308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[町中に無事な人は、居ないに等しかった。]
(+83) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[もしかしたら、かつての僕のように、 建物内に籠っている人はいたかもしれないが。 そんな人を探す余裕がないぐらい、 町はゾンビで溢れかえってしまっていた。
東京の郊外は、都心で働く人の住む家が多い。 それを考えると……今、この地区の有様は、 当たり前の結果のように思えた。]
(+84) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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「いらないでしょ、全部」
[ 女性の手元には小さな猫がいる。
取り戻そうとする私の手足が粘った物に掴まれる。 それは腐った肉。 それは、"それ"だ。
いやだ。返して。私は叫んで、 思い切り"それ"にモップの柄を振り下ろし。
その瞬間、私は目を開いた。]
(+85) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[馴染みのスーパーを通り過ぎるとき、 まだ"人間"である人がゾンビに喰われながら 僕の方へ手を伸ばしたのが見えたけど。
そうなってしまったら……もう、助からない。 僕は、それを身をもって知っている。]
……ごめんなさい。
[喰われていく人々から遠ざかるために、 アクセルを強く捻り、バイクが加速する。
出来る限り生き延びてやる。 そう、決めた決意は今も揺らがない。 でも……町の惨状は想像以上に残酷で。 何もできない無力感か。辛いのか、苦しいのか。 自分でも訳の分からないまま涙を流しながら――
車同士がぶつかり横転した横をすり抜け ひたすら、道路を走っていって。]*
(+86) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[それから、何日が経ったっけ。]
(+87) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[―――風を切りながら、少し上を見上げれば 夜空の星々が眩しいぐらいに輝いている。 道を照らす証明灯はたまについていたけれど 消えている区間の方が多いような。
僕は、そんなどこまでも続くような高速を、 ひたすら真っすぐ、走っていた。]
(+88) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[ 目覚めた私はスマホの日付を確認する。 電波が途絶え、ただの時計になったスマホは あれから5日ほど経ったことを示していた。
怒りはまだ、消えていない。 くそったれ、私は絶対"お前ら"にならない。
絶対に。 **]
(+89) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[世界各地で起きている、混乱と絶望。
ゾンビ増え続ける。 そらに死傷者も増え続ける。]
(+90) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[ 「取る時のコツは、そっと、さっと、よ。」 ]
(+91) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[果たして、どれだけの人々が悲しみと苦悩に囚われてしまったのだろう。
また、この少女も。 もう少女としては、存在していない、それ。
それは、空腹を満たすためだけの、存在。]
(+92) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[ 「やだっ!こわいよぉ!つっつかれる!」 ]
(+93) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[たくさんの生の形を成してきて、今は死の形と言うべきか。
少女の魂は、何処。
死んでしまった人々の魂は、一体何処へ。]
(+94) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[ 「きちんと扱えば、火は大きくもできるし、小さくもできる。」 ]
(+95) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[再び、生を得られるのだろうか。それは、]
(+96) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[ 「ほわ〜。あったかーい。キレーだねぇ。」 ]
(+97) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[誰にも分からない。]
(+98) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[何処からか。
在りし日の声が、風に乗って聞こえてきたかもしれない**]
(+99) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[健司が小さい頃には、 よく一緒にキャッチボールをしていた。 子ども会のソフトボールをやりだしたころには、 教えてほしいと乞われて、 素振りの練習に付き合ってたっけ。
父さんな、野球なんて本当は、 やったことなかったんだ。 だからこっそり図書館で本を借りて、 バッティングのフォームだとか、 投げ方だとかを一生懸命勉強していたけど、 お前は知ってたけど知らないふりして 教わってくれてたらしいな。
今になって、そんなことを思い出すのはどうしてだろう。]
(30) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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[俺へと目掛け思いっきり走ってくるソイツに対して、 体をひねり、バットを振るのと同じような要領で 鎌を斜めに振りおろした。
肉へと食いこむ嫌な感触が、 柄を通して手のひらへと響く。 ゾンビにも痛覚があるのだろうか、 ぐぁぁ、と鈍い呻くような声をあげた。]
くっ……ぬけねぇ!
