17 吸血鬼の城
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奏者 セシルは、水商売 ローズマリーより向けられた視線に、まなざしをそちらへ流す
2010/06/20(Sun) 03時半頃
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[霧となり消えた兄>>98を女は探す事が出来ない。 兄が辞したのだから、自分も辞すべきであった。 そう気づいたのはかなり時間が経っての事]
――…いけないわね。
[自嘲するような響きを乗せて瑠璃色の裾を翻す。 溜め息零すメアリーに緩く笑みを向け 何事もない風を装い人の波から遠ざかる。
客人の相手をする執事たちには一度視線を向けるだけで 何も言わずに広間を抜け出した]
(178) 2010/06/20(Sun) 03時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 03時半頃
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はい――…ええ。
[キャンベル卿の、と聞かれれば、肯定を返す。 メアリーの柔らかな物腰に、ほんの少し口調を和らげて。]
悲しいこと……
[悲しいことがあるとすれば、それは。 この宴にいる方達が、自分と同じように "捧げられて"しまっていることで。
笑みを向けるメアリーに、それを入ってしまってよいのか 少し悩んだ後に、胸に手を当てる]
……皆様の無事を、お祈り申し上げたい、と…。
[裏を返せば、無事では済まぬということ]
(179) 2010/06/20(Sun) 03時半頃
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わたくしに、出来る事があれば――、と、思うのですが…。
[嘆息と共に言葉を紡ぎ、 野苺の紅い果肉を口に含む。
それは、十分に甘かったにもかかわらず、 ひどく酸いもののように感じられた**]
(180) 2010/06/20(Sun) 03時半頃
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手先はまあ、器用に「なった」というか。 昔はおれも坊々で自分じゃ何もしなかったからなぁ。
[習い覚えた技能といえば]
おっと…サイラスの部屋に寄って取引をまとめないと。
酒、ありがとよ。
[トーニャに牛乳を渡し、適当に食事を腹に収めた後、トーニャに声をかけ、*客室階へ向かう。*]
(181) 2010/06/20(Sun) 03時半頃
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……なんだか疲れたな……
[城主に会ったときの緊張の所為か、それとも笑ってそれがほぐれて此処に来るまでの疲れがどっと出たのか]
……とりあえず部屋に戻ろう。
[ゆっくりとした足取りで広間を*出て行った*]
(182) 2010/06/20(Sun) 03時半頃
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――ええ、あなたも昔は、 それは可愛らしい若様で――…。
[ヘクターへ、揶揄の混ざる言葉を返して、 主の広間から辞するのを視界の端に認めれば]
――失礼、少し下がらせていただきます。
[その後を追うように、広間を辞した。 ……手にした細工の施されたイアリングを返し忘れたまま]
(183) 2010/06/20(Sun) 04時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 04時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 04時頃
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[歩くごとにコツコツと冷たい音が石畳の廊下に響く。 向かう先はメアリーと共に訪れたサイモンの部屋。 逃げろ、逃げろ。 メアリーへと向けられたサイモンの言葉が扉の向こうから聞こえる]
そんなに大事なら連れて逃げるくらいの気概をみせなさい。 甘い夢など見せていないのに如何して過去に囚われるの……?
[扉越しに綴られた疑問はサイモンの耳にも届いたようで 親しみの籠もる呼び名が聞こえてきた]
私の事が怖いくせに……如何してそんな風に名を呼ぶの……?
[サイモンの前で思い出の女を装う事は無かったのに。 過去の幻影から逃れられぬ憐れな男の声に女は立ち竦む]
私は私――…消えた過去を求められても……私は……
[過去を思い出せぬことを責められている気がして 女はその場から離れようとした]
(184) 2010/06/20(Sun) 04時頃
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[広間を抜け出した翻る瑠璃色の残滓を探す、 その姿が視界になければ、 部屋へ伺うべきかと階段へ足を伸ばした。
石畳の反響する足音が、幾重にも響いて]
――……お嬢様?
[その音の軽さ、確信とまではいかずとも 覚えはあるような気がして、薄闇の先に呼びかける]
(185) 2010/06/20(Sun) 04時半頃
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[セシルの声が聞こえ女は足を止めた。 冷たい廊下に響いた彼の声が微かな安堵を齎す]
――此処に、居るわ。
[小さく声を返すけれど動く気配はない。 きっと、まだ私は情けない顔をしている。 そう思うから動けずにいた。]
お客様のお相手は、もう良いの?
