32 ABSOLUTELY CHRONO LIMIT―絶対時空極限―
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/22(Wed) 00時半頃
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― 暗褐色に染まりし別離世界 破滅の兆しの塔《トルメンタ・アルシオン》 ―
[貫いた右手を引き抜く。 魔術師の身体から溢れ出す玉虫色の光の粒子。 砕け散る紅の瞳《命》。 零れ落ちた 第十三奇石渠夢瞳《ザ・サーティー・アイ・ジュエル》は落とさずに左手で掴み取った。 人形に戻った身体は何の制御も無く、重力に従おうとする。 落ちそうになる身体に、右手を翳して支え。]
お疲れ様、ベネ。 ゆっくり、おやすみ。
[指を軽く折って、開いたままの瞼を伏せてやる。 そしてくるりと腕を回すと、人形《ベネ》の身体は玉虫色に煌く雫へと姿を変えた。 その雫を掌の上に留まらせ、感じた気配《におい》に地上を見下ろす。]
……やあ、お目覚めかい?
[目覚めた少年の頭上から声を掛けた。]
(1) 2010/09/22(Wed) 01時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/22(Wed) 01時頃
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この気配《におい》…、嗚呼。 もしかして、君なのかな。 ”彼”を傷つけたのは。
[少しだけ不機嫌そうな顔で呟く。 テッドの元へ向かう時、曲がり角で誰かとぶつかった。 姿は覚えていないけれど、独特の気配。 それからあの時、前方からの鉄の匂いばかりに気を取られていたけれど、確かにぶつかった人物からも鉄の匂いがしていた。]
それに、この世界をこんな色にしたのも君だね。
[見下ろす滄翠がだんだん冷えていく。 しかし、結界が世界に広がる様子を見れば、少しだけ表情を変えて。]
(22) 2010/09/22(Wed) 02時頃
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” すばらしいね ” хорошо! と言ってあげたいけど
――――これで護ったつもり?
[くつくつ、冷えていた滄翠が笑って手元の雫が揺れる。]
(23) 2010/09/22(Wed) 02時頃
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目先の障害にばかり気を取られて その根源に見向きもしない。
こうしてこの腐った世界を生き延ばして。 いつかこの世界の崩壊を迎える人は君に礼を言うかい?
君は何の為にこの世界を救おうとするのかな。 君は知っているのかな? この世界が何度目で。 この世界が何個目なのか。
この世界を継続させる事に、本当に救いがあるとでも?
(24) 2010/09/22(Wed) 02時頃
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――――実に愚かだ。
(25) 2010/09/22(Wed) 02時頃
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[掌の上に雫を揺らがせたまま、青年は空を歩く。 足は破滅の兆しの塔《トルメンタ・アルシオン》の頂点を目指して。]
僕が誰かと訊いたね。
僕は 罰《−punishment−》。 この罪深き世界を罰する為に、僕は生まれた。
そして僕は、覚醒《めざめ》てしまった。 [二つに別れた塔。 光溢れるその頂点に青年は立つ。]
その意味が、わかるかい?
(26) 2010/09/22(Wed) 02時頃
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全てはもう遅いという事だよ。
(27) 2010/09/22(Wed) 02時頃
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[そして揺らがせた雫を、ぽたりと塔の光の中へと堕とした。 玉虫色の光が満ちて、しかしそれはすぐに赤黒く変色した。 その瞬間!]
(28) 2010/09/22(Wed) 02時頃
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―――― キき ぎぎギギ ギぎぎ!!! ―――
(29) 2010/09/22(Wed) 02時頃
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[塔が苦しみの声を上げ、別れた二つの部分が互いに 痛みを分かち合うように絡み合っていく。 じわじわ、じわじわ。 染みのように広がっていく光《闇》。]
君達が凍結を望むなら、僕も手伝ってあげるよ。 決して解けない、永遠《死》を君達にあげる。
[広がる光《闇》は、ゆっくりとセピアを赤黒く塗り替えていく。]
そして君達が作った都合のいい世界を一つにして。 完全なる世界《パーフェクトワールド》を、僕は創るんだ。
[塔の頂点、まるで玉座に座るかのように其処に座して。 銀猫の姿を見つめ、微笑んだ。
静かな破壊は、崩壊は、止まらない。*]
(30) 2010/09/22(Wed) 02時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/22(Wed) 02時頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/22(Wed) 20時半頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/22(Wed) 22時頃
靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/22(Wed) 23時頃
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― 天高く悲痛を嘆く凶塔 罪深き世界見下す上空《玉座》 ―
嗚呼、美しいね。 テッド、君にも見えるかい?
[赤黒く世界に蔓延っていく光《闇》。 哂うような視線でそれを追う。 地上からの反論には、滄翠が更にニタァリと哂った。]
(47) 2010/09/22(Wed) 23時半頃
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―――そう。
愚かさに気付かぬ事は罪。 でも君は愚かさに気付きながらも、 それを押し通そうと言うんだね。 救い難い罪深さだ。 [くつくつ、咽が鳴る。]
僕を止める? ふ、ははっ、はははははは!!
