22 共犯者
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>>22 いえ…好む、というわけ、では……
[結果的にその言葉を多用していることに気づかされ、少しだけ俯いた。]
森の中に分け入り、夜通し歩く…… 村人同士の殺し合い…… 祈りの場であると同時に、私刑も赦された場でもあるのですね。
[頭の中で整理しながら、村の儀式の詳細をノートに記す。]
「森に還る」。 村に必要な儀礼を犯罪として考えさせない為の、村人同士の配慮と気遣いというわけですね。互いに怨まないようにするための安全弁ともなります。
ところで、「帰らない死者」とは異なる死者が出る祭……とは?
(293) 2010/08/01(Sun) 02時半頃
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その特別な死者があった場合も、巡礼は毎夜続けられました。 死者が出なくなるまで、ほとんどの場合は、巡礼が全員帰らなくなるまで。 具体的な儀礼手順の伝えでは、正式な巡礼の人数は「その年の月の数」であったと言いますが、村人の間ではそれは容易に「十二使徒」になぞらえて記憶されました。
村の古い家系に伝えられた口承では、その死者は神、あるいは神の御使いによって殺されたもの、だとされています。 私たちの先祖は、その神と契約し、庇護される代償として、死者となる者を差し出すことになったのだ、とそこでは言われます。 巡礼の儀式自体が、そのために作られたのだと。
[くすりと笑う。]
珍しい伝承でしょう? 普通、そういう契約を結ぶ相手は「悪魔」とか「妖精」、「小人」ですし、人間の側が機転を利かせて契約を無効にしてしまうものなのに。 私たちの先祖はその相手を、神、と呼んで伝承してきたのです。
(294) 2010/08/01(Sun) 02時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 02時半頃
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特別な死者……。 つまり、マコーミックさん、貴方もご覧になったという、ソフィアのような遺骸のことです。
(295) 2010/08/01(Sun) 02時半頃
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「神」……
[イアンの脳裏に浮かぶのは、上弦の月を共に見た、あの黒い影の『獣』の姿。]
神と契約し、庇護される代償として、村人の命を差し出す……。 リンドグヴィスト夫人がおっしゃる通り、「悪魔」や「小人」ではなく「神」としてその対象と契約するというのは、ただ人間が一方的に契約したりそれを破棄できる自由さを持っている訳ではないものだと推測されます。
「神」は「人間」を護るものと考えられており、人々の生活のあらゆる面に浸透している。その身に根付き、死してなお決して離れることはない。己の意識が及ばぬ範囲まで支配するのが「神」というものでしょう。
もしご存知であり、かつ差し支えなければ…… その「信仰の対象」の正体は一体何なのでしょうか……?
(296) 2010/08/01(Sun) 03時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 03時頃
記者 イアンは、「ソフィアのような遺骸」という言葉に、ごくりと息を呑んだ**
2010/08/01(Sun) 03時頃
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形容する言葉は少なく、それらはあまりにも、そう、私たちの言葉では……キリスト教的です。それが彼らの言葉だったのですから仕方ありませんが。 そして今日では、残された言葉から本来の意味を探そうとすれば……あんまりにありきたりな、ロマンチックな「異教的なもの」になってしまいます。
そもそも、私たちはそれを「信仰」したのでしょうか?
……わかりません。
[ぽつりと答えた。]
(297) 2010/08/01(Sun) 03時頃
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だって、私たちはまだいくつかの祈りの言葉を憶えていて、祭りのときには唱え、その意味も伝えていますけれど、その言葉が何で、本当に私たちが思い込んでいる意味なのかどうか……知らないのですよ。 例えれば、ラテン語を知らない人が何代にも渡ってミサを語り伝えるようなものです。しかも、私たちはそれがラテン語という言葉だという知識もないのですから。
少し話が逸れましたね。 巡礼のことに戻りましょう。 「御使い」は、巡礼と共にその夜を歩まれるのだといいます。 しかし、「御使い」はまた「顔を見ることのできぬ方」とも呼ばれ、私たちはその姿を見ることができません。 そしてもし、その御顔を拝することができれば、御使いの祝福を得て儀式は終わる、と伝えられているのです。
とてもあいまいな表現ですが、実際には、そのための手段として巡礼はお互いを殺しあったのです。つまり、巡礼の中に御使いが顕現しておられる、御顔を拝するとはその中から御使いを暴くこと、と解釈したのでしょうか。
もしこれが、正しい解釈の下に行われた儀式だとすれば、私たちの先祖は神を殺そうとしていた、あるいは神と殺しあっていた、ということになります。
(298) 2010/08/01(Sun) 06時半頃
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王殺し、司祭殺し、自ら犠牲となる神。 そういった概念はありふれたものだと、民俗学は考えさせるように仕向けます。 けれども私には、私たちのこの祭りが、それらと同じものとは思えないのです。それが、アルフレッドと私の意見がどうしても合わないところでしたわ。
さあ。 私は貴方の言われた「生贄」について、私たちが行おうとしている蛮行のあいまいな根拠について、説明しました。 これで何がおわかりになるでしょう? 私たちの言う「生贄」と、貴方の、森の外の世界の「生贄」という言葉の「額面」はどのくらい同じでしょう?
