91 時計館の魔女 ―始―
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[僅かに滲んだ怯え>>161には、気づかなかった。 顎に手を当てて、思案に耽る]
……お伽話、を。知っているか。
人狼と、特定の能力をもつものが集まると。 狼は、"儀式"をせねば、その場を離れられないという。
――この"ゲーム"は。……その儀式、を指すのでは無いか…・・?
[思考のままに垂れ流す言葉。古い文献を読み漁っていた時代に、得た知識。血筋で違いはあろうが、"祖父"の知るケモノは、そうであったと。また祖父自身も、体験したことがあると。そう、語った言葉を思い浮かべながら、続ける]
抗う力。 抗う力とは。――守護者が居るのか。……"伝えるもの"も……
ならば。手を組まねば。……ヒトである必要はない。 終わらせる為に、手を組まねば、な
[訥々。整理するように言葉を繋げてゆく。コタエを、導くように]
(175) 2012/05/19(Sat) 22時半頃
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[ "知る"ことは難しくないのだから。
頭に浮かぶのは、只管愉快げに笑っていた、男の顔だった]
(176) 2012/05/19(Sat) 22時半頃
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古い、制約だそうだ。今も続いているかどうかは、知らない。 血筋によって……やらないことも、ある、と。
[儀式に補足をいれつつ。 まだ名も知らぬ者も多い。知らねばならぬ、と、ヒトと関わらなくてはいけないことにうんざりしていれば、彼の口から出た疑問に>>179ヴェスパタインも首を傾げる]
――?なぜだ?
怖がる必要など無い、だろう。 "お伽話"は悪く語るが……彼らには彼らの、歴史がある。 それに――……怖いものばかりでない、と。私は、知っているから。
(183) 2012/05/19(Sat) 23時頃
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[そして僅か、迷ってから。 その疑問は、諌めるものではないだろうと、続ける]
――私の祖父は、人狼だったから。
彼はヒトを食らうことを辞めて、死んでしまった。 気づいたのは……"人間"の私を、真っ当に育てるために、血を絶ったと。そう、気づいたのは、亡くなってから、だ。
[言って、ランタンに視線を落とす]
(184) 2012/05/19(Sat) 23時頃
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[彼の語る人間の反応>>187は、間違っては居ないことも、知っているが故に。曖昧に頷く]
……無理もない。ヒトは自分と違うモノを恐れるものだ。 知らぬ、から。なにも。先入観で、歪む。
[雰囲気が軟化した気がして、ランタンに落とした視線を彼の方へ戻す。笑みを零した彼の姿は――やはり、どことなく、かつての友人に似ている気がした]
(194) 2012/05/19(Sat) 23時半頃
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[そして。続いた、言葉>>190には、力なく微笑んでみせた]
……どうもしない。私にとっても……君にとっても、きっとそれが最善だから。
ヤニクは――…私の友人に、似ている。 彼もまた、同じ問をした。
私は、どうもしない。君が"何"であろうが、変わらない、さ。
[知ることを望めば、きっと"彼"もまた、朽ちてしまうのだろうから。 気づいたとしても、黙していよう、と。ランタンに触れた手に、力を込めた。
自分が相手に"中身"を突きつけることで、喪うなら。誰かの"中身"を明かすことで、その"だれか"が朽ちるなら。もう、二度と。口には、すまい]
(195) 2012/05/19(Sat) 23時半頃
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ヴェスパタインは、エリアスの姿を思い浮かべた。彼女の名も、まだ知らない。
2012/05/19(Sat) 23時半頃
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『ヴェス お願い、言わないで―――』
[ 断末魔が 未だ消えない ]
[ 眼の前で朽ちた友人は、亡骸すら残さなかった。
もう、あんな思いはしたくない。
気づかなかった祖父の苦悩も、迂闊に"正体"を本人につきつけたことも――…
全てをやり直すために、此処に居る。]
(196) 2012/05/19(Sat) 23時半頃
