199 Halloween † rose
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― ―
[それから二人と別れ、金色の狼を追ってみたが 獣の足は早く、追いつけず。 飛んでいけば話も早いと気付いたのは遅く。
酒場の付近まで戻り、大きく息をついた。 今日が終わってしまったら、またハロウィンが繰り返される
それでも良いと思っていたのだけれど、 友人に声が届かないのは不安ではあるし このままではいけないと、自覚もしていた。
ドナルドと結んだ約束を叶える為に、 前に進まなければ、ならない。]
(12) motimoti 2014/10/31(Fri) 10時半頃
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……ドナルド、あの。
[酒場に向かう人波に、「背を押された」気がした。 まさかそんな事もないと、 ハロウィンが畢るのなら朝であると、 なんとなくそんな感じで構えていたのだ
腕の中に収まるように、そっと抱きつき、 自然に近くなった距離で、誘われるまま唇を合わせる。 唇は柔らかく、触れるだけでも心地よくて。 もっと、と教会でそうしたように甘く求め 舌を欲して、唇の表面を舌先でなぞる]
(13) motimoti 2014/10/31(Fri) 10時半頃
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「…………せんせい、なにしてるの?」
(14) motimoti 2014/10/31(Fri) 10時半頃
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[親に連れられた子供連れ、 酒場の前を彗で掃いていた店主 腕組み酒場に入ろうとしていたカップル
一同の視線が、公然で唇を合わせる男二人に 集まってしまうのは、まあ無理もない。]
…………私が、私達が、見えて、いる?
[シーツを被った子供はこくり、と頷く。母親の顔は引き攣っていた 酒場の店主はぽかん、と口を広げて今の光景を咀嚼しようとし、 カップルは腕を組んだまま、固まっていた]
……な、んでもないんです
[彼等に置き去りにしたのは、短い弁明。 ドナルドの手を引き、彼の家よりも近い雑貨店を目指し駆け出す。
途中、ごめんなさいと何度も謝ったが、 ドナルドに届いていただろうか。]
(15) motimoti 2014/10/31(Fri) 10時半頃
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― ガラス雑貨店「Curcubeu」 ―
パーティ、行きます……?
[己は走っても汗はかかないが、彼はどうか。 全速力でそれなりの距離を走った。 行くにしろ行かないにしろ、風呂に入るべきか
店のドアはすり抜けず、きちんと開いて中に入る。 理解及んだのは、「時間がちゃんと進んでいる」という事と、 「今日が最後のハロウィン」だということ。]
ごめんなさい…いきなり「見えて」しまう、だなんて すまない、
[店内に入るなり、心配そうにドナルドを見詰め。 謝罪と共に、前からぴとりとくっついた。 彼の汗の匂いが甘くて、酸欠も手伝い、くらくらする]
(16) motimoti 2014/10/31(Fri) 10時半頃
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………―――ん
[甘えるように首元に鼻の頭をひっつけて、すんと鼻を鳴らす。 そのまま時を忘れてしまいそうになり、 思い出したように風呂、と呟き身を離す。
確か、ワイン風呂の入浴剤があった気がする。 風呂を沸かしながら、ドナルドの薫りを思い出し 流してしまうのが勿体無い、と不埒なことを考えていた**]
(17) motimoti 2014/10/31(Fri) 10時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/10/31(Fri) 10時半頃
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[自身は街から離れるとはいえど、 彼は本当に大丈夫なのかと先程を思い出す。>>33>>34
手を振りほどいで変な男に唇を奪われた、と 誤魔化されても構わなかったのに。
店まで慌てて駆け込んで来るまで、 繋いだ手は振りほどかれるどころか 固く、しっかりと結ばれていたのだ。]
それは、……確かに、 私は構わないが、君が肩身の狭い思いをするのは…
[人波の中心だった事もあり、 誰に見られていて誰に見られていないのか 定かではないし、振り返るだけで居た堪れない。
謝罪の必要はないと繰り返すドナルドの優しさに つい甘えてしまいそうになる。 誰に知られても構わないと言われているような気がして]
(37) motimoti 2014/10/31(Fri) 22時半頃
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[風呂に湯を張るまでは、少し時間もある。 バスルームを背にし、タオルを脱衣所へ用意しておき。
先にドナルドに入って貰うのならと タイルの上に幾らか落ちている髪の毛を拾い、 マットを替えておこうと棚を漁っていると 店舗側から届く声>>36]
大丈夫、ですよ。 ああでも、湯温が丁度良いか確かめて貰える?
[ベッドルームには萎びた死体はあるものの 此処なら見せても構わないだろうと。 マットを変えたところで湯のたまり具合を確認し、 バスルームを離れ、ドナルドの元へと。
部屋の中なのに、つい手を繋いでしまい、 やんわりと指を絡ませ、倖せそうに微笑む]
(38) motimoti 2014/10/31(Fri) 22時半頃
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………、
[出来れば躯や髪を洗ってみたい、 だが、そんな事を望んだら、 煩わしい、と思われやしないかと 口に出来ないまま、ドナルドの髪に指櫛を通した。
ほんの少しだけ湿っている感じがして、 その感触も確かめるように、指腹で撫ぜ バスルームまでの短い距離を並んで歩く]
(39) motimoti 2014/10/31(Fri) 22時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/10/31(Fri) 22時半頃
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いえ……、 お風呂くらい一人で沸かせますよ……?
