276 ─五月、薔薇の木の下で。
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(……安心できる、か。 なんだか、やっぱり、嬉しいな)
[フェルゼの夢見が悪かった時のこと>>0:258までは知らないながら、こう言われたことは素直に誇らしく思えた。 赤らんだままの頬を微かに緩めながら、廊下の先を行く。**]
(241) sakanoka 2018/05/26(Sat) 23時頃
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花売り メアリーは、メモを貼った。
sakanoka 2018/05/26(Sat) 23時頃
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[寮内の空気は冷える程でなくとも、涼やかさが紅潮を冷ましていく。薔薇の匂いももう遠い屋内、階段の踊り場で一度立ち止まった。]
(オスカー先輩が何処にいたのか、とか ユージン先輩に聞いておけば良かったな……)
[自室を訪ねるのが一番かとも思ったが、肝心のその場所を度忘れしてしまっていた。 屋上への抜け道だとか、丁度この踊り場だとか、そういった場所は初めから頭にないまま。思い当たる場所を掴めない瞳が、階段の先を見詰める。]
(251) sakanoka 2018/05/27(Sun) 14時半頃
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[あの時フェルゼとの間で起こったことから目を背けて、ただ「僕の所為」とばかり言い張って>>1:237。 しかもそんな一方的な謝罪を、彼の友達である――ただ、そうとだけマークには見えていた――ベネットが言伝を頼まれてくれたのをいいことに、フェルゼに近しい人の縁に頼るという形で人任せにして>>1:289。 そんな堂々とできなかった己の臆病さは、未だに浅ましく思えた。
だから伝えることは人任せにしたくはない、と。自分の口で、はっきりとオスカーに言い切らなければ、と。 今はもう迷わない想いを胸に、彼を探していた。 向き合おうと思った理由は、けれど、それだけではなくて――]
(252) sakanoka 2018/05/27(Sun) 14時半頃
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(先輩、なんで僕のこと、 ずっと見ててくれてたんだろう)
[最後に爪を立てながらも、確かにこれまでを見届けてきたことを示す言葉>>3:44>>3:45>>3:46。 それがフェルゼとの間にある自分を視界に映してきた目だったのか。それとも、背の伸びきった自分だけを純粋に見詰めていた瞳だったのか。 きちんとした答えなんて得られないかもしれなかったが、それこそ問い質すだけ問い質すくらいの「資格」はある筈だ>>3:196。]
(253) sakanoka 2018/05/27(Sun) 14時半頃
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[階段を登り切った先、脚はなんとはなしに廊下の窓のもとへと向かう。そこは丁度、昨日オスカーが中庭を見下ろしていた場所>>0:93。 硝子を開け放てば、初夏らしい花の香りの淡さが鼻を擽り、心を満たす。]
(こんなふうに庭を見たことって、 あんまり無かったかもな。 ……あの人にはどんな風に、見えてたのかな)
[窓の桟に腕を載せ、まだ長いままの髪を風に靡かせた。**]
(254) sakanoka 2018/05/27(Sun) 14時半頃
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花売り メアリーは、メモを貼った。
sakanoka 2018/05/27(Sun) 15時頃
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[その時は本当に、周囲を伺うことがろくにできなかった。 告白からの夢みたいな一時も、その夢から覚めて、自分から誘いを切り出したその時も、フェルゼ以外の誰の顔も見られなかった。
