236 【誰歓】 悪魔の月の嗤う夜 【特殊騒動】
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お優しいんですね。
[逃げろ、というのに、弱く笑った。 その選択肢は、あっただろう。逃げ出した時点で、考えた。 けれども街を出なかったのは、女は悪魔討ちに訪れた一介の冒険者だからだ。 この街を救えればいいのではない。悪魔を、討ちにきたのだ。 自分が悪魔憑きでないのなら、ここに残って討たなけれぱならない。 自分が悪魔憑きなら。 外でひとり死に絶え悪魔を野放しにするより、同じ死ならばはっきりと、この地で。]
わたくしが、何故、ここに来たのか。 簡単なお話です。
[ここは、死者のための、土地だ。]
(83) 2015/08/28(Fri) 23時頃
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わたくしを、討っていただけませんか。 わたくしも、悪魔を処断したいのです。
それで、誰も異端にはならないでしょう。誰も、口封じはされないでしょう。 だから、互いに疑い合うような無益は、お止めください。
[悪魔憑きを討つ、悪魔を討つ最短距離が、ここにある。 言い合うトイとチャールズの間に割り入るように駆け。 振り抜かれる鞘>>82の前に立ちはだかった。 衝撃が身体に走れば、ラスタバンが吼える。]
(84) 2015/08/28(Fri) 23時頃
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ッ!
[振り抜かれる動き>>82こちらもまたそれを避けれる距離でなく。反射的に目を瞑った時 目の前、には>>84]
(85) 2015/08/28(Fri) 23時頃
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――……あんた、何をっ!?
[振りぬいた杖の、柔らかい感触>>84に悲鳴じみた声をあげた。
それは、護るべき女を叩いてしまったという事実が一片。
そしてもうひとつは――、自分が振るったのは鞘だが、相手の握っていた得物は]
(86) 2015/08/28(Fri) 23時頃
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[運命を短剣と共に、その手に握る銀糸の乙女。 せめぎあう声は、墓場で対峙する男二人だけでは無い事を。 悪魔を宿した、そのか細い手は、何を選びとるのか──。]
簡単には……出来やしねぇよ。
[それを躊躇いなく出来るとするならば、おそらくは、悪魔の所業を知る自分だけだったろう。 悲しげに呟くメルヤを見下ろし。男は、静かに告げる。]
それが、あんただったとしてもな。メルヤ。
[その時──、その悲痛な竜の慟哭が、響いた。>>84]
(+33) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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……お人好し。
[相手に己を生きて帰す気など無いと言うのに。 ナイフが手を滑り落ちる、ろくな処置を行わずに動いていた身体もそれに続いた。 傍らの刃は赤に汚れていただろうか?それを見る気力ももう無かった。ただ鞘に怯んだことから、深くは刺さらなかっただろうが。]
(87) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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……どうする?騎士様。
[男には選択することが出来る。姫の願いと自身の願いどちらを優先するのか。 もうこそ泥は脅威にはなり得ない。地面に転がったまま彼を見上げた]
(88) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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[げほ、と衝撃に深く咽る。 うずくまりそうになるのを、耐えた。]
貴方は、悪魔憑きを、討ちに来たのでしょう。 そうしてくださいと、言っているまでです。
[選択肢がないといったのは彼自身だ。 そうしてもらうまでのこと。]
(89) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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そうだね…… 簡単にできるなら、こんなことになってないか。
[聞こえる言葉に小さく頷く。 竜を従えた女が、自らの命を投げ出す様を悲しげに見ながら]
――そうかな。 私が、そうだとわかっていれば。
話はもっと簡単だったんじゃないかな。
[すくなくとも、この状態は避けれただろうと思う。 ゆるりと瞬いて、終わりが近づくのをただ見守り]
(+34) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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やめなさい、ラスタバン!
[肩の下のほうが、熱を持つ。痛いという感覚には、ならなかった。 しかし、主の血の匂いに竜は激しく奮い立つ。 今にもトイに喰いかからんとする牙を、強く制した。]
(90) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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――はっ、決まっているだろう。
[青年の言葉に、応じる]
騎士ってのは……己の意に反することでも、美姫が望めば、やるしかないんだよ。
[その青年に、竜が喰らい付きかけたが――その一言>>90で、制された]
(91) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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やらせておけば? おねーさんを殺そうとしてたのは、俺だしなァ。
[奮い立つ竜にどこか他人事のように感想を零す]
あんた、変わんないね。気味が悪いぐらいだよ。
[献身、正義、他者を想いやる、そんな事からは遠く生きてきた身にはオーレリアの姿はそうとすら映った]
(92) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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美しい愛だ。何処かのお伽噺のようだね。
[騎士の決意>>91を聞けば深く深く息をついて、上体を起こす。 二人の想いが同じならば、悪役に出来るのは見届けることぐらいか。]
(93) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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……二人を傷つけることは、許しません。
[興奮する竜を、静かに諌める。 地に臥したトイを、立つチャールズを。翡翠の竜はそれぞれに見て、低く唸り続けはするものの、牙も爪も振るわず止まった。]
(94) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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[青年相手には、そう啖呵を切ったものの]
……、先の一打は、済まなかった。まさか、貴女が割って入るとは。
[向き直って、改めて]
……まあ、ラスタバンを止める必要があったかどうかは、判らんがね。
[この先どうなろうと――己の立場を護るためには、死んでもらう必要がある]
(95) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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変わったら、悪魔憑きとして、ひと思いに処断いただけたのでしょうか。
[ずくん、ずくん、と傷が疼く。 そこが、"三つ目"の心臓になったように感じる。]