[>>46そういう話では無いと理解を及ばせつつ、 些細な事ですら生活を手伝おうとしてくれる ドナルドの気持ちが嬉しくて。 眼を細めて笑い、絡んだ指を握り締めながら、 バスルームの戸口で彼が温度を確かめるのを待ち。
タオルを香ってみる。 部屋干ししか出来ないが、柔軟剤の薫りのお陰で 臭さは無かったので安心する。]
(53) motimoti 2014/11/01(Sat) 00時頃
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あぁ、それなら良かった。 是非先に――
[その前にと菓子に使った残りの赤ワインのボトルを 奥から持って来ると、蓋を開けて。 どの位注げばいいのだろうと悩む間。
視線に気づき、彼が何も言わないのを 不思議そうに見詰めていたが、 沈黙を破った提案に、心臓がどくりと鳴る]
………は、
[>>47大した話ではない。湯船の広さは二人で入るのも難しくない。 それに、彼の一部を既に眼前に収めているのだ 暗い路地という場ではあったが だが、光源の効いたバスルームである事と、 躯を晒すのを思えば、つい先程抱いていた願望が 純粋な好意であったのにも関わらず 急に気恥ずかしさと、期待を抱いてしまう]
(54) motimoti 2014/11/01(Sat) 00時頃
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は、い……
[他人の前で肌を晒すのを恥ずかしいとは思わない。 躯を重ねることだって、今までに何度も。 何故こんなに緊張するのだろうと、変化に戸惑いながらも 頬をワインの色と同じに染め上げ、こくりと頷く。
おもわずワインボトルを取り落としそうになり、 慌ててそれを抱え直し、栓を抜く。 注いでくれるかと照れ隠しに願い出て、俯いた。 靴の先をじっと見下ろしながら、震える唇で息を吐き、]
――……、あの、 背中も流して、いい?
[スラックスの内側に込めたシャツの裾を 中途半端に引っ張り出しながら、 生地を掴んだまま、ぽつりと]
(55) motimoti 2014/11/01(Sat) 00時頃
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………。
[>>62こんなに体温が薄い躯なのにも関わらず、 顔だけは熱された後のように熱くて。 ドナルドの指が触れても、熱いと感じない。 湯温を図った後の濡れた其れは、 普段よりもきっと、体温が高い筈なのに、]
あ、の ……あついから、……
[熱いものを触った後は、耳朶で冷やすといい。 それを思い出して、彼の手首を取ると、 自身の耳朶へ触れるよう、促す。
火傷する温度じゃないと気付いて、 自身の動揺ぶりを悟り、慌てて手を離した。]
(72) motimoti 2014/11/01(Sat) 01時半頃
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ええ、……迷惑でない、のなら 君と一緒に――…
[ワインが湯に雑ざってゆく間も、 何処か心此処にあらずと言わんばかりに落ち着かない。 まだ顔は赤くて、視線をそらされている事にも気づかず、 熱が篭るばかりの吐息を噛み締め、 震えそうになる指に力を込めて、タイを解き。 籠に放った後は、シャツのボタンに手をかけようとして
横目で上着を脱ぐ様子を追ってしまう。]
(73) motimoti 2014/11/01(Sat) 01時半頃
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……、う、
[>>63上衣を脱ぎながら告げるドナルドに、 暫し悩ましく思考を動かしていたが。
視線を求めるように顔を寄せ、首を傾ける。 赤い髪の色と、未だ解けていない魔法の証と、 彼自身の目の色を、順に見詰め、]
君が服を脱ぐのを、手伝いたい…、 ……だめ ?
[何度こうして窺いをかけたかは、忘れた。 ただ、その度に首を横に振らない彼を知っている。 そっと上着を預かるように指を伸ばして。 緋色と同じ目許の色を、一層濃くしながら。]
(74) motimoti 2014/11/01(Sat) 01時半頃
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[千年以上生きているのに、何を狼狽えているのだろう。 相手は五十年と生きていないニンゲンなのに。
莫迦だと己を突き放して笑う面は存在するのに 鼓動は、自分のものだと思えぬほどに、喧しい。 壊れた時計の針。 心臓の音は反比例して、動く事を止めない。狂った速度で、]
………。
[>>76着替えを邪魔するような体にすら、為ってしまった。 すまないと一度眉を下げ、それでも指が離れようとしない。 ドナルドの役に立ちたいなんて、立派な志を抱えている訳じゃない
―――ただ、知らない彼を見てみたい、だけ。 服を脱がせている間は、どんな目を、どんな表情で、 私を見てくれるの。]
(80) motimoti 2014/11/01(Sat) 02時頃
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……――ありがとう。
[そうして、拒絶がかえってこない事に、安堵を覚える。 彼という存在を、私という檻で閉込めることに安らぎを感じる
ああ、なんて歪んでいるんだろう。なんて、愛しいの。]
[衣服を脱がせる間、じっとドナルドを見詰めながら。 インナーシャツも、肌着も。ベルトの留め具、ジーンズまで。 時折動きを促し、脱がせやすいよう手伝って貰いながら。
事務的な其れではない行為に、精神的な喜びを憶えながら。]
……私も、脱がせてもらっていい、かな。
[下着に指をかけたその時、甘えるように耳元で。 外しかけたボタンは、プラスティックの其れなのに 不思議と輝きを示していた*]
(81) motimoti 2014/11/01(Sat) 02時頃
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― バスルーム ―
[ワインの芳香漂う浴室は、それなりに広い。 洗い椅子に座るよう促し、彼の背を前にしタイルに膝をつく
スポンジに石鹸を擦りつけて、泡をつくり]
あの……、もう一つお願いが、 背中以外も、洗っていいかな……、
[それは髪を意味していたが、タイミング的に 身体の他の部位を示すように聞こえるかもしれない。
存外広い背を流しながら、体温を感じたくて後ろから抱きしめ。]
(82) motimoti 2014/11/01(Sat) 02時半頃
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ふふ、……毎日、君を洗いたいよ、
[こうして肌に、触れられる喜び。 こうして体温を愛せる喜び。 満たされていく嬉しさに、ただ、ただ口元が緩んでしまう。
なのに、心音は呆れるほど五月蝿くて。 誤魔化すように、世間話でもするかのように先の話をする]
ドナルド……、 私ともう一つ約束してくれる?