だから今探し求めている人が、まさかあの時医務室の前にいて、あの告白を聞いていた>>256>>257>>258だなんて、思いもしていなかった。]
うん、 ……――――あ。
[微かな風に混じって、誰かの足音>>260が後ろから響いた気がした。振り向けばそこには、確かにその人の後ろ姿>>262があった。 漸く会えた、と思いが逸る。]
先輩! ―――オスカー先輩っ、
[開け放った窓もそのままに駆け出し、呼び止めるように彼の肩に手を伸ばした。]
(273) sakanoka 2018/05/27(Sun) 17時半頃
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今、きちんと言わせて下さい。 僕は誰彼かまわずにキスできるような奴じゃない。 たとえ先輩が、そうであったとしても。
[そう紡いだ唇に、いつかの冷たい感触>>3:110がぶり返す。その記憶が小さな身体の震えとして表れるも、なんとか次の言葉を続けた。]
もう自分の想いからは逃げません。 僕が欲しいのは、フェルゼ、ただひとりです。
[言い切ってから、息切れしたように荒い呼吸ひとつして]
(274) sakanoka 2018/05/27(Sun) 17時半頃
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……もし、先輩が見ていたのが、 僕じゃなくて、僕越しのフェルゼだったとしても。 僕はあいつから離れたりしませんから。
[言葉待つように、じ、とオスカーを見詰めた。 問いたかったことは、ひとつの推測という形でこの時は表れて*]
(275) sakanoka 2018/05/27(Sun) 17時半頃
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[跳ねる動きが、小さな肩を掴まえた指先に伝う>>282。その肩をぐっと握ることまではせずとも、自分から離すこともしなかった。 オスカーの顔色はどこか蒼白いようで、けれど馴染みのある優等生の笑みにも見えて、まるであたかも、あの時叩きつけられた生々しさなど何処にもなかったかのようで]
な、何言ってるんだよ! 訊いてきたのは先輩からだった癖に……
[「要らない」なんて答えに、思わず素の口調になった。]
(285) sakanoka 2018/05/27(Sun) 19時半頃
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[交わらない視線。どこか熱無く伏せられた瞼。関係ない、の一言。まるで、逃げられているような気がして、継ぐ言葉は少し早口になる。]
関係ないっていうなら、なんで僕が あんな八つ当たりや嫌がらせ、 あの時されなきゃならなかったんですか。
[ひたすらに相手を見詰める目は、幼い頃から変わらないもの――純粋に手を伸ばそうとした心が、目の前の人の中にあるのだ、とも気づかないまま。 どうして、と笑うオスカーの姿は「完璧」なそれで、それでも瞳は逸れていた。そんな彼から視線を動かさないまま、マークは問いを重ねる。]
思い違いだっていうなら、はっきり教えて下さい。 あなたがどうして僕をずっと見てきたのかを。
(286) sakanoka 2018/05/27(Sun) 19時半頃
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[その問いの答えを確かめるより前に、言葉が、また零れる。]
……僕の曖昧さが、あなたを 死にたくなる程追い込んだのかもって思ったら。 手放しで笑える訳、ないじゃないですか。
[動かさない目が、微かに震えて**]
(287) sakanoka 2018/05/27(Sun) 19時半頃
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[失笑の後に「どうしてだろうな」>>288を聞かされた時は、それこそ理不尽に思えて、罵りの言葉が喉奥まで出かかった。けれどすぐに続けられた答えが、その罵りを押し止めた。 眼差しは未だ返らないまま、紡がれた声を聞く。
成りたい姿を諦めても綺麗だ、という賞賛。 それは確かにあの時聞かされたのと>>3:45違わない言葉。 けれど今、そこに続けられたのは]
――――え?
