249 Digital Devil Survivor
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
namba 2016/06/26(Sun) 00時半頃
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[>>0、口を開いた遙に手を止めた。
頭上の龍蛇を見上げる]
遙。
[あなたはどう、したい。 力を望みながら今それを止めるというのは、 迷いがあるという事なのか――それとも。
瞑目する]
あなた。 そうやって自ら穢れたまま、この世界で生きていくつもり?
[その声>>*0は何処へ向かって囁かれたのか。 そもそも聞こえるものなのか、解らないけれど]
(5) namba 2016/06/26(Sun) 01時半頃
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[女より委譲されたその力。 今ならば止められるのかもしれない。 それはきっとあの女の力を削ぐ事にも繋がる]
……ごめん。
[龍蛇の力が一時的に止まっている今ならば、力が使える。 開いた掌に集まる、鋭利な水の刃]
こうなった遙を。 救う手立てがあるなら、止めて。 そうでないなら。
今、ここで。
[遙と親しかったという菫色を、琥珀色が見上げた]
(8) namba 2016/06/26(Sun) 01時半頃
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[揺藍>>9へと振り返り、一つ頷く]
いつ暴れだすか、判らない。 慶一の時みたいに、制御を失ってしまう可能性は、ある。
それに。 操り主を殺めて鎮まるなら良いけど、 逆に解き放たれてしまう事だってないとは言えない。
獅子、狛。 彼女について。
私は、遙を。
[2匹が揺藍を守るようにその左右に立った]
(10) namba 2016/06/26(Sun) 01時半頃
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[龍蛇へと向かう>>11の背中を見ながら、刃を握り締めた。 揺藍が動く気配を察した龍蛇が唸りを挙げる]
狛、揺藍を死守。 獅子、喰らい付け!
[指示を飛ばせばいち早く狛犬が駆け出す。 繰り出された尻尾をひきつけるように体当たりのていで 突撃すると、獅子がその隙を縫って地表を削るように しなる尾の先へと牙を剥いて噛み付いた。
そうして、自らは遙へと狙いを定める]
……――。
[その無防備な首許へ向けた切っ先の一瞬の震え。 ぐ、と抑え込んで柄に両手を添えた]
(16) namba 2016/06/26(Sun) 02時頃
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ごめん――ッ。
[一刀にその息を断ち切るべく振り下ろしたそれ。 肉と骨の感触、そして手と頬を濡らした暖かさに眉を顰めた。
主とのラインを断たれて龍蛇の動きが一瞬、止まる。
引き抜いた刃を翻し、水の主導権を握った]
湖に還って。 あなたの主はもういない。
[龍蛇を湖へと引き摺り込もうと、 水面から無数の小龍が、小蛇が、 取り縋るように神の身体へと纏わりついた*]
(17) namba 2016/06/26(Sun) 02時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
namba 2016/06/26(Sun) 02時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
namba 2016/06/26(Sun) 02時頃
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[ずるずると、水棲のモノ共は神を水の中へと鎮めていく。 まだ幾らか抵抗はあるようで、時折振り千切られた水が 四方へと投げ出され湖面に降り注いでいる]
鎮め。 ……そこがあなた様の、本来の、……――。
[力が緩まっているとはいえ、元来手に負える相手ではない。 気を抜けば水達は振り切られる。 全身全霊の力を込めて、押さえ込む。 ふぅ、と荒く息を吐いて遙の隣に膝を崩した]
これで、後は。
[戻ってきた揺藍>>18を見上げて口許だけで微笑む]
……ありがとう。
[そうして、再び目を射った光>>@3に眉根を寄せる。 まだ、龍蛇は水底に還りきっていない。 動けぬまま、場の成り行きを見守るしかなかった*]
(19) namba 2016/06/26(Sun) 02時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
namba 2016/06/26(Sun) 02時半頃
