238 聖痕の空〜Knockin' on heaven's door〜
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 00時頃
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さーあな、リッくんが休んでる内に終わったりして。
[>>3:328身体の動かぬ友に、そう冗談交じりに告げながら 本当に“終わる”のは、果たして何方かと勘付かれない内
男は空を蹴り、駆けた。]
(2) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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[その頃、男にまだ名前はなかった。]
(4) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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『先代はお前と同じ頃には もう白鴉を使いこなせていたのにねぇ』
『たった1km先の標的も当てられない。 そんな奴が一ノ白を継いだらと思うとぞっとする』
[代々、一ノ白家の当主候補の子供は 白鴉で、どんな標的を何度目で当てたかで ――――それに相応しい“名”が授けられる。
先代の名は、一ノ白 一(いちのしろ はじめ) 生まれて初めて持ったその銃で、標的を射抜き その後引退まで一度も外す事がなかったという、名狙撃手。]
(5) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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………っる、さい
[当時、幼かった男は どう足掻いても、“先代”と比べられた。 男が撃ち損じる度に、人々の期待は侮蔑へと変わった。
それが嫌で、度々家を抜け出していた。]
(6) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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『――ふん、外した弾の風でスカート捲りなんて効率の悪い。 ボクならばそんな面倒なことせずにも スカートの一つや二つ自由自在に捲れるぞ!』
[それが出会いの言葉だった気がする。
落ちこぼれと言われ、家からも見捨てられていた少年が 外へ出て、ほんの“暇つぶし”をしていた時にかけられた声。
今となってはくだらない事かも知れないが “悪友”との勝負は、男にとってただ楽しかった。]
(7) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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[――――――そして]
――――――ッ、……… は、
[一ノ白の庭園に聳え立つ 天界まで届かんとする程に太く、高い幹。
―――『神木』と云われたその大木を 当時の男は狙撃銃の一振りで、真っ二つにしていた。
幼いながらも何かを背負う、友の姿に感化されたのか。 男はいつしか、これまでとは違う在り方を見つけ出していた。]
(8) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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『“神”の木をも凌駕する“威”力
今日からお前の名は――――神威だ。』
[そうして与えられた名を 一番最初に名乗ったのは、友だった。]
(9) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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― 現在:神宿 ―
[男は今再び。
『神』の宿る街のビルを――――――薙ぎ倒す。]
(10) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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[ ―――――――――ゴ ォ ォ ォッ !!!! ]
(11) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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オースカくん
俺の大切なモン傷つけてくれた礼はさ ―――――……100万倍にして返す!!!!
[男の声は聞こえなかろうが 建物の崩壊音は聞こえるだろう。
『オスカー』に向けて一直線に そのビルは崩れ落ちる――――!!!]
(12) 2015/09/18(Fri) 00時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 00時半頃
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― ミサイルが放たれる前 ―
[友が直ぐについて来なかった事は いくらか、男にとって都合が良かった。]
………っと、これだ。
[男は胸の内から、紅の鶴を取り出した。 >>3:185友から貰い受けた『身代わり』の呪。
白の中に、一点、紅が佇む。]
(33) 2015/09/18(Fri) 01時半頃
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リッくんには悪いけど
……俺が持つには惜しいンだよ。
[>>21友が鶴を頼りに此方へ向かって来るとは知らず。 男は紅鶴を風に乗せて、空の向こうへと飛ばせた。
《黒》の元へと届くように。 《白》に生まれた男は、そう願い、鶴を見送る。]
(34) 2015/09/18(Fri) 01時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 01時半頃
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[――――――タン ]
[崩れたビルの頂点に、軽い音を響かせ男は立つ。 >>24向けて放たれるは19発のミサイル。]
………来たな、オースカくん。
[男が来るのを今か今かと待ちわびたかのような弾道は 天使を捉え、その身体に抱擁でもするかの如く――――……]
(39) 2015/09/18(Fri) 02時頃
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[ ゴ ォォッ ―――― ]
ッ、と――――……
[ ボゴ ォッ ゥ………!!! ]
ぐ、 っ………!!!
[ミサイルが飛ぶ。 避けた弾は、街を壊してゆく。 そして、男の片翼《片腕》に喰らい付く―――!!]
