217 【突発誰歓】幸福の壷【十二支騒動記】
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/02/16(Mon) 01時頃
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[とろり、と意識が朱睡の闇へと包まれる。
直前まで神の傍近くに居た者へ、 危うきものを感じながらも、タロの提案退けられなんだは 他の者でなく我が身に災厄降ることで 僅かなりとも安堵を覚えてしまうがゆえか。]
(守りたいと願うは――、きっと同じであろうな)
(+0) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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(だから、嘆くでないよ。)
(憤るでないよ。)
[眠りに包まれながら、 主の尊の神気と、それよりは小さな戌の神気が まだ無事であるを感じ取り、
未だ迷いの中の朋輩の先行きを 眠りの中で願い続けた。**]
(+1) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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[眠りの中、最後に聞こえた寅の声。 神様が倒れた直後のことを思い出す。
彼女はなんて言っていた。 別に、「眠った者の事」が分かるとは、言っていなかったのではないか。
彼女はただ、]
うっわあああああああああああああああ!!
[眠りの中、浮かぶ思考は、酉とは違って情けないものだった。]
(+2) 2015/02/16(Mon) 01時半頃
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[何が一緒だからだ、何が信じられるからだ。 いや、信じないとは言っていないし信じられるとも思っている。 自分の選択が間違いだとも思っていない。 だが、あの切った啖呵が勘違いによるものならば。]
…はっずかしい…何やってんだオレ…。
[起きていたら、真っ赤になった顔を手で覆っていたことだろう。 穴があったら入りたい。そんな気分だった。]
(+3) 2015/02/16(Mon) 01時半頃
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[ぱたぱたと降り注ぐ慈雨の如く、 覚えのある声は降り注ぐ。
眠る、ということはもっと寂しく一人闇に漂うばかりと思うていたが、 祈りの強さか、あるいは悪しき気の影響が及ばぬ何かがあったのか――
いずれにせよ、寂しさ感じぬことには 眠りの中で笑み浮かべる。]
(+4) 2015/02/16(Mon) 21時半頃
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[ぽかり、と夢の中で吐き出した泡に、思い出は宿る。
始まりはひとつ。]
(+5) 2015/02/16(Mon) 22時頃
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[ああ、あれはいまだ人型保てなんだ頃。 先代の隠居に伴い、代替わりしたばかり。
背丈はいっとう小さく、髪はまばら。 気を抜けば丹色の羽どころか、淡い黄色の羽ばたつかせる小雛。
ぴいぴいと鳴くばかりを、 「良い声」と撫でて抱き上げたは辰の翁。
あの頃からとうに大人で、見上げるばかりで。 軽口叩けるほどになった今でさえ、何を返せるのかと時に迷う。
被った仮面に手を伸ばしたのはいつごろであったか。]
(+6) 2015/02/16(Mon) 22時頃
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[戸惑う辰へと、にこり笑って言ったもの。
「お顔を隠しても、隠さなくても、大好きよ。」
やっと紅色の袖が似合い始めたばかりの事。]
(+7) 2015/02/16(Mon) 22時頃
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[紅色の袖を翻すにも慣れた頃、 眉間に皺寄せる巳の男が一堂に加わったこと。
凶星と同じくするその名を厭う彼へと、 まだ告げていない言葉がある。]
(厭うでないよ、それは―― きっとそなたを守る物。)
[矜持高い男と知っていたから、 安易な慰めなどせずに振る舞った。 けれど――、それでよかったのかと今でもふと悔いる。
せめて、言の葉の一葉と成せばよかった。]
(+8) 2015/02/16(Mon) 22時頃
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悪しき名を纏うことで悪気を祓う、 きっと、お主の名もそうであろうて。
[いつか、呼ばせて欲しい、と 告げていれば何か変わっていたのか。]
(+9) 2015/02/16(Mon) 22時頃
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[力篭らぬ体を抱き上げる午の男の声はしかと聞いた。]
(女子の重みさえ知らぬとは、 そなたもねんねよのう。)
[何時ぞや、――ああ、寅の仔がまだ十二に選ばれた頃。
今よりも小さくて愛らしゅうて、思わず手を伸ばさずにいられなんだ酉に、 「母娘みたいなものですか」と口滑らせたままの迂闊さよ。 にこりと笑んで、その頬抓りあげて謝らせたは新しくもない思い出。
その軽口すら今は懐かしい気がして、 夢路に指伸ばすことさえを躊躇う。
消えて、泡沫とならぬよう。]
(+10) 2015/02/16(Mon) 22時頃
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うっるせぇエテ公!さっきまで弱音吐いてたくせに! しょこらはお前みたいに蹲ったりしねぇよ!