レッド・アイ以外のカクテルも勉強して欲しい。 私から……君への、宿題。
[泡が、目の前で楽しげに跳ねる。 畢ることのない、倖せを祝福してくれているように見えた**]
(83) motimoti 2014/11/01(Sat) 02時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/11/01(Sat) 02時半頃
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― バスルーム ―
[服を脱がす、脱がされるだけでこんなに心臓が苦しくなるのに 身体を合わせてしまったらどうなるのだろうと 不埒な期待が浮かぶのは、 きっと若さを彼から貰っているからに違いない。
彼が闇の眷族と変わり果てれば、変わるのだろうか。 少なくとも今は、そんな想像が巡らない。]
あ、……
[>>91厚意に喜び、では髪をと告げようとした癖に 尻尾が跳ねているのを目の当たりにすれば 違う意味に捉えられたのではないか、と邪推を浮かばせ。
何処もかしこも触れていいのだろうか。 触れられても、いいのだろうか。 どくどくと早鐘を打つ心臓は喧しく、集中を欠く。]
(94) motimoti 2014/11/01(Sat) 10時頃
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まずいうちは、人には出せないですね……。 でも、喜んで試飲させて貰うよ。
[>>92胸中察せぬままではあるが、他人に振舞うのを 前提とした物言いで、ぽつりと呟き。 でも、レッド・アイだけは私だけに作ってほしい。
そんな執着心として認めぬわけにはいかない思いは、 この身を、心を確実に絶えぬ炎で炙っている。
回した手甲の上に乗る指が心地よく、ゆるりと目を細めさせ 今まさに一糸纏わぬままであるという事すらも、 忘れてしまいそうになるのだ。 彼の背を這うソープが上体に密着し、ぬるりと滑る。 それに淫蕩めいた感覚を沸かせてしまうのは、罪なのか。 浴室に満ちる酒気のせい、と流すには余りに浅ましい想い。]
(95) motimoti 2014/11/01(Sat) 10時頃
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ええ、勿論。 はなまるを、あげます
[>>93背後で笑って、酒場で真剣な顔でレッド・アイを作る ドナルドの顔を思い出してしまった。]
――ここ、も
[次に会う時には消えているかも知れない尻尾も 洗ってやらねばならないと思いつつ。 ああ、でも。確かめたいことがある
願望に負けてしまいスポンジを取り落とす 泡に塗れた細い指を彼の腹部に、その下に。 向かい合わない態勢のまま、するすると滑らせてゆく。]
(96) motimoti 2014/11/01(Sat) 10時頃
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[先程は直視を避けてしまった場所。 反応を示す中心>>89に、ざわりと胸中を占める火が増す]
……ねえ、ドナルド。 ――… 尻尾を触ってないのに、 ――どうして、 ……?
[背を伸ばし、顔を後頭部へ寄せる。 厭でも反響してしまう場所であるのに 耳元で、湿った吐息と共に尋ねた。
芯持つ場所が洗い椅子に擦れても 彼の目に触れないのをいいことに、意地の悪い響きを籠めて]
毎日、ここも……私が愛でたい、よ
[ソープの滑りと共に彼の熱い部分を指で上下させ。 欲孕む声音で、堪えきれぬ欲求を謳い。
自然とその背に胸先をおしつけるように、動いてしまう。 ああ、彼を私という闇で覆ってしまいたい**]
(97) motimoti 2014/11/01(Sat) 10時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/11/01(Sat) 10時頃
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[彼へのサプライズは先伸ばしに。
喜んでくれるだろうか 第二の人生を二人で歩みたい、それはきっと 今まで彼が築いてきたものと同じにはならないけれど]
……ドナルド、洗うだけでいいの……?