では、こう言いましょうか。 ラスタバンが貴方を喰らったら、わたくしを討つ方がいなくなります、と。
[涙に濡れそうな表情で、笑う。笑って、トイに告げた。]
(96) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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……だが、まあ、そんなのはあとだな。
[嘆息ひとつ、全てを放るような仕草をして]
――手伝え、小僧。 報奨金は、すべてくれてやる。異端の術も、見逃してやる。
[重要なのは、もう]
……お姫様に、糸紡ぎの針を刺すぞ。
(97) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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[黙したまま、目の前ではなく遠くを見ていた。 昔、共に盗みを働いていた身寄りの無い少年がいた。彼は令嬢と身分違いの恋をし、彼女を連れて逃げようとしその罪によりこの世から消えることとなって。それが無ければ今も傍にいたかもしれない。 誰かを護るだとか、想うだとか、そんなものはバカげたものだとその時から思い続けていたが、 憂いの微笑みを浮かべる銀糸の乙女は確かに美しく、お伽噺の姫のようであって、 彼女の願いを叶える決断をしたその騎士の想いもまた、そうなのかもしれない。]
(98) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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…俺に魔女になれと言うのかい?騎士様。
[その手で終わらせたいのかと思っていたから、彼を見る>>97目は丸く。 見逃すという言葉も、予想外だった。]
(99) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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はン、いいや? 訂正しておくがな――俺は騎士じゃない。元は、傭兵だ。
[だから]
だから、もちろん、この依頼はタダじゃない――道を拓け。
(100) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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ただし――竜を挑発して、だ。
[と、付け加えた]
姫君が命じても、忠臣は逆らう可能性がある。 だから、ラスタバンの注意を惹いてもらう――そういうわけで、だ。
[にこり笑い]
――行け。そして竜に噛り付いてでも注意を惹け。
[背中をトンッと押した]
(101) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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……チャールズ様。 先ほど、自覚があるのかと、おっしゃいましたね。
[糸つむぎの針が刺さる前に。 ぽつり、ぽつり、語りだす。]
ずっと、心臓の音がするんです。 わたくしの音に、重なるように、ほんの少しずれて。
それを、わたくしは、錯乱していることによる錯覚なのだと、否定してほしかった。 悪魔などいないのだと、言ってほしかった。
でも。
[ローブのうちに隠して片手に握ったままだった、短剣を見せる。]
(102) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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姫を護るのは騎士と決まってるだろ?
[訂正には>>100口角を上げるばかり。護ることを選べなかった彼には皮肉かもしれない。]
おっそろしいねェ。ま、でも、得意分野ではあるな。
[その表情に続いた言葉に苦いものが混じるが。この男を殺すより気が楽でもあった。 今度こそ死ぬかもな、なんて少し思いつつ背中を押された。]
(103) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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[頷き、眺めるしか出来ない目の前の光景を悲しげに見詰めるメルヤに。]
そう思うか?
[静かに問いかけ。]
あんたの命だって、充分、重い。 悪魔を簡単に殺せるのはな。──悪魔と同等の奴だけさ。
[そう言って、曇る眼が見据えるのは、終わりが近付く様。 そのやりとりを、遠く。 ふと、気付いたように瞬きすれば。 鼻を鳴らし弱く笑った。]
(+35) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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そう思って、ここで、この短剣を胸に一突きしようとしたのです。 何かに阻まれるように、腕が、動かなくなる。
[悪魔は、やがて女を殺すだろう。 それが悪魔の営みで、そして次を探すのだ。 だからこそ、"死ぬことは許されない"。]
何か、いるんです。 何か。
[声は、か細く震え。 縋るようにチャールズを見た。]
(104) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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[背中を押した後、軽く、その背を叩いた]
――悪いな。暫く、任せる。
[ただの時間稼ぎとはいえ――、傭兵の、任せるというのは、そういうことだ]
(105) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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さァて。
[主の危機を前にした竜へ近寄っていき、怠そうに首を回して。 にぃ、と笑う。血の匂いは恐らく自分からも感じ取れる筈。]
役立たずの玩具が相手だ、掛かってきな、デカブツ。
[何もせず只何人も死にいく姿を見ていた、最後ぐらい働くべきなのだろう。]
(106) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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[墓場の光景を見つめていたが。 静かな問いかけにゆるりと瞬き、ヘクターへと視線を向ける]
私はそう思う。
[こくりと頷き。 けれど否定する言葉を聴けば、首をかしげ]
もとより、悪魔憑きを倒そうとして失敗したからこんなことになったのだろうし。
――悪魔と、同等の者などいないだろう。
[何かに気づいたような、そんな動きを見ながら。 三人のやり取りを聞いている]
(+36) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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ラスタバンは、きっと大丈夫です。 トイさんを傷つけは、しないでしょう。
ただ――この子はまだ、幼いので。 注意を惹いてもらえるなら、助かります。
[たった、二十年そこそこで主を失う竜は少ない。 精神的に幼い子供のような竜が、どれほどまでに忠を貫くか。]
――出来るだけわたくしを、見せないであげて。
[ただ、方法までは咄嗟に思いつかず。 トイに任せる方針になってしまったか。]
(107) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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[――そして、銀糸の姫と相対して]
――、ええ。
[自覚の有無。異なる心臓の音>>102]
――わかります。否定したい気持ちは。
[それは、己も同じだ。そんなこと、聞かなかったことにしたい]
(108) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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