73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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― 自室→食堂 ―
ん、あれ。卵嫌いだっけ
[問い返した言葉にはごまかすような言葉ひとつ>>0:220。先に行って、と言われれば反対する意思も意味も特にはなく、そのまま部屋を出た。いつものように年上とはいえ馴れ馴れしく触れた髪の柔らかさを思い出してどこか落ち着かない気持ちを腹の底に見つけた。どうしようもないまま、サイラスに追いつかれて、そのまま食堂へと連れ立って。
クラスメイトと思しき男の元へいったサイラスを見送って、食堂の隅っこで食事をとった。知らぬ顔も見知った顔も同じくらいいる食堂。クラスメイトなど、気兼ねなく話せる顔はなく、黙々とスプーンを口に運んだ]
(36) 2011/12/23(Fri) 04時頃
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[喉を通り抜けていくご飯と一緒にどこか甘い――薔薇の香りが漂っていることに少年は気づかなかった。急いで、誰の邪魔もしないように皿を空にして]
…えーと
[首を巡らせれば先ほどまでいたと思ったロバートが既にいなくなっていて。命令することに慣れた彼のこと、特に否やを唱えずにとりあえず言うことを聞く少年のことは、おそらく道具くらいにしか思っていないだろうと少年は感じていた]
いない、なら…
[吹雪はやんだだろうかと食器を下げて食堂を出た。ほとんど自覚することもなく薔薇の香りを追いかけて廊下を進み]
(37) 2011/12/23(Fri) 04時頃
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[再び、中庭に面した窓辺で足をとめた。細く窓をあけてふ吹雪と一緒に薔薇の香りを引きこんで
他人がどう思ってるかは分からないが、自らの思うよりもずっと、自分を表現できないこの声を、心を戒めるように、軽く胸を*叩いて*]
(38) 2011/12/23(Fri) 04時半頃
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― 廊下 ―
[瞳を強く瞑り、胸を抑えて。ひゅ、と喉が鳴ったのは冷気のせいか。暫しの後睫毛を震わせながらそっと開けば、いつの間にやら吹雪はやみ、月光が少年を照らしていた。もう少しだけ、と窓を開き]
あ…
[強まったその香りに誘われるように、窓枠を乗り越えて中庭へと降り立った]
ぃたっ
[華麗に、とはいかなかった。枯れかけてささくれだっていた木に袖をついとひかれ、ボタンを持っていかれてしまった]
(78) 2011/12/23(Fri) 14時頃
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― 中庭 ―
[正規のルートを辿るよりも、色んな所にひっかかるとはいえすぐに香りの元へとたどり着けただろう]
う、わ
[赤い、紅い炎の如く咲き誇る薔薇。 思わず手を伸ばすけど、けして触れはしない。一度触れたら戻れなくなる。舐めるような小さい炎ですら、痛みは確実に残るのだから]
(79) 2011/12/23(Fri) 14時頃
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[薔薇の花言葉を教えてくれた人が、いた。戯れに捧げられたそれを受け取ることは、できなかった]
寒い…
[開いた袖から覗く細い手首を、もう片方の手できゅ、と握って、近づいてくる人影に目を向けた。それは3人連れだったか、それとも銀髪を揺らす少年だったか]
(81) 2011/12/23(Fri) 14時半頃
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あ、先輩たち…
[左手を手首から離して、小さく頭を下げた]
雪、止みましたね
[薔薇が普段どの季節に、どの時間帯に満開を迎えるのかはわからない、知らなかった。変だな、と少しだけ感じても脳髄がとろけるような香りに視線はふらついていて。薄着のままに世間話のような切り口で声をかけた]
(83) 2011/12/23(Fri) 14時半頃
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あ、いえ、その
[断ろうとして、けれど思ったよりも冷えていた身体は上手く動かずにレオナルドの上着はそのまま少年の肩へかけられた]
なんでも、ないです
[視線から逃げるように俯いた。香りに酔って、引き寄せられて、一人では動けなくなりそうだったから、とても有難かった。 けれど、上着の礼すら言葉にはならず]
(88) 2011/12/23(Fri) 15時頃
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カル…カルヴィン・クライトンです。
