88 吸血鬼の城 殲滅篇
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狼
墓
少
霊
全
ベネットは学者 レオナルドに投票した。
ヘクターは学者 レオナルドに投票した。
ヒューは学者 レオナルドに投票した。
ジェフは学者 レオナルドに投票した。
ドナルドは学者 レオナルドに投票した。
ムパムピスは学者 レオナルドに投票した。
レオナルドは小悪党 ドナルドに投票した。
レオナルドは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
現在の生存者は、ベネット、ヘクター、ヒュー、ジェフ、ドナルド、ムパムピスの6名。
|
− 学生寮 −
[隣室で大きな物音がして、思わずビクリと肩が跳ねる。
似ているというレベルではなかった。 この史料に登場する人物が現代に甦ったかと思うほどに、隣人ときたら…]
(0) 2012/05/03(Thu) 00時頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 00時頃
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― 1F:大広間 ―
[大広間の天井にぽつりと現われた染みは 急速に黒く、大きく広がっていく。
やがて、ぽたりと雫が垂れ落ちたのは、 戦いを見守る修道士の背後。]
(1) 2012/05/03(Thu) 00時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 00時頃
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―1階大広間―
[燃え上がる炎、崩れていく魔物達。 普段より消耗した精神状態。
ジェフリーの位置を探すことに意識が向かい、自分の背後には気づかない。 ようやく、ヒューを追いつめていくジェフリーの後姿を発見し、援護をするために杖に意識を集中し始めた。]
(2) 2012/05/03(Thu) 00時頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 00時半頃
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― 1F:大広間 ―
[床に滴り落ちる闇の雫は次第に量を増し、 やがて、闇の本体がぬるりと岩の間から姿を現す。
水滴の形で天井から下がった闇は、ふいに大きく広がり 修道士の全身へと覆い被さった。]
(3) 2012/05/03(Thu) 00時半頃
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『よう。』 『背中がお留守だぜ。』
[肌を直接震わせるように声をかけ、 同時に、勢い良く魔力を、精気を啜り上げる。 "影"と同じ、それ以上に強力な闇の技。]
(4) 2012/05/03(Thu) 00時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 00時半頃
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── 大広間 ──
[闇が濃くなるのを感じた。**]
(5) 2012/05/03(Thu) 00時半頃
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主よ…我が声を聞き、闇を滅する力を貴方の力を求める者に……―――
『よう。』 『背中がお留守だぜ。』
[詠唱は途中で途切れた。 予想もしていない近くから、 予想もしていない相手の…声。]
―――!?
[振り向こうとした瞬間、まとわりつくような濃い瘴気・寒気・倦怠感。 何が起こっているのかを頭の中で理解する前に、その場に膝をついた。]
(6) 2012/05/03(Thu) 00時半頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 00時半頃
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何……で……… いつ…ここに………
[目の前が闇で覆われる。 浄化の聖句を唱え振り払おうとするが、急激に力を吸い取られた為に、今にも消えそうな僅かな光が明滅するだけで、奇跡の力は何も降りてこなかった。]
(7) 2012/05/03(Thu) 00時半頃
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[腕の中でレオナルドの身体は徐々に冷え、 ぐったりと、縮こまったように 小さくさえ感じられた。]
………。 センセイ。
[ワイヤーを引き、手首から解く。
酷く傷ついているその場所からは いまだ固まらぬ血があふれ出していた。
その朱に、隻眼は引き寄せられ。 ――ゆらりと暗い紅を帯びる。]
……。………
[酷く迷い――漸く、頭を振る。 彼を横たえ、 そっとその血に触れぬようにしながら手を組ませた]
(8) 2012/05/03(Thu) 00時半頃
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[レオナルドの最期の言葉を思い返し、 躊躇いながら手に巻いた包帯を解いた。 闇の血を含んだ其れを、彼の唇に押し当ててみる。
ぬるりとレオナルドの唇は血に濡れたが、 彼の頬に赤みの差す気配はない]
無理だよな。俺じゃ…。
[何処か安堵したようにくしゃりと苦笑する。
――なりたての出来損ないの雛鳥は、 眷属を増やす方法も 死者をすら眷属に変える事が出来ることも知らなかった]
(9) 2012/05/03(Thu) 01時頃
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― 大広間 ―
今来たところだよ。 言っただろ。 おまえは、泣くほど可愛がってやるって。
[問いに答える口調は、舌なめずりする獣そのもの。 闇は十分に精気を吸い終わると、形を取り戻した。 修道士の首に腕を廻し、 杖を持っていない方の手を後ろに捻り上げて、背後に立つ。]
(10) 2012/05/03(Thu) 01時頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 01時頃
|
坊主。
[呼びかけたのは、騎士を追う剣士に向けて。]
遊んでいる最中邪魔して悪いが、 こいつはもらっていくぜ。
[言うやいなや、 腕に獲物を捕らえたまま、北の扉へと退がっていく。]
(11) 2012/05/03(Thu) 01時頃
|
…アンタなら、
……センセイを、変えてやれたのか?
[彼も、知りはしないだろう。
ひときれのパンの為に命を売った経験は、己にも数知れずあったのだ。
だが自らの寿命を前に永遠の命を願うことを、
愚かと切って捨てる事は、今の己には出来なかった。
――こんな姿になっても、死を恐れる自分が]
――。…
[舐めずる様な歓喜の気配。
今は声をかけても無駄なのだろう。
誰が嬲られているのかなど想像もしたくなかった。
くしゃりと髪を混ぜ、意識を現実へと引き戻す]
|
…いらない… 来なくて、いい……
[吸血鬼の声と告げられた内容に身震いし、闇を祓おうと体を大きく曲げようとしてもがく。
>>10気が付くと首元に実体化した男の腕が回されて固定された。 捻じりあげられた腕が痛む。 震える手で、それでも杖を手放さないように指先が白くなるまで握りしめる。]
(12) 2012/05/03(Thu) 01時頃
|
[錬金術師の、最後の望みは聞こえていた。
だが彼の望みが、真に眷属になることだったかは知らない。
いささかの興味はあったが、その程度だった。]
―――さあな。
[届く問いに、気の無いような声を返す。]
死に損ないが血の変化に耐えられるか、
そいつ次第だったろうよ。
それより、ちゃんと片はつけたらしいな。
約束だ。オレの血をやろう。
あとでオレのところに来いよ。
|
…ぅ……ぐ…… [太い腕で首を押さえられている為酷く息苦しい。 引きずられていく体を止めることすら儘ならない。]
[もらっていく、との言葉に目の前で闇に呑み込まれていったドナルドを思い出しながら、騎士と対峙する金髪の剣士の姿を見た。]
…化け物の餌になる位なら…
[最後の力を振り絞り、男に杖を付き立てる為に大きく片手を振り上げた。]
(13) 2012/05/03(Thu) 01時半頃
|
ムパムピスは、意識がゆっくりと闇に塗り込められていく。**
2012/05/03(Thu) 01時半頃
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― 大広間 ―
『坊主』
[呼びかけるのは紛れもないヘクターの声>>10 最初は坊主――ムパムピスへの呼びかけだと思い。 はっと振り返る。
なぜ、ヘクターがここに?]
(14) 2012/05/03(Thu) 01時半頃
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[包帯を手に巻きなおし、 転がるラルフの細剣を 軽く靴で跳ね上げる。
漆黒のワイヤーに汚染され、 剣は既に殆ど炭の様な色に変じていた。]
…っん、…
[掌で受け止めれば、 闇の血に浸った包帯ごしにも、 ぴりりと残る聖の気配。
しかしそれは直ぐに消え―― 静謐な暗黒の気配となって安定する]
(15) 2012/05/03(Thu) 01時半頃
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[振り返った先には、ヘクターと その腕の中に囚われているムパムピスの姿]
――……!!!
[もらっていく? それはどういう意味で?
彼を……一番神の教えから外れることを嫌がるであろう彼を 奴はおそらく――]
待て!!
[声を限りに叫んで、ヘクターに追いすがろうと動いた。 今まで戦っていた敵に背を向けていることはわかっている。 だけど、目の前で攫われいるムパムピスをほっとけなかった]
(16) 2012/05/03(Thu) 01時半頃
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[彼を必ず護ると――。 そう誓って、彼の逃げ道をたったのは自分なのだから]
(17) 2012/05/03(Thu) 01時半頃
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[これをレオナルドが持っていたと言うことは、 ……未だに此処に、取りに来ないという事は]
……ラルフ、 ………死んでんのか…。
[喩えそれを錬金術師が望んだといえど、 一人送り出したまま覗きにも来ないなど 考えられない、とそう思う。
隻眼の男の知るラルフという青年は、 そういう優しさを持っていたから]
(18) 2012/05/03(Thu) 01時半頃
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[レオナルドは死んだ。 エリアスも殺した。 ――ラルフも、なら]
……あと何人、生きてるんだろうなぁ。
[ゆっくりと息をついて苦笑し、 とん、とレイピアで肩を叩いた*]
(19) 2012/05/03(Thu) 01時半頃
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[振り上げられる杖(>>13) それを止めるには、少々手が足りなかった。
苦し紛れのように振り下ろされた杖の先端は 先程、剣士に斬られた傷を再び抉り、]
―――……いってぇな。 漸く、塞がったところだってのに。
[少しの息と、文句の言葉を吐いて、 修道士の首に回した腕に、力を込めた。 息を、血の流れを阻害するほどに、強く。]
(20) 2012/05/03(Thu) 01時半頃
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[追ってくる剣士に牙を見せて嗤い、 修道士を引きずって、北の扉から外に出る。]
ヒュー・ガルデン、おまえも一度退け。 お楽しみは、後だ。
(21) 2012/05/03(Thu) 02時頃
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……そっか。
[そいつ次第――との答えに、僅か、安堵の息を吐く。
男に断言が出来ないのなら、自分が出来る筈もない]
[ゆるりと首を振る気配]
俺はセンセイを殺してない。
……センセイが、寿命で死んだんだ。
アンタの命令を…、守れてない。
|
[騎士に指示を出し、自分も外の土を踏んだところで 金髪の剣士に声を掛けた。 かつて、自分を倒した相手と同じ技を使う男。 懐かしい気配の名残。]
いいぜ。追ってこいよ。 少しくらいなら、待っていてやる。 オレを失望させてくれるなよ?