(299) 2010/08/01(Sun) 06時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 07時頃
寡婦 パピヨンは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/01(Sun) 07時頃
寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 07時頃
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―リンドクヴィスト邸・書斎―
[一番最後に書斎の中に入る。]
[まだ覚悟ができていない。だから、なんとなく奥様と目をあわせるのが嫌だったんだ。書斎の中の装飾を物珍しそうに見渡す。家具に細かな意匠が施されていれば、それらに一瞬、目を奪われるだろう。]
[祭りが終わったら、という言葉に反応して視線を向ける。]
なんだろう?
[>>271村長夫人が見知らぬ男に何かを渡している。あれは……何の紙束だろうか?]
[>>276「生きて、必ず届ける」という言葉に反応して、見知らぬ男の顔をしげしげと眺めてしまう。]
(300) 2010/08/01(Sun) 09時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 09時頃
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[村長夫人と見知らぬ男の問答を聞いている。やけに難しい話をしているな…… と思う。>>294で村長夫人が神、という単語を口にしたのを聞いて]
……。神は人が創る……
[思わず口に出ていた。誰にも聞かれないように呟いたつもりだけど、ひょっとしたら聞こえてしまうかもしれない。]
たとえば祭りの神像。あれが勝手に成ったというのですか?
[思考する。ひょっとしたら口に出しているのかもしれない。]
たとえばソフィアさんを殺した者が神であるというのなら。 僕がソフィアさんを殺したと言えば僕は神になれるのですか? 絶対に、そんな事は、ないでしょう?
[>>296見知らぬ男が『「神」は「人間」を護る』という。僕の考えとはちょっと違うかな、と思う]
「神」が護っているのは、きっと「村」なんだ……
[また口に出してしまったかもしれない。聞こえていないといいのだけれど……]
(301) 2010/08/01(Sun) 09時半頃
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−故・村長宅−
あまりに異教的で、あまりにロマンチック……
[言葉を失い、ぽつぽつと呟く。 己の口から何故そのような「正体を知っているのか」という疑問が出たのか。それはイアンが「信仰対象となる主体」の正体をあの夜に見たからであろうということは、彼自身の脳に、容易に浮かんできた。
そして、「それ」が彼の後ろに立っているということも。]
……そうですね。 信仰の対象が言い伝えられていくうちに、それの意味が曖昧になってゆく可能性は十二分にありましょう。
夫人がご指摘の通り、もはや現代では誰もラテン語で会話していないというのに、ラテン語由来の言葉を日常的に使っている。それと同じように、脈々と続く歴史とその謎を、ラテン語というヴェール……或いは箱に無理矢理押し込めていることになりましょう。
伝えられているうちに発生した矛盾や、歴史の中で生じた新たな意味をも、その中に含ませて。
それが、貴女達が言う「生贄」と、私がこれまで考えてきた「生贄」の間に浮かぶ差異であると思います。
そして、それはごく自然なことだと思うのです。
(302) 2010/08/01(Sun) 09時半頃
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ですが貴女達と祖先の方々は、一見ご自分達の概念をキリスト教的な言葉の枠組に押し込めながらも、実際はその言葉の発音なり形式を変容させることにより、その矛盾を解消しようと試みている。
そこに、「額面通りに受け止めてはいけない」という、言外に込められたメッセージを読み取れますし、私はその矛盾やズレを、変容した言葉の形のまま受け止めようと思います。
申し訳ありません。私も話が逸れました。 幾分懐かしい感覚が、私の中に込み上げてまいりましてね。 民俗学は専門ではございませんが……そういうものをかじっていた時期が、私にもございました。
……話を元に戻しましょう。
(303) 2010/08/01(Sun) 09時半頃
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神殺し……主殺し。 村人と神が同じ地に立ち、神の姿を見る……則ち、ヒトが神に文字通り「近づく」儀式。
しかし神は誰かが分からない。 「儀式」の中でのみ、逢うことができない。 「巡礼」……ひょっとしたら殺しを伴うかもしれない儀式の中で。
ですが、それを「蛮行」と呼ぶべきかどうかについて、私には判断する権利がありません。それは村の中にいる当事者だけが判断できることです。
……貴女方がこれから為そうとしていることについては、分かりました。ありがとうございます。
(304) 2010/08/01(Sun) 10時頃
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>>301 神が人を創る……? ソフィア嬢を殺しても……神にはなれない……
[村長夫人の言葉をメモする端に、ハニーブロンドの髪を持つ青年の言葉を記してゆく。]
(村長夫人の言葉は理解できる。 だが、村人達の動揺との温度差は気になったままだ。 ……今、早急な判断をするな。)
神が護るのは……村?
