158 雪の夜に
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人
狼
墓
少
霊
全
ティモシーに3人が投票した。
ソフィアに1人が投票した。
ホレーショーに1人が投票した。
パピヨンに1人が投票した。
セレストに1人が投票した。
ヤニクに1人が投票した。
ティモシーは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
ホレーショーが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、ソフィア、ヒュー、パピヨン、セレスト、ハナ、ヤニクの6名。
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もし、なのは、わかっています。 たとえです。 たとえでも――、こうするしか、俺には、できません。
[顔を伏せたまま、続けた。] この腕は、 野犬にやられたものです。
俺にとっては……、――町に、人狼はいません。 だから、あなたの言った「もし」は、嘘だ。
(0) 2013/12/26(Thu) 01時頃
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お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 01時頃
店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 01時頃
負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 01時頃
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― ひみつきち ―
[ハナはちいさな身体を縮めて、ふるえる自らの身体を抱きしめていました。 注意深く聞いていれば、>>3:137 この町にも秘密基地があることを察せられたかもしれません。]
やだ……やだよ! おおかみがくる。人狼がくるよ……!
[あんな母親の姿を見たのは、初めてのことでした。 それがものすごくハナには恐ろしく、そしてショックな出来事でした。 大きな木のうろにいたのが良かったのか悪かったのか。
そのまま彼女は見つからぬまま、夜が明け――そして、朝方バツの悪そうに宿に戻ってきた彼女を迎えたのは]
[母が、人狼に襲われ、診療所に運ばれたという知らせでした。]
(1) 2013/12/26(Thu) 01時頃
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― 礼拝堂から外へ ―
どっちだ……?
[子供の足にも関わらず、おそろしく速い。 僅かに顔をしかめた旅人は、辺りを見回して鼻を鳴らす。 雪の空は暗さを増し、夕焼けを現さずに夜に近付いている。 参拝客により増やされた足跡の中から、 果たして小さなものは見つかるだろうか。]
(2) 2013/12/26(Thu) 01時頃
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[見下ろす女の蒼い瞳は、 憂いから憐憫へと色を変える。 青年の懇願に、応える術を女は持たない。
人にも、獣にもなれない。 あの時から女の魂は寄る辺無く彷徨っている。]
誰も襲わないでほしいと言いながら、 あなたはまるで――……、
[紅い口唇が動くだけ、音にはのらぬ囁き]
(3) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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[零れる吐息がひとつ]
行方を追って、 その身を投げ出しでもするつもり……?
[手をはらうことはしない。 そして、続いた青年の言葉に、歪むように笑んだ]
ええ、全てもしもの話だわ。
そしてごめんなさいね……、 きっと私にはあなたの願いを叶えることは、できない。
(4) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 01時半頃
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[あの後女は宿へと帰った。 ダーラの代わりに夕食を作る準備を始め、 しかし夕食が出来上がる時間になっても、 宿に勤める小さな子供が帰ってくる気配がない。]
にいさんと一緒だったから、 1人ってことはないと思うけれどね。
[ハナの母親らしき女性の姿も見当たらない。 しばらく待って、戻って来ないとわかると コートを羽織って宿から出る準備をする。]
小さな子だ。 探さないわけにはいかないだろう?
[そう言って。 宿から出たっきり、女は朝まで宿に戻らなかった。]
(5) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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[まるで、と言われて、背が震える。] 「出来ないこと」を――、俺に否定が、できますか。 術をもたなかったら、諦めるしかないじゃありませんか。
[片腕は、二度と動かないのだ。 この分を、助けてもらって、諦めてもらって、憐れんでもらって、この一年を過ごしてきた。 ヒューは、自分を襲った「犬」が、わざと、したくてそうしたわけではないという一点に、縋りたかった。]
(6) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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[やがて、フードの中でくしゃりと頭を掻いた。]
……駄目だ、全ッ然解んねぇ。
[辺りが暗くなり、人の灯がともされるまで、 子供の姿を当てなく探して、徒労に終わった。]
[途中でセレストに行き会う事があっただろう。>>5 出る時は一緒だった子供の姿がない事を、 船の女は不思議がったかも知れない。
だが、その時旅人は、ハナの様子を思い返し――]
教会んとこで、嬢ちゃんのお袋さんに会ったからな。 そのまま、かえして来た。
[それを隠す事を選ぶ。]
[セレストとはそこで別れた。]
(7) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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――……。いえ。 愚かなことだと思います。
可能なら……そうですね。俺はまた、船に乗りたいから。
[顔をあげて、無理やり笑った。 歪むように笑った女の目を見ていた。その、深い蒼い目を。 返答を待った。 その返事で、指は力をこめるのをやめ、滑り落ちるままに、喪服の婦人の手を手放した。]
――そうですか。 俺も嘘をついたから。
しかたがないですね。
(8) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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― 診療所 ―
[その知らせを持ってきてくれたのは誰だったでしょう。 いっしょに診療所まで向かったでしょうか。 もしも同時にホレーショーも襲われた、ということを聞かされても、少女にはそれを受け止めるキャパシティは、なかったことでしょう。]
[少女の母親は、寝台の上に寝かされていました。 きっと、夜通し娘のことを探していたのでしょう。 人狼が出る、あぶないということは分かっていたはずなのに。
母がハナを抱きしめることはもう――ありません。 撫でてくれることも、 褒めてくれることも、 愛してくれることもないのです。
彼女はもう、『主の御下』へと、旅立っていたのです。]
(9) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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……? 何が?
[唐突に零された囁きの、意図は察せないまま。]
― 昨夜 ―
[ティモシーの雑貨屋を訪れた後のホレーショーは、
恐らくはその足で、墓地に出向いただろう。
墓前の祈りを妨げる事はないが、その後のどこかで、
旅人は船乗りに声をかける。]
[それは、ハナとはぐれてしまったために、
探すのを手伝ってほしい、と言ったものだった。]
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[宿を出て少し後のことだ。 途中、1人で歩くヤニクに会った。 雑貨屋前で見た時には共にいた筈のハナの姿がない。 それを問うと、>>7 母親に返したという返答があった。]
そうか…、 ん、でもあの母親もなんか危なっかしい感じだからねえ。 一応親子の姿確認してから戻るよ。
[瞳を細めて、ヤニクにそう返して。]
にいさんは、そのまま宿に戻るのかい?
[そう訊いてから、ヤニクとはそこで別れた。]
(10) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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う、あ、あああああああああああああああああああああ!!
おかーさん! おかーさん!! おかあさん!!
[娘への最期の言葉すら、残すことはありませんでした。 かけられたシーツは、醜い爪牙の痕を隠しています。 娘の言葉に応えることはもう、ありません。]
おきてよ! 目をさまして! あああああ! どうして……! どうして神さま!!
生き返るなら、いま生き返ってよ! なんで――あああああああああ!!
[彼女に応えることは、だれにもできません。 かのじょはついに、ひとりぼっちになってしまったのです。**]
(11) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 01時半頃
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[術を持たぬがゆえに諦めねばならない。 青年の言葉にはまだ苦痛が存在する。 それは望むことをやめてはいないからだ]
あなたにはまだ、 ……望む場所があるのね。
私とは、違うわ。
[憐れみの中の歪んだ笑みは消える、 滑り落ちた指は伸ばされて、 青年の髪をそっと撫でやった]
(12) 2013/12/26(Thu) 01時半頃
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あぁ、そのつもり。 もしかしたら、入れ違いで宿の方に帰ってるかも知れないし、 そっちもあんまり、気ぃ詰めすぎるなよ。
[だが、宿に戻っても母子の姿はなく、 二人を探しに出たセレストも、ホレーショーもおらず。 僅かな従業員も、客のなくなった宿を持て余して、 早々に仕事を切り上げては各々が帰って行き――]
[雪の夜に静寂は深い。
明けて朝、女と子供が別々に宿へと戻るまでは。]
(13) 2013/12/26(Thu) 02時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 02時頃
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[翌朝、女は宿へ帰ってきた。 ヤニクはその場にいただろうか、 ひどく難しい表情で酒場に顔だけ覗かせ]
診療所。
[その一言だけ残してまた外へと出ていってしまった。 自警団がハナを迎えに来たのはそのすぐ後のことだ。
また誰かが襲われた。 その噂はすぐに宿から町へと広がっていく。
襲われたのは宿に勤める女だ。 ざわざわと、動揺にざわめく人々に そう間を置かず、新たな情報が伝えられる。
襲われたのは2人だ。 一夜に、2人。]
(14) 2013/12/26(Thu) 02時頃
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この船が、帰ってきて、くれたから。 友人に、望んでもいいと、言われてはじめて、 ……望む事ができました。
[気が抜けたように、呆然と、膝をついたままでいた。 髪をなでられた。ただ、されるままでいた。]
……。
いつか。 あなたの話も、聞いてみたいです。
……違ってしまったら、難しいですか?
