262 【突発誰歓RP】聖夜におうちに帰れない村
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[
犬の首輪が、砂漠を彷徨っている。 ]
(3) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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[赤い、革製の首輪。 名前は書かれていない、古ぼけた首輪。 細長いリードを引きずりながら、きゅるきゅる鳴いて。 蛇行しながら、歩いている、いや、引きずっている。
突然、薄い波が打ち寄せてくる。 水を被った白い砂は、真っ黒に染め上がる。 首輪は困った様にきゅうと鳴き、 波を避ける様に方角を変える。
けれども二層目の波は、 首輪を頭から尾っぽまで丸ごと、 海の中に引きずり込む。]
(5) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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………ぶぁっ。
[顔面のすぐ側、激しい流水音。 僅か跳ねた飛沫にふと正気に返った。 組んで頭を乗せていた両腕が温かいのに、 床に投げ出した両足はつめたいタイルに体温を奪われ、 はんぶん感覚が無くなっている。 顔を上げれば、緑色のセンサーライトがちかちかと点滅していた。 多分、微睡んで揺れた頭が反応したんだろう。
しょろしょろと小さくなっていく流水音。 特に流す物は無いというのに無駄に流れてしまった水をぼんやりと見送る。 いや、流れたのかもしれない。 うつつに見たかもしれない、夢みたいなもんが。]
(7) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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[やや広く、明るくも。 薄汚れ、下水の匂い漂う公衆便所の個室にて、 蒲生陽は立ち上がり、控えめに深呼吸した。 男女共用、というか最近よくあるバリアフリートイレ。 通常の個室よりも広く、手すりだとか、更衣用の台だとか、色々な物が充実している割には手入れが行き届いていない。
便器にどのくらいもたれかかってたんだか、時計も無いのでわかる訳もなく。 鮮明さを取り戻していく意識は辛うじて、たたん、たたんという電車の音を拾い上げる。 寝床を求めて。久々にひとの多い場所に来て。ひとに酔って…]
此処にも長居は出来んなぁ。
[…確実にひとりになれる場所。 それが便所、なんてどこのいじめられっ子の発想やら。 あまり使われる事のない、駅の寂しい出入り口の便所は それでも夜になれば保安の為の警備が回り、鍵が閉められるもんだ]
(8) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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しかしまぁー。 ここまで人ゴミに弱ぅなってたんは 誤算やな。誤算…
[収入としての空き缶拾いや雑誌拾いは早朝の仕事。 使えそうな廃品集めだってそう。 『文明』に寄り添ってはいたものの、 『人』から離れた暮らしが長すぎた、なんて 今更に自覚して。阿呆が過ぎるんやないの。なんて自嘲しつつ。 軽く顔を洗って気を落ち着け、便所の扉を開いたら、
雪が、降り始めていた。**]
(9) 2016/12/18(Sun) 03時頃
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[暗く狭い、 パイプの這い回る道を通り抜ける。
ファミレス。学生達が大騒ぎ。
油の匂いでいっぱいの、 建物と建物の隙間をぬって歩く。
カラオケ。オールを決め込む若人たち。
峡谷みたいな、 灰色の壁の隙間をすり抜ける。
居酒屋の裏。 おうさまだーれだ!なんて、歓声。
室外機の冷風に当てられ、 耳がちぎれそうなほどに冷えて、 ………息切れがしてきた。]
(32) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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あかん。
[ぼす、と尻餅を付く。 派手な色のウィンドブレーカーが壁に擦れ、 ビニコン袋みてぇな安っぽい音を立て。 幅2mほどの薄暗い、店舗と店舗の隙間。 素っ気ない鉄の階段だの、 どこに繋がっているのかわからん迷路みてぇな。 茶色く焼けた室外機が壁じゅうを這い回ってん。
此処に俺の居場所はあらんのや。 いや、 じっく昔から、んな感じやんけ。]
(33) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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[路上生活者には二種類居んのよ。 街をリビング代わりに使う 蜘蛛みてーな連中と、 忘れ去られた土地に尻尾巻いて逃げ込む、 野犬みてーな連中。