[少し離れた場所――薄闇の向こうからそう問い掛け]
(186) 2010/06/20(Sun) 04時半頃
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[その不安定は種としての若さだけではなかったか ――過去は己の礎、それがどのようなものであろうと今の我が身を作りあげるもの。
かつての貴族の少年が闇を抱いてああなったように。 かつでの信仰のもとにあった自分が変容を遂げたように。
己に作用したものが明白であればこそ、 あるがままの自己を認識できる。けれど彼女にはそれがない。
そんなことを考えながら、動かぬ気配にゆるやかに歩み寄る]
――お手をどうぞ、お嬢様。 黒薔薇もまだあちらに下りますし、 客人……とも呼べぬお客様のお相手など、構わないでしょう。
[ただ一人を揶揄すれば、薄闇の先にそっと手を差し伸べる]
(187) 2010/06/20(Sun) 04時半頃
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[近付く足音は前方からのもの。 後方にいる招かれざる客人のものとは違う。 動けずにいた女の眸に差し出された執事の手が映る]
――…貴方は優しすぎる。 ヒトでもない私に、甘すぎるわ……。
[城主の妹という立場だから甘やかされていると思いながらも 差し出された執事の手に自分の手を重ねる。 自分にはないあたたかさが触れた箇所から伝う]
貴方にもそんな言い方をする相手がいるのね。
[ゆるく顔をあげた。 自分は上手く笑えているだろうか。 不安を隠しきれるほど女は冷静さを取り戻してはいない]
(188) 2010/06/20(Sun) 05時頃
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[言葉に瞳の青は和らいで]
――…仕えるべきお方に、 そのように仰られると困りますね。
では、今度からはもう少し厳しくさせていただきましょう。
[白い手袋越しにも温度が伝われば、 彼女のしんと冷えた指先はその白さと共に、淡雪を連想させた。 あるいは浮かぶ微笑の不安に揺れる儚さも、その連想に重なっていたのかもしれない]
――礼を逸するつもりはなかったのですが、 冷静さを欠いたことは、否めませんね。
[ぽつり、零せば、その手をこの場から離れるように誘う]
(189) 2010/06/20(Sun) 05時頃
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[しかし今、彼女を揺さぶるものは何なのか。 こめかみを押さえていた姿、宴の昂揚とは異なる気がする。
招かれざる逗留者――その間の扉の向こうから、響く声。 それが彼女の名を呼んだのは、聞こえた。
嗚呼、これなのだろう。 青は一瞬の静寂と共に伏せられた。
音なく口唇が言葉を紡ぐ。 それは潜む者たち――影へ告げる言葉。
――……旦那様、お嬢様のお心を乱す者が、こちらに。]
(190) 2010/06/20(Sun) 05時頃
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奏者 セシルは、闇に小さく囁けば、彼女の望むままにその手を導いた**
2010/06/20(Sun) 05時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 05時頃
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――…貴方が仕えているのはお兄様でしょう。
[ふと口から滑る言葉に何を当たり前の事を問うているのかと 自分でも可笑しく思うけれど取り消す事は出来ない。 拗ねる口調は如何考えても甘えに他ならず]
厳しくしなくても良いわ。 私は、貴方のその甘さも好きなのだから。
[セシルと話すうちに徐々にではあるが常の調子を取り戻し]
冷静でいられなくなったのは如何して……?
[誘う男の手に重ねるだけだった指先を絡める。 清廉さを思わせる白の布越しに彼の輪郭を指の腹でなぞり]
(191) 2010/06/20(Sun) 05時頃
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[セシルの首筋へと向けられた翡翠が妖しく揺らめく。 欲する心の儘に距離を詰め吐息の掛かるほど近くに寄るが]
――……っ。
[サイモンの呼ぶ声が女の鼓膜を震わせた。 その声に白薔薇の執事もまた気づいているのを感じ 絡めた指を緩めて、ふ、と吐息を零す]
嗚呼、こんな所では無粋ね……。 部屋に戻るわ……。
勿論、貴方が誘って呉れるのでしょう?