寒い、そうですよね 先輩たちも寒いし
[ベネットの言葉には小さく笑って、それはきっと見えなかっただろうけれど。常連とは言えないけれど、図書室の場所は知っている、その程度の少年はベネットも、元生徒会長であるレオナルドも、ジェフの同室であるヴェスパタインのことも、顔と名前が一致する程度には知っていた。彼らも薔薇に誘われてきたのだろうか、とのろのろと顔をあげ、薔薇に手を伸ばすものがあれば少しの羨望とともにそれを見つめていただろう]
(92) 2011/12/23(Fri) 15時半頃
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戻ります。
[上着を脱いで、内側についてしまった雪を簡単に払い、レオナルドに差し出した]
……じゃ
[受け取ろうとしなければ、上着をそのまま肩にかけるようにしてレオナルドに無理やり返し、その場を後にしようと、乗り越えてきた窓へと向かい]
(93) 2011/12/23(Fri) 16時頃
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[窓枠に膝をかけて、廊下に戻る。振り返って中庭にまだ誰かいれば、いつもの挨拶。小さく頭を下げて、口の中だけで感謝の言葉を紡ぐ]
…ありがとう、ございました
[嘘をつきたくない、嘘にならなければいいから、感情が揺さぶられた時はあまり言葉を紡ぎたくなかった]
(94) 2011/12/23(Fri) 16時半頃
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[振り返ればそこには先ほどまでなかった人影が。 名前は知らない、言葉も交わしたことがない。ただ、時たまロバートと話しているのを見かけたことがあった]
どうしたの
[眉を寄せるその表情に、少しだけ怯むも窓を閉めながら問いかける。薔薇の香りを締め出すように、力をこめて。その音は廊下に響いた]
(96) 2011/12/23(Fri) 17時頃
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薔薇が、咲いてたよ
火みたいで、血みたいで 綺麗だった
[手を広げて目の前に掲げる。触れられなかった指には傷ひとつなく、冷えて青白くなっているくらいだった]
皆あの薔薇に惹かれるんだよ、きっと
[手をそのまま窓にぺたりと貼り付けて、もう一度空を見上げた**]
(98) 2011/12/23(Fri) 17時半頃
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[相手に返すように名前と学年を口にして、今更ながら目の前にいるのが先輩であることに気がついた。中等部生に見えたわけではなかった。基本的には先輩と思っている相手には丁寧な口調で話しているけれど、でもこのままでいいと、不思議と思えた]
うん、またね
[ひらり手を振ってセシルを見送った。その間も窓に触れた手は冷えるばかりで、その温度の変化だけが時間の経過を教えてくれた。
ひとつ、ふたつ瞬きして、なんとなくセシルと反対方向を選んで一歩踏み出した]
(217) 2011/12/24(Sat) 00時半頃
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[何処に行こうか、と考える。食堂を後にする際、耳に飛び込んだ甲高い音がよみがえってきた。少しぼうっとしたところのある同室者は怪我でもしなかっただろうか。彼の周りに人が沢山集まっていたから、特に戻ることはしなかったし、気に留めていたつもりもない、けれど。
言い訳めいたことを考えながら足は勝手に医務室へと向かい、それに気づけばまた無意味に角を曲がり、目的地を決めなければ!と立ち止まった所で鮮やかな色彩が目の端を通り過ぎ
とん、と柱との間をつめた]
あ、の
[名前は知らなかったけれど、肩にのせた鳥が持つ"赤"が薔薇を思い起こさせて。元々見かけるたびに触ってみたいと思っていたから、声をかけてしまった。彼がどう思っていようと、あの色彩は、どうにも目立つのだ]
(225) 2011/12/24(Sat) 01時半頃
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えと。ううんなんでもない、です。
ただ、それ
[肩にとまる鳥を指差して]
触ってみたいな、って思ってたから。 薔薇と同じくらい真っ赤で
[薔薇、と口にすれば馴れたと思っていた香りがよみがえってきて]
(228) 2011/12/24(Sat) 01時半頃
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[軽く食まれた指の痛みは、棘に触れるのと似たようなものだったか。飼い主(と少年が認識している)の言葉は痛みを伴わずに、それでもまっすぐに飛んできて]
拒絶されるよりは、きっと