[来なかったら修道士を殺す、とは言わなかった。 どのみち来ても殺すのだから。
修道士には、幾度も痛手を受けた借りがある。 簡単に殺すつもりもない。]
(22) 2012/05/03(Thu) 02時頃
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[そうして、修道士を掴んだまま、 身体の半分を闇に変えて、ずるりと城の壁を登っていく。
修道士が妄執のように握っていた杖が 幾度も壁に当たり、悲鳴のように甲高く鳴っていた**]
(23) 2012/05/03(Thu) 02時頃
|
―――…そうだな。
[力無い言葉()を肯定するのは、酷く優しげな声。]
あれは放っておいても死ぬ奴だった。
おまえが殺したわけではないな。
だが、オレは言ったぞ?
『生き残った方に、血をくれてやる』と。
[喉を鳴らす。
機嫌のいい獣の声。]
―――……そろそろ苦しくなってるんだろ?
遠慮すんな。 来いよ。
――っ…。
[飢えと貧血に、酷く疲労した脳髄に
『其れ』は毒の様に甘く浸み込む。
ひどく、怠かった。
其れが偽りでも罠でも、構わない気がした。
……其れがないと、生きられない様な、気がした]
…、…何処、…行けばいい?
[躊躇いを含んだ、暫くの沈黙のあと。
……戦慄く様にゆっくりと息が吐かれ、
のろのろとした、何かを畏れるような答えが返る]
――…今、…何処にいる?
……、南の塔に行く。
ヒュー・ガルデン、おまえも来い。
連中の、最後の場所にしてやるぞ。
[声の後に、喉の奥から零れる笑いが続いた。]
――
[ヒュー・ガルデン。
男の『声』として伝わる名前に瞠目し、
納得がいったと言うように呟いた]
……あの気配。
アイツだったのか。
|
― 4F:本館屋上(26) ―
[修道士を引きずったまま、 闇の領主は城館の壁を登り切り、 南側に伸びる塔の上に滑り込む。]
そら。終点だ。
[修道士の身体を冷たい石の上に投げ出し、 "影"を喚んで押さえ込ませる。 自分は、その前を塞ぐように立ちはだかった。]
(24) 2012/05/03(Thu) 07時半頃
|
|
オレは昔から、くだらん理屈をこね回す奴が嫌いでな。
[修道士を見下ろして、右手を突き出す。 掌から、どろりと溢れる闇。]
喜べ。 好きなだけ泣いていいぞ。
[鋼の色に変じた闇の刃を手に、 領主は牙を剥き出しにして嗤った**]
(25) 2012/05/03(Thu) 07時半頃
|
なんだよ。
……クレアの想い出でも、語り明かす積もりか?
[城主と、騎士。
それに自分の共通点に気づき、苦く笑って独りごちる]
南の塔だな。
――わかった。
[獰猛な獣が獲物を前にしたような、気配。
恐らくは其処で狩を始めようとでもいうのだろう。
……どの道ヒトの血を吸いに行くわけではない。
けれど自ら彼を求めることは酷く惨めで
食事に行くのだと思うよりは、
いっそ気が楽だった]
|
[背後の敵>>21に手を引くよう指示をして男は嗤う。 それほど余裕があるのだろう。
聖なる力で灼き尽くされたところまでは見えないが、 斬りつけた脇腹は、もう肉が再生し傷がふさがっていた
影が上に伸びるのを確認すると>>23 再び大広間に戻り階段を駆け上がった。 果たしてドナルドの姿は見えただろうか。 見えたとしても、声を掛けられない限りは止まることは*なく*]
(26) 2012/05/03(Thu) 08時頃
|
捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 08時頃
|
―二階―
――南か。
[振り返り、『声』を確かめるように 天井を仰ぐ。
男の気配は愉悦に歪み、 牙を剥き出した獣の笑みを思い起こさせる]
……次は誰だろうな。
[誰を狙っているのか。 自分は誰を殺せば良いのか。
淡々と思考にのぼせながら、 螺旋階段へと足を急がせた**]
(27) 2012/05/03(Thu) 08時半頃
|
|
── 大広間 ──
[質量ある闇と化したヴァンパイア・ロードが修道士にのしかかるさまが、対峙するジェフの肩越しに見えた。
杖の先に弱く明滅する光は修道士の喘ぎのようで、どこか残忍な高揚を感じる。]
(28) 2012/05/03(Thu) 08時半頃
|
|
[人の姿に戻ったヘクターが拘束した修道士を引きずってゆき、それを見た金髪の剣士が叫んで駆け出す。 その背に手を出すことはしなかった。]
行く手に光はないぞ。
[小さく呟いて、琥珀の奥の炎を伏せる。]
(29) 2012/05/03(Thu) 08時半頃
|
|
[「おまえも一度退け」との指示にひとつ頷き、フランベルジュを背に斜めに負った。
しばし天井を振り仰ぎ、闇の気配を探る。]
──御意。
[自分の赴くべき場所を確認して、踵を返した。]
(30) 2012/05/03(Thu) 08時半頃
|
|
[ジェフが辿り着くまでには、その姿は消えていた。
手すりを跳び、三階へ。 ――主の気配を追い、ひたすら上へと**]
(31) 2012/05/03(Thu) 08時半頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 08時半頃
|
― 4F:本館屋上(26) ―
――が…はっ…… [再び意識が戻ったのは、背中への強い衝撃を受けてから。 冷たい床に両肘を付き、上体を起こそうとした所で 再び地面に縫いとめられる。]
――…… [薄く目を開くと、真っ先に移りこんだのは 自分を押さえこんでいる人ならざる存在。 そして、獰猛な笑みを浮かべる吸血鬼の王の姿。]
[身を守る為、目の前に杖を差出そうとするが、影に押さえられた手はどんなに力を込めても緩むことはない。 酷く無防備な状態で捕らわれていることを改めて実感する。]
(32) 2012/05/03(Thu) 09時頃
|
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[大きく深呼吸をし、目の前の存在に視線を合わす。]
この状態で目覚めた時点で、喜ぶ気力も吹き飛んでしまいますよ。 …呪われし者の…王様。
[声は出た。 まだ抵抗する手段が奪われていない事に微かに安堵する。 しかし、命を絶たれるまでに詠唱する暇を与えてもらえるとは思えない。 絶望的な気分になりそうなのを懸命に堪えながら掌を強く握りしめると、意識を失っても話す事のなかった杖の固い感覚が返ってきた。]
異端は、いつか滅せられる。 私を手にかけ、一時期の勝利に浸っていたとしても… 永遠に続くものではないと思え。 かならず、お前を倒す者が現れる。 [闇の刃が伸びていく瞬間怯んで息を呑んだが、相手を愉しませるのはとても悔しくわざと平静を装って笑みを浮かべた。]
(33) 2012/05/03(Thu) 09時頃
|
ムパムピスは、祈るように目を伏せ、杖を強く握りしめた**
2012/05/03(Thu) 09時頃
|
―南塔(26)―
[開けた屋上に出て、夜闇を吹く風に眉を寄せる。 覚えのある、二つの気配。
深淵を凝った様な其れと、 対して幽けく抗うように揺れる光。]
坊っさんか…。
[一瞬だけ――切り裂くような痛みが走る。 しかしそれは淡く解け失せ]
…なんだ。 もう御愉しみかよ。
[漆黒のレイピアをトンと肩に乗せ、 揶揄うように囁いて、 事態を見守ろうと緩やかに歩み寄った*]
(34) 2012/05/03(Thu) 09時半頃
|
お邪魔だったな。
……手伝えることは?
[男を最も苦しめるであろう聖術。
その使い手が此処で消えるのは望ましいことだ。
歪んで飢えた思考がそう訴える。
憎悪に絡め取られた男への思慕が
酷く甘くヒトとしての己を侵食してゆく。
苦笑した。
――彼を護ってやりたいと思った記憶は、
未だ鮮やかなままだというのに、と]
|
― 4F:本館屋上(26) ―
「坊っさんか…」
[特徴のある声と呼び方が耳に入る。 別れてから、一日も過ぎていないはずなのだが、その呼ばれ方をしていたのは、何故かとても遠い昔であったように感じる。]
ドナル…… [元と何も変わらないように感じる声に、思わず名前を呼びそうになるが続く言葉に絶句した。]
「…なんだ。」
「もう御愉しみかよ。」
[半死半生の所を引きずり込まれるように闇に拉致されたドナルドが、元のまま、無事でいるはずがない。 その事実を目に見える形でつきつけられ、強く唇を噛んだ。*]
(35) 2012/05/03(Thu) 09時半頃
|
|
[影に手足を捕らえられ 床に磔られた獲物の姿は 酷く哀れで惨めで、嗜虐の心をそそった。
同時に、尚も一抹の気高さを残し 侵しがたくあるのは、神とやらの加護ゆえか。 或いは、本人の信じる心の強さゆえか。
いずれにせよ、折り砕く楽しみが長く続くのは 良いことだ。]
(36) 2012/05/03(Thu) 10時半頃
|
|
……異端、なぁ。
[修道士の言葉を拾って返し、 小癪な言葉を吐く口元に、剣先を突きつける。]
貴様らはそう言うが、 オレは誰に呪われた覚えも無いぜ?