(15) 2013/12/26(Thu) 02時頃
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― 朝凪亭 ―
……何だって?
[もたらされた知らせに、旅人は硬い声と表情で応じる。
ホレーショー、そして、ハナの母親が、喰われたと。 前者は面会謝絶の重体、そして後者は――]
(16) 2013/12/26(Thu) 02時頃
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居る。
[確信だった。
一夜に二人、それも一方は"己のものでない"襲撃。]
けど、あの男が騒ぐまでは、人狼なんていないみたいだった。
どう言う事だ……?
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―翌朝・診療所― [>>11悲痛な鳴き声が診療所に響き渡る。 亡き母の姿に嘆く子供の声だ。
女は、それを部屋の外の廊下で聞いていた。 ハナの母親を一番に見つけたのが女だった。 女の羽織るコートが赤く染まっている、 倒れたハナの母親を抱き起した時についた血だった。]
―――……、
[顔色を蒼くさせて、 女が見つめるのは親子のいる部屋ではない。 その奥、慌ただしく医者達が行き来しているもう一つの部屋。 ハナの母親とは別に運び込まれてきた男がいたのだ。 それは、よく知っている名前の男で。]
(17) 2013/12/26(Thu) 02時頃
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― 診療所 ―
[知らせを持って来たセレストの振る舞いが、 仲間が襲われた事に対する心中を表していた。>>14 幼い子供の叫び声が聞こえている。]
二人きりにしてやってくれ、とか……―― そういう歳でも、ねえよなぁ。
[返り血で汚れてしまったセレストの隣、 ふたつの病室を見比べて、呟く。]
(18) 2013/12/26(Thu) 02時頃
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そう、……羨ましいわ。
[眦を和らげて微笑む、 今度は歪むことない微笑みで、 呆然とする青年を見つめて、撫でた指も離れていく]
私の話? そうね……、いつか。
難しくは無いけれど、 きっと聞かなくてもいい話だわ。
[空虚を埋めようと、 いらぬ温もりを求めてしまいそうで、 吐息に逃がしたのは感傷のようなもの]
(19) 2013/12/26(Thu) 02時半頃
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……それよりも、 少し付き合ってくださるのでしょう?
[琥珀色を見やったのは、 まだ夜の訪れも夜明けの訪れも遠い頃*]
(20) 2013/12/26(Thu) 02時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 02時半頃
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[慌ただしく自警団が出入りを繰り返している。 死んだ女の方には、噛み痕があったのだ。 人狼、人狼、その名前が絶えず囁かれている。]
―――…、
[女は何時ものお喋りな様子とは打って変わり、 黙りこくってホレーショーの運ばれた診療室ばかりを見ていた。 吐き出す溜息が、少し震える。]
(21) 2013/12/26(Thu) 02時半頃
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取り敢えず、その格好どうにかした方が良くないか。
[吐息を震わすセレストにそう告げる。>>21 と言っても、航海に暮らす船の女だ、宿に戻っても、 コートの替えなどがそうそうある訳でもないのだろう。
しばし黙考。]
……ほれ。
[赤い外套を脱ぐとセレストの頭に被せた。 当の旅人は砂金色の髪が跳ねるのを手でくしゃりと弄る]
(22) 2013/12/26(Thu) 02時半頃
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ホレーショーの事は、雑貨屋の爺さんらの所にも、 知らせた方が良いかも知れないな。
俺、ひとっ走りして来るから、嬢ちゃんの事頼めるか。
[そうして、診療所の外へ足を向ける**]
(23) 2013/12/26(Thu) 02時半頃
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[ハナの事はホレーショーにとっても、そう簡単には
放っておける事でもなかったに違いない。
やがて陽が落ち、人を探すにも難しくなった暗闇で、
狼は人知れず牙を剥いた。**]
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―――…ん、
[>>22ヤニクの言葉にも生返事しか返さない。 ぼうっと廊下の先を見つめていたら、視界が赤く染まる。 外套の重みで俯くと出ていく前のヤニクに弱弱しい声で呟いた。]
…なあ。 ―――…ったら、
(24) 2013/12/26(Thu) 03時頃
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…ホレ…死んじまったら…どうしよう、
[面会謝絶で会う事を許されない。 女にとっては初めてのことではなかった。 似たようなことが、前にもあった。]
なんであいつが、 …やだよぅ…。
[ぐす、と外套の奥からくぐもった鼻の音が鳴る。 >>23ヤニクの言葉には外套を被ったまま頷いて、 ぐすぐすと鳴る鼻を納めようと大きく息を吐いた。**]
(25) 2013/12/26(Thu) 03時頃
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[ヒューの髪を撫でる手が離れていく。 何となく名残惜しく、顔を俯けたまま、小さく息をつく。 立ち上がって、黒服の婦人の艶めく黒髪が、海風にたなびくのを目で追う。]
俺こそ、聞かせなくていいような話をしました。
[首を僅かに傾げるようにして、はにかみ笑いと、苦笑いを混ぜたような表情を浮かべる。 婦人が「難しくはない」と言ったのを聞いて、その苦味はきえた。]
――よかった。
それなら、きっと、お願いします。
(26) 2013/12/26(Thu) 03時頃
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[吐息を零し、「それよりも」と紅い唇は、ヒューに次の返答を促した。]
……はい。
[俯くように、静かに頷いた。短い肯定。 人狼に対し、心当たりがあると言った人間への、欲目は、無論あったろう。それだけでも無かっただろうが。 黒服の婦人の細い手が求めるなら、いつでも片手を差し出す準備がある。**]
(27) 2013/12/26(Thu) 03時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 03時頃
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― 朝 ―
[翌朝。ヒューは、血の気の引くような噂を耳にした。 眠っていないせいか、肌は土気色をして、走る足が時折縺れた。 息を切らし、足元を雪で真っ白にして、診療所に駆け込んでいく。
今朝、ここへ運ばれてきたのは、二名。 片方は朝凪亭の従業員。 もう片方はホレーショーだった。]
(28) 2013/12/26(Thu) 15時頃
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― 診療所 ―
[診療所に入ってすぐ、子供の、けたたましい悲鳴にも近い泣き声が聞こえてきた。 この町の者で、顔と名前が一致している人間はあまり多くはないが、朝凪亭のハナとその母親は、数に含まれる。]
――、……
[息も整わないまま、子供の声が聞こえる方へ顔を向けた。 すぐさま、また別の方を向く。探すまでもなく、ホレーショーの入った病室がわかって、駆け寄った。]
……、……
[ヒューは、その場に膝をついた。 走り疲れたというよりは、深く落胆していた。]
(29) 2013/12/26(Thu) 15時頃
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[病室の前には、赤い外套を被り、鼻を鳴らしているセレストの姿があるのに、気付いていた。 立ち入る事の許されない扉を呆然と見上げたまま、雫を垂らすみたいに、ぽつりと呟いた。 草臥れた声での、問いかけだった。]
何でだよ。
[それから、消沈して俯いた。]
…… ごめんな……。
[力なく緩く握った手を膝の上にたらしたまま、立ち上がることも、身動ぎひとつすることも止めて、ハナの泣き声を聞いていた。 ヒューは「ごめん」と、うわ言のように、何度か謝っていた。]