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[紫電が天を覆う雲を引き寄せ>>6、 更には光の奔流が湖に溢るる>>15。 異界と化した御渡の中でも今の此処は魔境であろう。 悪魔達の姿は何処にも見当たらない。
星は地に墜ちながら>>@1も 大地を焼こうと輝きを増す>>@2>>@3。 それすらも奪い盗る悪魔>>21の何と神をも畏れぬ所業か。
眼前の光景とやり取りに薄っすらと身震いした。 彼らが敵に回らなかった事が何よりの幸運だったのだろう。 とてもあの日、1つ屋根の下で屯した者達とは思えない]
(34) namba 2016/06/26(Sun) 15時頃
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……神も悪魔も、殺せるのは人間だけ。
[知っている。 人の心ほど我らの存在を左右するものはない。 否定するのは人、そして肯定するのもまた人である]
暁は。 沈めどいずれ再び巡る。 その時のあなたが凶星にならない事だけを願いたい。 星は、導になるものなのだから。
[暁が刻を外れて姿を消せば、湖底の龍蛇もまた眠りに就いた。 雪のように解けた抵抗に強張らせていた肩を落とし、 深く、深く、溜息ひとつ。
黒き悪魔と、金糸の錬金術師が立ち並ぶ様を 何か畏れ多いものを見るような面持ちで眺めた後、 共に傍らで見守っていた人の子へと眼差しを投げる]
終わったって、言って、言いのかな。
(35) namba 2016/06/26(Sun) 15時半頃
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[そして、地に伏した亡骸へと視線を落とす]
……弔い、を。
[してあげなければならないかと。 湖の方を見やった。
祝詞で鎮められていたとはいえ 身に余る神の抵抗を受けて力は尽きかけている。 気怠げに座り込んだまま、天を見上げた*]
(36) namba 2016/06/26(Sun) 15時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
namba 2016/06/26(Sun) 15時半頃
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……人の子にしかできない事だよ。 私達では、到底叶わない。
[神は神に祈らない。 神を祀り鎮めるのは人間の特権だ。 祝詞や歌を操る者は神との接し方をよく知っている]
きっと、私達の方があなた達に託すんだ。 今回、荒ぶった神はこれだけじゃない。 彼女も、この湖の主も、慶一のカミサマも。
[マガタマが人の子からマガツヒを吸い上げ、 それが神達を変容させたとするならば。 それはやはり人の子が神を動かしたという事]
怖がらないで、あげてね。 どうか、鎮めて、祀ってあげて。 お願いよ。
[微笑みは優しい人の子に向けて*]
(39) namba 2016/06/26(Sun) 16時半頃
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[神妙な言葉>>40に慌てて首を振る]
そんなに重くならないで。 人の子の影響があったとしても、人の子の責任なんかじゃない。
[マガツヒを生んだのは人の子かもしれないが、 それを掻き集めて害をなそうとしたのはまつろわぬ神だ]
むしろ、後始末を押し付けてしまう事を許して。 私みたいなモノでは神を慰める事はできないから。
[彼女が頭を上げてくれない事に困った様子で。 背中を折って覗き込むように身を低くした]
私の、名前……? 鳴、と今は呼んでもらってる。 ただのしがない付喪神――妖みたいなモノ。
[神様みたいに大それたものじゃないの、と囁いた*]
(41) namba 2016/06/26(Sun) 17時頃
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[>>45、応じるようにかけられた言葉に視線を戻した]
……人の気も乏しい。 嘆きで堕ちる神が出る前に、どうにかなれば良いけれど。
[所詮は神の側の末端の眷属。 本当に、こういう時ばかりは無力に過ぎる。
穢れた湖へと歩み寄る後姿を見守る。 きらりと夕焼けを閉じ込めたような赤が落ちた。 刹那、響いた爆ぜるような>>46に驚いたように肩を揺らす。 紫の光が静かな雷のように湖を走り抜けていく。
そこに現れたのは美しい湖水。 惚けたように丸く開いた目を幾度か瞬いた]
湖が、……。
(47) namba 2016/06/26(Sun) 17時半頃
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[遙の元へと歩み寄る彼>>48に、遙の隣を空けて立ち上がった。 少し覚束ない足取りだが、澄んだ水の気配は心地良い。 天にはまだ結界が残っていただろうか、 空気は未だ晴れてはいないが息苦しいほどではなかった]