[忘れられないように、忘れてしまわないように。 熱くなる一方の中心へ、根元から指を絡め 石鹸のぬるつく音を響かせ、正常な思考を脅かしてゆく
彼が求めてくれるなら、侵食に歯止めは効かない。 どこまでも貪欲になり、彼を穢すだろう>>102
両手の制止をすり抜けて、欲望のままに嬲る。 その熱量に息を震わせ、意図せずに溜まった唾液を飲み込む]
(104) motimoti 2014/11/01(Sat) 19時半頃
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……、ふ。 私の貧相な身体で、欲情してくれるなら嬉しいよ。 ――…私の胸は膨らんでないし、生えてるものも君と同じ…、
[>>103先端の膨らみに人差し指を添わせ、 弄ぶように指腹で擽り、くちゅりくちゅりと 淫猥な音を聞かせ、聞いて。胸を焦がす。]
……、―――。
[己のことを問う顔を、彼の前にある鏡越しに見詰め。 背に押し付けていた半身を退き、深い息を落とした。 湿った肩へ一度前歯を立て、筋に甘く噛み付いて。]
あぁ、…… 私も君と……一緒
[勃ち上がる蕊芯は明らかに欲を孕み、 椅子の辺りで、恥じらいもなく主張している。 彼の尻尾を一度強く掴み、吐息を耳裡へと届け]
(105) motimoti 2014/11/01(Sat) 19時半頃
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ドナルド、こちらを向いて。
[愛でられたいのは、―――私も「一緒」。
切なさを隠さずに耳元で強請り、 耳輪と三角窪へ唾液で湿る舌を滑らせて甘く囁く。]
――…私を、見て。
[君の裸体を、感じる姿を、あまい声を、熱余す部分を。 その全てが、私を灼いて、苦しめる。 その全てが、私をただの欲の塊へ変えてしまう。
双嚢をやわやわと揉みしだき、爪先で屹立の先端を、 孔を軽く引っ掻いて、彼にも炎が移ればいいと願い。
全てを曝け出して、受け入れてほしいと望んでしまう**]
(106) motimoti 2014/11/01(Sat) 19時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/11/01(Sat) 19時半頃
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[――誰かの手ではなくて、己の指でドナルドが感じている 其れだけで、充足を覚えてはまた足りないと渇望し 単純な追い詰める行為すら、心臓が苦しくなる。
もっと己が知らない彼を知りたくて、もっと。>>119]
ドナルド…… …はぁ、
[>>120石鹸に混じり込む雫垂らす欲を。 毛並みの柔らかい異質なシンボルを。 奏でるように指を滑らせ、我欲のままに愛撫し。 この音を、憶えていなくてはならない。 私は、忘れてはいけない。 彼の居ない半年という期間を、柩で眠らず過ごさなくては 耐えていた己にも、彼の褒美は… 「はなまる」はあるのだろうか]
(158) motimoti 2014/11/02(Sun) 03時半頃
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[その指に慰められたら、忘れようもない。 独り寝が苦痛となろうとも、彼だけを想像して待ち続けられる 繰り返さない、最後のハロウィンを想い、唇を結んだ。]
……――あ、
[>>121鏡越しの交錯ではなく、身を向かい合わす為、 名殘惜しげに一度揺らしてから、彼の中心から手を離し。
此方を振り返る視線に、欲に濡れた緋色を出会わせ お世辞にも平静ではない心中を、彼の前に曝す。 その緊張感と、興奮で、眩暈すら憶えてしまう
明るいバスルームの中、思わず眼瞼を下げようとして 視線を逸らすなと制され、緋色をも曝け出したまま、 思慕と悦楽を望む晶を携えたまま、彼を見詰める。]
(159) motimoti 2014/11/02(Sun) 03時半頃
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っ……ぅ、……ふぅ みて、 る……、ぅ ド ナルド、
[彼の指が熱くて、弓を描く楔はぽた、と露を零した。 ああなんて、心地いいのだろう 私は、こんな感覚を知らない。 只の性処理と違うこの快楽を、知らない。
自身ではない男の性器に触れた経験が無さそうな指が 幹を辿り、揺れるだけで甘く啼いてしまう 苦しさで吐息は弾み、切なさに下半身に熱が降りてくる
一緒に、という想いはこんな時すら脳を離さない。 片腕を彼の首に引っ掛けて、空いた手を下方へと 望むまま望まれるまま、欲するまま欲されるままに。 泡を退かすよう親指を擦り付け、その色彩も記憶とし留め]
……ドナルド、 すき、すきだ よ っ ぅ……君が ――もっ…と、欲しい
(160) motimoti 2014/11/02(Sun) 03時半頃
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[彼の感じる顔も見たくて、下げていた目線を持ち上げる。 酸素を求めるように開いた口蓋は、 瞳の色より一層濃い舌を、彼の前にだらしなく見せつけ
二箇所から上がる水音と共に、びくりと肩を揺らし、 空気を求める代わりに、彼の唇を得ようと。 視界に彼しか映りこまぬよう、顔を寄せ甘く下唇を吸う
その距離まで達すれば、互いの中心も触れ合う密度。 敢えて擦り合わせる形にして、熱源を擦れさせ、]
ぁン、…… ぅふ、 っン あつい、 ――…とけ
[唇の隙間から漏れる自分の声が響いてしまうから。 甘露のようにすら思える唾液を啜りたいから 外気に触れるのを厭がり、舌根が痺れる程伸ばし絡ませる。 熱く感じるのは、下半身だけじゃない、 ――もう、全身に毒が巡っている**]
(161) motimoti 2014/11/02(Sun) 03時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/11/02(Sun) 03時半頃
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っわ、な 、 ……ぃ……、わな……いで、ぁふ 、 ドナルド
[>>170肌を内側から焚くような羞恥心が苦しい。 だのに、ドナルドに見られていると意識するだけで 余計に冷え切った身体が火照っていくような錯覚を覺える
此の手であがる息も、滴る体液も、硬度を増す彼の花弁も。 視覚で己を煽りたて、自身の欲望を育てる水となる。 合わさる幹がドナルドの腰が浮く度強く擦れて、 次第になにも考えられなくなり、頭の中が白くなってゆく]
ドナルド、………、ぁ、は……綺麗 もっと、私で、感じて、 ……ぁ、ぁ、あぁっ
[>>171次第に溶けてぐずぐずになっていく思考は、 はしたないと理解をしていても 彼の動きに合わせ腰を揺らめかし。 その癖、重なり合う部分を離したくなくて 二本の雄を片手で包むようにし、接合の役を果たさせ]
(175) motimoti 2014/11/02(Sun) 16時半頃
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――ン゛っ、んっんんー……、ふ
[息苦しさも構わず舌を絡ませ、肉厚な其れを甘く吸い上げる 糸引く唇が離れ、ドナルドの熟れた声音を、欲求を聞き、 淫欲に熔けた眸をドナルドへ預け、こくりと首を縦に]
私も、もう……、っふは――ぁ 、 …で、ちゃう、ドナ……ルド、ぉ
[しどと垂れるカウパーは潤みを与え。 彼の其れと混じり合い、耳にも心臓にも悪い水音を鼓膜へ届け 生理的な感覚がら訪れる涙腺の緩みが、涙を眼に浮かせ。 誘われた申し出>>172に、何度も頷き、呼気を更に荒げて]
っあ、一緒に……ッきみと、いっしょ……にぃ
(176) motimoti 2014/11/02(Sun) 16時半頃
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は、ぁあぅ……っ!