[「もどかしかった」。 少しの間ののちにその語で締めくくられた答えの意味をすぐには察せず、呆然と目を見開いた。]
(311) sakanoka 2018/05/27(Sun) 22時頃
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[オスカーの肩に置いていた手は、容易く振り払われた。その手はそのまま、行き場なくだらりと下がった。]
……なんだ、それ。 それじゃ僕のほうが、 悩み過ぎてたってことじゃないか。
[そこまで繊細じゃないとまで言われてしまえば、心配がとてもばからしく思えてしまった。 だから、背を向けたその人を追おうと足が動くわけでも無かった。]
だったらもう、喜ばない理由も 笑わない理由も、ありません。
[去っていく背に掛けたのは、呆れ混じりのそんな言葉だった。**]
(312) sakanoka 2018/05/27(Sun) 22時頃
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[オスカーの姿が遠ざかってから、再び口を開く。 きっと返事>>289というには、もうあまりにも遠すぎて届かないものだろう。]
あなたに、そんな風に、羨まれていたなんて。 ……思いもしていなかった。
[自分の中に、彼より優れているものがあるのだと。その実感は薄く、未だに、どうして、という気持ちが燻りもしていたけれど――。 ふっといつかのモリス>>2:5の言葉も思い出されて、まさかな、なんて思いもした。 まるでそれこそ、ひとつの取り得を教わってしまったようでもあって]
(325) sakanoka 2018/05/27(Sun) 22時半頃
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本当に、それで救われるっていうなら――、 僕は僕のまま、素直に喜んでやりますよ。
[今ならあの言葉>>3:46も、己を塞ぐものにはならない。 受けた仕打ちに対しての、器用な仕返しの一つもろくに思い浮かばないまま。 今度は呆れでは無く、小さな笑みとともに呟いた。]
(326) sakanoka 2018/05/27(Sun) 22時半頃
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[そこではっと、思い出した。]
……毛布。
[今日中にモリスから取り返さないと、フェルゼとの約束の時間は酷い物となってしまいかねない。 まだ、夜には冷えが待っている季節なのだから。**]
(328) sakanoka 2018/05/27(Sun) 22時半頃
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―それからの、昼下がり―
[草木と花の匂いが、ほんの少しだけまた暖かくなった風が、穏やかな眠りを齎す中。 マークはひとつの夢を見た。
水色の青、涙の蒼。 刺さる黒、呑み込む射干玉。 月の白に、零れ落ちる紅、はらり。 ――ふたたび、ひかり。 遥か遠くの、けれどもう遠くない東雲。
ひかりの中には、愛されるものの温もりがあって。何処からかの眼差しのような光筋もあって。 確りと生を繋ぐものの、脈のような波もあった。 ああ、これはひとつの花なのだ、と夢の中で気づいた。 いつかのあの人の言葉>>191>>192を思い出したから、こんな夢を見たのかな、なんて夢の中で思いもした。]
(377) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[マークはそこで、目を覚ました。]
……うん?
[とはいえ、未だ瞼は重く開かない。 太陽が薄ら瞼を透かしてあかいろを見せる中、なんとなく髪の違和感に気づいた。]
フェルゼ? いや、これは ……
[手探りで触れたものは、人とは違う命の手触り――薔薇。 ぱちりと目を開けた先に、この時は誰の姿も捉えられなかった。 そして居ない人の代わりに、残された命の一輪を手に取ってみれば、それはやわらかで可憐な、そして温かな春色を映した花>>320>>321。]
(378) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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(こんなことするのは、あの人かな)
[淡いあかの薔薇の花言葉は、聞き覚えがあった。 さっきまでの束の間の夢と共に、そのひとを――悠仁のことを、思う。]
どういたしまして、ユージン先輩。
[明けない夜の瞳から、夜明けの瞳へと戻っていた人。 紛れもなくその闇を晴らしたのは、自分だったのだと。 甘く柔らかな薔薇のいろに鼻を埋めながら、少し誇らしげに微かに笑った。**]
(379) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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―それからまた後の、昼下がり―
[微睡の中で、また微かに髪に触れられるのを感じた。今はもう、それに不愉快を表したりすることもなく、素直に快さに浸ることができる。]
うん、フェルゼ……
[「目を覚まして」>>350の声に、この時はさして特別変わった何かを感じてはいなかった。 閉じ掛けた瞼が未だ開かないうちに、唇に触れるやわらかさ――]
(380) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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……え?