(30) 2013/12/26(Thu) 16時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 16時頃
店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 21時半頃
お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/26(Thu) 22時頃
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― 回想:雑貨屋 ―
大丈夫、熱なんて無いから。
[額に大きな彼の手が当てられると、視界は半ば隠れてしまう。 そんなに大袈裟に心配しなくても、と小さく笑ったが、彼の気遣いは純粋に嬉しかった。]
おじいちゃん何処まで行ったのかな。
[祖父は行き先を告げていかなかった。 追いかけて探そうかとも思ったが、毎日頻回に店を閉めるわけにもいかず、ソフィアは店に残り店番をする事にした。]
(31) 2013/12/26(Thu) 22時頃
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―診療所― [ぐすりと鼻を鳴らす。このままでは借りた外套まで汚してしまう、そう思ってコートを脱いだ。子供の泣き声はまだ聞こえてくる。 近くで、聞き馴染みのある声が聞こえた。>>30]
…どうしてあんたが謝るんだ。
[鼻を鳴らしながらその声に問いかける。 扉の向こう側は見えない世界だ。ホレーショーがどうなってしまっているのかこちらから知ることはできない。]
……どうしてあんたが謝るんだ。
[もう一度、問いではなく呟いて。 使いものにならなくなってしまったコートは畳まず返り血が目立たないように丸めておいた。]
(32) 2013/12/26(Thu) 22時頃
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― 診療所 ―
[常の様相とは似つかないセレストの声。>>25 明朗で情に厚いがゆえに、他者の傷に深く沈み込む、 旅人も、そういう者に心当たりがない訳ではなかった。]
…………死なないって思ってろ。
(33) 2013/12/26(Thu) 22時半頃
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― 診療所 ―
[延々と続くかと思われた子どもの泣き声も、体力とともにいつかは失われてしまうものです。 少女は涙と鼻水でかおをぐしゃぐしゃにして、時折嗚咽を漏らしながら滲んだ母親を見るだけでした。
やがては母親も、町の墓地に適当に葬られることとなるのでしょう。 やがて骨になれば無縁仏ともさして変わらぬ扱いで、個別に名を刻まれることもないのです。]
(34) 2013/12/26(Thu) 22時半頃
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[実際、この人狼にとっては、
普通の狩りでもなく最低限の摂取でもない、
生きている範囲の最大限、という加減は、
初めての事であった。]
[とは言え、人間の生死の境はよくよく把握している。
壮健な船乗り、余程の不幸が重ならなければ
命を落とす事はない。]
|
[――きっと一命を取り留めたとしても、 次の船出には間に合うまいが。
束の間の瞑目。]
(35) 2013/12/26(Thu) 22時半頃
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ヤニクは、ヒューとはほとんど入れ違いで、診療所を出る。
2013/12/26(Thu) 22時半頃
(――陸の上でも、何があるか解ったもんじゃないからな。)
|
[>>34子供の泣き声が止んだことに気がつくと 女はハナの母親が眠る病室へと顔を覗かせる。]
…ハナ、 一度宿に戻ろうか。
[ぐすり、大分落ちついた鼻を啜らせて]
あんた、夕食は食べたかい? 朝も食べれてないだろ…、なんか食わなきゃ。 あともっと温かい格好にして…、
そんで、後でまた来ようか。 …ねえ?
[小さな少女の頭に手を乗せる。]
(36) 2013/12/26(Thu) 22時半頃
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|
― →雑貨屋へ ―
寒い!
[外套を置いてきたので尚更だった。 連日の雪は、人通りのある所は泥混じりのみぞれに、 日陰や屋根は、より白く積もって行っている。]
[昨晩、結局店主が戻らなかったのなら、 今朝の店は、開いているかどうかも定かでないが。 CLOSEであっても今は構わず、店の戸を叩いた。]
おーいっ。ちょっと開けてくれるか!?
[気温的な意味でも。]
(37) 2013/12/26(Thu) 22時半頃
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[セレストの問いかけに、顔をあげる。>>32 振り返り、沈黙した。]
……。
[二度目の呟きで、肩を落として、床を見る。]
…… しちゃならない失敗だった。
[低く篭った声で、悔いた。]
(38) 2013/12/26(Thu) 23時頃
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|
[若干の涙声を含ませたセレストの言葉を、少女は黙って聞いていました。 頭に手を載せられたなら、目元に溜まった涙がまたひとつ、ぽろりとこぼれ落ちていきました。]
[少女はとくに駄々をこねることなく、セレストの言葉に従うようでした。 のろのろとした足取りで病室を出ると――そこにはあの男が佇んでいたのです。>>30]
!
[目を瞠って、少女はぴたりと足を止めます。 まじまじと視線をあてて、そしてセレストの影に隠れるように一歩、二歩と体を寄せます。 そしてまごまごと、なにか言い淀むかのごとく口元を動かしました。]
(39) 2013/12/26(Thu) 23時頃
|
|
……じんろうにやられたの?
[男は、目の前の男はどう反応したでしょう。 やがて少女はなにかの確信を含んだ声で繰り返しました。]
人狼にやられたんだ。
(40) 2013/12/26(Thu) 23時頃
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|
[子供の泣き声が止んだ事に気付いたのは、セレストのほうが先だった。 ホレーショーの病室から離れていく彼女の足音を背中ごしに聞く事で、ヒューはそれに気付いた。 漸く、ゆらりと立ち上がる。]
……。
[セレストは、ハナを連れて病室を出たらしい。 静かな足音とともに、二人が廊下の向こうに現れた。]
――……、
[ハナは目を瞠る。 ヒューは、じっとその目を見ていた。]
(41) 2013/12/26(Thu) 23時頃
|
|
[遅い朝、乱れた髪をかきあげて、 上等な宿の部屋から町並みを見る。
――また、この町で人狼が捕まるのを、見たくないの。
酒精は少しだけ心を無防備したのか、 そんな言葉を青年に零したような気がする。
重い空は、晴れることのない心持に似ている。 女は呆然としながら、使用人の報告を耳にしていた]
(42) 2013/12/26(Thu) 23時頃
|
|
…………。
[もう、今更、いいか。 そう思って、ヒューは口を開いた。]
そうだよ。
[ハナの問いかけを肯定した。 投げやりにも思える、端的な返答だった。 嘘をつくのは、もうやめだ。]
(43) 2013/12/26(Thu) 23時頃
|
|
[その夜、祖父は戻らなかった。 ソフィアは、一睡もする事なく台所にあるダイニングテーブルに着きながら祖父を待っていた。 夜中、何度も外に出て探しに行こうかと腰を浮かせたが、人狼に出くわす恐怖を思うとその場から動けなかった。]
(44) 2013/12/26(Thu) 23時頃
|
|
[失敗、人狼、ハナとヒューのやり取りを聞く。 また難しい顔になった。ここには自警団がいる。]
…宿に帰ろうか。 ヒュー、あんたも。
[2人へと、そう促す。]
(45) 2013/12/26(Thu) 23時頃
|
|
……どうして、
[二人の犠牲者が出たということ、 そして、容疑者として捕まった者のこと。
身近に思う者に危機が迫って、 初めてそれが危険だと認識する。 それは人間らしい思考だと、自嘲して、 けれどそれでは手遅れなのだ]
――……、
[外へ出る身支度を、整える]
(46) 2013/12/26(Thu) 23時半頃
|
|
やっ、、、ぱり――
[ヒューの返答に、彼女はかすれた声で相槌を打ちました。 少女は寒さではなく震えていて、周りの目など気にならないようでした。 まるで、認めがたいことをきいた、ききたくないことを聞いたと言わんばかりです。]
やっぱり、そうだったんだ――!
だって、 だって、知ってたんだ。 だって、あれは――!