[申の言葉に返すのは楽だ>>13。何も考える必要がないから。 酉のような寛容さもなければ、巳のような思慮深さも、辰のような先見性もない自分。 売り言葉に買い言葉で応じるのは楽だ。 だから、寅の懺悔>>12は。
完全に勘違いしていた自分が悪いのに。]
(+11) 2015/02/16(Mon) 22時半頃
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[与える言葉を知らないから、何も伝えられなかった。 意識が伝わっているのに、何も言えなかった。
身体は、申に引き摺られていく。]
(+12) 2015/02/16(Mon) 22時半頃
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[ひとつ、寂しいと思うのは、 手を伸ばせないこと。
頭を撫でた時のはにかんだ顔。 仏頂面、困ったような顔、狼狽える顔、 微笑む顔。
どれも、今、この手の中にはなく。]
(寂しいのう…)
[ぽつり、泡を吐き出す。]
(+13) 2015/02/16(Mon) 22時半頃
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[ああ、あれは亥の仔抱き上げた折。 植わった柿の木に激突した子の頭を膝へと乗せて撫でていた。
十二の勢が皆揃う時は緊張しているのか、 二人だけなら少し饒舌な姿に、 微笑ましさ感じて。
膝上の軽い重みなど、気にもせず。 その日はずっと亥のこの髪を撫でていた。]
(+14) 2015/02/16(Mon) 22時半頃
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[思い出すことは、どれも優しい思いばかりで、 それに触れられぬことが、苦しくなる。 切なくなる。]
(それでも――思いなくせば 歪もうから。)
[愛しき思いを呼び起こす。
僅か心の底の底。 小さな振動で構わぬから、悪しき気祓う糸口たれと。]
(+15) 2015/02/16(Mon) 23時頃
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徒弟 グレッグは、メモを貼った。
2015/02/16(Mon) 23時頃
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[丑の仔、初めて招き入れた折は、 既に用意されていただけでは料理足りず、 自らも厨へとかけた。
まだ火もついて出来上がらぬ料理を前に、 期待するような瞳で座敷抜け出した丑の仔が控えていた時には 笑ったものよ。]
少々待てよ。
[今すぐに食べたいとでもいう気持ちを抑えて、 こくりと頷くもんぺへ味見と称して 一口先に与えたは他へは内緒。]
(+16) 2015/02/16(Mon) 23時頃
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[今にも泣き出しそうな子のこ。
「どうして、猫さんに嘘を吐いたんでしょう。」
心優しい仔。 おとぎ話ひとつ。
捨て置けぬ、優しい心ひとつ。]
(+17) 2015/02/16(Mon) 23時頃
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[抱きしめて、撫でるうちに 遠慮なく飛び込むは、未か申か。
少し離れた場所で、羨ましそうな卯の乙女を手招いて。
思い出と夢ばかりは、 どこまでも幸せで。]
(+18) 2015/02/16(Mon) 23時頃
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[引きずられていった先はどんな部屋だっただろう。 分からない。けれど、微睡みの中聞こえる声はあった。 子は亥を黒だといい、午は丑を黒だと謂う。
どちらが本当かは分からない。 或いは、どちらも本当なのかもしれない。
分からないけれど、これが呪いなら。
せめて、皆が笑える日々が戻りますように。]
(+19) 2015/02/16(Mon) 23時頃
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[夢うつつ、戌は思う。 辰の弱った声>>113を聞きながら、考える。
自分の選択は間違ってない。それは、今でも。 たとえその選択によって今辰が弱っているのだとしても、自分の考えは、決して。
けれど、]
…選ばなければ、何か違ったのかな。 じっちゃん。
[そういえば、自分は辰の素顔を見た記憶がない。今よりもっと小さい時に見たのかもしれないが、覚えていない。 その裡に、仮面で隠しきれない何かがあるのだろうか。 心が、じくり、と痛む。]
(+20) 2015/02/16(Mon) 23時半頃
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[戌は思慮深くない。教養もないから、語る言葉もない。 何かを伝えようと思っても、浅い言葉で終わってしまう。 だけど、]
[抱える力に泣く子も、 突きつけられた疑いと向きあう丑も、 一人ぽっちで立ち続ける寅も、 皆の声に耳傾ける卯も、 怒り諭し考える辰も、 皆から一歩引き思案する巳も、 力の向く先を見定める午も、 憂いを隠し日常を振舞う未も、 真似をしながら己を貫く申も、 恐れ怖がりそれでも戦う亥も、みんな。]
(+21) 2015/02/16(Mon) 23時半頃
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がんばれ!
[想いを伝えるなら、この言葉で。 届かないかもしれないけれど、夢の中、思念を送る]
(+22) 2015/02/16(Mon) 23時半頃
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