[ハニーブロンドの青年が呟いた言葉を、小さな声で呟いた。]
(305) 2010/08/01(Sun) 10時頃
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[>>304 かすかに苦笑して。]
貴方には判断する権利がないと、本当にそう思われます? 貴方はずっと、「生贄」という言葉を村の外の意味で言われて、私たちを裁いておられたのに。
……いいえ。口先だけにせよそう言っていただけるのを、喜ぶべきなのでしょうね。 私ももう少し、貴方たちの言葉を信じてみることにしましょう。
(306) 2010/08/01(Sun) 10時頃
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[思考が変な方へ向いている。自覚があるが止まらない。]
そう。いや、違うのかな。「村」を護るために「神」を創ったのでしょうか。
そう。だから、きっと。「神」を殺すという事は「村」をなくしてしまう事になるのかもしれません。
[簡単に殺せるとは思わないけど。そこで思い浮かべるのは見たこともない神ではなく、まして広場の神像でもなく。屈強な自警団が集合している場面。その辺りで、ここに来た目的を思い出す……]
(307) 2010/08/01(Sun) 10時半頃
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>>306 それは……私が無知であるが故に、その矛盾にすら気づけなかった。それだけのことです。
[村の中で、「生贄」になることを怯えていたミッシェルのことについては、口を閉ざしておくことにした。それを言っては、巡り廻って彼女が「祭」の「ドサクサ」に紛れて、村人に罰せられてしまうかもしれないと考えたからだ。]
私があなた方を裁いていた、と少しでも思われたのなら、申し訳ありません。「祭」のルーツを知った今になって、とても恥ずかしく思います。
そして……私もこの村の「伝承」に寄り添って、その意味を記してゆこうと思います。**
(308) 2010/08/01(Sun) 10時半頃
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>>307 村を護る為に神を創った。 神を殺すことは村を無くしてしまうこと。 貴方がそう感じられるのも、無理はない気がします。
私がこうやって「祭」のルーツと理由に近づいていけるのは、紛れもなく私が「部外者」だからです。故郷が無くなることの恐ろしさは、想像したくないでしょうし……
[彼は祭が怖いのか、或いは他のものが怖いのか。 今はそれを問わずにおくことにして、村人達の話をじっと聞くことにした**]
(309) 2010/08/01(Sun) 10時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 10時半頃
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―リンドクヴィスト邸・書斎― [オスカー、ノックスと書斎に入ると、丁度パピヨンがイアンに分厚い紙の束を渡しているところに出くわした。 その紙束は、文字がびっしりと書かれた文書のように見えたが──注視するヴェスパタインの眸は、その一瞬だけ温度を失い、冷冽ないろを帯びた。
そのいろも一度瞬くと解けて消え失せ、彼の淡い色の瞳は、村長夫人と新聞記者の間で気遣わしげに往復した。]
急にお邪魔して申し訳ありません。 少しお話があったものですから。
[ オスカーへ声を掛けたパピヨンの(>>278)、機先を制するように、横合いから話し掛けた。]
(310) 2010/08/01(Sun) 10時半頃
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>>281 [ それから、私が先に話をしても?とノックスとオスカーに視線を向ける。 了承を得た後は、一歩前へ出て、不安な面持ちながらもパピヨンに相対する。
が、先に来たイアンの話が佳境のようであったので、それが終わるまで待つことにしたようだ。 口を噤み、話を共に聞くことにした。]
(311) 2010/08/01(Sun) 10時半頃
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>>309 [口に出してしまっていたのか、と少し後悔。]
妙な事を口走ってすいません。あまり気にしないでください。
[見知らぬ男に苦笑を向ける。]
(312) 2010/08/01(Sun) 10時半頃
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[>>309 イアンとの会話を聞きながら、小声で呟いていたノックスに、憂慮の視線を送る。 ぐっと優しい声を作って。]
ここにいる人たちはどうかわからないけれど、今は、あまりそういうことは人前で言わないほうがいいですよ。 冗談や例えのつもりでも、ソフィアを殺したなんてほのめかせば、貴方が犯人だとか、もっと酷ければ、御使いの顕現ではないかと疑って、貴方を殺そうとする人が出てこないとも限らないから。
(313) 2010/08/01(Sun) 10時半頃
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[ 『かれ』は、ヒトである「ヴェスパタイン」がそうであったように、或いはこういう状況であれば彼はそうしただろうという予測を元に、「生贄」の話では蒼褪め、「ソフィアのような遺骸>>295」の件では、息を呑み、恐怖に慄くように両手を揉みしだいた。]
(314) 2010/08/01(Sun) 11時頃
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>>313 [村長夫人の優しい声音を聞けば、どうせ殺されるんでしょう? とは言えずに]
心配させてしまってすみません。
[と、とりあえず返答しておく。もしヴェスパタインと村長夫人の会話に割り込んでいたら、どうしようか、と少し迷うも…… もし割り込んでいたらヴェスパタインにごめんねと身振りをしておくだろう。]
僕がここへ来たのは、家族の事なんですが。 その…… 僕が"生贄"になった理由で家族を責めないで欲しいのです。
[責めるどころか、殺されるのではないか、という危惧がある。]
(315) 2010/08/01(Sun) 11時頃
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>>315 え? どういうことかしら?