[熱篭る貌を欲求に歪め、びく、と大きく身体を震わせ。 白い欲を飛び散らせて、彼の腹部を湿らせる。 彼もまた、達してくれたのだろうか]
はっぁ………、ぁ ぁあ……、ゥ ……ドナルド、……あいしてるんだ、君を、……
[その愛しい顔、頬へと指を添え、触れるだけの口づけを。 恍惚と表情を緩ませ、深い息を吐いた
霞がかった頭は重く、心地良い倦怠感に眩暈を憶え。 ドナルドの肩口に顎を預け、彼の体温に上体を委ねる**]
(177) motimoti 2014/11/02(Sun) 16時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/11/02(Sun) 16時半頃
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― 11月1日 ―
[昨晩、ドナルドを送り出した後は 雑貨品を気泡緩衝材に包む作業。
傘立ては結局三個も宿に売ってしまった 小物を包む作業は翌朝まで続き、 作業に疲れた後は、夜まで眠るつもりでベッドへ。]
――……
[バスルームでの遊戯を思い出し、吐息を枕へ落とす。 きっと、あの色違いの双眸を見ることはない。 あの尻尾にも触れられることは、ない。
けれど、また彼に会えるのだろうか。 暖かい春と共に。
心浮かせながら眠りにつき、そして鐘の音色を聞いた気がした 朧げな闇を抱いて、重い重い夢の中で。――]
(211) motimoti 2014/11/02(Sun) 22時半頃
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― その夜 ―
[あれから何度も呼びかけてみたが、友人からの返しはない。 魔女の家へ赴くも、電気は消えておりドアノッカーを鳴らしても 誰も出て来ることは無かった。]
………、ジェレミー……。
[立ち去る前に、彼の顔を見たかったが 留守なら致し方ない。 お互い生きていれば、また何かの折に会えるかもしれない 手紙を送っても、最早返事がかえることが無かったとしても。
男は店へ戻るべく、街を歩く。 途中でひとつの飲食店の前で立ち止まり、 店仕舞い寸前のその店へ、身を預けることにした 外観だけ眺めるなら、恐らくは露蝶の店だと踏んで。]
(212) motimoti 2014/11/02(Sun) 22時半頃
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あの、もう、……お店は終わりですか ……帰る前に、お茶を頂いていこうと思いまして…。
[店主は店に居ただろうか。 やや時期の早い厚手のコートを纏う客は、 窺うように手伝いの女性に意を尋ねる。*]
(213) motimoti 2014/11/02(Sun) 22時半頃
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― それから・城下 ―
[春を待つ間、棺桶では眠らずに毎日を過ごす。
それは脩く感じる日々と為ったが、 この雪降る寒い冬が過ぎ去れば、 彼がいつか迎えに来てくれると、希望を絶やさず
どこに住んでいるのか、 どこで暮らしているのか。
明かすのを忘れているという事を失念したまま。]
椅子の張り地を変えなくてはならないな……
[一軒の居抜き店舗の中で、ぼんやりと座椅子を撫でる。
老朽化棚も変えた方が良いのかも知れない。 グラスは己の作ったものを持ち込めばいいが、 家具の運び入れが少々手間にはなりそうだ]
(214) motimoti 2014/11/02(Sun) 23時頃
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[灰埃積もったカウンターテーブルを指で撫ぜる。 従僕に掃除を任せることを考えていたが]
………。
[自分で、やろう。
彼と歩む新しい楽しみを想像して、一人灰小屋の中で微笑む。 のんびり掃除して、のんびり改装していけばいい。 城と城下の往復も、腹を満たす以外の楽しみになる、きっと。
シャツの袖を捲くりあげ、まずは掃き掃除。 ちょろちょろと動き回る鼠と眼が合った*]
(215) motimoti 2014/11/02(Sun) 23時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/11/02(Sun) 23時頃
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― 露蝶の店にて ―
あぁ…、露蝶。 休み? ――そうですか…それは殘念だ。
[>>220鍔ある帽子を被ったまま、店先に現れた彼の元へ。 菓子祭りが去った翌日に店を休むのは、成程道理な。 それならばそのまま去ろうと身を退きかけたが 茶を振舞うと告げられ、鍔の下にある緋色を細めさせ] そうですか、なら。 …お菓子を?
