35 WWV 感染拡大
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―回想 廊下―
……うぜぇ、んだよ、その汚ぇ手を離しやがれ。
[耳元の低い声>>0に肌が粟立つような気色悪さを覚える。 剣呑な視線で捉えた相手の顔は、歪に引きつっていた。
オカマの腹に膝を叩き付けると同時、 首筋でもう一度、ぷつりと微かな衝撃があった。 裂傷は一度目より深く、赤色が溢れる]
いっつ……
[頭がぐらつくのは多分、まだ失血の所為ではない。 押さえる腕が解かれた隙に距離を取ろうと踵を返し、 壁に手をついた所で背中に衝撃を受けた]
(+25) 2010/11/03(Wed) 01時頃
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―回想 空き研究室―
[体当たりして来た男もろとも、床に転がり落ちる。 狂った平衡感覚でも立ち上がろうと宙を掻いた腕が、 どさりと床に縫い止められた>>1]
誰、がっ
[相手の脇腹からも出血が見止められた。 それも少量ではない、じわじわと衣服に広がっている。 手負いのオカマ相手ならまだ逃げられる筈だと。 もがけば踏み付ける足に体重が掛けられ、 みしりと腕が軋んだ。
――コイツどういう腕力してやがる。
思うが早いか、刃が降って来る]
(+27) 2010/11/03(Wed) 01時頃
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[ざくりと突き立つナイフはそのまま、 引き抜かれずに――ぎちりと捻られた]
が……っは、ぁ、ぐぅッ
[がくんと身体が跳ねる。歯を食い縛って、声は、耐えた。 相手の顔を睨み上げる事も止めない。
抵抗心を失わないこちらの様に嗜虐心を露わに、 次に男が取り出すのは針と呼ぶには長大なピック>>2。 反応を愉しむように、キキ、と浅く皮膚を引っ掻いて、 それが肩の傷口を更に抉った]
ぎ、ぃッ ぁあああ!!!
[組み敷いた下で、絶叫し暴れる玩具を見下ろす眼は、 酷く陶然として。 両手の刃物と針が交互に、同時に、何度も何度も、 血肉を削り落とす]
(+29) 2010/11/03(Wed) 01時頃
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ああああッ、クソっ、この……っの野郎、
――は、ッ!
[幾度目か。 振り上げられた切先に一瞬向けた視線は、 それはもう、本能的な恐怖だ。 目敏くその陰を見出した男の表情がぱぁっと輝いた>>3]
……止めッぐっあッああああああ――――!!
(+30) 2010/11/03(Wed) 01時頃
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[苦痛は終わらないような気さえした。>>4 切り裂かれる灼熱感に寒気が取って代わり、 聞き取れる言葉も曖昧になって行った。
――ひゅぅ
ごり、と肋骨を擦るナイフに声は上がらない。 背筋はかくりと震えるような反応を残した]
――、…………
[黒の両目はもう霞んで役に立たない筈、それでも。
獰猛な獣のように、 今にも敵の喉笛を食い千切らんばかりに、
小さく光る殺意の先端を、 血に狂い切った鮮烈な笑顔を、
確かに捉えたのだ]
(+31) 2010/11/03(Wed) 01時頃
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[ ―――― 殺してやるッ !!! ]
[ ドスン**]
(+32) 2010/11/03(Wed) 01時頃
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―現在―
……――
[意識は永遠に闇に呑まれるかと思いきや。 笑い狂う連中を遠目に眺めている自分に気が付いた]
……何だ、こりゃあ
[くしゃりと顔を顰める。 散々自分を甚振り尽くした変態野郎が、 本人の目玉を手に高笑いを上げている。
心の底から気持ち悪い、と思った]
(+33) 2010/11/03(Wed) 01時半頃
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[痛みはない。 足許に自分が転がっていた。 鏡を使わずに見るのは初めての顔。 その漆黒の双眸が宿したものは、嫌悪を軽く超えていた。
聞こえたのは、歌だ。
視線は血を浴びる人間達の頭上を素通りして彷徨う]
(+37) 2010/11/03(Wed) 01時半頃
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