(40) 2015/09/18(Fri) 02時頃
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っ は、はっ………
こんなモンくらいならありがてえな。
あと6枚くらい翼《パーツ》があれば 何とかなりそうだ――――…… ッ
[腕を負傷した所で、口から出るはいつも通りの減らず口。
少年はどんな顔をしていたか。 驚いた顔をしていたならば、男を買いかぶり過ぎだ。]
(41) 2015/09/18(Fri) 02時頃
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行くぜ、レオ。
[男は、喚ぶ。 狙撃銃となった白鴉を、壊れたビルの頂上で。 負傷した左腕をだらりと下げ、銃を足と右腕で固定する。
――――そして、『オスカー』の屋上の、さらに上を目掛け]
(42) 2015/09/18(Fri) 02時頃
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[ ガァ ン ――――――――!!!! ]
(43) 2015/09/18(Fri) 02時頃
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[白鴉から撃ち出されるは >>2:127先刻に吸収した“雨”そのもの。 恐らく、術者本人には効かないものであろうそれ。
しかし、彼にその雨が効いている所は男も一度見ている。
彼が裏切り者であったとしても あの雨の術者ではないと確信を持って、男は引き金を引く。]
(44) 2015/09/18(Fri) 02時頃
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………これなら、ノーコンでも関係、ねーだろ
[こうして『オスカー』のビル屋上にだけ “あの雨”が再来する事となった。
>>1:209力を削ぎ、魂を削り取らんとする無慈悲な雨が**]
(45) 2015/09/18(Fri) 02時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 02時頃
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― “シロ”の話 ―
[それは遠く過去の話。 仰九羅という12柱の一角を担う家があった。 >>2:67それが姓を変えたのは、ある家の婿を迎えたからだと云う。
その家の名は――――…… 一ノ白
当主の座にこそつかなかったものの 力のあった当時の“白”を婿に迎え入れ 仰九羅はさらに力をつけていったという。
……代わりに白はその後、衰弱の一途を辿った、とも。]
(99) 2015/09/18(Fri) 21時頃
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[何故、仰九羅が仰代と名を変えたのか。
>>2:68彼女達は知っていた。 >>2:70>>2:71“白”と“黒”が交わる事で生まれる力を。
>>96そして恐れた。
恐れたからこそ、『片方』を自分の中へと隠したのだ。
―――――――そう、]
(100) 2015/09/18(Fri) 21時頃
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[―――――“白”は仰九羅に奪われ、仰“代”へと成った。]
(101) 2015/09/18(Fri) 21時頃
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[さて、一ノ白がその名を捨てたのは最近の事。 その判断が、白としての“力”を完全に仰代へ受け渡す事となる。
腕のあった先代も “原因不明の病”に倒れ、早くに逝ってしまった。
最早、白でなくなった白が 身体に刻まれた使命だけを綱として黒を追い続けたのは
――――嗚呼。 白であったという確証が、欲しかった所為なのか。*]
(102) 2015/09/18(Fri) 21時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 21時頃
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『やっと、リッくんに並べたって感じだぜー』
[>>76彼の胸の内知らず、幼い男は無邪気に告げる。
しかし彼の事を名前で呼べど 理岐―――理の分かれ道、と発音する事はなく。]
(109) 2015/09/18(Fri) 21時半頃
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― 神宿 上空 ―
ッ………!!
……何だよ、リッくんまでモモちゃんみてーな事言いやがって。
[>>79そうして見えるは友の姿。 自身の撃った弾に追撃を重ね、そのビルの屋上を鮫が襲う。
こうして戦う感覚が、何故だか酷く懐かしい気がした。]
(110) 2015/09/18(Fri) 21時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 21時半頃
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さあな!!!
[>>103自身の仕業かと問われると 思い切りはぐらかした答えを投げ返し]
案外、天に向けて吐いた唾が返ってきただけかも
―――――――――ッよ!!!!!
[幻影の翼をもつ天使《ファントム・エンジェル》 とうに捨てた名だと思っていた。 男が瓦礫を、『オスカー』へ向けて撃ち込む姿は 幻影の翼でもあるように、見えたのかも知れない。]
(114) 2015/09/18(Fri) 21時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 21時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 22時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 22時頃
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[―――――とん、と音がすれば 男の身体は不安定なビルの瓦礫の上にある。]
……へっ、君には俺の『何が』視えンだか。
[>>115何故か自身を狙う風な少年に 挑発に似た笑みを浮かべてみせ]
“今度はちゃんと”命賭けてくれよな―――ッ!!!
[>>115彼のスピードに乗った剣の舞は 男の頬に、身体に、次々と紅を伝わせる。 だがその傷と引き換えに、男は少年の間合いへと詰め]
(126) 2015/09/18(Fri) 22時頃
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[―――――――――ビュ ォゥ ッ !!!! ]
[その腹へ目掛け、白鴉を振り抜く―――!!!]
(127) 2015/09/18(Fri) 22時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/09/18(Fri) 22時半頃
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――――――な ん、 ………ッ!?
[>>128銃の柄はしっかりと少年の腹を捉え 確かに手応えも感じた男だったが]
………ビルでさえ根を上げる程の一撃だぞ!! 君は、一体、どんな鍛え方して来たってンだよ……!
[その傷を身体に受け、崩れるどころか立ち上がる。 弱くなるどころか強くなる。
それが、傷だらけの灰天使≪キル・ミー・エンジェル≫ 大須賀白羽――――その人であった。]
(131) 2015/09/18(Fri) 22時半頃
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イアンは、エフは今頃無事でいるだろうか、と思う
2015/09/18(Fri) 22時半頃
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な、何だよ、その ………真なる始まりの天使《トゥルーピュアエンジェル》って。
[>>135男には聞き覚えのない単語だ。 しかし目の前の少年は、真っ直ぐに自分をみて、言うのだ。]
言っただろ、俺には翼なんて無いんだ。 あるのは幻影の翼《ファントム・エアー》だけ。
見えもしない翼を、あるって言い張りたくて 誰かが言い出した名前しかないンだよ!!
[その言葉の真意を探るように、男は前へのめる。]
(137) 2015/09/18(Fri) 23時頃
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