[パーティで貰った菓子。 口に入れる前に消えてしまった其れを思い出し。 今度は消えないと理解しながら、革靴を店内へ向ける。]
是非、ご馳走になります。 [一席に腰を落とし、帽子を脱ぐ。 冬物の外套は、店内でも取ることは無く]
(227) motimoti 2014/11/03(Mon) 00時頃
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― 露蝶の店にて ―
そうですか…それは治すのに時間が掛かりそうだ。
[>>231くすりと笑い、口元へ拳を添え。 テーブルへ置かれていく菓子達を眺めながら、 考え込むように、暫し腕を組み。]
じゃあ、「クキー」を頂きます。 もし宜しければ、饅頭と団子も包んで貰えませんか? 旅の間に、食べたいので
[そう願い出て、彼の意を問う間。 茶の話に移ろげば、口を開き]
私は…普段、紅茶や珈琲を飲みますが…… この店でお菓子に合うお茶は、どういう……?
[どうせなら、此処で振舞われるものを所望しようかと。]
(234) motimoti 2014/11/03(Mon) 01時頃
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― 夕刻・店内にて ―
[気泡緩衝材に包んだ商品を箱に入れ込んでいる時に 客の来訪>>@50はあった。]
……出店は、ハロウィン限定ですよ。
[一日遅い、と付け足して微笑む。 して、用事はと視線で問うが、 店の場所を移すという事と、模様代わりをさせるという 意向を受け、暫し考えてから段ボール箱に入れたものを そのまま明け渡すことにし。]
(239) motimoti 2014/11/03(Mon) 01時頃
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この箱の中には、秤と置きランプ それに、傘立てが入っています
[つまり、重い。 薬店の店内外で使用できそうな類のものだが、 確実に、重い。少なくとも陽の光があるうちは 自身の腕では持ち上げられない。
代金の内訳を立て続けに物申され、>>@51 苦い笑いと共に頷く。 元から金を儲ける為に店ごと訪れたわけではないのだから]
それなら、彼に直接お伝えした方が。
[今日出て行くのは己も同じなのだと苦笑を深めて伝え。 もし会うことがあるのならと告げてから]
(240) motimoti 2014/11/03(Mon) 01時頃
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いいお店になるよう、お祈りしています。
[どこで店を構えるか決まっているのなら言うだろう。
そうでないのだと理解を届かせ、ただ新地での暮らしを労い 屍人の背を見送るのだった*]
(241) motimoti 2014/11/03(Mon) 01時頃
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― 露蝶の店にて ―
ええ……。 本当ですか?それは長旅も苦にはならなそうだ。 ありがたく、頂戴します。
[>>242菓子も茶も酒も、己の栄養源になることは無い。 それでも、味が解らぬわけではないし 飲食自体を楽しむことは出来るから。 下げられていく皿を見送り、穏やかな心地で頬を緩める。]
これが嫌いというのは無いんですが… 華が? へぇ…面白い。是非それを頂ければ。
[店で好まれているものなら、それこそ滞在の価値に、 思い出に殘るものになるのだろうと、期待して。 準備されるまでの間に、露蝶の後ろ姿を見守っていた。]
(246) motimoti 2014/11/03(Mon) 01時半頃
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― 露蝶の店で ―
華が水の中で開くなんて、素敵ですね。 みなもで咲く華――…か。
[>>249用意された茶器を覗き込む。 赫い蕾と周囲を囲む緑は、水の中で息づく。
一見イミテーションにも見える其れは 露蝶の言葉を信じるのなら、 湯の浸透で芽吹く華、であるらしい]
……さぁ、どうでしょう。 言葉は時に真実になる
古来から呪文と呼ばれる「力ある言葉」もまた、 なんの力も無いと思うものには、嘘まやかしでしかない。
(260) motimoti 2014/11/03(Mon) 02時頃
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――譬えば、魔女と呼ばれる者は…、 元はただの、なんの力も無い、ニンゲンです。
己に「力」があると信じ、 強く願うことで魔女として覚醒する。
[嘗てグロリアから聞いた古い小話を告げながら、 そっと、両手を組み交わす。 小声で紡いだその言葉は、店主にも届くことはあったか。 愛しい人の顔を思い浮かべ、信じていても、それでも。 叶わぬ夢となった時を想像し、脅えから手を震わせ]
……ドナルド、ドナルド……――ドナルド、
[華が開いたその後も、男は眼を伏せていた。 もしも、開かなかったら恐ろしいから。 もしも永遠に、――蕾のままだったら。]
(261) motimoti 2014/11/03(Mon) 02時頃
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― 露蝶の店にて ―
[大事な人と共に飲むお茶。>>262 その言葉を閉ざした視界の中で反復し、そっと息を吐いた。 次はきっと、彼と二人で。]
(神様、どうか。 どうか、ずっと、彼と――)
[そう願えば自然と双眸は開き、茶器を見詰める。
緋色の華が硝子の中で咲いているのを目の当たりにし。>>263]
………あぁ、
[ゆるりと息を吐き、笑みを浮かべる。 その茶をありがたく頂きながら、「クキー」と合わせて賞味し。 おいしい、と風に消える声で呟いて。]
(264) motimoti 2014/11/03(Mon) 03時頃
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……華は枯れても、必ず種子は殘る。 必ず、もう一度仝じ華が咲く為の、種が。
[親指の先を噛み、空のティーカップへ下ろす。 血液は凝固し、ちいさな丸い緋色の宝玉が幾らか底へ落つ。
店主がその「種」に気づかぬうちに土産を預かり。 ご機嫌ようと挨拶を告げ、 厚い外套を着た男は立ち去るのだった*]
(265) motimoti 2014/11/03(Mon) 03時頃