(……沈んで、しまいたかったかもしれない、私も)
[ここで魂を散らしていたなら、 土ではなく水に還る事になったのだろう。 それはそれで、この美しさの中に眠れるなら良い気がした。
足許に視線を落とし、首を振る。 まだ街に悪魔の気配がある内は、人の子のために働けるか。 だが、その後となればもう用もないだろう。
しばし、漣に耳を傾けるように目を閉じた]
(50) namba 2016/06/26(Sun) 17時半頃
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あなた、やっぱり優しいね。
[一瞬引きそうになって>>51、それでも留まったらしき様子に こんな末端の妖に畏まる事なんてないのにと首を捻った。 そういう事ではなくて、彼女が人馴れしていないのだと 今の段階ではきっと気付いていない]
揺藍。 生きててくれてありがとう。 御渡の神の事、どうかよろしくね。
[時間は掛かるかもしれないけれど、 きっといつかはここにも人の営みが戻ると信じたかった。
彼女の使役する国津神が 何処かへと送り出されるのを見届ける。 元凶が去った後、外の者達は果たしてどう動くだろうか*]
(54) namba 2016/06/26(Sun) 18時頃
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[靖水の社の狛犬像は600年を生きた。 人の手を離れてからも久しく、 苔生した上に火に巻かれてもう長くはないだろう。
最後に人の世に降りたい。 そう蛟に願ったのはもう随分前の事。 相方の獅子の死因を作ったモノを突き止めたいとも、思った。 結局、それは有耶無耶になってしまったけれど。
悔いはないと、思っている。 残念な事も沢山あったが、優しい人にも出会えた。 変わらず人が愛しく思えて幸せだった。 山に帰ればきっと湿った土が寝床を用意して待っている]
(57) namba 2016/06/26(Sun) 18時半頃
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[だが、その前に1つだけ約束がある]
ニコラス。 あなたに、いつかのお礼をしなくちゃ。 なんだけど。
[湖を背に向き直り、小さく首を傾げた]
あなたが喜ぶモノって、何だろう?
[この人の子ながら異なる力を得たるモノが、 いったい何を尊ぶものか。 想像だにできなくて直接尋ねてみるのだった]
どうも私ではあなたの興味を満たせそうにはない。 それに、世界はまだまだ愉しいものでは、ないかって。 私は思うものだから。
[>>3:22、いつかの言葉を蘇らせるように*]
(59) namba 2016/06/26(Sun) 18時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
namba 2016/06/26(Sun) 18時半頃
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[マガツヒを糧にする悪魔>>60。 彼の事は遂ぞよく知る事はなかった。 そこいらに湧く悪魔とは質が異なるのだろうし、 その所業は決して"悪"と呼べるものではない]
無理をしたんじゃ、って。問うのも野暮なのだろうね。 私は何も、あなたの事を知らない。
[黒く変貌した彼の外見は戻らないのだろうか。 これからどう生きていくのだろう、"元"市民だと言う彼を見た]
あんどろ、まりうす、と言っていたっけ。
[それは合間>>30に聞いた名前]
そんなつもり、なかったのかもだけど。 あなたがいなければあの光に呑まれてたんだと思う。 ……ありがとう。
[畏怖とそれから感謝を込めて、そう言葉を投げたのだった*]
(62) namba 2016/06/26(Sun) 21時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
namba 2016/06/26(Sun) 21時半頃
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[知らぬ事、存在を忘れられる事。 それは確かに信仰の力で生きているモノの衰退を招く。 最も、祀る者もいない今の自分にとって これ以上の衰退もなかったはずなのだけれど。 誰かが存在を知ってくれている事は、それだけで糧となる]
私は鳴、今はそう呼ばれてる。
[名前なんて無かったけれど、随分とこの響きにも慣れた]
私の分、っていうのは。 え、っ。 そんなの、全然気付かなかった……。
[今はもう何も入っていない羽織の袂を押さえる]
(65) namba 2016/06/26(Sun) 23時頃
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……ううん、それで助かったのだから。 私が持っててもきっと仕方なかった。 だから、私が怒る事なんてない。
