56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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[緑騎士団の団長へも報告を恙無く終る。 城門へ戻る近道をしようとして遠くから目にしたのは。 刃を交えるイアンとオスカーの姿だった。]
…、僕は 貴方のそういうところ、すごく尊敬している。
[聴こえるはずもない位置で、そう呟く。 イアンの姿は、遣りどころのない仲間の感情を昇華するために胸を貸しているように見えた。 刃を交えるという形で。 イアンは強い。 しかし、それ以上に、優しいのだと、少年は思っている。]
僕も、強ければ…
[目を細めて、しかし声をかけるような無粋なことはせずに、そのまま立ち去り、城門前へと引き返した ―――伝書鳥の亡骸を迎えに]
(30) 2011/06/29(Wed) 21時頃
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―礼拝堂― [砦には、動物の亡骸を葬る場所がある。共同墓地のような簡素なもの。 新しい、鳥の身体が収まりきるだけの小さな穴をスコップで掘ると、亡骸を埋めた]
……ごめんな
[手を合わせ、暫くの間、祈る。ややあってその場を立ち去り、礼拝堂に向かった 礼拝堂でも、同じように、今度はロザリオを握って祈りを捧げた。]
僕が強ければ、
[イアンのように、武力に長けていれば]
頭がよければ、
[オスカーのように知見が広ければ]
殺させずにすんだかもしれなかったのに…くそッ
[少年は、神の御前で己の無力を悔いた]
(32) 2011/06/29(Wed) 21時頃
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―砦内 廊下― [しばしの間、言葉少なに祈る。 任務によって散った小さな命が、神の導きによって新たなる世に生まれ、幸せであるようにと。 終えると立ち上がり、礼拝堂を後にした]
あ、あれは
[廊下を歩いていると、前赤騎士団長の子息の姿が見えた。 前赤騎士団長がなくなってからは暫く、姿をみかけることが稀か、見かけても沈んでいる様子が多かったが、今は少し気分が良さそうに見えた]
お久しぶりです、ベネットさん。 貴方の馬、寂しがってますから、たまには乗りにきてやってください。
[すれ違い様、立ち止まって普段の明るい笑みを浮かべてそう挨拶をした。]
(39) 2011/06/29(Wed) 22時頃
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[足をとめたベネットに労われれば、頬を掻いて笑みを向ける。 ベネットの他人を労わる穏やかな人柄は、話していてほっとする。 武人らしからぬ優しい気性の彼が、前騎士団長の子息であるということでかかる期待をどう思っているのか―――心配だった]
ふふ、こんな時にまで僕の心配だなんて、ベネットさんは。 ありがとうございます。 ここの所、馬や鳥たちも神経質になっているけど、僕は大丈夫です。 硝煙の臭いが、風乗ってくるから…
[ふと不安が過るが、すぐに顔をあげた]
ベネットさんこそ、今日は気分が良さそうでよかった。 何処に行かれるんですか?
[少年は嬉しそうに言った]
(45) 2011/06/29(Wed) 22時半頃
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[見張り台と聞いて、少年は空を思う。]
生真面目ですね。 一緒に行っていいんですか? 行きます!
[伝令役から報告の仕事を依頼され、厩舎の世話は別のものがやっているはずだから、急いで帰ることもない。 見張り台に行くというベネットにつき従うように歩く]
伝書鳥が、一羽落とされてしまって。 さっき、埋めてきたんです。 伝令の事がとても大事なのはわかるんです。 でも、……すみません、変なこと言って いい天気ですね
[見張り台への階段を上り、空が近づくと、ぽつりぽつりと少年は零した。 しかし、途中で口を噤んだ]
(52) 2011/06/29(Wed) 23時頃
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[見張り台の上から見る地には、戦の気配が満ちていた。 少年は、空を見上げる。 鳥の亡骸は地に埋めても、魂は空を舞っているに違いない。 いつかムパムピスが説いてくれた教えを思い出す]
伝書鳥は何羽もいるから… 特別ってわけじゃあないんですけど。 でも、あいつらも僕たちの仲間で、任務の為に命を落としたんです。 僕くらい、顧みないと、報われないです。
[寂しそうに少し笑って、空を見上げて目を細める。 発つ鳥を見送るように。 それから、ベネットの方を向きなおる]
すみません、ベネットさん、辛い時だってわかってるのに。 僕は甘えてばかりだ。 ベネットさんは、―――大丈夫ですか?