(48) 2010/09/22(Wed) 23時半頃
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―――― 身の程を知れ、人間よ。
(49) 2010/09/22(Wed) 23時半頃
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君に何が出来ると言うんだい? 僕を殺してこの世界を救うかい? ふふ、憐れな君に教えてあげようか。 もうすぐ崩壊の刻《シヴァの瞳》は開かれる。
[すっと指差す頭上。 セピアの空にも赤黒い光《闇》は広がって、丁度青年の頭上により濃い色を円状に示していた。]
そして―――
[緩やかに動かされる指の先は、銀猫の胸元を差して。]
(51) 2010/09/22(Wed) 23時半頃
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”最期のしるし”を刻んだ時。 この世界は生まれ変わるよ。
さあ、どうする? 僕が”刻印”を刻めば全ては終わる。 崩壊の刻《シヴァの瞳》が開ききる前に僕を殺すかい?
尤も、僕は簡単に殺される程弱くはないし 殺されてあげる気もないよ。
僕にも護りたい”約束”があるからね。
[滄翠が紅い焔を灯す。 バチィッ!と大気に紅い稲妻が奔った。 襲い来る白き焔を纏った52枚のカード。>>50 上空《王座》に座する青年は指一つ動かす事無く、そのカードを見詰める。]
(52) 2010/09/22(Wed) 23時半頃
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[ ガ ギィイ ン!! ]
(53) 2010/09/22(Wed) 23時半頃
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[展開される絶対領域《アブソリュート・フィールト》。 青年の目前まで飛んだ白焔は見えない障壁に阻まれ、勢いを殺してはらはらと堕ちていく。]
その程度? 抗うにしては随分脆弱だね。
それから、あまりにも稚拙だ。
[カードの陰に潜んで斬り付けてきた少年の剣を、座したまま掌を翳して受け止める。]
僕が”可哀想”か。 ははっ、その”可哀想”な存在を産んだのは世界《君達》だよ。 僕が君達《世界》を憎むのは正しいと想わない?
[哂う青年の瞳に紅い焔が揺れる。 ピリリと漂う細い紅は攻撃の前触れと少年にはわかっただろうか。]
(55) 2010/09/23(Thu) 00時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 00時頃
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堕ちる煌きは断罪の紅。 死して報いよ。
――――裁きの閃紅《スカーレット・・ジュジェ》。
[バチバチィッ!! 一際大きく大気が啼いたかと思えば、巨大な紅い雷柱が攻撃を仕掛けてきた者達へ襲い掛かる!]
(57) 2010/09/23(Thu) 00時頃
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嗚呼、勘違いはしないで欲しいな。 僕は君達《世界》を憎んでいるけど、感謝もしているんだよ。 大切な人達と出会えた事は心から良かったと思っているから。
だからこそ、世界を壊し《変え》たいんだ。 僕の大切な人が苦しむだけの世界を。
君にはわかるかい? 明日に絶望しかない哀しさが。 [紅雷柱を落とした先を見ていたが、その柱が水の刃に切り裂かれていく。 視線だけを動かして、刃を放った人物を見下す。]
―――世界の守護者《ヴェルト・ガードナー》。
(65) 2010/09/23(Thu) 00時半頃
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救わなければいけない? [女の声、青年は片眉を上げた。]
君達に僕が救えるとでも?
あっはははははははははははははははは!!!
驕り高ぶるのもいい加減にしろよ。 お前達に何が出来る。 僕の何がわかるって言うんだ。
[睨む瞳は冷たく冷えて、影の差す滄は深く哀しい。]
(75) 2010/09/23(Thu) 01時頃
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何を以って救いと? この忌まわしき命が終わろうと、僕が救われる事は無い。 呪われた運命《タマシイ》から解き放たれる事は無いんだよ。 僕はまたこの世に造られ、破壊を繰り返す。
大切な人の嘆き悲しみ苦しむ姿を、何度も見て。 何も救えない無力さに打ちひしがれながら 本能のままに全てを壊すんだ。
だから僕は知恵《意志》を手に入れた。 ただ破壊するのではなく、新しい世界を創る知恵《意志》を。
(76) 2010/09/23(Thu) 01時頃
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僕が諦めているだって? ふ、可笑しな事を言うね。
このどうしようも無い世界で我慢しようとしている 君達の方がよっぽど諦めているように僕は思うよ。 悲しみが、苦しみがあるのはしょうがない。 そうやって諦めて君達は絶望《明日》を生きていくんだろう?