[薄く笑みすら浮かべて問い返すように首を傾けた。彼はどちらを好むのだろうか、と。そして指していたのと反対の手は、赤に触れようと伸ばされて]
(233) 2011/12/24(Sat) 01時半頃
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……うん
[思ったよりも柔らかな羽を撫でながら、笑みは消して、でも確かに頷いた。相手が、彼が少年に苛ついていることはわかっていた。最初から、わかっていた。わざと、というわけでもないが。好きになるのも、好かれるのも、面倒で、怖いのだ。
それでも拒絶されるよりは、触れてくれと、願ってしまうのが弱さで]
(238) 2011/12/24(Sat) 02時頃
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ねえ 触るの嫌ならさ
[つい崩れた口調、「やらなければいい」と続けようとした口は、一度結ばれて、右手は羽毛から離された]
俺が触ってあげようか?
[もう一歩、隙間を埋めるように踏み込んで頬へと手を伸ばす。冷え切った指は、かすかに震えていた]
(245) 2011/12/24(Sat) 02時半頃
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ね、目閉じていいの?
[わざとらしい含み笑いのような声音をつくるは、多分出来心。怯えを滲ませた綺麗な翠が隠されたことに不満を感じて、ほんのすこし踵をあげ]
本当は 俺なんかに触りたくないんでしょ
[嫌がらせのように頬に噛みつこうと、口を開いたまま顔を寄せて]
(250) 2011/12/24(Sat) 03時頃
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[姿勢を崩した彼の頬には、薄く血が滲んでいただろうか。視界にうつる赤が記憶の中のそれか、現実のものなのか判然としない]
俺もわかんない、よ
傍に行けないのに 寒いから 誰か、傍にいてよ
[わめき声は虚勢をはがし、少年の声はすがるようなものに変わり けれど頬に伸ばされた手は噛み痕を抉るように爪をたて、引き寄せた]
(256) 2011/12/24(Sat) 03時半頃
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あんたがさ、選ぶ立場にいればいいんだよ。
捨てられたなら、あんたが捨てればいい。
[言葉とともに指の力は強くなり、より痛みを与えただろう]
俺、は
[そうしてきたつもりだったけれど。くらくらする。薔薇の香りが全てを覆い、また露にして]
ごめん、なさい
[指を離し代わりに唇を寄せた。気がつかれたら逃げられるだろうけど、これだけは絶対、嫌がらせではない**]
(258) 2011/12/24(Sat) 04時頃
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[最後に触れた頬の柔らかさを思い出すように僅か血に染まった右手で唇に触れ、赤を舐め取った。視線は一人と一羽が逃げ出していった廊下の先へ]
もう、捨てたくないんだけど な
[痛みを与えないように、最初から強い感情の伴う関係は避けて。けれど。もっと知りたいと願う人が]
いる、とは ううん
[緩く首を振った。最後まで考えるには、香りが強すぎて。彼にも、また会えたらもう一度謝ろう。出来れば薔薇の香りの届かない所で、そうして、そうして――どうする?答えは出ないまま、暖かい所に行こうと歩き始めた。廊下は、庭の見える廊下は寒すぎる]
(309) 2011/12/24(Sat) 13時半頃
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― 談話室 ―
[たどり着いたそこには思った通り誰もいなくなっていて、ただ静かに暖炉の中でちろちろと揺れる火が此方を見ていた。特等席のソファにぽすん、と座って身を縮めた]
さむ…
[暖かい所に来たからこそ、身体は震えて落ち着かない。なんだか、おかしかった。今誰かと会えば、何を口走るかわからない。 そのくせ、誰が来るとも知れない此処にいる。矛盾を抱えたまま瞬きを繰り返して]
(315) 2011/12/24(Sat) 14時半頃
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カルヴィンは、フィリップの瞳を思い出して**
2011/12/24(Sat) 14時半頃
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[うとうとしていたのか、人が入ってくる気配に目を覚ました。縮こまっていたせいか、此方には気づいていないようだ。一息ついた彼の洩らした言葉とその声で、誰なのかわかれば、首を伸ばして背もたれから顔だけ覗かせるようにして、声をかけた]
マシュマロ、持ってこようか?