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[遠い日の、追憶。届いた言葉>>203>>204に、目を伏せた]
――解っている。 "知っている"よ。
[それは、過ちを犯したが故の、ことば。 知られてはならぬ、暴かれてはならぬ彼らとの境界線を、 識りたいが故に踏み越えた賢者の。 ――悲痛な、こえだった]
力など、無かったら良かったのに、な。
[そうしたら、平和で居られたのだろうか。彼も、己も。]
―――有難う。
[申し出には、微笑みを返して>>212。 遠ざかる背に、唇を噛み締めた]
(231) 2012/05/20(Sun) 00時半頃
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[>>200ヒールの音には、気づかなかったが。
背を見送った際に、彼女の姿には気づいたかもしれない]
(232) 2012/05/20(Sun) 00時半頃
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[散ってゆく紅い花びらは、未だに残されているだろうか。 数枚くらいなら、残っていたかもしれない。拾い上げて、掌に弄ぶ。
―――……"見る"までもなく、正体は知れる。
彼は友人と同じ、だ。違うのは、"友人"は朽ちた際に水となったこと。 司るものの違いか。それとも、血筋の違い、か。それは知るところでないが、少なくとも、彼の正体を口外するわけにはいかなくなった。
――ヴェスパタインの「声」は、彼を殺す。たった四つの音で、ヤニクを殺せる。同じ言葉で、友人を死なせてしまった時のように]
………黙す、とも。
[花びらを握りしめて、褐色の彼を思う。この身が死しても 決して、君の正体は明かすまい、と]
(236) 2012/05/20(Sun) 01時頃
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[思案に耽る意識が、ヒールの乾いた音で浮上する。
眼前に居たのは、図書室で会った少女>>234だった]
――……、どうぞ、
[先ほどまで、ヤニクの腰掛けていた辺りを指して、緩く首を傾げた。
庭園に用があったのならば――椅子はここばかりでない。ならば、自分に用があるのだろうか、と]
(238) 2012/05/20(Sun) 01時頃
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[唐突な彼女の問に、次は反対側に首を傾げる番だった]
――これが狼の「儀式」を模したものなら。
「人狼」の全滅……或いは、「人間」の全滅。
どちらかの、筈だ。
魔女の云う「皆殺し」は……極論、だな。 自分が生きていればいい。あとは殺せば、条件は満たされる。
[まして、"願い"を叶えてくれる、と前置きされている。 人間同士、狼同士でも裏切りはあり得る。
先刻、"賢者"と"人外"が手を結んだように。]
(243) 2012/05/20(Sun) 01時頃
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――そういう、ことになる。
そこに"魔女"が介入している以上……古い制約は、どう変わるのか。 それだけが懸念だが……儀式を行うもの、贄となるもの、どちらかが全滅せねば、終わらない。
……それと、ここに集められた"獣"が、制約通りに動くとも、限らない。
[人狼が始める儀式で無い以上、必ずとは断言できなかった。
獣の習性は祖父と――母の手記で理解こそしているが、己の内に獣の血脈がない以上、他の血族がどうするのか、というところは予測がつかなかった]
狼は…食事以外で、ヒトを殺すことは稀だ。中には「殺し」を愉しむものも居る、そうだが――…多くの場合、自衛と生存のため、だ。
――私は手を組むことを厭わない。
[自身が生き残るため、なら。ダレの手だって借りるつもりだった]
(250) 2012/05/20(Sun) 01時半頃
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[そして 告発も 厭わない]
[対抗する力はある。味方と、身を守る術さえ確保してしまえば、獣を相手取ることは容易い。
"あの場所"を取り戻したら、また。
今度こそ、"人間"を学ぶことが出来ると、そう思っていた]
(251) 2012/05/20(Sun) 01時半頃
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――私は狼では、無い。
人狼と、人狼の間の子は。人狼として生まれてくる、が。 片方が人間なら、人狼とは限らない。
[聞こえたのだ、と謝る彼女には、緩く首を振って。 元より、どうしても聞かれたくないのだったら自室に呼べばよかったこと。それは此方の落ち度もあるし、問題ない、と。]