俺は圧倒的に、後者なんやな。 別に犯罪なんざ犯した訳やないんやけど。]
……ん。
[尻餅をついた場所が少し暖かくて、 蒲生陽は自分が尻を置いたそれを指で撫でて一瞥する。 端っこの欠けて、ぐずぐずになったスチレンボード。 ほぅ、と白い息を吐いた。
発泡スチロールというものは、意外にも暖かいのだ。]
(34) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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[隣のゴミ箱を見やれば、 ペンキ缶ばかりが山盛りになっている。 恐らくは工務店か何かのゴミ置場なのだろう。]
…おお。 上等やんけ。
[さうさね。 結局俺は、置き去りにされた獣の糞ちゅーコトや。 俺とオソロイに置き去りにされたモンと一緒に、 何とかやってくしかねーっちゅーコトなんや。
スチロール板を小脇に抱え、 ゴミ箱を適当に漁る。 ここのゴミ箱は他はダメそうだ、 新聞紙はしこたまよぉわからん液体で汚れてる。]
(35) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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[けれども、上等な物を一つだけ、見つけた。]
らっきー。
[ビニール傘。 骨は一本折れているけれど、使えるもんだ。
狭い通路でそれをさして、 ずんずんと奥へ、奥へと進んで行く。 ジングル・ベルの音楽はどんどん遠く、薄れ。 もはや彼の耳には聞こえない。]
(36) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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[
犬に置いてかれた首輪は、 二度と、犬にゃあ追いつけん。 ]
(37) 2016/12/19(Mon) 02時頃
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だ っと。
[そうやって、人気の無いシャッター店舗とケーキ屋の間からボロ傘をさして抜け出たところで、 スズランテープの靴紐が排水パイプに引っかかり。 ぶち、と音を立てて千切れた]
あー。 …しゃーない、上着の紐で何とか…
[情けないが、 今は正直新しいテープを買うのも惜しい全財産なので。 ウィンドブレーカーの紐を抜き取り、 靴の穴に通そうと屈んだ瞬間、]
………………、 おおう?
[…ビールケースに湿気て張り付いた、 皺のない諭吉>>0:39と、目が合った。]
(38) 2016/12/19(Mon) 02時半頃
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…………、…。
[拾い上げ、ビニ傘越しの街灯に透かす。 しっかりと、白い空白の中にもう一人の諭吉がすかしで浮かび上がる。]
………………、…?
[諭吉の向こう側、曇った夜空を見上げる。 赤い服を着た老人の駆るソリとかは、見えなかった。
いや、金を撒き散らすサンタとか悪趣味なモンが居っても困るんやけど。]**
(39) 2016/12/19(Mon) 02時半頃
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[湿って、力のいれ方を間違えたら千切れちまいそうな一万円札。軽くぴらぴらと振って、水気をズボンで吸ってから折る。 行き先はポケット。交番に届け出られる様な身分の男じゃあないもんで。]
ったに。 クリスマスに浮かれちゃあこんなモンも落とすんかね。
[でもまぁ、とても助かった。 こいつがありゃあ、生活をほぼゼロから作り直すこともできよう。 要りようはまずカセットコンロ…と、ガス缶… それから拾いモンを直す為の工具類。 思えば大晦日になれば、いろんなモノがゴミ捨て場を埋め尽くすのだし…]
ぶえっくしゅ。
[…いや、そん前にこの夜を越せんのかね。 心の中でひとりごちて、足早に歩き出す。
居場所を。巣を。作らにゃならん。 探さにゃならん。打ち捨てられたものを。]
(56) 2016/12/20(Tue) 00時半頃
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[誰も居ない場所を。 誰も行かない場所を。
この、クリスマスの日に。 白雪が世界を包む日に–––––]
…あ。 せや、せや。
[ふと、思い立ったように、男は立ち止まり。 当て所ない足先が急に意思を持ち。
力を持って、歩き始めた。]
(59) 2016/12/20(Tue) 01時頃
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