[部屋にあったかどうか覚えていないが、調達くらいはできるだろうと]
(344) 2011/12/24(Sat) 15時半頃
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― 談話室→食堂 ―
…うん、待っててね。
[跳ねるようにソファを下りて、談話室を出た。食堂の隅っこでお菓子が売ってたような、と思い出して。 目当てのマシュマロだけじゃなく、シーツにくるまったお化けのような姿も発見した。髪も翠も見えなくても、鮮やかな片割れがいれば、誰がいるかは自然と知れて。買ったばかりのマシュマロの封をあけて、一人と一羽のふたつ、鳥の近くにそのまま置いておいた。その間、息を潜めてそーっとやったから、薬で眠ってる彼は気づかなかったかもしれない]
(350) 2011/12/24(Sat) 16時頃
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― 談話室 ―
[途中、缶コーヒーも自分用に買って、談話室へと戻る。途中小走りになったせいか、息があがって、ついでに入ってきた瞬間]
――ふぇっ
[変な音をたててくしゃみまで出た]
あ、焼くものが、ないや
[少年には経験がないが、焼きマシュマロは串のようなものがないと暖炉ではできなかった気がする]
ごめん なさい
[肩を落として、けれどマシュマロは差し出した。封があいているから先に食べたと思われるかもしれないけれど隠さずに]
(351) 2011/12/24(Sat) 16時頃
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えと、ごめんなさい マシュマロは今買ったんだけど…
[お詫びがわりに置いてきた、と言おうとして鳥を連れた彼の名前がわからなかった。おいでよ、の声にはうんと頷いてソファ近くの床に座り込む。マシュマロを渡して、缶コーヒーをあけて、暖炉の火を見つめながらこくり、と一口飲み込んだ。
ロバートは、言動がはっきりしているから、傍にいると楽だった。どうすれば嫌われるだろう、とか考えずにすむ。言われたことだけやればいい、そのうえたいしたことは言われないからいつも頷いて言うことを聞いていた。
ちらり、と見上げた彼は温もりと珈琲に気をよくしたのか満足そうに見えた。
珈琲と燃える薪の香りが、薔薇のそれを消してくれる気がして、ほおと一息ついたのだった]
(354) 2011/12/24(Sat) 16時半頃
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[ロバートがマシュマロを食べる手が途切れてから暫く、談話室内を見渡して誰かが置いていっただろうブランケットを彼の膝にかけた。目が覚めたらきっと怒られるだろうからその前に取り除かなければいけないけれど]
え っと 串探してくるね
[珈琲はなくなってしまった。薪の香りにもとうに慣れている。残るはあの、香りだけ。ぽかぽかとぬくい暖炉の前でじっとしていると変な気分になりそうで、頭を冷やそうと、小さい声を一応かけて廊下へ]
(369) 2011/12/24(Sat) 19時半頃
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[そういえば、と談話室に置き忘れていた着替えを手に、シャワー室へ向かった。晩御飯を食べてからどれくらい経っただろうか。眠いような気もするけれど、眠りたいとは思えず。
談話室で暖まったからか、廊下で吐く息は白く、響く足音は少しずつはやくなって]
(372) 2011/12/24(Sat) 21時頃
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――へくしっ
[今度は割合まともなくしゃみが出た。といっても、シャワーを浴びたばかりなのに、風邪でもひいただろうか、と生乾きの頭に載せたタオルをがしがしと。
シャワー室には誰もいなくて、身体を洗うついでに熱を少しだけ、吐き出してきた。寮生というのは面倒なものだ。本当に一人になれる時間があまりとれない。そのうえ――]
…うー 風邪薬、もらってこようかな。
[着替えの際にポケットから出てきた最後のはちみつ喉飴を口に放り込んで冷たい廊下を進む]
(376) 2011/12/24(Sat) 21時頃
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― 医務室 ―
[開いた扉の中には思ったよりも人がいて。ベッドにも誰かいるようだ。やはり寒いと体調を崩す者が増えるのだろうか。目の前で風邪薬と思しき物が渡されるのを見てちょうどよかった、と順番待ちの姿勢。そして見覚えのある黒髪に声をあげた]
あれ、オスカーも残ってたんだ?