[セレストの促しが入ったのは、そのときでした。 少女ははっとして口元を抑え、ふたりの顔を見渡します。 そして彼女はくらいめをして、視線を廊下に移すのでした。]
(47) 2013/12/26(Thu) 23時半頃
|
|
―海を臨む坂道― [目的の場所に行く前に、 ――彼の孫娘はどうしているのか。 それがふと気になって、坂の途中で足を止めた。
2人きりの家族、 人狼の容疑をかけられて、 そして、帰らなかった]
……、
[それはあの頃の自身に重なる]
(48) 2013/12/26(Thu) 23時半頃
|
よっぽど手の込んだ偽装じゃなけりゃ、そうなる。
[軽く肯定した。]
……二人目の方は、死体を見れてないんでな。
けど、医者に運び込まれた上で『喰われた』っつってるんだ、
ちょっとやそっとの見間違いじゃないだろう。
|
[なにより、これは、嘘をつくべき相手ではない。 ヒューは目を逸らさず、ハナの大きな目を見詰めている。 ハナが震える姿を、ただ、見下ろしている。]
誰がやったんだか、わかるな。
[だってだってと繰り返すのを、聞き続けた。 少女の言葉に、ヒューが驚く様子はなかった。]
……ああ。
[宿に帰ろうというセレストの提案に、低く応じる。 ホレーショーの病室を背にして、ハナとセレストの傍へ歩く。 膝から下は、走ってつけた雪で、湿っていた。]
(49) 2013/12/26(Thu) 23時半頃
|
|
[雑貨屋の扉が叩かれた頃、ソフィアの顔は涙で濡れていただろう。 ドアを叩いているのがティモシーではない事は明白で、ソフィアはドアを開ける事がひどく恐ろしかった。]
……
[暫く様子を伺う。 けれど、ドアの外の人物が帰って行く気配もない。 嗚咽に肩を震わせながら、ソフィアはドアを開けた。]
(50) 2013/12/26(Thu) 23時半頃
|
|
うおっ……
な、何だ。もう聞いてたのか?
[出て来ていきなりの泣き顔に、旅人は狼狽えた。>>50 てっきり、ホレーショーの件が耳に入っての事かと思う。]
(51) 2013/12/26(Thu) 23時半頃
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[ヒューとハナの会話に、やはり難しい顔をして]
なあ、それは…、 あたしが聞いててもいい話かい?
…話してくれるんならいいんだけどね。 あんたらの知ってること…。
[ハナの小さな背を押して診療所から出ながら 確認を取るように言葉を向けるのはヒューに対して。
診療所を出ると寒くて震えた。 外套を外したヤニクは今、女よりも寒いに違いない。]
(52) 2013/12/26(Thu) 23時半頃
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[そこに在ったのは、ヤニクの姿だった。 後になって振り返れば、いつも着ていた外套を身につけていなかった事に気付き、すぐに中にいれてあげるべきだったかもしれない。]
おじ…、おじいちゃ…ん、が…っ、、 きのうから、かえってこなく……っ、て…
[ぼろぼろと涙が零れ頬を伝う。 ヤニクの顔を見て気が緩んだのか、そのままへたりと玄関先に座り込んだ。]
(53) 2013/12/27(Fri) 00時頃
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声も聞こえないのに、……不思議ね。
[こんな風に同胞に遭遇したら、
どうするものなのか、少し気にはなったが]
ということは、
……あなたは殺さなかったのね。
襲った、相手を。
[どこか安堵のようなものが声音に混ざる]
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[ヒューの重たい言葉に、ハナは色を失って震えていました。 セレストに背をおされるがまま診療所をあとにして、一層その温度が下がったようでした。
少女は焦点の合わない瞳で、みじかく速く呼気を吐き出していました。 白いもやが小刻みに、口元から吹き上がっていきます。
いやいやと眉を寄せて、首を振ります。 困惑したようなセレストに応える余裕は、ありそうにありませんでした。]
(54) 2013/12/27(Fri) 00時頃
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―雑貨屋近く― [近づくごとに、女の足は鈍った。 褪せた町並みと裏腹に鮮明になる記憶。 小さな手をひいて、この店をよく訪れた。
お茶を出してもらった後、あの子が昼寝をしている間に、 彼の風景画の素描を見せてもらった。 どうして人間を描かないのかと訊いたのは、 彼が自分を描いてはくれないかと期待してのことだった。
店構えは彼と同じように流れた年月を刻み、 けれどよく手入れがされていて、大切に扱われていたのだと思う。
――その大切に刻まれた時を、 誰に壊す権利があるというのか]
(55) 2013/12/27(Fri) 00時頃
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[少し距離を置いた場所から、 女はあの旅人たる青年の背と、 その背の向こう、少女の姿を見つめていた]
(56) 2013/12/27(Fri) 00時頃
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――え。爺さんが? 昨日から?
[予想と別方向からの返答に、思わず棒立ち。>>53 娘の方からへたり込むので合わせるように屈んだが、 そこから先が続かない。]
それ、誰からも知らせは来てないのか?
(57) 2013/12/27(Fri) 00時頃
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[先ほどから難しい顔をしつづけているセレストを一瞥する。 ヒューはセレストに、ひどく疲れた声で答えた。]
……自分できめてくれ。
話して聞かせたい事でもないしな。
[そう答えてから、ヒューは少し屈む。 ハナは酷く震えている。焦点のあわない目をちらりと見てから、動くほうの手を、ハナの冷たい小さな手へ伸ばした。 手を、つなごうと。]
(58) 2013/12/27(Fri) 00時半頃
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そうだな。
[向こうも、自分以外の人狼の存在に気付いて良い筈なのだが。
何らか理由があるのだろうと、想像を巡らす位しか出来ない。]
んー? あぁ。
……どうして? 安心でもした?
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[不安に打ちのめされながら、家族の帰りを待ったのだろう。 娘の様子をじっと眺めて――それから口を開いた。]
爺さんの方は知らないけど。
……宿には、今朝連絡があってな。
[それをどんな心地で聞くのかと、想像してみる。 最早家族のない自分には追い付かない世界だ。]
ハナのお袋さんと、ホレーショーが襲われた、 ――喰われたんじゃないかって。
(59) 2013/12/27(Fri) 00時半頃
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やっ……!
[弾かれたように、少女はふたりと距離を取りました。 その表情に浮かぶのは紛れもなく恐怖の色でした。 がちがちと歯を鳴らし、みっともなく身をすくませます。]
やだ…… やだ! ハナじゃない わたしじゃないよう! あれは! じんろうがっ
おかーさん! おかあ……っあ、 あっ
[頼るべき母を言葉にして、少女は表情を凍らせました。]
わ、わああああ!?
[恐慌に陥った彼女は、そのまま逃げ去ろうと背を向けました。]
(60) 2013/12/27(Fri) 00時半頃
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[自らは口を開こうとはしないヒューに眉を下げた。 ハナへと手を伸ばす姿を眺めるだけだ。女はハナとは手を繋ごうとはせずに震える白い息を吐いた。ぐす、と寒さで鼻が鳴る。]
……話しておくれよ。 さっきの口ぶりだと、あんた知ってるんだろう。
…事件の犯人のこと、何か知ってるんだろう。
[ヒューとハナの姿は見ることができず、 前を向いてから雪の積もる地面へと視線が落ちる。]
あたしの勝手な推測だけど、 あんたの怪我も関係してるんじゃないのかい? ―――ホレだってやられた、 無関係って顔をもうしてられないんだ。
……なあ、話しておくれよ。 何もわからないままだと、考えることだってできや…
[ハナが、怯えるような声をあげたのはその時で、]
(61) 2013/12/27(Fri) 00時半頃
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―――…じんろう、
[ハナの言った言葉を繰り返すように、 女はハナの目を見て呟いた。]
(62) 2013/12/27(Fri) 00時半頃
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[ハナが弾かれたように距離をとった。眉根を寄せる。]
……。
[歯を鳴らしながら、悲鳴をあげるように「いやだ」と繰り返すハナを見て、心底、悔いた。 やはり、やってはならない失敗だったのだ。 何があってもハナの母親は、守ってやるべきだった。 昨夜見つけられなかった事を悔いても、昨夜には戻れはしない。 舌打ちをして、ハナが背を向けるのに、乱暴に腕を伸ばした。 多少痛かろうが、転ばせようが、気にするつもりはない。 片腕では届かず、逃がしてしまったなら、追いかけるつもりで。]
(63) 2013/12/27(Fri) 00時半頃
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……そうね、
勝手だと思うけれど少し安心したわ。
[視界の中に、青年の姿を映しながら囁きを乗せて]
死ななかったらまだ罪が軽いってか?