[かつり、と歯に当たるほどに刃を下げたが、 それ以上突き入れることはせず、 切っ先を返して喉元に向けた。]
(37) 2012/05/03(Thu) 10時半頃
|
|
獲物に何を言われようと別に構わんが
[喉にごく浅く切っ先を埋め、 そのまま下へと押し下げていく。 喉元まで覆う修道士の黒衣が切り裂かれ、 胸まではだけられた白い肌の上に、 薄く赤い筋が刻まれる。]
神なんざ得体のしれないものを持ち出して、 妙な理屈で難癖つけるのが気にくわねぇんだよ。
[ざっと剣を横に払えば修道服が破れて開かれ 先程杖で抉られたのと同じ場所に、刃が食い込む。 命を脅かすほど深くなく、痛みだけを与えるように。]
(38) 2012/05/03(Thu) 10時半頃
|
|
[尚も責め苛むべく動く刃が背後からの声で止まった。]
来たか。
[現われた"子供"の気配は闇に馴染み、 人を殺して動じぬ、闇の狩人たる資質を見せていた。 それが、もともとの性質であったとはいえ、 そこに喜びを加えるのは、あとほんの一押しのこと。]
おまえも混ざるか?
[残虐な悦びに瞳を輝かせたまま、 "子供"を側に差し招く。]
(39) 2012/05/03(Thu) 10時半頃
|
|
[修道士を玩んでいた剣を引き、己の左腕に当てた。
鋼色の刃が肉を裂き、 とろりとした赤が盛り上がる。]
そら。約束だ。 飲むがいい。
[修道士の前で、見せつけるように吸血を促す。 闇の濃さをいや増すだろう、己の血を**]
(40) 2012/05/03(Thu) 10時半頃
|
気にするな。
おまえを待つ間の暇つぶしだ。
[殊勝にも手伝いを言い出すさまに笑みを浮かべたが、
真のお愉しみはその先にある。]
まだちゃんとした褒美を受け取ってないだろう?
そら。こんどは遠慮するなよ。
|
久しぶり。 ほかに、生きてる奴いるのか?
[影に押さえつけられたムパムピスに、そう笑いかける。
隻眼を僅かに細めた其れは 別れる前と変わらぬもの。] エリアスとセンセイが死んでんのは知ってる。 たぶん、ラルフもなんだろ?
(41) 2012/05/03(Thu) 13時頃
|
|
[主の声に顎を動かし、ぎこちなくそちらを見る 愉悦に満ちた瞳に複雑げに苦笑し、 差し招かれるままにそちらに歩み寄る]
――邪魔するほど、無粋じゃねえよ。
[名を呼ばれる度に疼き、胸を締め付ける思慕。 嫌悪し、憎み、弱弱しく藻掻く被虐。 もうどちらかはわからない。 ただ酷く、この男を、 ――この男を思っていないと、 自分が消えてしまいそうだった ]
(42) 2012/05/03(Thu) 13時頃
|
|
……。此処で、か?
[躊躇うように男を見上げ、 押さえつけられたムパムピスにちらりと目をやる。 軽く唇を噛み、縋る様に主に目をむける。 ――それで赦してくれる男だとは思ってはいなかったが]
(43) 2012/05/03(Thu) 13時頃
|
[男の傷に、目が吸い寄せられる。
くるしい。
ひどく、唇が乾く。
生々しく濃厚な葡萄色の其れは、
尚一層薔薇の様に、鮮やかな芳香を放って]
……後、じゃ、ダメか?
今……?
[小さく喉を鳴らしながら、『声』で懇願する。
ムパムピスに聞かれたくはなかった。
欲に声を掠れさせた己への羞恥に、
僅か、喉を震わせる*]
|
エリアス様が…… [>>41新たに現れたドナルドの言葉で、消息不明だった最後の仲間の死を…智慧の為に無謀な決意をした錬金術師の死を初めて知る。]
……………ラルフ様は亡くなっていた。 お前たちの誰かが、手に掛けたからだろう。 [ドナルドの表情は以前より知るそれと変わらず、それでも近づくにつれ漂う瘴気は自分の知るドナルドの気配とは似て非なるものだった。]
(44) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
|
|
…呪われていないのなら…何故、そうして呪いを振りまける? 人を喰らい…人を変え…周りに恐怖と嘆きを与え続け… 命の理に逆らう存在として―
[言葉を最後まで続ける前に、 口元に闇の刃を突きつけられる>>37。 硬質な刃先が歯に触れ、止めを刺されるのかと 覚悟を決めるが、刃は代わりに首元へと伸びた。]
(45) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
|
|
……ッ…――
[刃が皮膚に薄く食い込み、衣服ごと裂くようにして ゆっくりと斬り降ろされる。 厚い襟で守られていた首元に冷えた空気が触れ、 微かに体が揺れた。]
得体がしれないのは…お前の…――ッ…
(46) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
|
|
―う…あぁぁぁ…ッ…!!
[不意に刃が脇腹を抉り、灼けるような痛みに声が出る。 そこが、先ほど自分が吸血鬼を傷つけたのと同じ場所であるとは気付かない。 痛みで意識を持って行かれそうになるのを懸命に堪えた。]
(47) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
|
|
「そら。約束だ。」 「飲むがいい。」
[刃が抜かれ、苦しげに息を吐くと、 吸血鬼は自らの手を切り裂いた所だった。>>40 鮮やかだが、どこか昏い血の赤が逞しい腕に不吉な色を添えていた。]
(48) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
|
|
…そっか。
[ラルフの死に、寂しげに笑んで言葉を返す。 手にしたレイピアが僅かに重く感じられた]
……なら、あとはジェフリーだけだな。
[彼が此処に向かっていることは知らない。 だが彼もまた、主の殲滅の対象となるのだろうと]
(49) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
|
|
── 大広間 ──
[最後の舞台、最後の刻へと向かう前に、ヒューは生ける者たちが去って静寂の落ちた大広間に炎がこれ以上、燃え広がらないよう手を打っておく。 竜牙兵はこういった役には立たないし、左手はいまだ使い物にならないままだ。 それでもヒューは一人で黙々と作業に勤しんだ。
少しだけ、ひとりの時間が欲しかった。]
(50) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
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ここでだ。
[許しを請い憐れみを誘うような濡れた眼に 微笑みとともに命じる。]
オレと二人きりになりたいというわけでもないだろう?
―――餌のことなど気にするな。 そら、もったいないだろうが。
[重ねて言い、赤の滴る腕を揺らして誘う。]
(51) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
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[聖なる武器に身体を灼かれて自分が闇の眷属と化したのだと自覚してから、変容した感覚のあれこれも理解しはじめている。 闇に馴染み、人を狩るために与えられた力であると。 この先、人の血を糧に生きてゆくのだと。
いま、吸血の衝動が押さえられているのは、ひとえにヒューにとって血が「クラリッサ復活のために捧げられるべきものである」であるからに過ぎない。 その目的のためなら、自らの渇きなど棚上げにできた。
不眠の努力にも似て、その抑圧は錯乱の可能性を秘めた危ういものであったが、張りつめた弦は今はまだ一途に清冽な音を響かせる。]
(52) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
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[クラリッサを甦らせるために、血と命を奉納した、そのことに悔いはない。 ヘクターに騙されているとも思わない。 彼は自分の傷を癒すのに、ヒューの血を使わなかった。
クラリッサを「娘」と呼び、想う、その一点において彼は同志。 裏切られることはないと信ずる。]
(53) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
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呪いを振りまく、だと?
[さらに言葉を並べる修道士へは 嘲りの笑みとともに、剣を横に払う。
胸に刻まれる、横一文字の赤い線。 先の傷と合わせれば、まるで十字架のよう。
薄く裂かれた肌から、ぷつりぷつりと赤い珠が浮かぶ。]
下らんことを言うな。
(54) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
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[わずかに闇の蠢く気配に振り返れば、いつの間にかラルフの傍らに亡骸が増えていた。 銀の髪の魔導士、それと、眼鏡の学者。
いずれも生かしては返さぬと決めた相手。 今、こうしてそれが叶ってもクラリッサの居ない寂寥は消えず。]
…まだ終わってはいない。
[信仰厚き修道士は先代が連れ去り、守護を誓った金髪の剣士はそれを追った。 残るは──、
わずかに目を細める。]
(55) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
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食事をし、仲間を増やしているだけだ。 貴様らとて、していることだろう。
[とすり、と剣を突き下ろして修道士の左腿を薄く抉り、]
――― これは、趣味だがな。
[愉悦に目を細めた**]
(56) 2012/05/03(Thu) 13時半頃
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おまえは「隻眼の男」── なのか?