(262) 2012/05/20(Sun) 02時頃
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どう、説明したものか……
あくまで、仮定の、話だ。
"儀式"なら、一定数の"贄"を捧げること、で。終わらせることが出来る。
残った人間を、殺すか否か、は。残された狼の裁量によるところ、だ。 祖父、は。儀式を経験したことがあるのだが……残った人間は、生かした、と。
自分が恨まれても、生きる糧になるなら、それでいい、と。
[思い返しながら、言葉を選びつつ語る。 皆がみな、祖父のような考え方の狼ばかりでないことは承知の上だが、彼らとて、"自分たち"に犠牲を出さぬならそちらの方が良いだろう、と。
"願い"を駆逐されるものが出るなら、それを逆手に取ればいいと考えて、居た]
(263) 2012/05/20(Sun) 02時頃
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――見分けることさえ出来れば、敵ではない。
[数の暴力。 "獣"は牙こそ持てど、縛りの多いいきもの、だ。
人間の叡智は、時に獣にまさる"牙"となる。
恐怖を煽る力なら、内にあるのだから]
(264) 2012/05/20(Sun) 02時頃
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[首を傾げた彼女に、どう説明したものかと此方もまた首を傾げて。 多岐に渡る儀式を、全て識っている訳ではない。
祖父も己の血族に関して、そう多く語った訳でも、無かった]
祖父の血族が行う"儀式"は。 己の血族を生かす為に、邪魔者を排除するだけに留める、と。
疑心暗鬼で人間たちは勝手に潰れる。
それを煽るだけで、必要な"贄"の血は流れる、から。
[どういう仕組みなのか、は。上手く説明することは出来そうに無かった。 魔女という介入者、またケモノ達個人の"願い"も含めて。 イレギュラー、が。この場には多すぎる。 そして悪魔と――妖精、人魚の存在も。]
(269) 2012/05/20(Sun) 02時半頃
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[それは、問の形式をとれども、半ば断定めいたことばに感じた>>268]
―― 識ることだけは、得意だから。
[それは、肯定。
彼女を完全に信用した訳ではないが、嫌なものは感じない。 ならば、肯定しても構わないだろう、との考えだった。
彼女が獣であったならば、身を差し出すことにはなれど。 あまり、健康そうにも見えない。獣だったとしても、飢えている。血を長く口にして居ない獣なら、身体能力も落ちている、筈。
勝算は、在るが故に、開示を躊躇うことは無かった]
(270) 2012/05/20(Sun) 02時半頃
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ヴェスパタインは、湖を見つめて、夜の静寂を*聞いている*
2012/05/20(Sun) 03時頃
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―深夜・湖側庭園―
[細く息を吐いた少女に、目を伏せることで肯定を示す。 神でもないモノが、誰かの願いのために世界に干渉するなら。 ――それなりの、犠牲を払わねばならない。これは理、だ。
魔女自身の性格も在るだろうが、争わせること、は即ち彼女の楽しみで。 流れる血は、そのまま対価と成る。ヴェスパタインは、そう予測していた]
――……。趣味の悪い、
[他人への関心が薄いヴェスパタインが、嘲りをことばにのせることは。 そう、多くはない。故に、妙な響きを持って、届いただろうか。
黙りこくる彼女>>282の隣で、同じように口を閉ざして、ただ、いろの無い視線で、先を見ていた]
(376) 2012/05/20(Sun) 22時頃
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[そうして、弱い声で告げられた、彼女の中身。
ひとこと、]
――伝えるもの、か……
[彼女は"伝える者"だったのだ、と。それが真であるかどうか、は。己の力を用いれば知れること。 躊躇いがちに言葉を紡ぐ彼女が、嘘を言っているとは思えなかった]
(377) 2012/05/20(Sun) 22時頃
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…構わないよ。けれど――……
ひとつだけ、どうしても教えられないものが、あることは。
許して、くれ。
[受け入れられたことに驚いて、笑みを零した彼を思い返す。 自分が誰かに彼の正体を話せば――…或いは、本人につきつければ、彼は朽ちる、のだ。