だとしたら、そりゃちょっと解らねぇけどな。
[だとしたら、それはどこまでも人間くさい感情だと思う。
囁きの響きに、ふと気配のようなものを感じて、
一瞬背後を見遣る。]
結果は大差ないんじゃないか。
[船乗りを船から引き摺り下ろしたのだ。]
|
あ、ああああッ!?
[冬支度に厚着した衣服――その先を男に掴まれ、激しく身を踊らせます。 雪の上、石畳を転がり、それでも男がハナを放すことはありません。]
は、放して! 放せ! やあ……! た、助けてェ!
あ、あ、あっ
[少女はそれとは思えないほどの強い力で、男に抵抗します。 片腕とはいえ、肉体労働に従事する男に7歳の子どもが敵う道理はないのです。 やがて。
ぱっ。
雪の中に紅い華が咲き、少女の肌に色を散らしました。]
(64) 2013/12/27(Fri) 01時頃
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え、あ、え
[わけがわからない、そんな表情で少女は男を見返します。
少女の腕が。
爪が長く伸びて。
男の手を切り裂いていました。]
(65) 2013/12/27(Fri) 01時頃
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そうね、
結果は変わらないかもしれない。
……だとしても、
死んでしまうより、よかったと思うわ。
……あんたがそれを言うか。
[苦笑らしき揺らぎがそこに乗る。]
|
……
[ヤニクの言葉 >>59 にあげられた顔は、何の表情もうつしてはいなかった。 時が止まったかの様に、虚ろな瞳でヤニクの顔を見上げ、そして項垂れる。]
(66) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
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ともかく……立てるか。 爺さんの事も、自警団か誰かに聞いた方が良いだろ。
[ここに来るまでに被った雪が、振った頭からぱらりと落ち、 また少しずつ水滴に変わり。 手を伸べるが、ソフィアは立てるだろうか。
背後の女にはまだ気付かぬようで、振り向く事はない。]
(67) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
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ホレーショーの兄ちゃんの方は、今は診療所だ。 面会謝絶らしいんで、どんな具合かは見てないけど、 多分難しいとこなんじゃないかと思う。
[項垂れる娘に言い添えた。]
……それとも、ここで待ってるか?
[家族の所在、あるいは船乗りの容態の知らせを。]
(68) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
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[しばらく後、 女はまたゆっくりとした足取りで、 その場所を離れていく。
行くべき先は自警団の詰め所だ。 ――そして]
………、
[>>64 助けを求める子供の悲鳴、わずか早足に なる*]
(69) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
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寡婦 パピヨンは、メモを貼った。
2013/12/27(Fri) 01時半頃
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[理解の範疇を越えた時、人は咄嗟に動けないものなのだと女は思った。 友人である男が、小さな少女を掴む。 腕一本失ったとはいえ海で働いていた男だ。
小さな子供、それも女の子なら片手一本で容易に押さえつけられたことだろう。 けれども女が今見ているのは、ハナがヒューの手を押しのけんばかりの力で抵抗をしている姿。
自分が何をすべきなのかもわからず唖然とその光景を見つめていたが、抵抗をしていた少女の腕が、爪が、目の前で姿を変えてぱっと目の前に赤い血が散ったその瞬間、]
あ?あ…、
[現実に引き戻されたかのように蒼褪めて2人へと駆けよっていく。]
やめ、やめるんだ…! やめて、ハナ、ハナ…!!
[ヒューの手を引き裂いた、ハナの姿を変えた腕を押さえこむように両手で掴んだ。]
(70) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
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[見失ってしまっては、昨夜のような事になりかねない。 それは、誰かが危ないという事と同時、この少女が、わけもわからず人を傷つけているのを見逃すことになる。 奥歯を食いしばって、雪にまみれながら、抵抗する少女を押さえつけようとする。]
……クソッ、
[小さな体のどこにこれほどの膂力が眠っていたのか、見当もつかない。 それは一年前の晩を、否が応でも彷彿とさせた。 相手は「子供だ」と、わかった。 その時の姿は――どんなだったろうか。けれど、相手の目だけは明確に覚えていた。]
ハナ!
[声を荒げて名前を呼んだ。 朝凪亭に通う間に、覚えた名前だ。 「とめなければ」と思って、ずっと気にしてきた、女の子の――]
(71) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
|
|
[伸べられた手を取るまでには少し時間を要したかもしれない。 繋がれた手に、彼の髪から伝い落ちた水滴がはねた。 何とか足に力をこめて、ふらりと立ち上がった。]
…ありがとうございます。
[ヤニクの言葉には、静かに頷いて。]
(72) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
|
……、そんな風に聞こえていたの。
そうね、わたしにはそれはないものだわ。
[それを求めるには、女の心は老いていた。
失われたものへの怒りも悲しみも、理由にはならない。
ただ朽ちていくことを無為に待つ身であるのなら]
だからきっと、
生きるのも死ぬのも、
おなじようなことね。
|
どうも。
[そしてこんな時でも、にっこと笑って見せる。]
さて、どうする? どっかで爺さんの行方を知らないか聞きに行くのが先か、 それとも――っくしッ
[ぶるるっと体を震わせれば、また雪と水滴が散る。 それに気付いて、跳ねた髪をくしゃりと掻いた。]
あ、悪い悪い……
いやー、やっぱ上着貸したまんまはツラいわ。 ……一旦診療所に戻るかな。
[そろそろセレストも落ち着いている頃合いかと思う。]
(73) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
|
……それでも、死んでしまうよりは良い、か?
[蒸し返すように口にする。]
実際、あんたが生きてた事で助かった奴がここにいる訳だしな。
|
…死んじゃうんですか?あの人。
[静かにソフィアは言うが、何かを堪えるようにその声は震えている。]
いつか、こんな風に。 私が知らないうちに、あの人が危ない目にあったり、もうどうにもならない事にあったりしちゃうんじゃないかって…。 あの、船が、
[視線は遠く、港へと刹那注がれる。]
船がついて、私が迎えに行っても、何処にもあの人がいなくて…、
(74) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
|
|
[ようやくハナを押さえ込もうかという時の事だ。 ヒューは、短く、詰まらせるように息を零した。]
――……、?