[思念を向けてみる。]
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[予想通りの言葉に、唇を噛む]
…っ。 誰がアンタなんかと…っ
[ふたりきりに、という言葉に 反発する様に言い返したが 誘うように差し出された紅に 息を吸い、黙り込む]
(57) 2012/05/03(Thu) 14時半頃
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…、…。……
[男が腕をゆらすたび、 ゆっくりと滴り落ちる鮮血。 ――くらりと眩暈がする様な気がして その甘い匂いのする腕に、指をかけた]
(58) 2012/05/03(Thu) 14時半頃
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ジェフリー様… [ドナルドの告げる名前に、心が酷く痛む。 自分が連れて行かれる時、最後に見た彼の姿は、こちらを見て、追い掛けようとしているものだった。>>16]
[責任感の強いジェフリー。 死者の名誉すら尊重しようとしていた誇り高い男が命を優先し、逃げ延びてくれるとも思えない。]
(ついていくと言ったのは、 守ってくれると言われたからではありません。)
(ここで、死なせたくなかったから。)
(…私なら、いつ神の御許に呼ばれようとも覚悟はできているから。)
(だから逃げて…下さい。彼らを倒す為にも…)
[嘲る言葉と共に胸に新たな傷がつく>>54。 吸血鬼は、自分という生贄の羊を手に入れ、明らかに楽しんでいるのが伝わってくる。 それでも、痛みと恐怖を抑え込み、信じる神に金の髪の剣士の無事を願った。]
(59) 2012/05/03(Thu) 14時半頃
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ムパムピスは、ヘクターに話の続きを促した。
2012/05/03(Thu) 14時半頃
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……っは、…、…
[喉を上る吐息が、その腕を擽る。
確かめるように舌を這わせ、 流れる赤をざらりと舐め上げる。] ……っ、ん、……――ッ、…
[ぐらぐらと頭が回った。
立っていられなくなり よろける足を踏みしめる。
とん、と男の胸に腕に覆いかぶさる頭がぶつかり、 縋りつくようにして夢中で傷口を辿る]
(60) 2012/05/03(Thu) 14時半頃
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― 3階・画廊 ―
[3階まで上がりきったところで、息をつく。 最初こそ勢い良く駆け上がったものの、 ヒューとの戦闘で痛めた肩が響いて 額にはじんわりと脂汗が浮いている
レオナルドから貰った薬―― 頭には浮かんでいるが果たして今飲むべきなのだろうか。
連続しての服用は副作用が強すぎて出来ないというなら もっと状態が悪くなった時に飲むほうがいいのだろうか。
だが――
こうしているうちにも間に合わないかもしれない。
決断をすると、青いほうの薬の封を切って飲み干して、 更に上を目指す]
(61) 2012/05/03(Thu) 14時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 14時半頃
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[つくられたばかりの長い犬歯が現れ、 どろりとした其れを 更に啜り上げようと突き立てられた。
もう、修道士の事は脳裏になかった。 急激に満たされる飢え。
常に己の中を染上げていた其れが ひとつずつ霧消していく。
口中を塞ぐねっとりとした濃密な闇。 ……甘く濃い、薔薇色の水。
爛れ削られた腕の痛みが徐々に失せてゆき ――ゆっくりと、元の膚のカタチを取り戻していく]
(62) 2012/05/03(Thu) 14時半頃
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ドナルドは、ムパムピスに話の続きを促した。
2012/05/03(Thu) 14時半頃
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違う…! お前たちとは違う…ッ…
[ドナルドが獣のように男の血を啜る姿が見える>>60。 吸血鬼の眷属とされた者の…呪いを受けた末路の姿。 見知った仲間の変貌ぶりに、直視できず目を背ける。]
――…ぐぁ…っ…
[左足に鋭い痛み。 悲鳴を堪えようとするが耐え切れずにくぐもった声が漏れた。]
(63) 2012/05/03(Thu) 15時頃
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(こんなに、きもちよかったのに、)
(……こんなに、…)
[唇を離し、犬のように喘ぐ。
煮えたぎる熱を呑み込んだような感覚。
鉄錆の匂いはあたかも薔薇の噎せるような芳香]
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[ドナルドの指が腕に触れ 乾いた唇が傷口に触れる。 急き立てられるような吐息が、熱を錯覚させる。
舌が這い、赤が啜られる。 微かに耳を打つ水音。流出する、命。
凭れ掛かってきた頭を支え、 肩を抱くように手を回して、"子供"の思うままにさせる。 変わらぬ傲岸な表情の中、僅かに混ざるのは 幼子が乳を吸うのを見守る母のごとく、 満ち足りた微笑み。]
(64) 2012/05/03(Thu) 16時頃
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……、――――。
[牙が食い込めば小さく眉を動かしたが、 止めるようなことはせず、求めるに任せる。
己の闇が子の体に満ち、 さらなる変異を、新たな力をもたらすさまを 静かに見守った。]
(65) 2012/05/03(Thu) 16時頃
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――― 同じだろうが。
[修道士に視線を向けぬまま、 悲痛な声を、嘲笑ってやる。]
命を、狩って、喰らう。 子に、情を、注ぐ。 ………変わらんさ。
[初めての血に酔い、夢中で啜る子の髪を撫で、 見せつけるように、修道士へと体を向ける。]
ほら、見ろ。 可愛いもんだろ?
(66) 2012/05/03(Thu) 16時頃
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心配すんな。 いずれ、貴様もこうなる。
[さらりと、宣告した**]
(67) 2012/05/03(Thu) 16時頃
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美味かったか?
[唇を離した"子"に、声を掛ける。
これ以上の濃い血は毒だとばかりに身を離し、
傷口を手で覆う。]
次は自分で狩ってみろ。
それができたら、また褒美をやるからな。
[揺蕩う闇の奥から洩れ伝わるのは、明瞭な言葉ではなく耽溺の陶酔。
同調して解き放ちたい衝動が迫り上がって呼気が浅くなる。]
|
― 本館・屋上 ―
ムパムピス! 大丈夫か!
[その名を叫びながら、屋上へと姿をあらわした。 その視界に入るのは、 影と呼ばれる得体のしれない闇に身体を抑えこまれ 倒れ伏すムパムピスと、 その傍らで、一心不乱にヘクターの腕にくちづけている ドナルドの姿]
ドナ……ルド?
[掠れた声を発した。 目の前で行われている光景が すぐには飲み込めなくて――]
(68) 2012/05/03(Thu) 16時頃
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|
[やがてその行為の意味を悟ると 剣を右上段に構え、ドナルドの首の付根をめがけて走りだした]
この……野郎……!
[悪魔のような行為への嫌悪だったのか、 かつて人間だった彼が、魔物になってしまった同情ゆえか
恐らくどちらも正解なのだろう]
(69) 2012/05/03(Thu) 16時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 16時半頃
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[不意に、火の中の木材が乾いた音をたてて爆ぜ、ヒューの意識を闇の中から呼び戻す。]
…誰も 戻れはしない。
[燃え残ったテーブルから飾花をとると、並んだ亡骸へと放った。 清楚な白い百合の花から金の花粉が散る。]
(70) 2012/05/03(Thu) 16時半頃
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……っ、…、…
[ぴちゃぴちゃと獣の様に舌を使い、 こぼれおちた血液を愛おしそうに嘗め上げる。
…髪を撫でる掌にぞくりと身を震わせ、 男が誰に声をかけているかに漸く気づいく。]
…ぁ、…。……
[荒い息に胸を波打たせ、のろのろと濡れた瞳を上げた。
──のぞきこむ男の眼に、 ひとつだけの昏い紅がとろりとした甘さをもってあわされた]
(71) 2012/05/03(Thu) 17時半頃
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[美味かったか、と尋ねる声に酷いいたたまれなさが襲う。
震える唇が開かれ──
紡ごうとした其れは声にならず、消える。]
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……。
[響く男の『声』に、刹那の逡巡。 隻眼は躊躇うように逸らされ、 やがてちいさく、こくりと頷いて]
……わかった。
(72) 2012/05/03(Thu) 17時半頃
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──ッ、
[闇の血の効果は激烈だった。 ジェフリーの声が届いた瞬間、 修復された躯が男の元からとびすさる。
いつのまにか転がっていたレイピアを拾い上げ、 向かってくる男の剣に向け、薙いだ]
(73) 2012/05/03(Thu) 18時頃
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[隻眼の男か―― と、
そう声を掛けられた事には気づいていた。
酩酊して返せなかった返答を、
酷く気まずげに年の近い『弟』に向けて響かせる]
……悪ィ。
もしかして、聞いてたか?
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…… ……。
[見ろと言われても>>66、やはり視線を向けることはできなかった。 自分を坊っさんと呼んだ陽気な男はもういない。 そう心の中で言い聞かせても、生前と変わらない姿で、血を貪るドナルドの姿を見ると、耐え切れない感情が溢れてしまいそうになるから。]
[息を吐き、脇腹と足にわざと意識を向けた。 揺れる感情を麻痺させるように強い痛みで覆い隠す。]
(74) 2012/05/03(Thu) 18時頃
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お前たちにとっては…それが子になるのか…? その、呪われた犠牲者が。
[あえて「ドナルド」ではなく「犠牲者」と彼を呼ぶ。 目を逸らしても、微かな…命を啜る水音が耳から離れない。>>64 両手を拘束されている為、耳を塞ぐこともできない。]
それは子じゃない。ドナルド様じゃない! ただの…お前の傀儡。 人の形をした魔物で――
[その時だった。信じられない宣告が目の前の男から成されたのは。 あまりにも、あっさりと…夕餉の食事を告げる様な何気ない口調で。]
(75) 2012/05/03(Thu) 18時頃
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「いずれ、貴様もこうなる。」
[神の代行者として殉教…殺される可能性は充分に覚悟をしていた。 魂を抜かれた後の人間が、吸血鬼の魂を入れる器として利用されることも教えられていたし、ドナルドの姿を今もこうして目の当たりにしている。]
[しかし神に仕え聖別する力を持つ自分を眷属として引き入れる事はないと信じきっていた為、意味する内容を理解するまで、少しの時間が必要だった。]
(76) 2012/05/03(Thu) 18時頃
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……ああ。
アンタにとっては仇になるんだろうな。
[なのに、何故こんなことになっているのか
まるでわからないと言いたげな、苦笑]
アンタは『ヒュー・ガルデン』――
クレアの騎士だろ?
クレア姉ちゃんを、……護ってくれてた奴だ。
[最初から、この騎士に悪感情はない。
アヴァロン伯が『クレア』であると理解した今は尚更]
|
[遠距離攻撃を得意とする彼の首を狙うには、 剣速、威力ともに十分だったはずだ。 だが、それでもあっさりと払われ>>73驚愕に目を見張る]
お前……!
[最後に見た時は、破片がささりボロボロだったはずなのに、 彼の主と同じく、その傷はどこにも見当たらない。 口元の赤さが、ひどく胸をついた]
剣も……つかえたのか
[汗に濡れる手で剣を構え直し、 ドナルドをしっかりと見据えながら、 目の端でヘクターの姿を捉える]
どけ……。 そもそも私の相手は――あの男だった。
(77) 2012/05/03(Thu) 18時頃
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[やがて、大階段を上り、2階の惨状に足を止めることもなく進むその手には、クラリッサが好んだしなやかな茎と刺をもつ紅薔薇が握られていた。]
謙虚であれ、誠実であれ、礼儀を守れ、 裏切ることなく、欺くことなく、弱者には常に優しく、強者には常に勇ましく、 己の品位を高め、堂々と振る舞い、 民を守る盾となれ、主の敵を討つ矛となれ。
[「北」の塔へと向かう足音が、騎士の誓いを刻む。]
(78) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
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[混乱し、絶望に沈みそうになった時、自分の名前を呼ぶ力強い声>>68が聞こえた。]
ジェフリー様… やっぱり…来て…しまったんだ…
[自分を見捨てて逃げてほしかった。 彼単独でヘクターとドナルド…強大な吸血鬼とかつての仲間であった存在を倒すのは至難の業に思える。 それでも、助けが来たことで呪われた運命を切り開くことができるかもしれないと、一縷の希望が生まれてくる。]
(79) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
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ジェフリー様!それはドナルド様じゃない……!! この男が生み出した、新しい眷属です…!!