そこだけは、決して譲れなかった]
(378) 2012/05/20(Sun) 22時頃
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[夜も更けてきた、頃。自室に戻るかと、腰を上げる。
彼女にどうするか聞こうとして――名を、知らぬことに気づき]
……その、君の名を、聞いてもいいだろうか。
私はヴェスパタイン・エヴァンス、だ。
[控えめに、問うて。庭園を後にした*]
(380) 2012/05/20(Sun) 22時頃
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―2階\の部屋・ヴェスパタイン自室―
[ランタンの灯り一つの、己の部屋。備え付けのシャワールームの中で、水に打たれながらぼんやりと、思案に耽っていた。
己がお伽話で云うところの、"賢者"であると自覚したのはいつのことだったか。
多く、"賢者"と云うものは。"知"を求めるが余り、道を踏み外したもの、とされる。 そういう意味で云えば、ヴェスパタインは十分に賢者といえた。 きな臭い魔術書であろうが、趣き深い文学であろうが、正しく導かれた歴史であろうが。何であれ、全てを学ぶことを是として、生きてきたのだから。]
(394) 2012/05/20(Sun) 22時半頃
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―――……。
[知恵は、ある。僅かではあるが、魔術の心得も、ある。 けれど、この非力さで。体力も、腕力もないこの自分が。
果たして、生きていけるのか。]
守護者……
["護る者"を、味方に付けねば。伝える者には、もう会えた。 ――そして、生き残らねば。]
[ぽたりぽたりと身体を落ちるしずくを、暫くそのまま、眺めていた*
→翌朝]
(395) 2012/05/20(Sun) 22時半頃
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―早朝・大広間―
[湯浴みを終えた後のことは、あまり覚えていない。ぼんやりと霞んだ意識のまま、階段を降りる。 望めば自室で食事を摂ることも可能だということは解っているし、そうしたいのはやまやまだったが――……
ここにいる人間を、把握しておかねば、と。その思いが、階下に降りることを決断させた]
……混ざっても、良い、だろうか?
[知らぬ顔ばかりの、大広間の面々に、声をかけ。 許されたなら、腰を下ろしただろう。]
(422) 2012/05/20(Sun) 23時半頃
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[躊躇いがちにかけた声に、返った肯定>>428。軽く頭を下げて、空いた椅子へ腰を下ろす。 あまり朝に強い方ではない。緩く目を細め、飲み物だけを口にして]
――ヴェスパタイン・エヴァンス、だ。
[改めて、その場に居る面々に名を告げる。
挨拶が終わった頃だろうか、姿を見せたヤニク>>432に、少し安堵したように微笑んで]
ああ、おはよう。
[此方もまた、短く挨拶を返した]
(456) 2012/05/21(Mon) 00時半頃
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[差し出された手>>433に、少し身構えたものの、その手を握り。今一度、名を告げたか。]
――カミーユ、と。呼んでも?
[問いかけながら、緩く首を傾げ。中性的な彼の顔を見つめて返答を待つ]
(457) 2012/05/21(Mon) 00時半頃
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[そうして、カップに口をつけようとした時に耳に入ったことば>>450に、ちらりと視線をカミーユへ向ける。 いろの 無い、目を。]
……胡散臭いモノだから。 嫌いでも、仕方のないことと、思うが。
[目を伏せて、満たされたミルクを一口。 あまり熱いものは好きでないが、丁度いい温度のそれは身に染みる]
"騙るもの"も、居るから。
[それは気狂いか、はたまた狼か。 含みのある声を、載せた]
(459) 2012/05/21(Mon) 00時半頃
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[白濁を眺めていた視線を、あげて。届いた声>>465には、]
――気にするな。
[ほんの少し緩んだ口元を、再びカップにつける間際。 小さく、応えた]
(468) 2012/05/21(Mon) 01時頃
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