[しびれるような、奇妙な違和感。 次いで、すごい熱を感じた。 そして、外気が水を冷やす、温度。]
(75) 2013/12/27(Fri) 01時半頃
|
|
まだ解らん。
[容態についての返答は簡潔だ。 人間いつかは死ぬ――という自己の認識が、 この場に求められてはいないと言う事は知っている。]
…………
[吐露される感情は、ついて回るだろう喪失の不安。]
あの兄ちゃんのことが大事かい。
(76) 2013/12/27(Fri) 02時頃
|
|
[少女の顔を見ていたが、彼女の頬に点々と紅い水玉模様ができている。 視界に、奇妙な形になった、少女の腕や爪が入る。 そして、切り裂かれた自分の、残りひとつの手。 驚きにか、痛みにか、息が短くこぼれた。]
……――は、
[セレストがハナの腕を押さえ込もうとしている。 だから、手に構っている余裕は、なくなった。 血まみれの片手が先についた腕で、逃がすまいとハナの胴を抱え込む。 なぜか、掠れた笑い声を漏れていた。 やけくそだったのだろう。]
ハナ、 聞いてくれ。
(77) 2013/12/27(Fri) 02時頃
|
|
[言い知れぬ不安を覚え始めたのは何時の頃からだったか、ソフィアは覚えてはいない。 嵐がくる度、ベッドの中で吹き荒れる風の音と岸壁に打ち付けられては消える波の音に眠れぬ夜を過ごした。]
…そんなの、いやだ。
[ヤニクに言ったところで仕方のない言葉だという事はソフィアにもわかっているが、堪えきれずに小さく呟いた。]
(78) 2013/12/27(Fri) 02時頃
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[ヤニクの言葉 >>76 に、ソフィアはゆっくりだがしっかりと頷いた。 服の袖で、濡れた顔を拭った。]
(79) 2013/12/27(Fri) 02時頃
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[脂で汚れためがねが、雪の中に落ちていきました。 氷色の少女の瞳がまるく、自らの腕に注がれています。 雑貨屋でもらったばかりの手袋は裂け、ぎんいろの毛並みに覆われた腕にわずかな抵抗を残すのみでした。
そう。爪のみならず腕さえも。 狼のものへと変わっていたのです。]
ひ、あ、う。 ちが、ちがっ……
[血が。違う。 どちらとも取れるような言葉が口からこぼれ落ちていきました。 男と、血相を変えた女。 ふたりの大人が自失したハナの身体を押さえつけます。 男に腰まで組み付かれ、ハナは荒い息を吐きました。]
(80) 2013/12/27(Fri) 02時頃
|
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それなら、どうする?
[こてりと首を傾げた。 自分はもう言ったから。]
(81) 2013/12/27(Fri) 02時頃
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[ハナが荒い息を吐いているのが、聞こえてくる。]
おまえは、悪くない。
[落ち着かせなければと思って言った言葉だったから、内容は、酷く単純だった。けれど、そうであって欲しいと、ずっと思っていた事でもある。 傷を見てしまったが最後、痛みがどんどん強くなってきているのがわかって、息を詰まらせた。 指が、奇妙に外れて、ぐらついているのが見えたので、大分、よくないと言えるだろう。]
(82) 2013/12/27(Fri) 02時頃
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私も、行きます。診療所。
[祖父の事も気になるが、闇雲に探すよりは何かあれば診療所には早く連絡が来るだろう。]
ぁ…、早く戻らないと、風邪引いちゃいますね。
[ヤニクがひどく寒そうな格好をしている事にようやく気づいたらしい少女は慌てて言った。**]
(83) 2013/12/27(Fri) 02時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/12/27(Fri) 02時頃
|
[くぐもった声で言われたそれを、ハナはぽかんとしながら聞いていました。 やがてその言葉を理解したのか、爆発したような声をあげます。]
う、うそだ!! うそだ! うそだうそだうそだ!!
わたしが襲ったんだ! わたしが、わたしがおかーさんを! きっと、きっとおとーさんだって!
[母親の言葉は、確かにハナを追い詰めていました。>>3:163 母のみならず、父すらも殺したのは自分だと、ハナはそう思っていたのです。]
あ、ああああああああ!!
[母の惨劇を思い出したのか、少女は悲痛な声を上げました。 それは高く長く、あたりに響いたのです。**]
(84) 2013/12/27(Fri) 02時半頃
|
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[ハナの獣の腕を押さえつけたまま聞こえてきた >>82ヒューの言葉に俯いて歯を食いしばった。 小さな子供を落ちつかせようとする友人の声、 獣のような小さな唸りを上げたのは誰でもない女で、]
―――…ごめん。
[零れた謝罪は、どちらに向けたものか。 だって、女が押さえている少女の腕の先は赤く染まっていて、 少女を押さえつけている友人の下の白い雪はどんどん赤く染まっていって、
このままでは、
だから、]
(85) 2013/12/27(Fri) 02時半頃
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―――――っ誰かあ!!!
怪我人がいる…!!! 早く来てくれ!!!誰か…!!!
[女は、あらん限りの声を上げて叫んだ。 少女の腕を押さえつけたまま。 少女をその場から逃がさないように手を離さないまま。**]
(86) 2013/12/27(Fri) 02時半頃
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お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/27(Fri) 02時半頃
お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/27(Fri) 02時半頃
|
うるせえよ。 ……セレスト、黙らせてくれ。
[ハナの大声をききながら、誰もきかないでくれと、祈る。 もう、残りの腕も使いきってしまったのだから、口を塞ぐこともかなわない。]
(87) 2013/12/27(Fri) 02時半頃
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[ハナの腕が、金色の毛並みに覆われている。 見覚えのある色だった。]
手、早く隠せよ。 違うんだろ。
[震える声で、そう頼む。 なんとか、隠さなければ。 余計なことをしなければよかった。 空回りばかりだ、と、わが身を呪う。 後悔しても、しても、したりない。]
(88) 2013/12/27(Fri) 02時半頃
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[隠さなければならないのは、自分の手も、また同じだ。 手のひらや指だけでなく、手の甲からも血が溢れているという事は、貫通している箇所があるのかもしれない。] はは。
[笑ってしまった。 鼻を、すする。]
なんだよ。どうにもできねえのかな。
[涙声になってしまった。 人狼をかばう、という事にそもそも無理があったとは、思いたくはなかった。 ハナの泣き声は、止まらない。]
(89) 2013/12/27(Fri) 02時半頃
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|
― 診療所へ ―
[雪道を急ぎ足で、ソフィアと共に戻る。 急いでいるのは薄着の所為もあるものの、怪我人の事を 心配しているだろうから、というのもあった。]
――っ
[途中で、はっと顔を上げ、それから反射的に髪を掻いた。 同行する娘が不思議そうな顔でこちらを見ている。 立ち止まり、顔を顰めた。]
あー……いや。
[こちらが言い淀んでいる間にも、彼女は歩を進めようと促す。 その時、恐らく雑貨屋の状況確認に行くつもりなのだろう、 自警団らしき数人の集団が遠目に見えた。]
……そうだな、急ぐか。
(90) 2013/12/27(Fri) 02時半頃
|
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[セレストが、謝った。 ヒューの頬がこわばる。]
――……
[次の瞬間、だれか、とセレストが大声をあげていた。 唖然として、その顔を見上げる。 腕が、ハナの胴から外れた。 雪のなかに、真っ赤に染まっている手を、力無くたらした。]
(91) 2013/12/27(Fri) 02時半頃
|
|
あ、……あぁ……
[言葉を失って、意味を成さない掠れ声が、口から漏れていた。 失意。ハナに逃げろとは、言えなかった。 ヒューには、逃げたハナが人を襲わないとは思えなかった。]
……ごめんな。
[呆けたように、ハナに、謝った。 子供は、嘘では、納得してくれなかった。]
許してくれとは、いえねえな。
(92) 2013/12/27(Fri) 03時頃
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|
[やがて悲鳴も、助けを求める声も、明瞭になる。>>84>>86 横のソフィアに強い声を向けた。]
……先に診療所行ってろ!
