299 さよならバイバイ、じゃあ明日。
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[どれくらい、ぴちゃぴちゃ水浴びをしていただろう。 机の周りはもうすっかり水浸しだ。 満足したソランジュは、ぷるると震えて体を起こした。 小瓶に残っている水はあともう少し、それでも大事に蓋をし直す。
ぷる、ぷるるん。 そうして起こした体は、心なしかつやを増したようだった。 定かではない。が、水分量は多分増えてる。]
… … …
[そうして半透明ゼリーのような生き物は、 滑らかになった体を動かして机の脇の棚へと移動した。 やがて棚から器用に、黒い小さな塊を取り出す。 ころりとそれを透明ゼリーの中に飲み込んで、ソランジュは店を出た。 「営業中」の札を外しておく。]
(45) 2019/10/08(Tue) 18時頃
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[ぷるるんぷるん。つやつやゼリーは路地の上。 どこからか、けたたましい鳴き声が響いてくる。 それに、雨色の体が反響してぷるると震えた**]
(46) 2019/10/08(Tue) 18時頃
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[ぷに、ぷに、ぴちょん。 ソランジュは、何かを探すように路地を歩いた。 その様子は歩くというより跳ねるに近い。 ぴちょん、ぽよん。大きな水滴が跳ねるかのような有様だ。
向かったのは広場の方、 それは目指すものが其方かと思えたから。 けれどその途中の路地裏で、騒ぎ>>64に行き会った。 ぽよん、ぽよん。 声のする方へと近づいていく。]
… … ?
[なんの騒ぎだろう? 悠長に曲がりくねった文字を書くより早く、 半透明のゼリーはカラフルな軟体動物らの騒ぎを覗き込んだ。]
(71) 2019/10/09(Wed) 00時半頃
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[見ればソルフリッツィが剣を抜いている。 それにぷるぷると震えて、ソランジュは斜めに傾いだ。 どうしたんだろう?と首傾ける風で、ぴょこんと跳ねる。 そうしてもう少し、騒ぎの方へと寄った。
ぴちょん、ぽよん。 そうして声>>74を掛けられれば、遠慮なく転がっていく。]
「 にぎやか 」
[路地をかりりと引っ掻けば、 どうにか文字らしきは見えようか。 ソルフリッツィにはこう応えて、はてと虹色の方へと意識を向けた。]
「 いきてる ? 」
(76) 2019/10/09(Wed) 01時頃
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[どうやら虹色軟体生物は生きていたようだ。 ソルフリッツィの応え>>80にぷるぷると体を震わせ、 そうして半透明ゼリーはンゴティエクの方へと更に近寄った。
どうにも元気がなさそうだ。 もしかしたら、水が足りてないのかも知れない。 普段ならそんな大盤振る舞いはしないけど、 今のソランジュは湖のおいしい水をたっぷりと含んだ後である。
少しくらいならいいだろう。ということで、 ソランジュはぴちょんと半透明ゼリーから水を飛ばした。 その飛沫をかけてあげて、ンゴティエクを癒してる、つもりだ。]
(82) 2019/10/09(Wed) 01時半頃
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ソランジュは、ンゴティエクに向けて ぴ、ぴ、ぴ、と水飛沫を放っている。
2019/10/09(Wed) 01時半頃
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[水飛沫を虹色のンゴティエクは喜んでいるみたいだった。 それはそうだろう、湖のおいしい水だ。 ひとまずはちょっとだけ、お裾分け分。
ぴったん ぽよん、ぴったん ぷにん。
謎の柔らかい生き物が二体、路地裏にのたうっている。 ひとまず元気になったンゴティエクに満足して、 ソランジュはぷにぷにと体を揺らした。 心持ち、ソルフリッツィへの方へゼリーが傾く。]
「 ソルフリッツィ みまわり? 」
[彼はいつも、街の見回りをしている。 今日もその最中だっただろうかと、ゼリーは傾き、]
(84) 2019/10/09(Wed) 02時頃
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「 ロゴス みた ? 」
[知ってるかな?と。 ころんと手持ちの黒い小さな塊を転がして問いかけた。]
(85) 2019/10/09(Wed) 02時頃
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ソランジュは、ぽよぽよと揺れている。**
2019/10/09(Wed) 02時半頃
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[ンゴティエクに水浴びをさせてあげてから、 そうだ。と、びたんびたんと跳ね回る虹虫を見た。]
「 にじ ちょうだい 」
[地面に文字を書いておく。 なんだか忙しそうだけど、あとで見てくれるかも知れない。 ンゴティエクの粘液の固まったものだとは…… これだけで通じたものか否か。]
(99) 2019/10/09(Wed) 18時頃
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「 つぎ ? 」
[つまり、また水をかけて欲しいということだろうか。 やっぱり気持ち良かったのだろう。 そう納得して、ソランジュはぷるると震えた。>>97]
「 うん。 また 、あげる。 」
[次回をそう約束してあげることにした。 そうしてソルフリッツィにぷるんと傾く。]
(100) 2019/10/09(Wed) 18時頃
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「 にし 」
[虹虫はロゴスの場所を知らないようだったけど、 幸いソルフリッツィは見ていたらしい。 さすが、街を見回っているだけあって情報通だ。 ただ、返ってきた回答は少し問題だった。
