236 【誰歓】 悪魔の月の嗤う夜 【特殊騒動】
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しかし……、何か、いるんですね。何かが……、
[それを、聞いてしまえば、最早、是非はない]
――……苦痛は、ほぼ、ありません。
ただ――ラスタバンの注意を、彼が惹くまでのあいだ。
僅かなら、何か……言葉は、ありますか?
[銀糸の姫に刃を合わせたまま、そう言葉だけは]
(109) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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俺さ、お前のこと格好いいなって思ってたんだよ。
遊ぼうぜ……ーーな?
[使用したナイフは一挺は弾かれ、もう一挺は自ら落としてしまった。 だが外套の前を開けば裏地に仕込まれたナイフがまだ幾つか。その一つをラスタバン目掛け投げた。 先程より力は弱く、そうでなくとも当たったとて竜の鱗に傷一つ付けられはしないだろう。それでいい。 学の無いこそ泥に思い付く方法などこの程度だ。すぐ踵を返し二人がいる場と逆へと掛ける。牙を向けようとしてきたのだから、攻撃すれば追って来ると思うが。]
(110) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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ちなみにね、私は――……、俺は、貴女を。 俺の手が届くかもしれないお姫様だと、そう思ってたん、ですが。
[深く、息を吐いて]
世の中、上手くはいきません、な……、
[――竜に向かって駆けていく青年を、見送って]
(111) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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チャールズは、トレイルがラスタバンを引き付けているかどうか、横目で確かめる。
2015/08/29(Sat) 00時半頃
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……いるんです。 貴方も、トイさんも、わたくしから悪魔がいなくなるのを待てば、わたくしを手にかけずとも、済むでしょう。 そして、次についた人を討てばいい。
けれど、わたくしの腕が動かないように、わたくしはこの悪魔を、御する方法を知らない。 誰に憑くのか、わからない。悪魔は悪魔の意志で、動いている。
[メルヤは、悪魔憑きの自覚がないようだった。 あの傷で、悪魔憑きとしての自覚がもしあったなら、既に自死を選んでいただろう。 いま自分が、こうして自覚できるのは、おそらく幸福なのだと思う。
だからこそ、自分がここで絶やそう。 次の犠牲は、いらない。それに]
(112) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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……もし、次が、ラスタバンなら。 誰もあの子を止められない。
[その前に、自身が討たれればいい。 それは、悲願だ。]
(113) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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――ご立派ですよ。 しかし、俺は「貴方」で、奴は「トイさん」――か。
[ひとつ、応じて、瞑目して]
――ならば、私は、貴女の期待した役目を果たそう。
(114) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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[最期の言葉を求められれば、静かに笑う。]
これを。 持っていてください。
[手の届くお姫様に、なることは出来そうにない。 出来るのは、彼を英雄に仕立てあげることくらいで。 ならばせめて、自信の分け身を、彼に預けよう。]
ラスタバンは、主を失ったことを知れば西へ帰るでしょう。 生まれてこの方、一番はじめに仕込むことですから。
だから、早くわたくしを殺
(115) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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[ふいに聞こえた"声"にびくり、と肩が震えた]
オーレリア……
[決意を述べていたオーレリアを案じるように見る]
(+37) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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サセルカヨォオォォ!!!
[ノイズに乱されるように、女の声が濁る。 絶叫。黒い猛りが、溢れて狂う。
しかし、錯乱めいた最後の悪魔の足掻きは、あまりにも直線的に神父を狙う。 真っ直ぐで、真っ直ぐで。討ち取るのなど猪よりも容易い。]
(116) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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[竜と青年の小競り合いを、横目に見ながら。
何かを、託され(>>115)て、頷いて]
――あなたがそれを望むなら、オーレリア。
(117) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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[悪魔が憑こうと、女の身体。 爆発的に力が強まるはずもない。]
(118) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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――邪魔ですよ、あなた。
[唐突に濁った声――、それが彼女であるはずはない。
それに、既に挨拶は済ませた。剣先を向け――迷いなく、その頚椎を貫いた。
ただ、約束のとおり――痛みを感じないように、配慮はしたが]
(119) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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[竜に追われるというのはただのこそ泥では中々出来ない経験だ。たった今己がいた場所へ彼の爪が振るわれひゅう、と口笛を鳴らす。 生きた心地はしないしこの身体では長引けばいつか捕まる。 早くしてくれよ、そう思った時、遠くで何か、聞こえた気がした。]
(120) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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――……、く、そ。
[手にしたものを投げ捨てようとして、手を止めた。 彼女を、貫いたのは――彼女に手渡された短剣(>>115)でもあった]
だからって……今更、どうなるってんだ。
[預けられた、彼女の血に染まった短剣を眺めて、そう、呟いた]
(121) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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[首を傾げる様子に、静かに笑い。]
……悪魔と同等など、いないか。
[弛く目蓋を伏せれば、墓場の気配が遠く聞こえる。 やがて、その幕を引く一瞬の痛みが。 死霊達が渦巻く闇にも鋭く響けば。 男は、乾いた笑い声を短く響かせて。]
── さぁ。どうなるかな……?
[それは、身を引き裂かれるような。 そして、悲しみに打ちひしがれ、歓喜に震えるような。 永く、捕らわれていた無数の魂が悲鳴のような響きと共に。
自らも、それに引かれ飲み込まれていく。 傍らにいたメルヤが、どうなったかまでは見届けることは叶わず。 男の魂は、姿を失い、深い闇の奥へと堕ちていく。]*
(+38) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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[痛い、と思う感覚は、肩を切られてから随分麻痺していて。 言われたとおりにほとんど痛みも感じないまま、頚椎を断たれた女は、墓地に沈む*]
(122) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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――どう、なるんだろう、ね。
[オーレリアが命をたたれた後。 悪魔が消えると同時に、メルヤの姿もまた。
――ヘクターが何かに飲み込まれるように消えていくのが見えたのと同じぐらいか。
かすむ様に、その姿を消した*]
(+39) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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