308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[ ……ようやく決心がついたように、 ジャーディンはゆらりと立ち上がったわ。
あんまり痛いやら悲しいやらで、 もうこれ以上目を開けてたら、 とめどなく涙が出てきそうだったの。
だからわたしは目を閉じたのね。 わたしが泣いたらやさしいあの子は、 心配して戻ってきちゃいそうでしょう。]
(+57) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ 足音が遠ざかっていくのを、 暗闇の中で懸命に聞いていたわ。
少し離れたところで、 あの子がウィレムとゾーイを呼んだわ。 ずいぶん焦った声で何か言ってる。 ああ、オッドもいたのね。よかった。 ぱたぱたといくつかの足音が遠のいてく。
ねえ、ノーリーン。 安心してね、あの子やさしいの。 一人っ子なのに面倒見がよくってね。]
(+58) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ ……ああ、ジャーディン。 もうやさしくなんてなくたっていい。 お利口になんてしなくていいのよ。 だからお願い、生きて。どうか生き抜いて。]
(+59) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ ……でもね、わたし本当は、 やさしくて利口なあなたが好きよ。]
(+60) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ けたたましい音が響いたわ。 何かしらねえ。もうよくわからないの。
人の声もするわ。 お隣のご主人かしら。それとも息子さん?
あんまり騒がしいから、 ノーリーンがわたしを食べるのをやめて、 そちらへ向かうことにしたみたい。
ああ、床に転がっていると、 木戸を打つ音がよく体に響くの。 もうきっとだめねえ。 じきにここもまた騒がしくなるわ。]
(+61) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ べろりと何かが頬を舐めた。 やあねえ、くすぐったいわ。 そこにいるのは誰かしら。
犬たちの吠える声は、 今はてんでばらばらに聞こえるわ。
ごめんなさいね、こんな飼い主で。 あなたたちのことを守ってやれなくて。 わたしの一番にしてあげられなくって。
もう、逃げてもいいのよ。 こんなこと言って、 わたしは本当にひどい人間ね。]
(+62) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ 雑多に音が響く世界で、 わたしは静かに耳を澄ませて、 そのときを待って呼吸をしていた。]
(+63) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ そして、そのときはやってきた。]
(+64) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[全員分揃ったところで、皆で学ランを羽織り、気に入った武器を持った。 そして、最期の記念撮影。]
なぁ、オレら最高にかっこよくね?
「ゆーて、どう見てもみんな平隊士だけどなーー!」 「それを言ってくれんなよぉ」
[笑いながら。 オートでシャッターが切られる音を、聞いた。]
(26) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ ……ああ、よかった。 かすかに、エンジン の、音が──、**]
(+65) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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ホリー! 無事か!
[ゾンビを蹴散らして。 囲まれていた彼女を助け出したものの。
それはさらなる悲劇の幕開けだった。]
(27) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[無事ならばよかった。 そう伝えようとした刹那。
彼女が動き出すと。 差し出した手に鈍痛が走る。
それは――]
(28) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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─────ッしゃ行くぜェーーーーーッ!!!
最低でも5体、いや10体はブッ潰せ!!
[一斉に、駆けて出る。 静止の声が聞こえたような気もするが、もはや止まるつもりなどない。 自分たち以外にも、最期の抵抗に出ている人々の姿があった。
今、ここにいる奴らは、幸運だ。 最期をどう迎えるか、自分たちで決められるのだから**]
(29) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[遠くで何かが崩れる音がした。
ショッピングモールの元噴水広場で 子供たちとサッカーをしていた俺は びくりと背を震わせて騒音の方を見る。 何してんの、とか、 もう耐えられない、とか、 そんな声が聞こえた気がして、 すっかり得物になってしまった金属バットを構えた。]
(+66) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ 最後に見渡した電子の世界は、 それでも綺麗事に満ちていた。 もう一度私は、私の中の毒を投稿しようとして。]
あれ───
[ 投稿画面ボタンを押したまま画面が止まる。 ローディング中のまま、何秒経っただろう。
「投稿に失敗しました」
無機質なメッセージが画面に表示されて気づいた。 携帯が圏外になっていた。]
ああ───もう。
[ 私の怒りは届かない。 恐らく近くの基地局がやられたのか、 そもそもインフラが死んだのか。 いずれにせよもう私の怒りは世界に届かない。]
(+67) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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―― とある非人間の日常 ――
[ヴゥン、ヴヴゥン。
鄙びた雑居ビルの一室で、 空調が低い唸り声を上げている。
――いいや、違った。
ボロボロのスーツ姿の男が喉を鳴らして 奇妙な呻き声を漏らしているのだ。
壁の配管に手錠で繋がれた男は ギョロ、ギョロと作り物の人形のように 充血した眼球を時折動かしている]
(+68) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ひとだったものを殺すことにすっかり慣れてしまった。 それでも、虫の知らせというか 嫌な予感には背筋が震えた。 駆け込んできたダンス部のJK――菜々緒が叫ぶ。]
「榎本さんが外に出て…… だめ、バリケード、崩されちゃった。 ゾンビたちが来るよ!」
――、 ……ああ。とうとうかぁ……