[心配そうに、ベネットを見上げた]
(59) 2011/06/29(Wed) 23時半頃
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[大丈夫じゃない、というベネットを真直ぐに見つめる]
ファーレンハイト様と、ベネットさんは別の人間です。 確かに、その、こんなことを言っては失礼かもしれないけど… ベネットさんに、ファーレンハイト様のような力強さは、ありません。 でも、ベネットさんの穏やかな人柄は、皆を安心させる力があると、思います。 僕も、動物たちも、そういうベネットさんが好きなんですよ。
[自信を失っているような苦笑に、つい熱く拳を握って語っていた。 少年自身、有事の今は統率者には力が求められているのだろうと思う。 けれど、それは決してベネットが立つことを否定するものではなく、彼が志を決めるのならば、応援したいと思った]
(73) 2011/06/30(Thu) 00時半頃
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[ベネットの僕なんかと自身を卑下する様子にそんなことはないと言いたげな顔をしながら、 しかし続く言葉を聞いて、少年は考える]
ベネットさんには、ベネットさんの良さがあって、それは誰にも代わりはできないんです。
でも、ベネットさんが今戦を前にして自分より相応しいと思う人がいるのなら… 貴方を推す人に、それを説いて、その方に統率を託して支えていくんじゃ、だめなのかな。 難しいことは、よくわかんないけれど… ベネットさんが考えている事、皆に話して皆で考えたら、良い方法が見つかるんじゃないかと思うんだ。
[寒くなってくるが大丈夫かと聞かれれば、大丈夫ですと返す。 しかし、厩舎への報告にはそろそろ行かなくてはならないだろう]
はい、そろそろ厩舎へ戻らないと ベネットさん、 …あまり、無理しないでくださいね、…なんて言える状況じゃないのかもしれないけど
[そう言い残し、その場を辞した]
(87) 2011/06/30(Thu) 01時半頃
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[厩舎に戻ると、班長に今日はもう休んで良いと言われた。 伝書鳥の件を聞いたのだろう。 熱心に動物の世話をする少年を気にかけてのことだった。 言われ、再び礼拝堂へと向かう。]
ムパに…ムパムピス神父はどちらに?
[聞けば、墓所の掃除に行ったと言われただろう。 礼を言って、墓所へと向かった]
ムパ兄、其処―――… ファーレンハイト様の?
[彼の掃除している墓所を見て、言った]
(93) 2011/06/30(Thu) 01時半頃
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フィリップは、イアンとオスカーのこの時の様子を口外する気はない。
2011/06/30(Thu) 01時半頃
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うん… お祈りをしてもらいたくて
[鳥の墓の祈りを頼める神職など、馴染みのムパムピス以外に居なかった。 しかし、其れを口にする前に、墓標の名を見て先ほどのベネットとの会話を思い出さずにはおれなかった]
……ファーレンハイト様はさ。 なぁんで、後継者を言っていかなかったんだろ ベネットさん、すごく悩んでた。
[墓石をまじまじと見て、ムパムピスを見上げた]
(99) 2011/06/30(Thu) 01時半頃
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[話もできぬほどの急逝だったと聞けば、そうかぁ、と呟いた。]
…僕はさ。 イアンさんもベネットさんも、二人とも謙遜してるけど、どちらも素晴らしい人だと思うんだ。 ダブルヘッド、とか駄目?
[冗談めかして言った。 それから、ムパムピスのローブの裾を少し引き、動物たちの埋葬地のある方を指す]
あのさ、… 鳥が一羽死んだんだ。 ちゃんと迷わず空を行けるように、祈って貰ってもいいかな
[少しだけ、少年は寂しそうに笑った。**]
(107) 2011/06/30(Thu) 02時頃
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―夕刻 墓地― [名もない鳥の為に捧げてくれる神父の穏やかな祈りを聞いていると、漸くじわと涙が滲んだ。 ぐじ、と其れを乱暴に袖で拭うと、口を引き結んで小さな体を埋めた塚を見つめた。 それから、倣うように祈ると、空を見上げて言った]
お疲れ様。ありがとうな。 これからは、どこにだって好きなとこ、飛んで行っていいんだからな!