[怪我人がいる、という叫びに沿った形の指示を飛ばして、 旅人は声のする方に走って行く。 雪道の滑りすら、姿勢ひとつで推進力に変えてしまえば、 吐く息の白さを置き去りに、足は飛ぶように速い。]
(93) 2013/12/27(Fri) 03時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2013/12/27(Fri) 03時頃
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[そうして行き着いた先の光景に、小さく息を呑んで、 それから]
……、――――
[唇引き結んで近付く。**]
(94) 2013/12/27(Fri) 03時頃
|
負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2013/12/27(Fri) 03時頃
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[目の前で、怪我をした男が力を失う。 その表情が失意に満ちていくのを見ながら女はハナを押さえて獣のように唸り声を上げ続けていた。 まだ失われていない、けれども確かに今失った。 目の前の友人は、男は、獣の手を持つ小さな少女を庇おうとしていたのだ。ずっと、庇っていたのだ。辻褄の合わなくなっていく嘘をつき続けてでも。諦めずに。
打ち砕いたのは女だった。 諦めなければなんとかなると、ヒューに笑って告げた女自身がヒューの望みを壊してしまった。
俯いて、押さえるハナの銀毛の獣の手を見つめる。 唸り声は止まない。 ハナの、獣の腕がなければ女の方がよほど獣らしかった。]
(95) 2013/12/27(Fri) 21時半頃
|
負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2013/12/27(Fri) 21時半頃
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[やがて人の近付いてくる気配、>>94 その人影を見上げて歯を食いしばりながら 唸っていた唇が解かれた。]
…ヤニク、 ヒューが怪我をした。 医者に診せないと。
[掠れた声だ。 息継ぎの間に零れる唸りの方がよほど大きい。]
…血が出てるんだ。 早く連れていかなきゃ。 医者に…。
[自分が押さえつけている、 少女の腕のことは口にはしなかった。]
(96) 2013/12/27(Fri) 22時頃
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お使い ハナは、メモを貼った。
2013/12/27(Fri) 22時頃
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[セレストがあらん限りの声を上げました。 広場から、診療所の中から。なんだなんだと人が徐々に集まってきます。 その中にはよく見知った顔もいくつも、いくつも。]
あ、あ、あ!
[ふたたび、少女は歯の根を鳴らしました。
人狼だ 人狼だ。 人狼だ!
ひとびとの声が、視線が、戸惑いが、恐怖が、悪意が突き刺さります。 ハナの中でいくつもの景色が弾けて消えました。
やがて母親の呪いと朽ちた首つり台がからだにとけて。
『ころされる!』]
あ、あ、ああああアアア!!
(97) 2013/12/27(Fri) 22時頃
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るうううぅううう ァァアアアア!
(98) 2013/12/27(Fri) 22時頃
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[ついには、牙をむき出しにして、暴れだしたのです。]
(99) 2013/12/27(Fri) 22時頃
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おい! 大丈夫か……っ、
[最初に視界に飛び込んだのは目立つ色――赤だ。 そして大人が二人がかりで子供を押さえ付けているようにも。
だが良く見れば、ヒューは力なく項垂れており、 獣のように唸るセレストが捕えている子供の姿は。]
――危ないぞ、離れろ!!
(100) 2013/12/27(Fri) 22時頃
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[銀色の幼い獣。 恐怖のなかにあっても、綺麗だと感じた。
大気は凍てつき、夜空には冴え冴えと月が浮かんでいた。 雪原に溶け込むような色の、狼。
夢か現実か、そこで、わからなくなった。 美しいと、圧倒されていた。
朝凪亭で、ハナを見つけた時は驚いた。 子供の一年での変化は大きい。 ハナは今よりも小さかった。]
(101) 2013/12/27(Fri) 22時半頃
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[あの狼を、悪者だと考えようとしていた。 ……最初のうちは。 ヒューにはそれができなかった。 考えるうちに、虚しくなってしまった。
ただの子供を相手に、そいつが悪者だと考えていくほど、 まるで「その子供は生きていてはいけない」というような結論になっていった。 それに、納得ができなかった。]
(102) 2013/12/27(Fri) 22時半頃
|
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[人々が、集まってくる。 人狼、人狼、人狼。 悪意の視線が、声が、向けられる。 向けられるのは女にではなくハナにだ。 ハナが叫んだ、牙が見える。人間にはない牙が。]
―――…嫌だ。
[首を振って呟いたのは牙に対してではなく、>>100聞こえてきた声に対してだった。 だって、ここで手を離してしまったら、 子供を逃がしてしまったら、]
だって今離したら… また誰か、襲うんだろ…?
[次にその牙に、爪に、襲われるのは誰だ。 目の前のヒューかもしれない。港にいる仲間かも。 かちかちと、歯の根が噛み合わないのは女もだった。 子供が1人で逃げていってしまわないように、ハナの腕にしがみつく。]
(103) 2013/12/27(Fri) 22時半頃
|
[既に人が集まっている、この状況を覆すのは難しい。]
[昨晩の船乗りなら時間も場所も選ぶ事が出来ていた。
小さな子供の行きそうな場所を、例えば、
隠れ鬼などに使いそうな物陰なんかも含めて見回って、
風除けのある暗がりでその背に狙いを定めた]
[ぴしゃりと霙まじりの雪を踏む足音に振り返っても、
既に逃げおおせることは許さない間合いに入っている。
血の色が弾ける中にあって、それとは似て非なるもの、
夜闇でも光る鮮紅の瞳を男は見ただろうか。
倒れ伏す船乗りから点々と、血の色が通りへ続いていた――]
[一般論は他人事だ。
女の語る言葉は、常に自分自身を除外する。
自らがどこにも属さない者であると知っていた]
ありがとう。
[それは在ることを肯定してくれる言葉だ]
……優しいのね。
[かつて許される場所のあったことを、思い出す]
|
[その時、女が向かっていたのは自警団だ。
自分の自己満足な願いごとに、 彼の穏やかな時を奪う権利などない
終わりにしてしまえばいい、 人狼が捕まって処刑されれば全ては収束する。
狩りをしばらくは止めて貰う様に伝え、 それから自分が人狼だと名乗り出てしまえばいい。 教会の司祭はもういないのだから、 人と狼の見分けがつくものなどいないだろう]
(104) 2013/12/27(Fri) 23時頃
|
|
[セレストが、聞いた事もないような唸り声をあげ、ハナの腕を押さえつけている。 セレストやハナの大声を聞きつけて、人が集まってきていた。 ――人狼だ。人狼だ。 人狼だ!]
やめろよ
[手が痛む。 外れそうな指や、貫かれた手のひらが、悲鳴をあげている。 唇が戦慄く。]
こいつ、悪くねえんだよ、 やめてやれ……
[それは、いろんな者の怒声にかき消された。 獣の叫び声が聞こえた。 ハナは、牙を剥き出しにしていた。]
(105) 2013/12/27(Fri) 23時頃
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[けれど、事態は単純ではなかった。 声の無い襲撃者の正体を女はたった今知った。
遠巻きの人々、 暴れる少女のうなり声と、 それを押さえ付ける人影と]
……、
[ゆっくりと近づきながら、 女の紅い口唇は音もなく何かを囁いて]
(106) 2013/12/27(Fri) 23時頃
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俺が優しかったら世の中の奴らは8割がた優しいけどな。
[根拠は割愛した。さして愉快な話でもない。]
考えちゃいるがこの状況大分ムリあるぜ……!
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[少女が身を捩るたびに、足元の雪は汚れていきました。 大人二人の力には敵わないのか、体勢が悪いのか、組付かれた男の姿を、荒れ狂うかいなを止める腕を引き離すことが出来ません。 狂乱の中少女の瞳に宿っているのはどこまでも――怯えでした。
やがて武器を持った男たちが示し合わせ、ゆっくりと場を包囲していきます。 少女に逃げ場はどこにも、ありませんでした。]
(107) 2013/12/27(Fri) 23時頃
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私に、優しくしてくれたと思ったのだけど。
……違ったかしら?
[と、戯れのような言葉を交わす時ではなかったが]
そうね……、
人目を集めすぎている。
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それに、 あの子には、聞こえない、のでしょうね……。
[声音は酷く悲しげで、ただゆるく頭を振る]
(108) 2013/12/27(Fri) 23時頃
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って、ここでジリ貧してりゃ二進も三進も……っ
[流石に手は離さない女の反応に、顔を顰めた。
自警団の人間も聞きつけて来たようだ。 男達が武器を手に輪を作っている。]
くそ! ――貸せッ!!