[悲痛な叫び声だった。 子供たちは悲鳴をあげて各々、 母親や父親と思いつく限りの隠れ場所へと向かう。
元帥、と、俺は噴水の傍で うたたねしていたそいつを揺さぶって 寝ぼけ眼に悪い知らせを叩きつけてやった。]
(+69) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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ま、ま……まるとく じょうほ…… れれれれれれいばんの さんぐぐぐらす げ、げ……ていにじゅううよ、よじかん とっ……………か、ににににせんよんひゃ…… えん おとく で
くくくくくくりっく
[けたけた。けたけた。
かつて人間だったものは愉快に繰り返す。 人間の声音とはかけ離れたそれは、 まるで壊れたレコードのようだった]
(+70) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[偽物のサングラスの入った 段ボールに囲まれて 男は仮初の命を享受する。
時折、血に飢えたかのように 自らの腕を齧る。 白い骨が、めくれた皮膚の合間から 見え隠れしていた]
(+71) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[痛みもない。苦しみもない。 ただただ、楽しくて。
仲間を増やさなきゃ。 なんだかおなかが空いたし。
この手錠、邪魔だな。外れない。 腕を捥いじゃおうかな。 今はやめとこう。
ああ、おもしろい。しあわせ]
(+72) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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「食料が尽きるかバリケードが崩れるか どっちが先に来るかって話だったな」
ねーえ、元帥。その通りだけどさ、 おまえさん達観しすぎでない? 「政府からの物資も届かなくなったし おまえだってわかってたんだろ? ジリ貧だってよ ……さて」
[元帥はあたりを一瞥する。
逃げ惑う子供たち。
ひとまず歳の小さいものの命を 優先しようとする女たち。
我関せずとありったけの食糧を持っていこうとする だらしのない男たち。]
(+73) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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……あは
[心底幸せそうに、それは笑った]**
(+74) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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「今俺達の目の前には選択肢が二つあるわけだ。 逃げるか、戦って死ぬか」
(+75) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[どうする? と元帥が死んだ目を向けてくる。 すっかり血の滲んだバットを肩にかけて 俺は力なくにっと笑って、 栄養不足気味の痩せた体で胸を張って 格好をつけてみせた。]
サイコーにカッコいい三択目。 戦って生き残る、に決まってんでしょ。
[男子よ、最期まで英雄たれ。
そう格好つけて言い放った直後。
ショッピングモールの入り口付近のバリケードが 大きな音を立てて崩落するのが聞こえた。]*
(+76) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ 頭をぐしゃぐしゃとかきむしり、 血に濡れた布団をベッドから蹴り飛ばす。
──アーサーがそうしていたように、 私はベッドの上に横たわり、そのまま丸まった。
"あいつら"が来たらどうしよう。 ちらりとよぎった思考は、すぐに溶けていった。]
(+77) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ そのまま何度か、目覚めては非常食を食べて。 食べたらまた寝て。 マンションの貯水槽はまだ無事らしく、 トイレは普通に使えた。 水の色は濁った赤錆色で、とてもじゃないけど 飲む気は起きなかったけれども。]
(+78) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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[ 眠っているときに夢を見た。]
(+79) 2020/10/26(Mon) 22時半頃
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百姓 ワットは、メモを貼った。
2020/10/26(Mon) 22時半頃
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「あんたは可愛げのない子ね」
[ 夢の中で顔の見えない女性が言う。]
「譲ってあげなさい。あんたはいらないでしょ」 「こんなものいらないでしょ。捨てといたわよ」 「いつまで泣いてるの、面倒な子ね」
[ その女性も悪い人ではない。 ただ───私がうまくやれなかっただけ。
単に、合わないだけ。
だから。
いつの間にか女性の足元には、 私が我慢した物がうずたかく積もっていく。 その山が高くなるほど、女性と私の距離は広がる。]
(+80) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[「わたし」はもう戻ってこなくなっちゃった。
身も心もゾンビになってしまったら もう思考も、言葉も、 わたしが人間である証は なんにもなくなってしまって。
血だまりのなか転がってた母は しばらく経つと立ち上がって ふらふらと外へ歩いてった。
そういえば 母の肉を口にした瞬間だけ。
身体中の痛みと、心の空虚が 癒える気がした。
だから母も、きっと、探しに行ったのだ。]
(+81) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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[―――運転を始めた最初は酷いものだった。 運転技術なんてないに等しいってのに、 ゾンビがそこらじゅうを徘徊し、 窓ガラスは割れ、ごうごうと煙をあげるビルの横を 見ないフリをして、走らなきゃいけなかった。
郊外とはいえ、ここは東京のはしくれだ。 >>2:*4東京はこの感染騒ぎの筆頭だっていうのに 自分の住んでいるところはまだ大丈夫だろうと きっと、生き残りが集まっている場所があると、 そんな風に思っていた。
数日分の食糧の用意だけはしておいて、 この期に及んで、僕は、 すぐに頼れる人が見つかると期待していたんだ。]
(+82) 2020/10/26(Mon) 23時頃
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