[中等部の生徒は、家族が恋しいのかやはりほとんどの生徒が家に帰ってしまう。少年も昨年まではそうだった]
(386) 2011/12/24(Sat) 22時頃
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好き、か
[自分はどうだろう、と考えて咄嗟に浮かんだのは「嫌いんなれない」という曖昧なもの。タオルをとり簡単に髪を撫でつけて]
今度談話室で遊ぼうな?
[簡単なカードゲームなどは揃えられた場所だし、暖かいから皆集まる所。オスカーの同室者が誰だかは知らないが、人の多い所ならば寂しくはないだろうと]
あ、先輩。俺にも風邪薬もらえますか?
[髪を濡らしたままねだるものではないけれど]
(392) 2011/12/24(Sat) 22時頃
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あ、はい。クリスマス…
[談話室にあったツリーを思い出す。誰もいない部屋でぴかぴか光って。かえって寂しくなってすぐに背を向けたけれど。セレストから薬をもらえればタオルを肩にかけるようにした。うっかり新しいカーディガンを持ってき忘れてシャツ1枚だったことを思い出せば、もう一度くしゃみして]
(400) 2011/12/24(Sat) 22時半頃
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うん、お菓子食べたりしてなー
[オスカーのまっすぐな黒髪を撫でようと手をのばす。目の前の会話には、努めて表情を変えないようにして。モリスは、サイラスの友達だ。食堂で見かけた仲良さそうな二人を思い出す]
ん、大丈夫か?
[同じ会話がオスカーの胸にも何か落としたのだろうかと窺うように]
(413) 2011/12/24(Sat) 23時頃
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ん、そか。
[交わされる会話。結局モリス自身の考えはどうだったのだろうと思っても、聞くことはせず。オスカーの頭を撫でていればセレストに急かされて]
じゃあ、俺は上着とってこなきゃ。
[ありがとう、とセレストに一礼してオスカーはどうするだろう?と視線を向けた。彼が残るのならば手を離して、そのまま医務室を出ようと]
(426) 2011/12/24(Sat) 23時頃
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カルヴィンは、モリスの謝罪には首を振るだけだった。
2011/12/24(Sat) 23時頃
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ん、またなー
[医務室を出てオスカーとも別れ、少年も自室へと戻った。空っぽな部屋にシャワーを浴びたばかりだというのに震えガ走り、柔らかなカーディガンを着込んで髪に櫛を通せばそのまま、飛び出すように部屋をあとにした]
(454) 2011/12/25(Sun) 00時頃
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サイラス、どこ行ったのかな…
[談話室をそうっと覗いてロバートがまだ眠っているならばまた退出して。先ほど(いつかは…もうわからないが)まで吹雪いていたとは思えない空を見上げた。 誰もいない廊下。いつもこうやって、空を見上げている]
あ れ
[茂みの奥、薔薇の木があるだろう辺りに見慣れた金色を見た気が、した]
薔薇に惹かれてるのかな
[唇を一度噛んで、窓をそっと開けた。濃厚な香りが流れ出す]
(462) 2011/12/25(Sun) 00時半頃
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