[首を曲げ、腹に力を込めて、できる限りの大声で警告をする。 同時に、何とか影の拘束から抜け出ようと退魔の聖句を小声で唱え始めた。]
(80) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
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[熱に浮かされたように上げられる"子"の瞳。 腕から離された口元を指先で拭い、 顎に指をかけて持ち上げ、覗き込む。
潤む瞳に浮かぶ、絆の紅。]
(81) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
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いいぞ。
一段と可愛くなった。
[低い笑いに、嘲る色はない。]
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[闇の囁きに、"子"が頷く。 逸らされた視線に未だ抑圧はあれど、 拒絶の色は薄い。
満足して頭でも撫でようと手を伸ばしたとき、 螺旋階段から飛び込んでくる姿(>>68)があった。]
………どこまでも無粋な奴だな。
[突き出された刃を躱して、ドナルドがとびすさる。 余撃を避けて自分も一歩下がった。
攻防を眺めながら、 無言で剣先を修道士の首筋に置く。]
(82) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
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── 「北」 物見の塔・屋上 ──
[意識して避けてきた場所。 クラリッサが灰となった場所。
人ならぬ身にはわかる「その場所」の前に血盟騎士は立つ。]
(83) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
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クラリッサ姫、 あなたと同じ糧をわかちあい、 同じ罪と苦悩を知り──
真にあなたと同じ世界に生きたい。
(84) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
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あなたは闇の中の救い、絶望の中の愛。
── どうか、 ご帰還を。
[手にした薔薇を首筋にあてがい、ヘクターがつけた誓約の傷を刺で突いて血を捧げる。]
(85) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
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[脅しの言葉は口にしない。
ただ、わかっているだろ、とでも言いたげに 修道士を見下ろし、剣士に視線を投げた**]
(86) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
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ホントに無粋な奴が来やがったみたいだぜ…? ゴシュジンさま。
[薄く朱の残った唇で苦笑する。
漆黒のレイピアを構える腕は、 決して本職のように使い慣れてはいないが それなりにさまになったもの]
戦場で武器を失ったら、 あるモン使うしかねーだろ。
[ヘクターを庇う様に足を踏み出したのは、 無意識のもの。
伺うように、『声』を彼に響かせる]
(87) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
|
…な。
俺が相手して、いいのか?
[ヘクターが彼に向ける波動が、
恐らく気に入りの獲物に対するものであることには
気づいていた]
|
[聖句を半ば唱え、諦めずに握りしめたままだった杖がほんのり温かみを帯びてきたと思った瞬間、首元に鋭い剣が突きつけられる>>86
詠唱は中断され、凍りついたように剣をつきつける男の姿を見た。]
(88) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
|
|
[そうして紅の露を結んだ薔薇を供え、「南」の塔を振り返る。 風が剣戟の音を伝えていた。
暗い空の下、翻る鋼と金は、あの剣士のもの。 それと渡り合うのは──]
……。
[軽く助走をつけ、ヒューは切り立った盾壁の上に立った。]
(89) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
|
構わん。しばらく相手してやれ。
―――そいつがどうするか、見たい。
[闇を揺らして届く声は気弱な──否、これは相手を思いやる響きだ。
今、その相手の姿を認める。]
名を 知りたい。
|
>>80 ……俺はドナルドだよ、坊っさん。
[ジェフリーに目を向けたまま、 柔らかに苦笑を零す]
呪われた存在でも、 ヒトでなくなっても、
誰に赦されなくても、……生きてる。
[だから痛む。 苦しみに身を捩る。
……だがそれまでは口にしない。 己の主が彼に何をしようとしているのか、 気づいてしまったから]
(90) 2012/05/03(Thu) 18時半頃
|
|
…りょうかい。
[『声』の赦しを得てジェフリーに向き直り]
遊んでもらって、いいそうだぜ。
[地を蹴り、漆黒のレイピアを構えて ジェフリーへと飛び掛った。
一気に間合いを詰めた。 本来は刺突に向いたその刃は闇の血にて補強され、 彼の長剣へと振り下ろされる]
(91) 2012/05/03(Thu) 19時頃
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――ドナルド・ジャンニ。
[短い答えと、肩を竦める様な可笑しげな気配。]
そっか、名乗ってなかったな。
|
引く気はないか。 ……ならば、お前が先だ。
[戯言に付き合う気はなかった。 再びドナルドの間合いに入ろうと、足を踏み出し掛け
――ドナルドから向かってきた刃を咄嗟に受け止めて。 激しいぶつかり合いに火花が散った。
この間合なら――。 さっと片手を長剣から離すと、 銀のダガーを彼の腹に突き刺すべく、懐に手をのばした]
(92) 2012/05/03(Thu) 19時頃
|
ジェフは、ドナルドに話の続きを促した。
2012/05/03(Thu) 19時頃
|
[がきりとした鋼の感触。 激しい金属音が、びりびりと肩まで響く]
…っ、と――
[長剣が離されてバランスを崩し、 崩れかけた姿勢を狙う銀のダガーに舌打ちした]
甘ェ、ってんだよッ!
[咄嗟に上体を背後に倒し、 男の肩を蹴りあげるようにして背後へと跳ねる。
ジェフリーが手放した長剣ごと、 からんとレイピアが音を立てて床に転がった]
(93) 2012/05/03(Thu) 19時頃
|
|
…なぁ。
[のんびりと戦いを眺めているようで、 構えた剣は僅かばかりにも動かず、 修道士の首に鋭い圧迫を伝えている。]
おまえの命が惜しくば剣を捨てろ、 ―――なんて命じたら、 あいつ、どうすると思う?
[修道士を見ないまま、彼だけに届く声を投げる。]
(94) 2012/05/03(Thu) 19時頃
|
[ドナルド・ジャンニ。
クラリッサを「クレア姉ちゃん」と呼ぶ男。
そして今は──血の兄弟。
そのドナルドが、金髪の剣士と舞っているのが見える。
かつて絶妙のコンピネーションでヒューの動きを妨げたふたり。]
|
くっ!
[突き出したダガーはドナルドの身体に届かず、 飛び退りながら、蹴りをいれた箇所は、 レオナルドの薬でかろうじて痛みを抑えている ヒューの攻撃を受けた場所]
うっ……
[度重なるに顔をしかめて、肩に手をやった。 手元には間合いの短いダガーだけが残っている]
(95) 2012/05/03(Thu) 19時半頃
|
|
命が失われた者は戻ってこない… だから貴方は…
[ドナルドの姿をした偽物…こう、断言しようとしたが、あまりに静かに、心を乱されそうになるほど前と変わらない口調で語りかけられた為に、途中で口を噤む。>>90 人を惑わす魔物の戯言、と聞き流そうとするがその言葉は妙に意識の中に残っていった。]
(96) 2012/05/03(Thu) 19時半頃
|
|
[戦いに意識が向いている間に、相手の隙を探そうとするが、剣の位置はまるで変わらず、少しでも詠唱を唱えるとそのまま切り落とされそうな錯覚に陥る。 声を出すのも躊躇われたが、話しかけられた内容>>94にはさすがに黙っていられなかった。]
……愚問です。
人間一人の命と、今後もっと多くの者に害悪を与える吸血鬼… 重さなんて、比較するまでもありません。
それに…どちらにしても、私を生きたまま返すつもりはないのでしょう? ジェフリー様は歴戦の戦士。 甘さが命取りになること位、存じていないわけがありません。
(97) 2012/05/03(Thu) 19時半頃
|
オレがおまえにくれてやったのは呪いじゃねぇ。
[修道士に語るドナルドへ、確たる響きを送る。]
" 祝福 " だ。
[ 闇の。
人間が、忌む。
眷属にとっては喜ばしい、 それ。]
|
[身軽にとんぼ返りし、トンと石床に降り立つ。 飛ばされたふたつの剣は、 ジェフと己の中間に絡み合って落ちていた。]
……案外、アンタも手癖悪ィな。 センセイも同じだったけどよ。
[判断力の速さは流石歴戦のヴァンパイアハンターか。 だが、レオナルドとの戦いの際の記憶が ジェフリーの片手に警戒を抱かせていたのだとそう笑み]
……さて、どうする?
[カフスに手を掛け、ゆっくりとワイヤーを引き出す]
(98) 2012/05/03(Thu) 19時半頃
|
|
どうかな?
[反問する修道士に向けた笑みは、 邪悪と称するに相応しい。]
なら、試してみるか?
[先程自分が口にした通りの内容、 それよりもなお抗し難い要求を突きつけるつもりだと、 口調の端から滲んでいる。]
(99) 2012/05/03(Thu) 19時半頃
|
……嘘、吐いてんじゃねえよ。
[苦笑を届ける。
この力も。思慕も。渇きも。
――全ては祝福であるのだと
そう届ける彼の其れは、
恐らく本心ではあるのだろう。
だが自分だけは、
それが欺瞞であることを知っている。]
|
あるものは有効に活用する。 当然のことだろう?
[口にしながら、長剣と己の距離。 それからドナルドの距離を冷静に測る
魔物との戦いには慣れていた。 だが、ドナルドが簡単に行動を避けたのは、 吸血鬼だからではなく、 元々の戦士としての資質なのだろう。
今までと同じようにはいかない――]
ならば……!
[剣が重なって落ちている中間地点まで駆け出した]
(100) 2012/05/03(Thu) 20時頃
|
|
――…試す必要はありません。 どうせ、碌でもない内容だと目に見えて…わかりますから。
[吸血鬼の笑顔。猛獣が獲物を喰らわず弱らせて遊んでいるような様子に悔しげな表情が浮かぶ。]
……… [視線は自分を向いていないが、剣は今にも喉に突き立てられそうな位置のまま。 影を祓う為、一時的にでも首を守る防御術が使えないかと、杖の固い部分で石床を掻き文字を書こうとする。]
(101) 2012/05/03(Thu) 20時頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 20時頃
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ま、そこは同意。 ――魔物狩りより、傭兵が向いてんじゃねえの?