[影に告げた言葉に気づかぬ振りをして 執事たる男の導きのままに女は自らの部屋へ――**]
(192) 2010/06/20(Sun) 05時半頃
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―食事の間に続く廊下/回想―
……。
[『美味しそう。』 その言葉に心の臓は鐘の様に打ち出した。 両親が欲望のままに幼い己に残した快楽享楽と罪悪感が再び首をもたげた。 そのトラウマがやがて潔癖症と姿をかえるのだが――。]
気分が悪い―…‥ 誰か助けてくれ―…‥
[感情のままに動き、目を付けられたのは、自業自得。 大人しくして、静かにすれば、ここまで怯え、過去の記憶を思い出す事は無く―…‥
目を閉じ、誰の気配もいない事を知りつつも小さく呟く。 誰もいないから呟いたのかもしれないが―…‥。]
(193) 2010/06/20(Sun) 06時半頃
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[もうそれは半分儀式。 己を保つ為の大切な儀式。 呼吸を整え、懐中時計の規則正しい音に身を委ねて、鼓動を落ち着かせる。 決して見せてはいけない姿。 支配をしたがる人間を楽しませるやり方を、そしてきっかけを与えてはいけない事は今までの経験で知っていたから――。]
神よ、私が私でいられるように。 享楽に堕ちる事無く、再び言葉を紡げるように、 ――お守り下さい。
[祈りでは無く、それは自分に言い聞かせるように。 銀のロザリオと金の懐中時計を握りしめた。]
(194) 2010/06/20(Sun) 07時頃
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―食事の間/回想― [たどり着いたのは、男が最後。 食事をする事は無く、喉を潤す為に、冷たい紅茶だけを頼み。 皆の会話に耳を傾ける。 それは一時己立場を忘れる瞬間であり、認識する瞬間であり。] 先に退席させて頂きます。
[独りになる事は怖かったが、席を立ち部屋を後にした**]
(195) 2010/06/20(Sun) 07時頃
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……騒々しい事だ。
[別段何の感慨も無くそう呟く 城主の姿は広間にも食事の場所にも無かった。 此処は、書庫。 閉じ込められた空気が独特のにおいを持つ場所。 けれど城主は食事をする皆の声を聞いている]
矢張り……あのときの子供か。
[セシルに続きの間になっている空き室を強請っている男 随分面立ちが変わってしまったと、一人溜息を零す]
時の流れは、私を置いていくのだな。
(196) 2010/06/20(Sun) 08時頃
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―書庫― [影が囁くように従者の声を伝える。 >>190ローズマリーの心乱すもの]
……サイモン・トレメインといったか……
[血に汚れたチーフをシルクハットの中へ放り込み 片手に持ったまま、古びた本の並ぶ棚から 比較的新しい紙の束を取り出す。 手書きで幾人もの名が付けられた帳面。
―――・マッカーシー …… …… ミッシェル・アドニスラモサ …―――
過去に宴へ招いたもの、または城へ迷い込んできたもの手にかけた者達の名が連なった其れは、記者には望みの品だろう]
(197) 2010/06/20(Sun) 08時半頃
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[影から筆を受取り、代わりに重いマントとシルクハットを託す。 犠牲者達の連名帳へ新たに書き付けていくのは、 この屋敷へやってきた最初の男の名
――サイモン・トレメイン**]
(198) 2010/06/20(Sun) 08時半頃
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―食事の間―
[どうやら、ここには因縁めいた者たちが多いらしい。 名乗られたドナルド、そして、ヘクターにトーニャ、そのあと、話しかけてきたベネットという青年とも名乗りは交わした。
それから、セシルとヘクターの話を聴きながら、茜色のスープを飲みつつ……。]
――……懐かしい話、というわけでも、ありませんか。
[その言葉はしに「吸血鬼」という単語が出て、やっぱりそうなのかと思う。]
(199) 2010/06/20(Sun) 08時半頃
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吸血鬼の住処となれば、さもすると、あれが手に入るかもしれませんね。
[そして、薬売りの暗い泉の青色が尚澱んだ。 古今東西、さまざまな材料を求め旅をしている。 その中にある求めるものの一品。
血を溶解させるという吸血鬼の牙。]
(――……保管大変らしいですが……。 血の固まる病の方には、特効薬かと……。)
[そして、血の固まる病者には権力者が多いのも、また事実だった。]
(200) 2010/06/20(Sun) 09時頃
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薬屋 サイラスは、ローズマリーが退席するのをチラリと見やる。
2010/06/20(Sun) 09時頃