[理解できないな、と肩を竦める。]
僕は救われたいなんて思わない。 僕が望むのは大切な人達の幸せだ。 例え永遠に忌まれようと、構わない。
だから、残念だけど―――――交渉、決裂だ。
[青年は世界の守護者を見、滄翠を静かに伏せた。]
(77) 2010/09/23(Thu) 01時頃
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”変えられる”。 では、何故僕の運命は変わらない。 世界は何故、創世と崩壊を繰り返す。
壊した後に待っているのは”無”だ。 僕は”Адам《最初の人間》”として玩具を新しく作るんだよ。 [青年は溜息をひとつ吐いて、ゆっくりと王座から立ち上がる。]
さて。 そんなに悠長にしていていいのかな。 崩壊の刻《シヴァの瞳》は僕のように気長ではないよ。
[頭上の赤黒い大きな円。 その中心には裂け目が生じ、そこから大きな瞳がちらりと覗いている。 絶望の色を宿した瞳を楽しげな笑みで見上げていたが。]
『―――救えるよ――…。』
[耳に届いた声に、青年は苛立ちを微かに示した。]
(80) 2010/09/23(Thu) 01時半頃
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――――ああ、そう。 自分が救われてきたから、今度は他人《僕》を救おうと言う訳だ。 それを何て言うか知ってるかい? 偽善《おせっかい》って言うんだよ。
このまま話し合っても平行線だね。
[放たれ、青年を飲むべく蠢く激流。>>82 青年は両腕を前方に交差させて絶対領域を支え、攻撃を制する。]
さあ、世界をかけて、力比べをしようか。 崩壊《僕》が勝つか、継続《君達》が勝つか。
結果は二つに一つだよ。
[広げた腕を左右に薙げば、激流はパァン!と煌く飛沫となって掻き消えた。]
(84) 2010/09/23(Thu) 02時頃
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今度は僕の番だね。 と言っても、遊んであげるのは僕じゃないけど。 ―――顕現せよ ”Грозный《雷帝》”
[キュイイイイン、滄翠が紅い焔に包まれて身から湧き上がるように金の大獅子が姿を現す。]
(86) 2010/09/23(Thu) 02時頃
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ガルルルルルルルオォオオオオン!!!!!!!
[大きな咆哮を上げ、身体から金獅子が離れると瞳は滄翠に戻る。 太古に恐れられた金獅子も、今や忠実なる僕《しもべ》となり、外敵から主を護る為に動く。 紅の稲妻が大気にパリパリと響いた。]
”行 け” ―――давай
[静かに命令を下す。 金獅子はその翼で空を翔け、命令に忠実に主に敵意を向ける者に紅雷を放つ。]
(87) 2010/09/23(Thu) 02時頃
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僕は”変える”努力なんてしなかった。してこなかった。 自らの運命に嘆いて、いつも諦めてきた。 だから今、”変える”為の努力をしているんじゃないか。
[少女の霊に青年は苦笑する。]
大切な人は、皆居なくなってしまったよ。 今は僕の中に留まるのみ。 大切な人というのは増やそうとして増えるものなの? 僕にはわからないな。
[視線は声のした方から逸れて、銀猫《ターゲット》へと向けられる。]
(93) 2010/09/23(Thu) 02時頃
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グガッ!!!!―――ゥルルルルル…
[紅髪の女に叩き込まれた拳。 金獅子はよろけたものの、体勢を立て直し低く唸った。 そして翼を広げ、その背に雷気を集める。]
《 雷 帝 の 怒 り 》 ―――ウゥウガァアアアアアアッ!!
[十分に雷気が集まれば、そこをタンクとして無数の雷撃を紅髪の女達へ雨のように降らせる。 再度攻撃が向けられたなら爪で切り裂くように、尾を鞭のように撓らせて応戦するだろう。 主を護り、敵を滅するよう躾られた獣。]
イイコだね、そのまま少し頑張っていて。 僕は”最期の準備”をするとしよう。
[すっと上げられる指先は、一点を刺して。 手首の刻印が浮き上がり、くるくると廻った。]
(103) 2010/09/23(Thu) 02時半頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2010/09/23(Thu) 02時半頃
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―――…っ、さすがに少し堪えるな。
[呪を刻もうとして、微かに感じた眩暈。 金獅子の受けるダメージは己のダメージにもなり、喪失言語《ロスト・ワード》を操るのはそれなりに消耗する。 全なる器の加護を受けているとは言え、不純物《テッド》の混じった神の器。 その力は無尽蔵ではない。]
でも僕は、諦める訳にはいかない。 終わらせて貰うよ、世界《勝負》を。
[耳障りな唄に顔を顰めながら、堪えるように唱える。 青年に向かう攻撃は絶対領域が阻み、金獅子の援護が邪魔をさせまいと飛んでくるだろう。 しかし先ほどより弱った絶対領域。 押し切ろうと思えばそれは貫けるかもしれないが、青年が術式を止める事は無い。]
(105) 2010/09/23(Thu) 02時半頃
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世界に破滅《夜》は訪れた。
我らは進む確かな道を。
未来《朝》はすぐ其処に。
今こそ覚醒めの時。
(106) 2010/09/23(Thu) 02時半頃
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