[楽しそうに唇を引き上げ、 ジェフとの間合いを慎重に目視する。
吸血鬼と化したといえど、 元より失った目までは戻らない。 左側の死角は如何ともし難かった。 なるべく死角をつくらぬよう、 彼の動きに応じてゆっくりと体勢を変え]
――、…ッ
[ジェフリーの行動は、意外な程迅速だった。
彼が手を伸ばした中間地点へと向け、 引き出したワイヤーを蛇の様に撓らせる]
(102) 2012/05/03(Thu) 20時頃
|
|
[鞭のようにしなやかな動きで飛来するワイヤーを 避ける気は最初からなかった。 自分の動きに向けて、行動する彼の隙をついて 銀のダガーを投げつけた。
同時に伸びてきたワイヤーは剣をとろうと伸ばした右手。 更には厚手の服で防護していた腹部さえ切り裂き、 みるみるうちに血が溢れだしてくる]
(103) 2012/05/03(Thu) 20時頃
|
|
…ッ、…捨て身かよ…!!
[手ごたえはあった。 ジェフリーの右手を鋼糸は捉え、 腹部はざっくりと抉られて 濃厚な血の匂いを撒き散らす。 しかしダガーは正確に 男の失われた左眼を眼帯ごと貫き]
(104) 2012/05/03(Thu) 20時半頃
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――グ、…ッ、…ぁ、…っ、
[燃える様な熱さと苦痛によろける。 転がりまわりそうになるのを堪え、足を踏みしめた。
清浄な銀を、掌が爛れるのにも構わず掴む]
(105) 2012/05/03(Thu) 20時半頃
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[南の城塔を望む北の物見塔の上。 狭い盾壁の上に立ち、二人の戦いを見ていたヒューの膝が撓められる。
だが、まだその場を動きはしない。]
(106) 2012/05/03(Thu) 20時半頃
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[ダガーを抜けば、びしゃり、と流れる血。
投げ捨てた銀製の武器は黒ずんだ色に染まり、 金属的な音を立てて床にぶつかった]
…っ、…、……っは、…
[息を荒げ、破れた眼帯を其の侭にジェフリーを睨んだ]
(107) 2012/05/03(Thu) 20時半頃
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[名を求めた相手。
そして、クラリッサに血を捧げて魔に堕ちた男だ。
「認めて」いる。]
おまえの名誉のため──呼ばれぬ限りは、介入せぬ。
|
はぁっ……はぁっ……
[身体を引き裂いた痛みに、息が乱れる。 血が流れだし、ぬらりとした手で、長剣を掴んだが、 滑ってしまって、再び取り落としてしまった。
だが大ダメージを追ったのはドナルドも同じだった。 正確に眼帯の奥を貫き、苦しむドナルドを睨みつける]
(108) 2012/05/03(Thu) 20時半頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 20時半頃
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はっ…… しぶ……といな……。 [投げ捨てられたダガーは魔に触れた証として黒ずんでいて、 浄化をしない限り二度は使えない。 心臓を狙ったはずなのに、ワイヤーの曲線的な動きに阻まれたのか、 逸れてしまったことが致命傷になるかもしれない]
ムパムピス……。
[まだ囚われているだろう修道士の名を呼ぶ。 彼が動けさえすれば、再びダガーは祝福を受けられるのだ]
(109) 2012/05/03(Thu) 20時半頃
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[酷く乱れた息と、忌々しげに歯を食い縛る音。]
……やれる限りはやるさ。
アイツの、御所望なんでな。
[だが彼は己を気遣ってくれているのだろう。
それに思い当たり、付け加える。]
……サンキュ。
――――――。
[ドナルドの声に、
その、揺るぎない言葉に、
最初は沈黙が落ちる。]
…………… く。
[続いてこみ上げるのは、笑いの波動。]
くく、………く、ぁ、ハハッ……
|
ハハハハハハッ―――!
[戦いを眺めていた闇の主は、不意に腹を抱えて爆笑し、 おもむろに、手にしていた剣を修道士の腹部に突き立てた。 内腑も、太い血の脈も傷つけぬ、絶妙な位置。]
良いぞ、ドナルド。そうだ。
やはりおまえは、"良い"。
[笑みのままに言い放つと、 剣をそのままに、大股に前へ出る。]
(110) 2012/05/03(Thu) 20時半頃
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下がれドナルド。 おまえにはまだ、死なれては困る。
[修道士の腹に置き去りにした剣の代わり、 突きだした掌から闇が伸び、身長ほどもある金属の棍に変じる。]
ヒュー。 おまえは、そこの修道士を黙らせておけ。 オレが良いと言うまでな。
[背後に聳える北の塔にも声を放ち、 あとは顧みることもなく、剣士の前へ出た。]
(111) 2012/05/03(Thu) 20時半頃
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|
しぶといのは、…どっち、だよ。 …ックソ…
[大量に流れ出した血は顔半分を覆い、 飛沫は片目までを侵している。
視界が悪い。 燃えるような痛みに耐えながら膝を突き、 手放してしまったワイヤーを引き戻す]
(112) 2012/05/03(Thu) 21時頃
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[ヘクターが武器を手に金髪の剣士の前へ踏み出す。 己はその後を任された。]
──御意。
[ほ…と、かすかな吐息が混ざったのは、ドナルドに手が差し伸べられた安堵ゆえ。]
(113) 2012/05/03(Thu) 21時頃
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[ 次の瞬間、ヒューはふたつの塔の間を、跳躍する。]
(114) 2012/05/03(Thu) 21時頃
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[手にした棍を突いて床材を揺るがせ、 傷ついた剣士に、視線を投げる。]
ガストン・ワイルダーに敬意を表して、 その技を継ぐおまえに、選ばせてやろう。
このままオレと戦って、あそこの修道士もろとも死ぬか、 オレの血を受け入れて眷属となる代わりに、 あそこの修道士を解放するか、 あの修道士を眷属として差し出す代わりに、 貴様が解放されるか。
好きにしていいぞ。
(115) 2012/05/03(Thu) 21時頃
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|
……。…ぁ、……
[ヘクターの声と哄笑を 赤く染まった視界で振り返る。
彼の上機嫌の理由に見当はつかず、 戸惑った様にただ、獰猛な瘴気を纏う主を見上げた]
………悪い。
[下がれとの命令にそう返し、 眩暈を堪えながらゆっくりと距離をとる]
(116) 2012/05/03(Thu) 21時頃
|
|
[血が溢れる腹部を押さえ込みながら、 いつ倒れこんでもおかしくない身体を気力だけで支えているが、 まっすぐにはたっていることが出来ず、戦いにはほど遠いありさまだった。
不意に、耳障りな嗤い声が響き、その声のしたほうに視線を向けて]
――……ムパムピスっ!
[視界に入ったのは彼の身体に深々と突き刺さった闇の剣]
ムパ……
[思わず身体が動きそうになるが、足音で意識を引き戻される。 血濡れの手で額の汗を拭うと、再び手を伸ばして 痺れた手で、長剣を漸く掴んだ]
(117) 2012/05/03(Thu) 21時頃
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|
[音を立てないよう、慎重に、手首から先の動きだけで杖の位置を動かしていく。 石床の表面を軽く削り、言葉の代わりに触媒となる文字を。 しかし、それが最後まで綴られることはなかった。]
―――!?
[目の前で吸血鬼が嗤った。人間の様に。 可笑しくて堪らない喜劇を見ている時の様に大声を上げて。]
(118) 2012/05/03(Thu) 21時頃
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――――ぐ……うァああぁぁぁぁぁぁぁッ――…ッ
[鋭い剣の切っ先が振り下ろされ、無防備に仰向けになった身体に突き立てられた。 痛みと衝撃に悲鳴が上がる。]
[呼吸をするだけで鈍く響いてくる鋭い痛み。意識を失うこともできない。 男の背中が遠ざかり、生理的な涙が滲みぼやける視界に、ジェフリーに向かい歩いていく吸血鬼の姿が見えた。]
(119) 2012/05/03(Thu) 21時頃
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── 南の塔 ──
[影のごとく無音で着地すると、そのまま修道士の元へと歩み寄る。
剣で床に縫い止められた姿は、自分が吸血鬼と化したその時を思い出させた。 苦鳴は、肌に突き刺さる。
黙らせろと命じられたそれを忠実に実行するため、修道士の傍らに膝をついた。]
(120) 2012/05/03(Thu) 21時頃
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|
[彼自身の祝福魔法によって動きのきかなくなった左掌を、その歯列の間に含ませる。
歯牙を立てたいならそうすればいいと視線で促した。]
(121) 2012/05/03(Thu) 21時頃
|
|
……師に対してか。 それは有難いというべきか。
[怪我などひとつもない身体ですら満足に戦えるかどうか わからない相手。 だが、そのヘクターを前に一歩も引く気はなかった]
答えは決まっている。 ……お前らを倒して、ムパムピスを助ける。
[腹を押さえていた手をどけると、戦う意志を示すように剣を構えた]
(122) 2012/05/03(Thu) 21時頃
|
ドナルドは、ムパムピスに話の続きを促した。
2012/05/03(Thu) 21時半頃
ドナルドは、ヘクターに話の続きを促した。
2012/05/03(Thu) 21時半頃
ムパムピスは、ドナルドに話の続きを促した。
2012/05/03(Thu) 21時半頃
|
[ヘクターと金髪の剣士の間で交わされる言葉に、耳を澄ます。]
よい戦士だな、あれは。
[意識を保っているのがやっとだろう修道士の額に、屍めいた冷たい指を伸べて、その前髪を掻き揚げた。]
おまえたちが、その血を姫に捧げてくれる気になってくれたなら、おれは感謝するのだが。
(123) 2012/05/03(Thu) 21時半頃
|
|
ほう? そうか。
[選択肢に無い答えを言った剣士に対し、 上機嫌なままの笑みを向ける。]
確かに。 あいつならそう言うだろうなぁ。
[うんうん、と頷きながら棍を斜め右前に低く構え、]
(124) 2012/05/03(Thu) 21時半頃
|
|
ドナルド。ヒュー。
その修道士を、適当にばらしておけ。
[命じるやいなや、修道士を押さえつけていた影と、 床に縫い止めていた剣を、もろともに消す。
まるで、抗えとでも言うように。 戦いによらぬ死には、価値がないといわんばかりに。]
(125) 2012/05/03(Thu) 21時半頃
|
|
――っ…ッ…!??
