに滴る果実は白の花を赤へと染めて。 喰らわれていく痛みを噛み殺す憂いの黒檀は、 それでも喜びを伝えるかのように涙を零すと
赤い手で、白い頬を撫ぜ]
(171) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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― 本郷の部屋 ― [本郷の部屋にたどり着くと 既に死後硬直の始まった身体を そっと寝台に寝かせられる方向に寝かせて。]
……ごめん、ちょっと……失礼……
[先程しまった短剣を取り出し その髪を二房、削いで切った。
この件が無事に終わったら、一房は親族へ もう一房は……託された邸宅にあるであろう蓮畑へ]
[着物の見えぬところを切った白布にそっと包んで 懐にしまえば、最後にもう一度だけ その頭を撫でて、そっと部屋を後にした]
(172) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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記者 イアンは、本邸に向かう道すがら、珍しい髪色を見かける
2010/08/09(Mon) 01時半頃
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―――…かすみ…
[痛みが 遠のく…残るのは、 望み叶い、満たされたという 喜びだけ。]
(173) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時半頃
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[白い肌が映えるのは、灯火の下だけではなく。 鮮やかな返り血に染まっていく、その姿がおそらく一番映える。
積年の渇望を満たすように、息を荒らげてその肉を貪る。 それでも別れが惜しいのか、心の臓と顔には手が出せぬ。
血の気の引きゆく片割れの肌は、己の白い肌と同じ色。]
(174) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時半頃
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―――…おぼろ…
[見つめ合えば、きっと鏡写しの笑顔。 血濡れた唇で、血の気の失せた唇を彩る。]
(175) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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……生きろ……
[朧月が己が死を望む姿ならば、 目の前の月はその対なる位置にあるはず。
―――痛みはもう感じることがない。 だから、穏やかに笑って そう言えていただろう。]
(176) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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― 廊下 ―
……月瀬………?
[白い服、淡い色の髪が夜の闇にぼんやりと、 青年はその姿に声をかける
ああ、そういえば、彼は…… どうなのだろう?獣の種は彼の中にあるのだろうか?]
(177) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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[夜光の声。長く。 その思いは変わらず。
いつまで――]
思いを口にするのに、恥ずかしいことなどありはせぬ。
ふむ、嬉しければ、仕置きにはならぬ。 ……。
この手を離してしまうのは仕置きにはなるか。 でもそれは、約束を違える事。
それに、私が困る。
[絡めた指で、花の細い指をなぞる。その一本一本を軟くほぐすように。 思い浮かんだ仕置きは、すべて自分に跳ね返るのだと気づいて、一つ苦笑を浮かべた]
(+99) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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―廊下―
………。
[煙管に刻み煙草を詰めて 身に、子に悪いと知らぬ故 吸い込み吐き出す紫の煙 まだ桜の色をした髪が やはりふわりと風に揺れ]
外もあんま いい空気じゃねーな。
[血生臭い ぽつりと呟く姿は 紅い眼の男に 映るだろうか]
(178) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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[狼の鉄色の瞳は、自分を部屋へと運んでゆくその後ろ姿を 色硝子の光の落ちる廊下でただじっと見ていた。
もう、自分の時間は追いかけているだけの余裕はない。 逝かねばならないと己の姿が伝えている。
狼の姿は揺らめいて、人の姿へと変わる。 もしも紅色の花がその姿を月瀬の向こうに認めることができたなら
きっと穏やかな表情で何かを口にして 幻は色硝子の光の中でするりと───消えた**]
(179) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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[その身体がもの言わぬ果実と成り果てたのは、何時か。 滴る雫全てをも、その半身へと明け渡して。]
[脳裏で滴り続けていた水音も、
もう、聴こえない。**]
(180) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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…あ、……あぁ、ッ!
[爆ぜる白、爆ぜる赤。 彼の灼熱をその身で受け止めながら、一思いに心の臓を握り潰した。]
(181) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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……その笛、夜光の……
[黒の笛をそっと受け取り、夜光の髪と同じその色の表面を撫でて]
……ありがとう……
[それは夜光へ向けてか、明之進へ向けてか、刷衛へ向けてか。それともそのすべてだったかもしれない]
(182) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時半頃
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[最後に耳に届く言葉。]
されど、もう決めたのです…。 ひとつになった月は、共に沈むのだと…
愛しい雛鳥を迎えに行って、共にそちらへ旅立ちます。
(183) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時半頃
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イアン…? 随分と酷い姿だな。
[かけられた声に振り向いた 夜にぼんやり浮かぶ姿は 独特の艶在る佇まい]
………。
[何か話すかと眼が誘う]
(184) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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欲しいものは、全て手に入れたから。
わたくしに、未練などもうありませぬ…。
(185) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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[長く何時まで居られるか 人ならぬ身故に思う事はあれど]
慎み深い方だと思っていましたが ……死して新たな一面見られるとは。
[薄く微笑んで其れを隠す]
手を離されるのは、何より恐ろしい。 主さまを満たせなくなってしまう。
[指先が遊ぶ感覚に時折吐息落としながら 浮かんだ苦笑に首を傾いだ]
(+100) 2010/08/09(Mon) 01時半頃
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