薬屋 サイラスは、ローズマリーが退席するのをチラリと見やる。
2010/06/20(Sun) 09時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/20(Sun) 10時頃
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― 食事の間 ―
[メアリーのために小さく十字を切ったあと、 食事の席に、特徴のある象牙色の上着を着た男性を見つけて 幾度か、目を瞬いた。]
――ごめんなさい、トレメイン様。 少し、席を外しますね。 お話し出来て、嬉しく思いました――…
[メアリーに一礼し、席を立って、薬売りへと近づく。]
(201) 2010/06/20(Sun) 10時頃
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―― サイラス様…でしたね。 お久しぶりです。
[薬売りに近づいて、浅く腰を折る]
…覚えておられますでしょうか。 キャンベル家の、マーゴットです。 以前、"お薬"を頂いた…。
(202) 2010/06/20(Sun) 10時頃
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>>202
[食事の最中、近寄る気配に、ついと、視線を移す。]
――……ああ、これは、
おひさしゅう……。
[その顔を見ると同時に、秘め事ばかりをたくらみ、それが顔に出る男のことを思い出す。 彼女の父上である。]
――……お薬は、よく効かれたかと思います。
[そして、口端をあげて笑んだ。]
(203) 2010/06/20(Sun) 10時頃
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詩人 ユリシーズは、ランタン職人 ヴェスパタインに話の続きを促した。
2010/06/20(Sun) 10時半頃
詩人 ユリシーズは、水商売 ローズマリーに話の続きを促した。
2010/06/20(Sun) 10時半頃
詩人 ユリシーズは、長老の孫 マーゴに話の続きを促した。
2010/06/20(Sun) 10時半頃
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−広間−
[執事ろ、彼に導かれて広間えお出る「お嬢様」の背中を横目で見る。]
……どうぞお休みくださいませ、お嬢様。 白薔薇。こちらの持ち場は、私が。 お嬢様のことは頼みましたよ。
(ああ、またこれだ。 また「主人」達は己ではなく「白薔薇」を選んでゆく。何故だ。何故私は選ばれぬ。何故白薔薇だけがお二人の寵愛を受けるのだ…!)
[広間を包む白薔薇の香が、「黒薔薇」と呼ばれる執事の胃壁を針で刺すように突く。この痛みは悦楽を一切伴わないことを、彼は随分前から知っている。]
……二人ともこの場から退いてしまえば、お客様のことを呼んでおいて放置することになります。そうなれば、我々だけではない、旦那様の名折れとなりましょう。
[広間に咲く白薔薇の花を手にし、にこりと笑う。]
(ああ、この広間に咲く白薔薇の全てを手折ってしまえばどれだけ楽だろう…!)
(204) 2010/06/20(Sun) 10時半頃
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[ほのり、と微笑んで。 相手が覚えていてくれたことに、安堵の息を零す。]
――…はい。 あの時は、父もたいそう喜んでおりました。
その……サイラス様が、宴にいらっしゃっているなんて――
[一瞬目を伏せ、胸の前で指を組む。]
――いえ、これも神のお導きかもしれません。
……その、お薬のことで相談があるのですが、 よろしいでしょうか――?
[父が望んだ毒薬。 それは、長年飲み続ける事で血に溜まり、 血そのものを毒へと変えるもの。
父はその毒の存在を知って、驚喜したものだった…]
(205) 2010/06/20(Sun) 10時半頃
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[ワインのボトルを手にし、サイラスと呼ばれる客の前にグラスを置く。 コト、コト、と1つのグラスを置くのにわざわざ2つの音を鳴らすのは、彼にとって忘れてはいけない動作であり、彼はそれを忠実に守る。]
サイラス様……とお呼びしてもよろしいでしょうか。 ワインがよろしければ、お注ぎ致します。 他の飲み物がよろしければ、お持ち致しますので、なんなりと。
[仮面のような笑みを浮かべ、視線で恭しく敬意を示す。]
(206) 2010/06/20(Sun) 10時半頃
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>>205
[マーゴの返事ににこ、と笑う。 男は、薬売りとして、時に、天使にも悪魔にもなる。 その区別などは関係ない。
ただ、それが役にたっていること。 それが仕事、生業と感じている。]
相談、ですか?
もちろん、よろしゅうございます。
[改めての申し入れには、もちろん、首を縦にふる。 この世、実に幾千の生物魔物無機質、 人になせない薬は数あれど、それを探るのもまた、恍惚である。]
(207) 2010/06/20(Sun) 10時半頃
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