[余りに濃密な闇と瘴気が入り混じる部屋。 剣より与えられる苦痛の為に、騎士の存在に気づいたのはその手が口内に差し込まれ言葉が封じられた後だった。]
(126) 2012/05/03(Thu) 21時半頃
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|
[そして、改めて剣士に視線を向けた。
―――来いよ。
さらに下げられた棍の先が、剣士を誘う。]
(127) 2012/05/03(Thu) 21時半頃
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ふーーッ! …―ゥ…っ [言われるまでもなく、眉を寄せて力を込め、異物に噛みつき排除しようとする。 生者のものとは異なるひやりとした掌は、全力で歯を立てているにも関わらず、痛覚を失っているかのように動くことはない。]
………――ッ ……
[掌にしっかりと噛みついたまま騎士を睨み付け、その呟き>>123に小さく首を左右に振った。 言葉は発せられなくても、否定を顕しているのは誰の目にも明らかな表情だった。]
(128) 2012/05/03(Thu) 21時半頃
|
|
ムパムピス……。 私がこの男に勝つまで、耐えろよ。
[ムパムピスの元へ駆け寄るわけにはいかない。 そんなことをすれば、それこそヘクターの思う通りに 二人とも殺されてしまうだろう
激しい憎悪が募る時ほど、冷静に判断をしなければならない――。 それも師からの教えだった]
(129) 2012/05/03(Thu) 21時半頃
|
|
――!?
[腹部に差し込まれた痛みが消えたのは突然だった。
空気が軽い。
手足を封じていた圧迫感もない。]
[生命線とばかりに離さず持ち続けていた杖を振り上げ、目の前の騎士に突き立てようと腕を大きく振り上げた。]
(130) 2012/05/03(Thu) 21時半頃
|
|
[残る力を振り絞って、ヘクターとの間合いを一気に詰めて]
はっ……! [大きく――跳んだ]
[二度と同じ過ちは繰り返さない。 手が届かないのなら跳べばいい。
跳躍と同時に剣を振り上げると、 斜めから首をめがけて、刃を振り下ろした]
(131) 2012/05/03(Thu) 22時頃
|
|
[>>115 剣士への提案には、軽く眉を顰める。]
…趣味悪ィ。
[衣服の胸元を引っ張って顔を拭い、 何とか視界を取り戻す。
清浄な刃で抉られた左眼は 変わらず激痛を伝えてきたが、 飲んだばかりの始祖の血が作用しているのか 意識ははっきりと研ぎ澄まされていた]
(132) 2012/05/03(Thu) 22時頃
|
|
[修道士の示した否定の圧力に、奥に緋を宿した頑な琥珀が狭まる。]
抗うつもりなら、支度を整えられよ。
[ヘクターの下知もあった。 立ち上がる間は待つ、と騎士としての礼節から告げるつもりだったが、食いつかれた左手で動きを封じられたところに、影の束縛を離れた修道士の必死の一撃が迫っていた。]
(133) 2012/05/03(Thu) 22時頃
|
|
[――適当に。 主の命令に肩を竦めながら、 其れが、思っていたようなものでないことに安堵する。]
…どっちがマシとも言えねえか。
[呟き、ムパムピスの元へ地を蹴り跳んだ。 彼の元にはヒューが居る。 恐らく出番はないだろうと思いつつ 再びワイヤーを引き出す]
(134) 2012/05/03(Thu) 22時頃
|
|
――― 良い
[並みの人間ならば動けぬほどに傷ついている剣士が 真っ直ぐにこちらへ駆け、飛ぶ。
それでこそ、と笑みが浮かぶ。]
(135) 2012/05/03(Thu) 22時頃
|
|
……が、まだ遅いッ!
[石床の表面が削れるほどに踏みしめ、 身体を横へと逃がしながら棍を引き、 落ちてくる軌道を読んで、突き上げた。
チッ、と音を立てて髪の毛が幾筋か飛び、 首に近い肩を刃が通り抜けて、血しぶきが上がる。 それすらも、心地良いと思う。]
(136) 2012/05/03(Thu) 22時頃
|
ムパムピスは、ジェフに話の続きを促した。
2012/05/03(Thu) 22時頃
|
……ちぃっ!
[ヒューに向けたムパムピスの一撃。 修道士の杖目掛け、漆黒のワイヤーを繰り出した。
莫大な聖力を込めた其れに 鋼糸がどれだけの間耐えられるかは不明だが]
(137) 2012/05/03(Thu) 22時頃
|
|
[手に持つ杖は、メイスにしては軽く、杖にしてはやや重厚。 殴打によるダメージではなく、対屍・死霊系の敵に対して聖属性の魔法を叩きこむことを目的とした物だった。]
[身体能力に劣る自分が単身で、遥かに高い身体能力を持つ吸血鬼に対抗できるのは、属性特化の聖術のみ。 ヘクターの気まぐれによる解放ではあったが、痛む身体を堪えて腕に力を込めた。]
(138) 2012/05/03(Thu) 22時頃
|
|
[空中からでは、ヘクターが身体を逃がす動きにも、 下から突き上げる行動にも、臨機応変に対応できずに、 胸部に激しい衝撃を受ける]
ぐ……ぁっ……
[呻き声とともに、身体は簡単に宙を舞い、 受け身もとれぬまま床に打ち付けられた。
剣も打撃の衝撃で手から離れて、 倒れたままでは手を伸ばしても届かないところに、 からんと音をたてて、転がった]
(139) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
|
|
[仰向けに転がったまま 目が霞んで、意識が閉じそうになるのを 辛うじて持ちこたえている
革袋に入った、もう1本残っている青い薬。 どれくらいの時間を開ければ、 副作用を心配しなくともすむのか。
頭の中を支配することは、その考えだった]
(140) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
|
|
―――ッ… [聖なる力を全開で撃ち込もうとした時、杖の端がドナルドのワイヤーに絡め取られる。>>137]
黒い鋼線…呪いに侵されたアイテム…
――聖なる裁きを阻む物よ 正しき形を思いだし、 清らかなる姿に還れ!
[浄化の聖術を唱える。ワイヤーごと、持ち主に聖なる力を流し込もうと聖別された杖に詠唱の力を加えた。]
(141) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
|
|
――ぐ…っ…… [声に力を込めたことで剣に突かれた腹部の傷と抉られた足が痛む。思わずよろめきバランスを崩す。]
(142) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
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|
[棍の一撃で吹き飛び、地に落ちた剣士へ向かい、 半身を赤く染めて、悠然と歩み寄る。 途中、転がった剣の柄を足で踏みつけて、立ち止まった。]
なあ。 なんで貴様が今まで生きていたか、わかるか?
(143) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
|
|
それはな。 [問いに答えが返るのを待たず、 自ら、先を明かす。]
最初に"娘"を傷つけたのが、貴様だからだよ。
[この剣で、刺し貫いた。 どれほど洗おうと、どれほど他の血にまみれようと、 微かに感じる"娘"の血の臭いが、それを教える。]
(144) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
|
|
だから。
[剣の柄を蹴り飛ばし、剣士の側へ押しやる。]
立てよ。 もう少し、オレを愉しませろ。 最後の最後まで苦しんで血反吐を吐いて死ね。
"娘"のために、最後の一滴まで血を流せ。
(145) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
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|
[漆黒のワイヤーと聖杖が触れ合って火花が散る。 その隙に跳び退ったが、右の太腿に焼きごてを押しつけられたような傷が残った。
片手を噛みつきで封じられたままであれば、逃げ切れなかったかもしれない。 だが、ムパムピスも呪文の詠唱のために離さざるを得なかったのだろう。 とはいえ、足をやられては動きが鈍る。]
…不覚。
[呟いた右手には、背から抜いたフランベルジュが握られていた。]
(146) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
|
|
>>141 ――っ、…く、……!
[鋼糸を逆流し、聖術の詠唱が身を襲う。
ばちり、と大きな音を立て 漆黒のワイヤーが途中で千切れた。]
……っ、…、…つ、…
[全身が感電したようにびりびりと痺れ、 ぐらりとよろけてその場に倒れ伏す。]
(147) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
|
|
[負荷に耐えられずに 途中で切れたことが幸いしたのか、 なんとか聖術を全て受ける事は 避けられたようだった。]
……痛て、て…。…容赦ねえな、坊っさん。
[しゅうしゅうと、 ワイヤーを握っていた左手が白煙を上げている。
よろりと膝立ちに座り直し、 千切れたワイヤーを引っ張った]
(148) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
|
|
……あー。
[鋼糸は漆黒の血が剥がれ落ち、 元の銀色を取り戻している。
聖術によるものだろう。 武器を駄目にされた事に気づき 思い切り眉を顰める]
(149) 2012/05/03(Thu) 22時半頃
|
いや…、間に合って良かった。
悪ィ、ワイヤー駄目になっちまった。
ちょい武器調達するわ。
[ヒューが無事だったことに安堵の息をついて、
その間頼む、と軽い笑みをむける]
|
私が生きている理由……? むすめ……を最初に斬ったから……?
[それは、どういうことなのだろう。 物理的なことで、自分の知らないなにかがあるのだろうか。 それとも精神的なことなのか―― 恐らく後者なのだろう。
と、何かを蹴り飛ばす音。 確かめるように床のあちこちを触っていると ヘクターの血が僅かについた長剣に指が触れた。 必死に手繰りよせると、杖がわりにして身を起こす]
(150) 2012/05/03(Thu) 23時頃
|
|
── !!