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― 緋結晶公の城 ―
[夢見の悪さに、汗が顔に浮く。 眼を擦ると、其処には心地の良い闇があった。]
……はぁ、
[春の暖かさも、陽の光も入らぬ城の寝室。 眠りの浅さに呻き、上体を起こす。
サイドボードから、血液の満ちたワイングラスを取り、 飲み直してまた眠るのだった*]
(266) motimoti 2014/11/03(Mon) 03時頃
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― 城を包む森の中で ―
[露蝶の店で土産とし貰い受けた包み。 菓子は空飛ぶ店の中でありがたく頂き、 そして茶の葉は未だ使わず冷暗し。
夕陽の沈んだばかりの森中をのんびり歩いていると、 ギオチェルが土から顔を出し、咲いているのを見つけた。 白いその花の茎を手折り、共に連れて城への帰路につく]
春が……もう来たのか。
[うらあたたかい季節だというのにも関わらず。 男は厚手のコートを纏い、寒さを凌いでいた。 此の國では、春告鳥の代わりともされている白い花。 「慰め」の意味を持つ花は、可憐ではあるが何処か物寂しく 春の暖かさも、城下の賑わう空気も、纏う玲雪を溶かさない ―――あの体温が傍らになければ、凍てつくように寒い。]
(283) motimoti 2014/11/03(Mon) 04時半頃
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[抱いて眠れば、少しは慰めになるのだろうか。 彼の居ない空白を埋める助けに為ってくれるのか。 城門を潜り、中に入ろうとして。 ふと足を止めたのは、何者かの訪れる気配。]
………。
[ここ二百年余りの間は、ハンターの姿も見ない。 それでも警戒は解かずに、来訪者の影を緋色の双眸で追う。 だが、響いた声に眼を見開いた。>>280 鼓膜が彼の声を記憶している。 どくりと跳ねる心臓は、彼の事を記録している。
緋色は揺れ、険しく固めていた表情は微笑みに緩む。]
(284) motimoti 2014/11/03(Mon) 04時半頃
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ドナ………ル、ド ?
[花を掴んだまま、声のする方へ。
満月を上空に飾る城を背に、その姿を見つけて。 幻ではないと確かめるべく、彼の身を抱きしめる。
どれだけ力を込めようと、霧のように消えずして。 どれだけ己の身が冷たかろうと、彼は暖かく。]
ドナルド……、ドナルド………! あぁ、君なのだね、夢ではないのだね、……――、
[その手を取ると、傷>>278が皮膚に浮いている。 その頬にも、似たような怪我があった。]
(285) motimoti 2014/11/03(Mon) 04時半頃
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……会いたかった、 ずっと、君を待っていた ―――…
[傷を癒すように、零れ落ちる血を味わうように。 唇を寄せ、舌でなぞる。
あぁ、あまい 愛しさで、たった数滴の、命の欠片すらこんなに。]
会いたかった、ふ…ぅ ぁ、 いたか、ぁ……どな、ぅ……
[想いを告げたその時と同じく、 緋色からはぽろぽろと涙が溢れ、硝子の種子を落とす。
それは、物語の始まりが、繰り返される合図**]
(286) motimoti 2014/11/03(Mon) 04時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/11/03(Mon) 05時頃
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[ここに来るまでに幾つのものを捨てて来たのだろう。 いくつの倖せに、見て見ぬふりを。 空白の数ヶ月を思えば、罪悪感を覺ぬ訳ではない
紅と白の紐は睦み合い、互いに其れしかないと主張し>>299 他の色は不要であると訴えている。 約束の靴に食らいついて、離れない。
甘く切ない血の味を舌は憶え、 またひとつ忘れられぬものが出来てしまう>>300 恐ろしい夢のことも、今自身に触れる指を思えば 脳からはじき出され、薄れて消えてゆく。]
……あ……、ドナルド……、 嬉しくて、……止まらないんだ。
[これが夢だとしたら、哀しくて止まらないのか。 夢ではないと教えて欲しい。 彼の体温で、彼の声で、彼の匂いで、教えて欲しい]
(304) motimoti 2014/11/03(Mon) 21時頃
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………はい、 君は、私を探し出してくれた。 この数ヶ月間、片時も君を忘れたことは無かった。
ねえだから、もう……もう、私を離さないでよ、
[共に在れる喜びに打ち震え、目尻に殘る涙を指に拭われ、 冬色の外套を脱ぐ代わりに、暖かな春を抱きしめ直す。
愛しさが零れないように、あの日と同じように。 塞き止めるよう、口づけを*]
(305) motimoti 2014/11/03(Mon) 21時頃
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― 夜・城下街 ―
[ドナルドの手を引き、城下へ向かう。 買い取った時はただの廃屋とも呼べる居抜きの1軒。 店の看板には、「Curcubeu」と刻まれている。 雨が流れた後には必ず虹が注す。
ドアを開ければ、そこはきちんと「酒場」になっていた 酒のリキュールに業務用の冷蔵庫。 踊り場には、端にグランドピアノが、 そして緋色の絨毯が敷かれたダンスフロア。]
憶えてますか…? 私は、君に宿題を出しました。
(306) motimoti 2014/11/03(Mon) 21時頃
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もうけして、陽のあたる処で仕事をさせてやれないけれど、 ………ニンゲンのように、
[ニンゲンのように当たり前に、恋をして、 ニンゲンのように当たり前に、彼を愛して。 ニンゲンのように、愛しい人と生活をする。]
吸血鬼がニンゲンのように生きたいだなんて、 おかしいでしょうか。
[指を滑らせても埃が触れないカウンターを撫ぜ、 苦笑を浮かべ、ドナルドに手を伸ばす。
取り上げてしまったものの代わりに、 新しい何かを与えたい、だなんて。]
―――屋根の上、登ってみる……?
