25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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感謝されるほどのことなど、私は何もしていない。 こんな些細なことで礼を言うくらいなら、大輪になってみせろ。 あの時お前を買っていればよかったと誰もが後悔するほどの大輪に。
[柔らかい笑みに首を横に振り、 それからパチリとまた一つ扇が鳴る]
(626) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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残念ながら意地が悪いとしか言われたことがない。
[見下ろす視線に性格の悪さを滲ませながら 唇の端を吊りあげる。 楽器を後ろ手に持つ様子を見ながら]
…連れて行けと、そういうことか?
[大きく息を吐き出すと鉄色は真っ直ぐにレンズの奥を見下ろし]
(631) 2010/08/04(Wed) 22時半頃
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?
[目の前の少し呆けたような顔に軽く首は傾げども 結局は帰ってきた言葉に息を吐き出すのみ。 パチ、と音を立てた後に一つ息を吐き出す]
暴れるなよ。楽器は、手から落とすな。
[そう告げたかと思うと扇を己の懐に仕舞い込み 花の身を徐にに抱えあげた。 抱えあげたと言うよりは、米俵であるかのように 肩へと担いだ、と言うほうが見て呉れ上はとても正しい]
(641) 2010/08/04(Wed) 23時頃
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…何だ、尻など見ても仕方ないだろう。
[鵠の視線に首を傾げた。 力点と作用点さえしっかりしていれば、 このやり方はそれほど大変ではない。
そしてその渦中の花の尻を一つ、 窘めるようにぺしりと叩いた]
怪我人は、暴れずにおとなしくしているものだ。
[そう告げると、足は芝を踏んで歩きだす]
(647) 2010/08/04(Wed) 23時頃
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−表庭→B棟居室−
[鵠の言葉に首を捻るも、そのまま男は足を進めた]
暴れる前提の言葉など吐くからだ。 身から出た錆だと思え。
[そう告げると足は花達の居室のある棟ではなく 本邸の渡り廊下から自分達の居室がある棟に入る。 途中で侍従を捕まえて治療に詳しいものと 花の着替えを持ってくるように告げる]
(657) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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−B棟居室−
[窓は開けたままににしていたので、戻ると白い紗が揺れていた。 茶の膳も下げられ、片付けもされている。 浴室の扉の前まで来て、漸くそこで肩の花を下ろした]
そこから奥が浴室だ。好きに使え。 楽器はこちらで預かろう。 私はこの後部屋を開けるが、治療の者が来る。 着替えて治療が終わった後は、休んでいっても構わん。
他に何か、質問は。
[ちょうどその頃愛で着替えを持ってきた侍従と治療の侍従。 怪我であれば不便と思ったのか、入浴手伝いの侍従まで現れた]
(663) 2010/08/04(Wed) 23時半頃
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元ある場所。 それは誰かに聞けばわかるのか。 …まあ、解らねば解るものに任せることにする。
[弦は緩めなくていいのだろうか。 弓もどこを触ったものか考えつつ答えた。
見上げる視線と揺れる指先に、男はただ首を傾げる]
私が何処へ行くかは、お前の詮索するべきことではない。 勿論行き先をお前に言う理由も、ないはずだ。
…まだ、何かあるか?
[見下ろす鉄色は夏を忘れるほどに冷たく、 肌を貫くほどにまっすぐと向けられる]
(672) 2010/08/05(Thu) 00時頃
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そうか。 ならばその通りにしよう。
[宙に軌跡を描いて落ちていく指先を余所に 男は首を傾げるのみ]
共寝を望むなら、私以外の誰かに頼むんだな。 生憎とそういう気分ではない。
[それ以上の答えはないとばかりに簡単なものだった。 軽く息を吐き出すと、手伝いの侍従に 花の湯浴みの手伝いをするように促す]
(679) 2010/08/05(Thu) 00時半頃
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−B棟居室→本邸廊下−
それぐらいは理解している。 触ったことのない楽器は勝手がわからんだけだ。
[包帯に滲む血の色に、それ見たことかとばかりに溜息をつくが]
何だ、淋しいと言ったのはお前だろう。 あまりに飾り気のない誘い方かと思ったが…まあ、いい。 清潔にして傷の治療をしっかりとしろ。 こちらは、きちんと届けておく。
[着々と用意が進んでいく。 そうして浴室へと消えていく姿を見送った後、 男は踵を返して、まずは楽器の片づけをすませるために 本邸へと出て侍従を捕まえることにした]
(690) 2010/08/05(Thu) 00時半頃
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