[神職に祈って貰う事で、鳥の魂も迷わずに済むに違いない。 そんな想いが、少年にひとつの区切りをつける。 葬儀はいつだって生者が前を向くための儀式だ。 悲しいけれど、悲しんでばかりいられない。]
うん…。 ありがとう、ムパ兄! …ムパ兄が思ってるより、皆ムパ兄に救われてるんだよ。
[戻ろうと促され、頷いた少年の表情は普段の明るい笑み。 どうにも謙遜が過ぎる人の多い砦の中、その中の一人であるムパムピスの背をぱしっと叩いたのだった]
(167) 2011/06/30(Thu) 22時半頃
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―厩舎― [班長から休んで良いとは言われたものの、動物たちの顔が見たくなって厩舎に戻る。 だから、赤騎士団の団長や副団長が決まったこと、緑騎士団の休息命令のことはまだ知らなかった。 ミッシェルとペラジーの姿を見つけて瞬いた]
あ、ミッシェルさんと、ペラジーさん。 アモネスに会いに来てくれたんだね。 よかったな、アモネス。
[嬉しそうにしている白馬に目を細めて、少年も嬉しそうにした。]
ペラジーは、その荷物、なんだい?
[ペラジーの持っている荷物を見て首を傾げた]
(168) 2011/06/30(Thu) 22時半頃
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[改まって礼を言うミッシェルに、手を振って慌てる]
ど、どうしたんですか、急にそんな、改まって! はは、これが僕の仕事だから。 お礼を言われるようなことじゃないですよ。 でも、この子たちの世話をちゃんとできてるって認めてもらえてのことなら、嬉しいです。 ありがとうございます。
[少年は明るく笑ってそうこたえた。]
(187) 2011/06/30(Thu) 23時頃
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[ペラジーに鞄を渡され、両手でそれを受け取った。 中を覗けば、手作りの包帯や薬。]
わっ、と。 あっ…! ペラジーさん、いつもありがとうございます!
[鞄を抱えて、深深と頭を下げる]
すみません、物資の数には入ってない所を遣り繰りしてもらって。 よかったな、お前たち。 僕も、何かペラジーさんのお手伝いができればいいんだけど。
[馬は特にその脚を負傷し立て無くなれば、殆ど生きていけない。 負傷する時は軽傷か致命傷かほぼどちらか。軽傷の馬に使うことになるだろう。 それでも、動物たちも騎士団の一員としてこうして手当の心配をしてくれることが嬉しかった。]
(197) 2011/06/30(Thu) 23時半頃
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[オスカーが訪れたことに気づき、挨拶をする。 先ほど会った時よりもどこか晴れやかな表情に見えて、ほっとした]
お疲れ様です、オスカーさん。
[愛馬の元へ行く様子には、嬉しそうに目を細めた。 主に会えて嬉しくない馬はいない。さぞ喜ぶだろうと。 そうして、イアンとベネットのことを聞けば、目を見開いた]
そうですか、イアンさんが団長で、ベネットさんが副団長に! 嬉しいなあ。お祝いが出来ないのが、残念です。
[イアンも、ベネットも、悩んでいたことを思い、少年は安堵の表情をした。]
(201) 2011/06/30(Thu) 23時半頃
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[>>198くすりと笑うミッシェルに微笑み返す]
非戦闘員の皆も、騎士さんたちが頑張ってくれているから安心していられるんですよ。 それをいうなら、お互い様です。
[>>203ペラジーに草むしり、と言われれば頷いて]
そういうのなら、大得意! まかせといてよ。 一人じゃ結構大変だもんな、草むしり
[明るく言う少年だが、次に暇になる時は、いつなのだろう、とふと思う]
早く、戦いが終わるといいな。
[始まってもいないのに、前夜の緊張感はすでに戦の気配が濃厚で、そんなことを漏らす]
(209) 2011/07/01(Fri) 00時頃
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[>>211オスカーからも礼を言われ、やはり慌てて手と首を振った]
いやだな、オスカーさんまで。 皆改まってお礼だなんて、止めてくださいよ、縁起でもない。
[戦が始まれば、無事でいられる保証はない。 そんな予感を払拭するように、少年は笑った]
確かに、赤騎士団の方の方が血の気が多い気がします。 頼もしいことですね。
[>>216 伝書鳥が落とされた場所まで、と聞けば表情を曇らせ]
それなんですが… 先程、見張り台の上から見たとき、時折人影が見えました。 十分に、気をつけてください。
[恐らく敵の斥候だろうことは想像に難くない。]
(222) 2011/07/01(Fri) 00時頃
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[>>218 これから頑張ろう、というミッシェルに、頷く]
うん、頑張ろう。 …生きて、帰りましょうね。
[ぽつりと呟く。 ベネットに伴われ、見張り台から見た敵の数。 それは少年に楽観視を許さなかった >>217ペラジーの同意に頷き。]
終わったらさ、ご馳走つくって皆でパーティしよう!
[殊更明るく、そう言った]
(226) 2011/07/01(Fri) 00時半頃
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フィリップは、オスカーを気を付けて、と見送った
2011/07/01(Fri) 00時半頃
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