(307) motimoti 2014/11/03(Mon) 21時頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
motimoti 2014/11/03(Mon) 21時頃
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― 手紙の話 ―
[魔女の家に送る手紙は、返事がないと分かっていても 頻度を変えることはなく。
かえって来たものといえば、一通だけ返事があった。 もう金狼は出ていってしまったという事。 揃いの時計は、彼が壊したという話。]
――そう……か。
[ベネットの筆跡で綴られたそれを封筒の中へ戻す。 あの日金狼と会った城を囲む森の中を歩み。 この辺りだろうかという処で足を留め、満月を見上げる。]
(313) motimoti 2014/11/03(Mon) 21時半頃
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[同じ名前を酒場にもつけたのは、 大事な友人を訪れを、待つ為に。*]
(314) motimoti 2014/11/03(Mon) 22時頃
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― Curcubeuにて ―
………君は実直な人だ。 私との約束をひとつも破らなかった。
[>>323離れていた間学んだという話を聞き、 傍らで柔らかく微笑み。
広い城で一人で過ごす人生を棄てて、 彼と共に過ごす人生を望む。 この箱庭を作る間、ずっとドナルドの事を考えていた。
けれど、どんな店になるのか どんな時間を此処で過ごすのか。 そういう未来のことは、想像がつかず。
きっと其れは、彼と二人で築くものだから 一人では、探せなかったのだろう。]
(327) motimoti 2014/11/03(Mon) 23時半頃
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[尋ねる声に微笑み、緩く首を縦に振る。 引き寄せる力に抗わず、寄り添って もう離れることの無い倖せに、また頷く。 緋色を闇に隠しても、もう恐ろしくはない。]
ええ……、――吸血鬼なのにニンゲンのように生きて 君との出会いを、千年経っても忘れないように、
[>>324唇に触れる暖かさにまた眸を開き。 礼を預かる代わりに、絡めた指に力を籠めて。
準備賃は、彼の存在が此処にあるだけで良かった。 此処に存在しているだけで、良かった。]
ええ、行こう。 ……私もまだ見たことないから、この上で見る街を。
[互いが見たことのない未来を見据える為に。 宵闇に包まれた住処を、彼と共に。]
(328) motimoti 2014/11/03(Mon) 23時半頃
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― 屋根の上にて ―
此処が一番北にあるのでね。
ニンゲンである君の眼には灯りのある処までしか 視えないかも知れないが、
[>>325闇の中浮かぶ光は、命の数。 男の緋色は、闇を友人として抱えている。 光無き通りも、その先にある深い森も、古城をも。 この眼は見通し、全景を捉えていた。
握が篭れば景色から傍らの彼へ目線を移ろがせ。
向けられた望みに、彼の持ち合わせる唯一すら 奪わなければならないという罪深さに 震える唇が、虞れと希望を同時に孕む息を零すのだった]
(329) motimoti 2014/11/03(Mon) 23時半頃
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……―――もう二度と釈けぬ魔法を君に、
[0時を迎えても、もう二度と消えない魔法を。]
(330) motimoti 2014/11/03(Mon) 23時半頃
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[私という赫い檻に、君を閉込める為に。 預かる重心を>>326、そっと座らせるべく促して。
シャツを捲くりあげる間、春といえど 宵の温度が彼の腹部を擽るだろう。
爪を覆う鋭さは、結晶が為し。 皮膚を抉り、逆さ十字を刻む。]
………君の人生を、
[私の生涯を、]
全部、私におくれ。
[全部君にあげるから。]
(331) motimoti 2014/11/03(Mon) 23時半頃
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[唇を合わせ、彼の血を啜り上げる。 命の灯火が消える代わりに 己の指を傷つけ、新たな血液を腹部から注ぐ。
緋色の絨毯が赫い屋根を一層緋く。 二人の緋色を刻みつけて。]
(332) motimoti 2014/11/03(Mon) 23時半頃
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[屋根から降りる時は、共に宙を揺蕩って。
店に敷かれた赫い絨毯の上。 亡霊が奏でるピアノの演奏の中、 二つの足音だけが、楽しげにリズムを刻んで**]
(333) motimoti 2014/11/03(Mon) 23時半頃
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