あなたも、ニコラスみたいな事を言うんだね。
[いつぞや感謝されるような事では、と言った彼を引き合いに]
私はあなたがああしてくれたおかげで助かったのだもの。 あなたの意図が何であれ、私はあなたに感謝する。
[感謝してはいけない事はないでしょう? と小さく笑んだ。 戦っている様は怖ろしいとさえ思ったけれど、 口を開けば案外そんな事はないようだと、小さく笑った*]
(66) namba 2016/06/26(Sun) 23時頃
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―渡背山・蛟の呟き―
[蛟は川底に潜めていた意識を持ち上げ空を仰いだ。 やれやれ、と随分と無茶をした狛犬に対して吐いた溜息は 谷間を抜けるせせらぎとなって流れていく。
マガツヒには随分と当てられてしまって、 この騒動の最中も精々身を隠すのが関の山だった。 それでも、山を侵そうとする悪魔にはお帰り頂いたのだけど。 荒御魂に堕ちる事の怖ろしさを私はよく知っている。
随分と人の子が逃げてきていたみたいだけれど。 さて、そろそろ地に帰っても良いのではないか。 ほら、護夜のモノも起き出した。 今ならあそこの子に送って貰えるだろう]
(76) namba 2016/06/27(Mon) 01時頃
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[川辺に隠れていた人の子達を促し、蛟は再び川底に伏せる。 悪い気というのは伝播するもので。 まだもう少し、眠らせておいてはくれまいか。 でないとほら、昔のように暴れてしまいそうになるから。 私は元々気性が荒くて。 マガツヒの誘惑に堪えるのは結構疲れたものなんだよ――**]
(77) namba 2016/06/27(Mon) 01時頃
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―御渡湖―
[>>70、立ち上がれば視線は自然と見上げるように]
終わりに想いを馳せる割りに。 あなたは随分、この浮世を愛しているみたい。 この世に在るモノに興味がある内は あなたもきっと本気で死にたいなんて訳じゃないんでしょう。
[けれど、それが己を指しているとは思わないから。 >>71、浮かんだ弧月の深い色合いに困惑の色を隠さない]
どういう、事……?
[御渡を去るつもりらしいという事は解った。 それ自体、元々この地の者ではないのだからおかしくない。 しかし、その続きである]
また、戻って来るの。それは私も嬉しいけれど。 いったい、何年先のお話かな……。
(78) namba 2016/06/27(Mon) 01時頃
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[ただの人の子の言う事なら迷う事もないけれど。 彼は自分と比べてもあまりに永くを生きている。 そんな彼の"また"とはいつの事なのか。 今生ですらない可能性とてありえる訳で。
苦笑は>>72、続いた言葉に凍り付いた]
は。
……もう。 無理を言って、くれるんだから。
[ぎこちなく、動きを止めていた唇を解いて。 堪らない、と片手で目許を覆った]
……寂しいのは、嫌いなの。 だから、ねえ。 そう、人が皆忘れていくのなら。 誰にも見向きもされないなら。 安らかな眠りに恋をしたって、悪くはないと思わない?
(79) namba 2016/06/27(Mon) 01時頃
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[言い訳のように吐き出した想いを噛み締める。
嗚呼、そうだ。 私はずっと寂しかった。 人の目に触れない日々はひどく、ひどく、辛かった。 これ以上、寂しい想いをしたら泣いてしまいそうで。 それなら、いっそもうこの魂を閉じてしまいたかった。 ぽつり、雨だれのように吐き出す躊躇いに乗せて]
……私が朽ちるまでに。 戻ってきてくれると言ってくれるなら。 待っても、良い。
[望まれたならば応えたい、それが本来の性質だ。 それよりも。
それがこの身に向けられた我侭だというのなら。 愚かしくも嬉しいと思ってしまったのだから*]
(80) namba 2016/06/27(Mon) 01時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
namba 2016/06/27(Mon) 01時半頃
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思い出だけでは生きられない。 鮮やかな出来事ばかりが心を生かす。 ……心のある生き物が欲に生きるのは、自然な事。
そうだね、あなたはとても人らしい。
[けれど、そんな顔で笑うから。 得体が知れなく見えるんだよ?