[こんな形での目覚めは初めてだったから、驚きでぱちりと瞼が開いた。 反射的に握りしめた左手には、何か固い感触まであって――おまけに胸に何かを託されて。]
おは、よう。
[きょとりと、こんな間抜けな挨拶を思わず返してしまった>>351。]
(381) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[数秒ののち、自分の身体を見下ろして、漸くすべてに気づいた。 胸に抱かれているのは、いつかの花>>のようなピンク色のリボンを結んだ薔薇。握った左手の薬指には、包みこむような金属の煌めき。]
ば、ばかじゃ、ないの? わざわざ寝てる間にこんな、こと、して。
[思わず、素直になれていなかった頃と似たような調子で、怒り顔をしてしまった。 怒りながらも、けれども、怒りとは別の熱が顔を赤く染めていって]
こんな、本気で、プロポーズみたいなこと。……。
[はにかみから俯いて、それからまた顔をあげて、屈んだその人の瞳を確りと見た。]
(382) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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ばか。 僕の愛してる人。
[熱くなった胸が、涙を滲ませてしまう。 けれどこれが悲しみからの涙じゃないことは、涙と共にある笑みが、ちゃんと示してくれるはずだ。**]
(383) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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―それから更に、暫くしてからの夜明け―
[窓から微かに射す光は、あかるい茜を帯びた青紫。 洗面所の鏡には、マークの裸の上体と長い髪が映っていた。
失った「女の子」としての「僕」を引きずっていた証の長い髪。その髪を保ったままのポートレイトで、マークは「今の僕」を誇ろうとしていた。 結局そこに描かれた美しいすがたかたちは、ピスティオにわざわざ美しく描かせてしまっただけのものだったと、今はもう察していた。「髪でも切ってこい」>>3:204なんて軽口の方が、ずっと素直に響いて聞こえたのだから。]
やっぱり、今の僕には 似合いやしないな。
[何処かで薄々思い抱いていたことを、はっきりと口にする。]
(384) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[断ち切った心算で結局引きずるくらいには、女の子のすがたが自己そのものになっていた。 その「自己」がたとえば、美しいものや美味しいもの、或いは、正しくあれという在り方と同じ形のものと言えたかは、判らなかったけれど。
素直にお姫さまだと持て囃した同輩たち。不良だ倒錯だと叱った教師たち。そして、神への冒涜とまで言い切って責めた父。 そんな目線にも何一つ己を曲げることなく、マークは咲き誇り続けた。 花の「色」に頼るほどの浅い眠りと引き換えに、心を傷つけずにいた。]
(385) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[だから「女の子」をやめると決意した時は、鏡の前で一人で泣いた。 独りきりの美学、独りきりの誇り、独りきりの苦悩。 そんな思いはきっと誰にも知られることなどないのだと、その時のマークは思い込んでいた。
実際には、そんな移ろいを見詰め続けてきた瞳があった。 花のもとに在り続け、花を教えてくれた人。 眩しいものへの思いを秘めてきていた人。 そして、「眠り姫」の目覚めの瞳に映り続けた人。 もしかしたら彼らだけでなく、もっともっと多くの人が見守っていたり、決意に思いを巡らせていたりしていた>>1:148のかもしれない。]
(386) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[今の「僕」はひとりではない。 花が示す愛情も、薬指の煌めき。 たとえそうした形がなかったとしても、信じられる想い。
だから、枯れて散ることを怖れない。 誰かと一緒なら種が残るかもねと、そう伝えてくれたひとがいる>>4:80。
だから、引きずり続けた「枯れた花」に、鋏を入れた。]
あなたはとても、綺麗だったよ。
ありがとう、女の子だった、僕。
(387) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[長い髪がばさりと落ち、はらりと落ちる。 洗面台にはきちんと襤褸切れを広げて敷いたから、水道を詰まらせる心配もない。
指で髪を梳かれる感触は、きっと以前とはまた異なってくるだろう。 花を挿せるくらいの丈はあるけれど、以前とはまた違った華やぎになるだろう。 名残惜しさよりも、これからの楽しみと幸せに胸が弾む。]
うん、よく似合ってるよ、僕。
[今度こそは、心からそう思える。]
(388) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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どんな姿をしても、僕は僕だ。
(389) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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[さて、出来上がった「今の僕」は、少々毛先の不恰好なボブカット。床屋に任せず自ら切ったのは、これまでの「僕」への決着を自分の手でつけたかったから。 そして、一番最初にこの姿を見て貰いたい人がいるから。
明けない夜はなく、また今日も草木を育てる陽の光が降りそそぐ。 その今日の朝のはじまりに、短い髪のマークは真っ先に、かの人の元へと駆け出した。**]
見て、フェルゼ。
(393) sakanoka 2018/05/28(Mon) 00時頃
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