104 路地裏の因果律
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少
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全
タバサに1人が投票した。
ヴェラに1人が投票した。
グレッグに2人が投票した。
ヘクターに1人が投票した。
グレッグは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
現在の生存者は、コリーン、タバサ、ヴェラ、ヘクターの4名。
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―― 墓地 ――
[小屋の門戸を叩く。 こつこつ、こつこつ、と二度三度。 しかし返る声は無い。 静寂と終焉の匂い。強烈な孤独。 そんなものがゆっくりと背筋を撫ぜていく。]
ヨーランダ
[名を呼んでみる。 あまり仲の良い相手では無い。 母の葬儀の時に、少し世話になった程度だ。 掲示板を通して知った名を、呟いて。]
(0) 2012/10/23(Tue) 01時頃
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…
[門戸を手でそっと押した。 鈍い音を立てて開いた先に広がる光景。 簡素な部屋と寝床に横たわる女と飛散した血液と。 口を半開きにしたまま立ち尽くした。 数十秒の沈黙。]
は、
[乾いた呼吸。 口から入り込んだ血液の匂い。 母の記憶が蘇った。 病床で血を吐き絶えた母の記憶。 重なる頃には足が縺れるように前へ出ていた。]
(1) 2012/10/23(Tue) 01時半頃
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よ、
[名を呼ぼうとした。 床に放られていた紅い靴が視界に入るが、 それよりも目前の彼女へと足は進む。 彼女の体にそっと、震える指先を伸ばす。 触れればそれは既に生命を許されない温度。 自然と涙が溢れた。]
ヨーラ、ん
[下唇を噛み、俯いた。 指先にこびり付いた血液。 落ちた視線の先も紅に塗れた両足が見えた。]
(2) 2012/10/23(Tue) 01時半頃
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…
[動かない彼女の体を揺すった。 脳裏を過るのはあの時と同じ光景だ。 人の死を"知った"時と同じように。 揺り篭を優しく揺らすように、ゆっくりと。]
う
[けれど戻らない事は知っていた。 悲しいのだろうか。解らない。 辛いというよりも、痛いというよりも。 ただそれが虚しくて仕方が無かった気がする。]
(3) 2012/10/23(Tue) 01時半頃
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ああああぁぁぁあぁぁああああぁぁぁ……
[絞り出すような悲鳴。 小さな叫びは静寂の中へ少しずつ溶けていった。 腰が砕け、その場に崩れ落ちる。 座り込んで涙がぽたぽた落ちるのを見下ろした。]
ふっ、ゥ、あぁ、 ……ッ
ぐ
[瀬戸際もやがて決壊の時を迎えてしまうのだろう。 元々、そう何度も失う事に耐えられるほど、 強い心を持ち合わせてなどいなかった。 本質は、彼女の死というよりもそこに重ねた 母の死を繰り返し味わった事によるものだが。]
(4) 2012/10/23(Tue) 01時半頃
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[視線がぐらり天へ昇る。
小さな天井を見上げながら静寂に溶けていく。
微かな風の音が心地よい。
口を開けっ放したままもう何も考える事は無かった。]
(5) 2012/10/23(Tue) 01時半頃
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――――、ス・キ鼬菅ソ・沍――――・ヒ・ヲ・ヒ??・
[少しずつ少しずつ――。 解けていく声と思考。
側には血液に塗れた深紅の靴が*横たわっていた*。]
(6) 2012/10/23(Tue) 01時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2012/10/23(Tue) 01時半頃
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─ 自室 ─
[サイドテーブルの引き出しを開ける。 裸の紙幣が数枚。全てポケットに押し込む。
そして引き出しの奥には、布に包んで仕舞ってあった古いナイフ。 6年前、それで初めて人を殺した。 今の仕事をやるようになってからは、凶器を持ち歩くような事はしなくなっていたが。
くるんでいた布を外してベッドの上に放る。 バックル付きの革製の鞘に収められた刃は、引き抜くと錆ひとつ浮かせる事も無く。 それを確かめて、ズボンの腰に下げると上着で隠した。
他に持ち出すような物は何も無い部屋を見渡して、ふと、目がクローゼットに止まる。
だが、その前に向かう事は無く身体を返すと部屋のドアに向かった。]
(7) 2012/10/23(Tue) 02時半頃
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[──まずは。 あいつを探し出す。 少しでも様子がおかしければ、あいつから片付ける。
予定とは大幅に狂うが、小さな綻びが産まれた懸念がある今は迷っていられない。
男は一人、路地裏を急ぐ。
だが、“仲間”だった相手が、すでに自分の手が届かない場所へと至った事を男が知るのは、少し後の事になるだろう。**]
(8) 2012/10/23(Tue) 02時半頃
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《生きてゆくことの》 《さよならの砌》 《希うならば》 《柔らかな終焉を》
[ぽつりぽつりと歌を紡ぐ。 足取りは墓地の方へ。 親友へ手向ける花はないけれど 何かに追い立てられるように そちらへと向かわなければならないような気がして]
(9) 2012/10/23(Tue) 19時半頃
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《心を縛る暗闇に》 《壊される砕かれる》 《平坦な日常に飽いたなら》 《出来立ての羽根で飛んでみたかった》
[いつかは墜落するのは分かっていて、 太陽の熱は残酷に蝋を溶かしていって それでも、それを知っていても 飛びたいと思ってしまうのは何故だろう]
(10) 2012/10/23(Tue) 19時半頃
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―― 道端 ――
[何故、死んだのか。 その理由は分からなかった。
ぼうやりとした紫水晶は 襤褸布の様に転がった屍体を唯見下ろし]
……グレッグ
[小さく名を呼んだ。 その褪せたような血色は ヨーランダの血だっただろうか、それとも 死んだ青年のものだったのだろうか。]
(11) 2012/10/23(Tue) 19時半頃
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……わからないわ
[遺体に手を伸ばすけれど、触れる直前で止めた。 死は許されざる罪であると歌ったのは自分。 それならば此処に存在している亡骸は 罪人のものなのだ。]
ごめんなさいね
[少しだけ躊躇うように亡骸を見つめたけれど 今の自分は不思議と、酷く無慈悲な存在で そう、襤褸布のような亡骸を、 儘、その場に置いて行くことを ――選んだ]
(12) 2012/10/23(Tue) 19時半頃
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[そのまま墓地へ至る道への歩みを再開し]
本当にわからないものね。 いつの間にか巻き込まれている。
抑々この路地裏に居着いていることが 間違いだったのかもしれないけれど……
[後悔はなかった。 ただ心中にあるのはぼやけたヴィジョンだけ]
メリッサだって悪いの 私を置いていくから こんなに寂しい思いをさせるから
[薄くシニカルな笑みを浮かべて。 墓地に辿り着くと、親友の墓前で佇んだ]
(13) 2012/10/23(Tue) 19時半頃
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―― 墓地 ――
《昔、ベツレヘムの馬宿で生まれしイエス様は…》
[神の詩をうたうことになんの意味があっただろう、 平等も奇跡も何もないこの裏路地の世界で それでも神に縋ろうとしているのか。 滑稽だと歌を途中で止めた。]
神様なんていないの。 いるのは人間だけ。 みんな、同じ人間なの。
同じ人間なのに、 憎みあって、殺しあって 醜いいきものだわ。 それが受け入れきれないから神に縋るのかしらね?