貴方が、生贄に志願したのね? でもそれで、貴方の家族の間にどういう関係が? ブラウンさんの息子さんよね。
(316) 2010/08/01(Sun) 11時頃
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[ だから全ての話を聞き終えた『かれ』は、日曜には礼拝に出掛ける家に育ち、その性向ゆえに教会から拒絶されながらも信仰を捨てられなかった「ヴェスパタイン」がそうするであろうように、酷く打ちひしがれた表情を作った。
「ヴェスパタイン」は今、自らの信仰と常識と、村人達が自らの来歴に対して持つ自尊心を尊重したい感情の間で、激しい葛藤を味わっているようだった。 抗議の為に来たここにやって来た彼は、言葉を失った。 故に、先に話を始めたノックスに許しを求める視線を送られれば、力なく頷いた。]
(317) 2010/08/01(Sun) 11時頃
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祭が村を護る……
[そうして護られ続けてきた村は、これからも護られるために人を差し出すのだ。 うっすら口元に嘲りの笑みを浮かべつつ、村長夫人とヴェスパタインの会話を聞いていた。――が、ふと思い出したように]
パピヨンさん。 僕も生贄に志願させていただきましたので。
[必要な事かな、と思ったから。 それだけ言って、また様子を見守る]
(318) 2010/08/01(Sun) 11時頃
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>>316 はい、そうです。
[ひとつ溜息。とりあえず、その場に居る一同の顔をぐるっと見渡して…… ]
いや、志願したという事になっているのな、それならそういう事にしておいてください。そちらの方が家族はたぶん安全でしょうから。
[その場に村長夫人だけならば、正直にしゃべったろうか……?]
僕の話はそれだけです。 あ、割り込んでしまって、本当に済みませんでした。
[少し安堵の表情を浮かべて、ヴェスパタインに話を譲ろうとする。]
(319) 2010/08/01(Sun) 11時頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 11時頃
寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2010/08/01(Sun) 11時頃
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>>319 [ 話を譲ってくれたノックスに、すまない、というように頷く。 しかし、先ほどまでの意気込みはどこへやら、いざ話そうとすると言葉が出ない様子だった。 散々躊躇った後に、重い口を開く。]
……リンドクヴィストさん。 私は…… この儀式を何とか止められないか、と思ってここにやって来ました。
ソフィアが死んだのに、警察にも知らせない。 獣だか人間だか知らないが、どっちにせよ調べて貰わないと、これではソフィアも安心して天国へ行けないでしょう。 他の人だって、また襲われないとも限らない。
それなのに、危険な森に入るのですか。 いくら大事な祭と言っても、そんなのは間違っている。
──私は、そう思っていました……
[ 最後の一言は自分にも言い聞かせるような、深く沈んだ声だった。]
(320) 2010/08/01(Sun) 11時半頃
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>>291 …違う…怖くない…違う…違う…。
[ぶつぶつと繰り返す。 ゆるむ記憶の扉。 その奥に見えるのは…一冊の本…。 その昔、家の地下室で見つけた、古い古い…この村について書かれた本。 当時本が好きだったホリーは、家の言いつけを破り、立ち入りを禁じられていた地下室へ足を踏み入れ、「ソレ」を見てしまった。 そこを祖母のゼルダに見つかり…そして、罰を受けた。 「あの話」を聞いたのもそのときだったのだが…その一連のことは、記憶の奥底に封じられている]
(321) 2010/08/01(Sun) 11時半頃
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>>319
[ノックスの言葉だけでは、事態を理解しきることはできなかったが、想像できることもあった。]
(この子、誰かに脅されて志願されられたのかしら。 それともまさか……くじ引きに不正が? アレクサンデル家といい、志願なんていう言葉ももう、全く違う意味になってしまっているのね。 でも今はとりあえず後に回すしかない。 この子が殺されず、誰も殺さずに帰ってくればいいことだわ。)
オスカーも? まあ。志願者だらけじゃない。 これなら、十二人なんて簡単に集まってしまうかもしれないわね。
[少し呆れたように、そう言った。]
(322) 2010/08/01(Sun) 11時半頃
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