212 Dark Six
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[雪色の狼は、血桜の中心目掛け、駆けた。]
(193) 2015/01/23(Fri) 00時半頃
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[真紅の嵐を潜り抜け、吸血姫の元へと迫る。 彼女へ大きく腕を差し出すように、無数に伸び出でる蔓は、障害となる舞い散る瓦礫、炎、全てを薙ぎ払い進んでいく。その中心、咲き誇るのは大きな白百合の花。 視線は真っ直ぐに彼女から逸らさないまま。
食虫花《アンバー》の赤い両眼が揺らめいた。
清純な白色を誇っていた百合の花は、花弁が鈍く紅に染まっていく。それはこれまで喰らい取り込み尽くしてきた吸血鬼達の魔力を解放した結果。 そして今度はその先から、真紅を塗り潰していくかのように、花弁は白銀へと変化し輝きを増した。大量の魔力が一気に浄化され、それは魔を制する力を放つ]
(194) 2015/01/23(Fri) 00時半頃
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[>>191祈りが届いたのだろうか。 それは、十年間の軌跡。一度しか起こせない奇跡]
―――――…頼んだ、イワン!
[狼を信じて叫び、ミツボシの眼前で彼から飛び降りる。
勢いのままに蔓は吸血姫を包み込むように捕え、 白銀の花は彼女を喰らおうと迫る]
(195) 2015/01/23(Fri) 01時頃
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繰り返す訳にはいかないのだよ。 “あの時”の惨劇はね。
[不意打ちは防がれてしまったか。 ならば、と花弁の渦の中心へと向かっている 彼らの力になればと風を送り込む。 通常よりも早く、動けるはずだ。]
ぐうっ!?
[花弁が視界を覆っていくとともに 身体を裂くような痛みが頭のてっぺんから足先まで 駆け抜けた。
しかし、ダメージを受けながらもヴァイスが援護を止めることはなかった。
彼らの一撃が届くことこそが、重要なのだ。]
(196) 2015/01/23(Fri) 01時頃
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[真紅の桜吹雪。微かに甘い香りを感じた気がした。 でも大丈夫。 細めた双眸は血桜の中に鎖された様な少女の姿を見据える。 紅い木刀は、強き力を感じ、益々汲み上げられる無尽蔵なる異界の力。]
[駆けて駆けて駆けて、ただ、駆けて。紅に割り入る。]
[狼は命を断つ爪を振るえない。 出来ることは、異界の血桜との接続を切る為に、前肢の爪に掛けられた護符を、吸血姫の…ミツボシの…胸に押し付けることだけだ…。 狼への負傷は、知らない。きっと木刀が振るわれても狼は前進し続けるだろう。]
(197) 2015/01/23(Fri) 01時頃
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オォ――――――――――――――――――ン
(198) 2015/01/23(Fri) 01時頃
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[咆哮。護符は届けば離れるだろう。 少女の眼差しと冬芽色の眸は交差したか―――――**]
(199) 2015/01/23(Fri) 01時頃
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