方角はともかく、飛んで行ったという。 それには半透明ゼリーも少し困ったように震えを止めた。 さすがに空を飛ぶものに追いつけるほど、 高性能なゼリーではない。]
「 うん。 さがす。 」
[ぽよん。と、同意を示すようにして跳ねた。 ソルフリッツィが歩き出すのにくっついて行くように、 ぷにぷにと揺れながら跳ねながら動き出す。 半透明ゼリーの中で、抱えた小さな黒い塊もふよんと揺れた。**]
(101) 2019/10/09(Wed) 18時頃
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[少し、粉屋の話をしよう。 粉屋は粉屋だから、粉ならなんでも扱った。 単にパンを焼くための小麦粉をと頼まれれば応じたし、 呪術師に何やら怪しげな粉を頼まれれば、それも用意した。
植物であれば大体コーラに頼めば仕入れられたし、 石や硬いものや尖ったもの、それらはゼリー状の軟体には 痛みも傷も与えることがなかったから、 ソランジュ自身は粉に用がなくとも、 仕事としては天職みたいなものだった。
中でもお得意さまは定期的に顔料を必要としてくれる、 白い狐や葬儀屋や。 彼らとのんびり取引をするのが好きだった。 ロゴスもまた、良く取引をしてくれる街の仲間だった。]
(111) 2019/10/09(Wed) 22時半頃
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[ぷるるん、ぷよん。 移動しながらだとなかなか文字は書けないから、 ソランジュは黙ってぷにぷに震えながら移動していく。
それでもどうやら、音は聞こえる。 それは当然で、音が聞こえねば会話も成り立つはずがない。 ともあれそんなわけで、移動中に声>>106を聞いた。 馴染みのある声だ。
ソランジュは声の響きに共鳴するかのように、ぷるると震えた。 そうして、ぴょこんと飛び跳ねる。 その動きがソルフリッツィや声の主の目に留まるやら。 ソランジュはぷるんぷるんと震えながら歌の響きを目指した。 それが西かどうかは分からないけど。
どのみち、ロゴスの居場所の当てもないのだ。*]
(112) 2019/10/09(Wed) 22時半頃
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[歌声の方へとぽよぽよ跳ねて、 それでも声を掛けてくれたのはソルフリッツィだった。 それはそうだ、跳ねては文字も記せない。]
「 モイスチャ 」
[微妙にスペル足らずでそう書いた。 馴染みの顔に、雨色ゼリーが嬉しそうにぷるんと揺れる。]
「 だれ ? 」
[手向けということは、また誰か死んだのだ。 そうかとソルフリッツィとモイスチュアを交互に眺めるように半透明のゼリーは左右に揺れて、少し寂し気にぴちゃんと水を弾いた。]
(118) 2019/10/09(Wed) 23時半頃
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[ソランジュの粉屋の小屋には、ちんまりとした棚がある。 その棚の中には、幾つもの瓶が並んでいた。
その中には狐の好む朱とか、 葬儀屋のモイスチュアに渡すつもりだった顔料だとかも置いてある。 モイは、幾人かいるうちのお得意さまだった。 時折、顔料なんかを仕入れに来てくれる。>>0:86
そう、だから。 こうした時に店を巻き込まずに済んだのはさいわいだった。 すぐになくなったら、誰かがきっと困るだろうから]
(122) 2019/10/10(Thu) 00時頃
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[ばさり。
ロゴスが飛来したとき雨色ゼリーのソランジュは、 嬉しそうにぷるんと揺れて、ぽよんと跳ねた。 跳ねた拍子に抱えていた黒い小さな塊が転がって、 ころころとロゴスの方へと転がっていく。]
(123) 2019/10/10(Thu) 00時頃
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[───ぽん。と、軽快な音が響いた。
ぽん、ぽぽぽん。 ぽぽぽぽん。 いくつかの音と同時に、光が爆ぜる。 それらは空に打ちあがって、光の花を開かせた。 花火だ。
どうした仕組みか、ロゴスの熾火に触れたのか、 半透明ゼリーが大事に抱えていた黒い花火の塊は、 転がった先で、ぽんぽん爆ぜた。 事故ではあったのだろう。 少なくともソランジュの意図したものではない。
ロゴスには確かに頼まれていた。…いや。 大嵐と彼が口走ったということは、 もしかしたら勘違いだったのかも知れないけど。 少なくとも、半透明ゼリーはロゴスにこれを届けに来た。 届けるだけのつもりだったのだが。]
(124) 2019/10/10(Thu) 00時頃
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[黒い小さな花火の塊が、 ころりとソルフリッツィとモイスチュアの方へ転がった。 危ないと思ったのか、慌てたのか。 半透明ゼリーの体が跳ねて、黒い塊の上に覆いかぶさった。
ぽん。と、ソランジュの下の花火が爆ぜた。 それと一緒に半透明ゼリーも、ぽぽんと爆ぜた。
ぽん、ぽぽぽん。
雨色ゼリーは爆ぜて、 幾つもの小さなゼリーになって辺りへと散らばった。 花火はそれに構わず、ぽんぽんと上がっている。 まるでお祭りみたいだ。]
(125) 2019/10/10(Thu) 00時頃
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[黒い粉と黄色い粉。 捏ねて作った花火の作者は、作品を見ることがない。 ほんとうは、花火には虹虫の粉を混ぜるつもりだった。 あれを混ぜれば、花火はより一層華やかになっただろう。 でも、もうそれを試すこともない。
あちこちに散らばった半透明ゼリーの体は、 少しぷるると震えて、しなりと動きを止めた。
ぷるる、ぷるん。 一番大きな欠片が、こまったな。というように、 少し長めに震えていたけれど。
それでおしまい。 さよなら、バイバイ。またあした。 雨色の半透明ゼリーのソランジュは、 そうして震えることも文字を書くことも*なくなった。*]
(126) 2019/10/10(Thu) 00時頃
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