[反動で雷門は後ろへとよろめいたが、 鎌は頭頂部に深くつきささったままだ。]
(31) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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……はは、は、 鎌じゃつぶすのは無理だな。
[何も面白いことなどないというのに、 恐怖からか、笑いのような声がもれた。
慌ててもう一つ、持っていた武器 ――本来は武器ではないが―― スコップを手に持ち、再び雷門目掛けて振り下ろした。 金属の先端が腹へと突き刺さる。 引き抜けば、体液があたりにまき散らされた。 今度はあっさり抜けたスコップをもう一度振りかぶり 怯むことなく横から殴りつけ、体が傾いたところへ、 勢いをつけて首元へスコップを突き刺した。
ゴスッという鈍い音と共に、雷門は動かなくなった。**]
(32) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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[車に乗り込んで。
助手席には頭を打ち抜かれて事切れたホリーを乗せて。 このまま、意識が無くなってしまえば。
自分は自分ではなくなり。 やがて人を襲うようになるのだろう。
で、あれば。 出来ることをするだけだった。]
ああ、そうだ。
(33) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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――回想――
「英雄になるための条件? はは、なんだよ、それー」
[昼下がりの教室の中。 学ランを着崩した中学生一年生の進が、 クリームパンをほおばりながらけらけらと笑っている。
対する俺は大真面目だ。 焼きそばパンをもぐつきながら 大学ノート(黒歴史)に 下手くそな字を書き綴っている。]
(+100) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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いやさ。俺、気づいたんだよね このままマンゼンと日々を生きていただけじゃ ぜーーったいに英雄になんかなれやしないって。
紛争地帯に行くとか あとは地球の危機的状況に ガイアの力に目覚めるとかしないと
「ウル●ラマンの見過ぎだろ。古いぞ? せめて仮●ライダーにしとけ?」
とーもーかーくーもー、俺は大真面目なんだってぇ!
「そんな風に気張らなくても、 秋は十分かっこいいだろ。 沙良が迷子になったらすぐ探しにいくしさ」
(+101) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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[あはは、と進は笑って、 残ったクリームパンを口に放り込む。
そうだな、と、俺より少し大人びた様子で首を傾げて 俺がくっだらない書き物をしていたノート(元数学用)に さらさらりと、綺麗な字で何事かを書いた。]
(+102) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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ん? なんだ?
『弱い人は率先して助ける』 『怖い時でも笑っていられる』 『挫けても何度でも立ち上がる』
……なんか、地味くない?
「ただの人間が突然へんな力に目覚めるわけないだろ。 地道なところからコツコツとだよ」
[進は、くっだらねー考え事に付き合いながら 俺を見て、に、と目を細めた。]
(+103) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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「――――秋なら、できるよ。
俺が保証する。」
*
(+104) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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――現在/ショッピングモール薬品売り場――
まっすぐ走って非常口から一階に逃げろぉおお!
「は、はい!」
[若い女の首に噛みつこうとしたゾンビの その顔面にバットを叩き込みながら、 俺はめいいっぱい叫んでいた。
人間しかいなかったはずのショッピングモールには いつのまにかわらわらと 死神のようにゾンビがたむろしている。
……どいつもこいつも楽し気にニタニタ笑ってんのは 生理現象なのかなんなのか、わかんねえな。 ゾンビって楽しいのかな。]
(+105) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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[……この数日で、何度死んだと思っただろう。
ある時は、もうそろそろガス欠というところで やっとゾンビの居ないガソリンスタンドを見つけ。 ギリギリ1台分残ってたガソリンを給油してたら 休憩室の中に潜んでいた奴が突然駆けてきた。
腕は半分鎖落ちていて、服もどろどろ。 酷い腐臭を纏いながら近寄ってくるそいつへ 近くにあったバケツをなげつけたのに、 全く怯みもせず向かってくるゾンビに悲鳴を上げて 僕は半べそで、バイクの後ろを掴まれたまま発進した。 (後ろのフレームは手の形に少し凹んだままだ)]
(+106) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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[人が居なくなって荒れ果てた大型家具屋に入り込み あまり汚れていないベッドを見つけたから。 疲れたし小休止……と思って横になり。 少しのつもりが目覚めた時には既に朝。 ゾンビに襲われなかったのはよかったが、 自分の不用心さに肝を冷やした。
その後安心しきって店を出た時に バイクの近くにゾンビが居た時は終わったと思った。
家具屋にあった目覚まし時計を鳴らして 遠くに投げたらそっちにいったからよかったけど。 慣らした瞬間に、ゾンビがこっちを向いて 白く濁った目と目が合ったときには ほんともう駄目だと思った。 あいつらの目が悪いことを、それで初めて知った。]
(+107) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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[真っ直ぐ走ってきたゾンビの拳が 思いっきり俺の肩口を打った。 つっかえるような悲鳴をあげて壁に叩きつけられる。]
「ああ゛あぁああ゛ぁぁあ゛あぁぁ゛ぁ゛!」
――うるっせぇ、近所迷惑で訴えんぞ!!
[痛みをこらえながらゾンビの頭蓋を叩き割る。 とうとう愛用のバットが 使い物にならないくらい折れ曲がった。
それを好機ととらえたもう一匹が 俺めがけて爪を振るおうとしてくる。
――直後、その頭が綺麗に天井まで飛んでいった。
ネコ元帥が鉈でゾンビの頭を跳ね飛ばしていた。]
(+108) 2020/10/26(Mon) 23時半頃
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