[死者に問うても返答など無い。ただ虚無感だけが残る。]
(14) 2012/10/23(Tue) 20時頃
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[墓地に白クモがうろついている。 普段は綺麗にされた場所なのに そんな些細な疑問が管理小屋へと視線を向けさせた。]
……ヨーランダ?
[ぽつぽつと管理小屋の方へ向けて歩き出す。 扉が開いたままだ。 そっと覗きこんだ。]
(15) 2012/10/23(Tue) 20時頃
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―――…
[虚ろな瞳が惨状と化した室内を映す。 紅い飛沫は既に黒くなり始めていたか。 ゆらり揺れる瞳がベッドに寝かされたヨーランダと 名を知らぬ女性が座り込む姿を捉える位置までくれば 流石にぞくりと寒気がした。]
貴女が ……やったの?
[問うように呟くけれど 女性は最早此方の声など聞こえていない様な素振りで。
誤解を招くには余りに容易な状況だった。 この女性が墓地へ向かうのを見た。 道中でグレッグが死んでいた。 目の前には死んでいるヨーランダがいる。
女性は既に自我を失ったような ―――殺人者だ、と。]
(16) 2012/10/23(Tue) 20時半頃
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なんで
[通じあって居た筈なのに、 一つの言葉もくれなかった彼女を 自身が知ることなど不可能で。
教えてくれればよかった。 悩みがあるなら言って欲しかった。 私にはその聲を聞くことが、できた。
だけれど彼女は何一つとして 言葉を返さなかった。]
なんで
[泣くのを我慢するような笑みを浮かべて 女性の肩に手を置いた。 ――寂しかった。]
(17) 2012/10/23(Tue) 20時半頃
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― 路地裏・バー ―
[カウンター席で一人、残り少なくなったグラスを前にして男は最後の選択を考えていた。 金貸しはそろそろ店を閉め、階上の自宅に戻る頃だろう。 汚れ仕事はグレッグに押し付け、自分は店に忍び込み金を盗み出す手はずだったが。 半日かけてもグレッグを探し出す事は叶わなかった。
ここまで来れば、間違いない。 裏切られたか、あいつ自身が、ヘマをしてしまったか。 どちらかだろう。
邪魔者はすべて消すなら。 ――後、残るのは誰だ?
二度と汚すつもりの無かった、自分自身の掌を見つめ、自問する。]
(18) 2012/10/23(Tue) 21時半頃
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[バーの壁にかかる時計を見上げる。 ヴェラと時間の約束は交わしてはいなかったが。
グレッグの行方が知れぬ今、男はどうすべきか迷っていた。
金は諦めて、あの金貸しの息の根だけを止めて逃げるか。 それとも、その猶予さえ残されていないのであれば、一刻も早くこの街を出るか。
それで、例え追われる事になろうとも。]
(19) 2012/10/23(Tue) 21時半頃
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[煙草を銜え、マッチ箱を掌で弄びながら宙を眺める。 長い間、そうして考えていたが。 ふと、名を呼ばれて顔を上げる。 顔見知りのごろつきが一人、そこに立っていた。]
「珍しく暇そうだな。」
[冷やかす言葉に、関心薄げに視線を逸らし煙草に火を点けようとした時。 相手が指先でとんとんと肩を叩いた。 煩げに目を向けた際、耳元で囁かれる。]
「グレッグ探してんだろ?」
[その言葉に、一時動き止む。 相手の顔がにやりと笑った。]
「あいつなら見たぜ。今月の利息、ちっとばかりまけてくれんなら教えてやってもいいが。」
[そう言って下衆に笑う相手の顔を、男は暫く無言で見据えた。]
(20) 2012/10/23(Tue) 22時頃
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ヘクターは、短く幾つか言葉を交わした後、相手は男の元を離れた。
2012/10/23(Tue) 22時頃
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[バーへと進む道。
疲労の色濃い顔で、どこか満足そうに。 闇夜を、真新しい鍵をたずさえて**]
(21) 2012/10/24(Wed) 07時半頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2012/10/24(Wed) 07時半頃
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