揺れる月明かりを受けて、濡れた宵闇もまたはらと揺れた。 距離が狭まれば少し顎が上がる。 見上げた三日月の上には綺麗な菫色]
好きだよ。 私は人の子が、好き。 好きでなければ、寂しいなんて思わない。
私は……神様なんかじゃ、ないんだよ。 付喪"神"なんて言うけれど、本当は妖だ。
(90) namba 2016/06/27(Mon) 21時頃
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それでも。 頼って、くれるというの。 数多神のいるこの土地で、私みたいな紛い物を。
[欠けて煤けたみすぼらしい石塊に願いを掛ける者がいると。 でも、それならば……――。
いつぞやのように大きな手が降りてくる。 遠い昔、物心ついたばかりの頃に繰り返し まだ綺麗だった毛並み(いや、石並みだろうか)と角を 優しく撫でてくれた人がいた。
瞼を閉じれば口許が震える。 喉の奥、つんと湿ったものを飲み下して笑みを刷いた]
……私を"神様"にしようというの。 なんて強欲な、人の子。 いいえ、真の神をも畏れぬ人ならざるモノ。
(91) namba 2016/06/27(Mon) 21時頃
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[信仰とは崇めるばかりではないものだ。 "そう在れ"と、願う心が神を育てる。
髪を撫ぜた感触が離れていくのと入れ代わり、 天に向かって手を伸ばす。 叶うならその淡い金糸のひと房にほんの少し触れて、 まるで月を掴まえたと戯れる子供のように無邪気に笑んだ]
忘れられるとは思わない。 あなたの生んだ神なのだから。
[己より永きを生きる"人の子"がこの存在を知っていてくれるなら。 生涯、もう、寂しいと思う事はないのだろう]
きっと、御渡はまた人の暮らす土地となる。 神と暮らす、人の世が。 この後も続くように……――。
[まだ私は頑張る事ができる。 そう囁く声音は何処か晴れやかだった*]
(92) namba 2016/06/27(Mon) 21時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
namba 2016/06/27(Mon) 21時半頃
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―夕暮れの頃・御渡湖―
[渡背山から人が少しずつ降りてきたのは、 きっと幾分時が過ぎてからの事。 悪魔はその数を大分減らしていただろうが、 まだ人の子が安心して出歩くには遠い。
先導してきた中に護夜の者の姿があれば、声を掛ける]
こんなに、無事で……。
山の方々がお守り下さった、のかな。 こちらは、とても惨い事になったけれど。
[今は清らかさを取り戻した湖だが、 その奥底には多くの無念が沈んでいる。 マガツヒの名残は浄化されても、 鎮まる事のない魂が残っている]
(101) namba 2016/06/27(Mon) 23時頃
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私も……結局、救えなかった人がいる。 殺めた人すらいる。
[瞳を閉ざされた遙>>48の亡骸。 抱え上げる事はできなかったから、小さな波を湖に起こした。 遙の元まで届いたそれに、そっとその身を預ける]
……――。
[静かに引いていく波。 湖の底へと消えていく黒を見送って、 淡く集まり始めた霧が夕映えに蛍のように煌めいた。
野に、山に、花がいずれ咲いたなら。 きっと手向けに戻って来よう。 無論、慶一が眠り小鈴の鬼が消えたあの社にも。
何の慰めにも救いにもならないかもしれない。 それでも、この地で神の末席を汚すと決めたから。 これはその始まりだった*]
(102) namba 2016/06/27(Mon) 23時半頃
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―やがて季節は巡り巡って―
[悪魔の気配が全て消えたのは、何日後だったろう。 天津神の結界が解けたのは。 国が封鎖を解いたのは。 御渡での出来事はどのような"災害"として処理されたのか。
靖水へ戻った後、幾度も山を降りては神の眠る地を巡った。 水脈を通して平地を見通す術も覚え始めた。 人々は被害の少なかった地域を中心に寄り集まり、 その営みを再開させ、荒れた瓦礫を少しずつ片付けていった]
ぬしさま。 今年の梅雨ももう終わりですね。
(103) namba 2016/06/27(Mon) 23時半頃
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