[舌打ちをひとつ。 野次馬だか自警団だか、邪魔者を押しのけて、 悲鳴と共に暴れる子供に腕を広げた。]
(109) 2013/12/27(Fri) 23時頃
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[ヤニクの叫んだ内容は、尤もだった。 セレストは、唸り声をあげながら、子供の手を離さない。 このままでは、セレストが危ないと分かって、怯えたようにかぶりを振った。 雪に接して冷え切った足で立ち上がろうとして、よろける。 どろどろと血は手から流れ出ていて、雪を汚していく。]
セレスト
[縋るように、血に染まっている手を、セレストの服に伸ばした。 首を横にふる。もうやめてくれと、言いたげに。]
(110) 2013/12/27(Fri) 23時半頃
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[やがて周囲の人間が、ハナに組み付き、押さえ込もうとし、 武器を持った男達まで現れた。
ハナの逃げ場は、どんどん奪われていく。 怯えた目のちいさな人狼は、ゆっくりと包囲されていく。]
(111) 2013/12/27(Fri) 23時半頃
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[あの青年はこのことを知っていて、 そして必死に留めようとしたのだろう、 雪はまた紅く染まっていた。
自分は確かに、無力な何も出来ない存在だった。
人間にも人狼にも、 心を寄せて寄せて切れずに。 そして、どちらにもなれなかった。
どうすればよかったのか。 ――あの時、どうすればよかったのか]
(112) 2013/12/27(Fri) 23時半頃
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うぅ……、
[ハナの腕にしがみついたまま、 女は近付いてくる群衆をも威嚇するように唸った。 敵と味方の区別がついていないのは女もかもしれなかった。 女の離さない腕が、子供の逃げ場をなくしていく。 小さな人狼を、追い詰めていく。]
――…うぅぅ……
[>>110縋るように服を引くヒューの手に呻きが零れる。 唸りは、涙交じりの声に変っていた。 男は、少女は悪くないという。 じゃあ、誰が本当は悪いのだろう。]
うぅ…、
[力なく頭垂れて、少女にしがみついていた力が抜ける。]
(113) 2013/12/27(Fri) 23時半頃
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[友達、と呼んだ男が両腕を拡げます。 しがみついていた女の力が抜けたころ。 進路を奪われた自警団の面々も怯え怯え、武器を振りかざしていました。 大きく、怯えに濡れた眼が開かれました。
打突音。
悲鳴が高く、辺りに響き渡りました。]
(114) 2013/12/28(Sat) 00時頃
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――……っ、
[目の前の光景を瞳に写すだけの女が、 びくりと弾かれた様に顔をあげたのは、 >>109 青年の声と少女へと伸ばされた腕を見て]
(115) 2013/12/28(Sat) 00時頃
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[セレストの威嚇するかのような唸り声が、涙混じりの呻へ変わった。セレストの手から、力が抜けて、少女の腕が自由になった。 安堵にか、一度だけ、ゆっくりと意識して震える息を吐き出した。 その後の呼吸は、短く、不揃い。 それは多分痛みから。 または、両手が使えなくなる事への怯えから。]
ごめんな。
[ホレーショーの病室の前でしたように、再度セレストに謝った。]
(116) 2013/12/28(Sat) 00時頃
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[視界の端に、黒い服が見えた。
――また、この町で人狼が捕まるのを、見たくないの。
そう紅い唇は言っていた。
それが、どうだ。 目の前では、武器を持った男達に、怯えた目の人狼が包囲されようとしている。 呆然と光景を見守るしかなかった。 振りかざされた武器。 はっとして、息を吸い込む。 奥歯が震えるのは、寒さからだろうか。]
や、
[打突音。高く、悲鳴が響いた。]
やめろ!!
[喉をいためそうな程、声を振り絞った。]
(117) 2013/12/28(Sat) 00時頃
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てめぇらも自警団っつーなら、先に怪我人何とかしやがれ!
[吼えて、力の抜ける女から、小さな人狼の体を引き剥がす。 内に囲うようにして、背中に腕を回した。 近付く誰かの手を肩で押し返す。 爪が身を裂いたかも知れない。牙が穿ったかも。]
大丈夫だ、っ
[周囲の声に反応する余裕などまるでなかったが、 ハナの頭に頬を押し付けた。]
友達だろ。 ……――――――
[微かに囁く言葉に、どれ程の意味がなせたかは知れぬ事で]
(118) 2013/12/28(Sat) 00時頃
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[ただ、
無情に、子供の腕に見知らぬ誰かの手が届いた。 大勢の手が、それを思うままにしようとして、 ハナの怯えを知る者から引き離そうとしている。
目を見開く。 誰かが棒のようなものを振りかざすのが見えて、 喉を潰すような制止の声があって、
甲高い悲鳴が空に刺さった。]
(119) 2013/12/28(Sat) 00時頃
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[少女が最後に見た景色はなんだったのでしょう。
力なく落ちていく眼の光は、ヒューを、セレストを、ヤニクを捉えていました。 離された腕は空を泳ぎ、やがて力を失っていきました。
仕留められた人狼に、野次馬は大いに沸き、どよめきが辺りを支配しました。
自警団の面々は場の状況にかかわらず、少女の身柄を要求したことでしょう。]
(120) 2013/12/28(Sat) 00時半頃
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あ…、
[しがみついていた女から少女が引き剥される。 引き剥した主を目で追う。 コマ送りのようにスローモーションで女の目に少女の姿が映される。 庇われ、護られるように抱きしめられた少女が また引き剥され、それから少女に振り上げられた 武器が、無情に振り下ろされて―――]
ゃ、っ
[違う、こうなることを望んでいたわけじゃない。 少女を離さなかったのは、 ただ、
ただ…―――]
(121) 2013/12/28(Sat) 00時半頃
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や、いやあああぁあああああ!!!!
[悲鳴は、女のものだった。 目の前で少女は、ハナは、力を失っていく。]
(122) 2013/12/28(Sat) 00時半頃
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[人狼の子供の身が離され、打撃によってか完全に力を失う。
――すると旅人は、そこで、するりと腕から力を抜いた。
周囲の、奇妙な熱気の篭るどよめきの中で、深呼吸をする。]
(123) 2013/12/28(Sat) 00時半頃
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……つっても俺、何だかんだで
我が身が一番大事なタイプなんだが。
[銀鈴の声に対して、ぼやくような調子でいる。
衆目があるこの場所では、あからさまに人狼を庇えば
立場が悪くなるのは明白なのだった。
ヒューやセレストがそうするのは人間の勝手だが。]
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―――……
[甲高い悲鳴と共に、衝撃で少女の体が傾いだ。
彼女が雪に倒れ伏すまでの、ほんの一瞬。 濡れた目が、見えた。 記憶の中に残った、狼の目と違って、
ハナの目は、ひどく、憐れに見え――]
(124) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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あぁ、ああ、 あああ、あああああ……
[喉が潰れて痛むのも構わず、ヒューは声をあげていた。 肩が、切り裂かれた手が、背が、震える。
――これは誰のせいだ。 俺だ。 俺のせい。]
(125) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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……おい、あんたは怪我ないか?
[悲鳴を上げるセレストへ。
人狼が倒れて暴れる者がいなくなった所で、 改めて状況を見てみれば、酷い有様だ。 一番の重傷は間違いなくヒューだろう。]
診療所っ。
[今も血を流している男の手当が必要な筈だと叱咤する。]
(126) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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[――その瞬間は目を逸らしていた。
見るに耐え難い光景、 人狼とはいえ、その姿は7つのこどもだ。
一点の曇りなくその排除を喜べる人間など、 果たしてどれほどいるものか。 どよめきには戸惑いと躊躇いの混ざり]
(127) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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……いいえ、
無理を言ったのはわかっているわ。
ごめんなさいね。
[ただ、
"助けるからな"と、
そう囁いた声は、あるいは届く前に掻き消えたのか。]
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[傍で、悲鳴があがっていた。 セレストのものだ。
辺りは、大勢のどよめきに包まれた。]
(128) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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[集団とは狂熱するものだ。
人狼を庇い立てたと、この二人が思われたなら、 周囲がどんな視線を向けるかは。]
(129) 2013/12/28(Sat) 01時頃
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