人狼議事


226 【突発誰歓】君の瞳に花咲く日【RP村】

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【人】 透明女子会 ヒナコ

[ゆめを、みている。]

[さきほこる紫苑の花。
 きらめく中庭の緑の中。

 「蝶」が見ている世界の中。

 その「人間」は、
 花の蕾が綻ぶような笑顔を浮かべて、
 同じ「人間」のところに、駆けていく。

 二本の足で。
 奇しくも、黒翼の彼が絵日記に描いてくれたのと
 ほとんど、同じ姿で。]

(186) ゼロ 2015/06/19(Fri) 01時頃

【人】 透明女子会 ヒナコ

[ 彼女は駆けていく。
 明るい髪色をしただいすきな友達のところへ。
 ちいさくて愛らしい少女のところへ。
 物静かで美しい女性と、絵描きの少年のところへ。
 ピエロの真似をする優しい彼のところへ。
 紫苑の花を咲かせるひとのところへ。
 数々の思い出を幻に変える紺色のところへ。
 白い浴衣の少女のところへ。
 飴を好んだ男、目に花を咲かせた少女のところへ。]

(187) ゼロ 2015/06/19(Fri) 01時頃

【人】 透明女子会 ヒナコ

  [ ――それから。]


   『  シーシャさん  』

[その人間は、名を呼ぶ。
 呼んで、親を追う子のように、その月色を追いかける。
 大きな掌を 傷だらけの指先を
 握って、表情の見えないその人に、微笑む。]

  『 シーシャさん。 わたし――』

[言えなかった思いを言の葉に乗せようと、して

  ああ、ああ。ちがう。
  おもいださなきゃ。

  ( 薫るは 胡蝶蘭の 馨 )

  この じぶん は ――――。]

(188) ゼロ 2015/06/19(Fri) 01時頃

【人】 透明女子会 ヒナコ

― いま ―

「――経過は、どうだ」
「相変わらず戻りません」
「そうか」

[ だれかの話し声が聞こえる。
 「それ」は目をあけると、蒼い翅をふるりと震わせた。
 翅には小さな錘がつけられ、長くは飛べないようにされている。
 隔離施設に幽閉されて、もうどれだけ経つのだろう。]

  「♪」

[「それ」はうたう。
 あの時、「ヒナコ」が遺した歌をうたう。
 ナナオとの約束の証。
 シーシャとの約束の証を。
 歌い終わると、少女は立ち上がり、
 ステップをふむようにして、
 植物がたくさん飾られた部屋の中を歩き回る。]

(189) ゼロ 2015/06/19(Fri) 01時頃

【人】 透明女子会 ヒナコ

[ 何を思ったのか
 たくさん、たくさん、花を摘み取ると、
 胸に一杯抱えて、病室を出た。]

「♪」

  「♪」
      「♪」

[やがて、白い浴衣を目にするとそこで立ち止まる。
 目に光を宿さぬ彼女>>5をじ、と見つめると、
 ふわり と浮き上がった。

 その目の前に、抱えていた花々を、
 ひらり ひらりとひとつずつ
 花吹雪のように落とした。

 彼女の反応がどうだったとしても――。

 にっこりと、幸せそうに笑う。]

(190) ゼロ 2015/06/19(Fri) 01時頃

【人】 透明女子会 ヒナコ

 
[ 「あなたも幸せでしょう?」というように。]
 

(191) ゼロ 2015/06/19(Fri) 01時頃

【人】 透明女子会 ヒナコ

[
 少女は幸福だった。
 たとえその身から自由を奪われても。
 少女は幸福だった。
 たとえ友達と話せなくなっても。
 少女は、幸福だった。
 たとえ自分を失っても――


 ――生きるがゆえに逝った、あのひとの死を、
 知らずに、生きていけるのだから。]

(192) ゼロ 2015/06/19(Fri) 01時頃

【人】 透明女子会 ヒナコ

 

   「君ノ、瞳、ニ、花、咲ク ……日」

         「♪」

[そうして、「それ」は今日もいき続ける。
 胡蝶の夢の狭間に。 人と、蝶の意識の間に。
 夢の中になにより大事な人の記憶を抱えながら――。**]
 

(193) ゼロ 2015/06/19(Fri) 01時頃

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