[聖光に打たれて倒れたドナルドを見るや、足を引きながらその前へと回り込んで護りの陣形をとる。]
(151) 2012/05/03(Thu) 23時頃
|
|
死んで……たまるか。
[やれることは、恐らくあまり残されていない。 今の一撃を防がれるようでは、他の攻撃がどれほどになるのか。
考えてもわからないから―― 力を振り絞ってヘクターに、もう一度肉薄し。 心臓をめがけて突き出した]
(152) 2012/05/03(Thu) 23時頃
|
動けるか、ドナルド。
ああ── 護衛は任せろ。
[それこそ本領発揮だと奮起する。]
|
[修道士に回復呪文を使う時間は与えたくない。 だが、クラリッサに血を与えて吸血鬼になったドナルドを護るのも己に望まれたこと。
飛び道具をもたない身で両方は無理だった。 ならば、迷わない。]
(153) 2012/05/03(Thu) 23時頃
|
|
…容赦なんてしていたら…私が、貴方の立場になってしまいます。 [言葉だけは強気に返すが、呼吸は乱れ立っているのもやっとの状態。それでも、術が効いていることを心の支えに吸血鬼二人を睨み付ける。]
(154) 2012/05/03(Thu) 23時頃
|
更新まで後1時間です。
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(#0) 2012/05/03(Thu) 23時頃
|
……。サンキュ、ヒュー。
[自分を護るように前に立つヒューを そう見上げ、笑った。
暫く思案して服を止めるサッシュを引き抜いた。 口に咥えて噛み裂くと、細く縄の様に編む。]
(155) 2012/05/03(Thu) 23時頃
|
|
……血なら有り余ってんだよ。
[ぼたぼたと左眼から流れる血を、注いだ。
1メートル程の即席の鞭。 ワイヤーに比べればだいぶ短い其れを軽く振り、 立ち上がる。]
(156) 2012/05/03(Thu) 23時頃
|
|
――く… [体は痛み、血は流れ、動くと足元の床に赤が落ちる。 それでも、急所を避けていた為に意識は薄れていない。]
[衣服の内側に隠してあった回復と防魔の小瓶は、服を裂かれた時に転がり落ちたのか、手さぐりに探しても見つけることができなかった。]
二人そろって…一気に…術を…… [杖に再び意識を向ける。回復の為に余計な力を割いている余裕はなかった。]
(157) 2012/05/03(Thu) 23時頃
|
|
[剣士が得物を掴み、再び立ち上がって駆けてくるのを、 歓迎するように迎える。
狙いは、こちらの心臓。 軌跡も、勢いも絶妙なその一撃に対し、 僅かに身をひねって、急所から逸れさせる。
逆に言えば、完全には躱しきれなかったのだ。]
(158) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
|
……ん。
俺もアンタは、誰かを護ってる姿が似合うと思うよ。
[やわらかく喉を鳴らす気配。]
ま、俺は護らなくても大丈夫だけどな。
当座のものは出来た。
|
良い一撃じゃねぇか。
[背中から剣の切っ先を生やしたまま、 血の泡で口角を汚しながら笑い、 剣士を抱きすくめるように牙を剥く。
無防備な首筋が、目の前にあった。]
(159) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
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隙を見てラルフのレイピアを拾いにいくが、
……それまで、ジェフリーが持つかは…、…
[主らの戦いに目を向け――
息を、呑む。]
っ、おい…!
[最後の声は、貫かれた主にむけてのもの。]
|
[足を負傷している自分は敏捷性が劣る。 ならば、修道士の術をあえて受けて、その間にドナルドに決着をつけてもらうのがよい気がした。]
──行ってこい。
(160) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
|
後ろは、構うな。
[ヘクターであろうと自分であろうと、と含みを持たせて送り出す。]
|
[ヘクターは直前でまたも、素早く体勢をひねり逃れようとする。 その身体を追うように剣の軌跡をほんの少しずらし――。 それでも狙った場所には届かなかったが、 突き刺したとという手応えは確かにあった
筋肉の鎧を突き破ろうと、左手に力を籠める。 右手は剣に添えているのがやっとだった]
ヘクター……。 もう一度……死ね!
[痛みで意識は飛びそうになり、目の前のことしか考えられなかった]
(161) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
|
|
[鞭を撓らせ、其れが自在に動くことを確かめる。 まだ馴染まぬ感触に眉を寄せるが、 即席のものとしては充分だった]
……ッ。
[ヘクターを貫く刃に息を呑み、 ――其れから、顔を歪めて目を逸らす。
『声』の言うとおりだった。 ムパムピスの様子を見れば、 気にしている余裕はない]
(162) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
|
|
[自分もジリ…と前に出る。
右手に持ったフランベルジュは、左肩に乗せるような不思議な構え。]
(163) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
|
[声を向けられて、言葉でこたえることはしなかった。
ただ、笑みの気配を届ける。
血に飢えて、獰猛な、
狩りに昂奮している、獣の笑みを。]
|
>>160 ……。
[こくりと頷く。 ムパムピスは杖を構え、 一心に詠唱を試みている様子だった。>>157
杖を狙えば先ほどの二の舞だろう。 ……ならば]
………悪ィな、坊っさん。
[ムパムピスに向け、地を蹴る。 その杖が振り下ろされる瞬間までに、 決着をつけるつもりだった]
(164) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
|
|
『良い一撃じゃねぇか。』
[随分と近くで聞こえるヘクターの声。 身体中を蛇に巻き付かれるような、 鈍くて強い痛みが走って顔を上げると、 鋭い牙が獲物の血を今か今かと待ち望んでいるように、 剥き出しになっていた。 驚いたように目を見開くと]
――……!
[這い上がるのは嫌悪だけしかない。 手から剣を離すと、吸血鬼の身体から逃れようと身を捩りながら、 顔に手を伸ばして、なんとか遠ざけようとする]
(165) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
|
ジェフは、ヒューに話の続きを促した。
2012/05/03(Thu) 23時半頃
|
―いと気高き恵みと慈しみの主よ…
[詠唱を開始したのは浄化の呪文。骨のレギオンを灼きつくしたのと同じ聖なる光を呼び出す術。]
―その御手を上げ逆らう者、悪事を働く者の腕を挫き 呪われし命を繋ぐ闇の民に聖なる裁きを…
[炎の時と異なり、杖自体が光を放ち、瘴気に満ちた部屋の中、その周囲だけが清浄な空気に包まれていた。]
―無辜たる民の魂に近づき、贖い呪われし敵より解放し給え。
[杖を振り上げる。吸血鬼ごと、その光で灼きつくさんとして。]
(166) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
|
|
修道士よ、 吸血鬼になりたくないというなら──そこに膝をつけ。
首を刎ねてやる。
[呼びかけつつ、刃を滑らせたのは自分の首筋。 薄く裂いた傷口からこぼれる血を赤い霧に変えて結界となし、聖なる光を封じ込めんとする。]
(167) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2012/05/03(Thu) 23時半頃
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……なんなら、一緒に死ぬか?
[声は、こんな時でさえ喜悦に満ちていた。 血に酔い、血に猛っている。 自分の血に。相手の血に。
拘束から逃れようとあがく剣士を締め上げ、 防ごうとする手首を掴んで引きはがす。 そうして、露わになった首筋に牙を突き立て、引き裂いた。
血を啜る、などという生やさしいことはしない。 噛み裂き、食い破り、引きちぎる。 溢れる血潮を浴びながら、堪えきれないというように笑う。]
(168) 2012/05/03(Thu) 23時半頃
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お断りします。 ――私達は、貴方たちを浄化し、吸血鬼の王を浄化し…
生きて、帰るのですから。
この呪われた城から。
[>>167 目の前に広がる赤い結界に怯むことなく、 静かに騎士の言葉に答える。 光は小さな渦となって杖の上に広がり、伸ばした両手をそのまま、ヒューの居る方角に向けて力強く振り下ろした。]
(169) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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な……。
[何を馬鹿なことを。 そう言いたかった
自分の血だけでなく、身体を貫いたヘクターの血が服に付着している それが、服を染みとおって自分の身体につくような感触がして 気持ち悪い]
(170) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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――呪われし屍に、浄化の光を――
[聖属性の浄化魔法が、真っ直ぐにヒューを目指して発動される。]
(171) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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ぐああああああああ!!!!
[一面の闇の中、響き渡る絶叫 どんなに藻掻いたところで、ヘクターの腕の中から逃げることはかなわず。
首筋を食い破かれ、あたりの肉ごと食されているように、抉られた。 ヒトの温かい血潮が、飛沫をあげて勢い良く吹き出して ヘクターの顔を染めてゆく]
(172) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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[あくまでも道を違えぬ修道士の声。 霧を裂く光は数多の銀の矢のごとく身体を刺し貫いた。]
── ク… ぁっ!
[身を灼く白熱の中で、呼ばう 愛する者の名。]
(173) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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[ヒューの赤き結界が辺りを覆いつくすのがわかる。 対した聖杖にやどる、まばゆくあたたかい光。
今の己の眼には、眩しすぎるもの。]
――…要らねえんだよ。
[もう。 神の赦しなど。
ヒューに向けて、その聖杖が繰り出されるその瞬間]
(174) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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[目が霞む]
[息が出来ないほど苦しい]
[痛い]
[熱い]
(175) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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[彼の陰から、ヒューを突き飛ばすようにして駆ける。 真っ直ぐに、ムパムピスの元へ。
その手から伸びる漆黒の鞭が、 彼のはだけた首筋めがけ、一閃された]
(176) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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[いつか その腕の中に還ることを願って ]
(177) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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[師の怒ったような、困ったような、笑ったような姿が脳裏に蘇って]
[――ジェフリーの意識はそこで途絶えた**]
(178) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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[目の前で、吸血鬼の身体が浄化の白に包まれていく。 成功した…ほっと息をつき、心の中で信じる神に祈りをささげた瞬間…ドナルドの姿が現れ、黒い鞭が首に向かい振り下ろされた>>176]
(179) 2012/05/04(Fri) 00時頃
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