186 夏なんです【Sheeps' monologue project】
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
アシモフが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、コリーン、ナユタ、アリス、ススム、サイラス、夕顔の6名。
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『いや、プリンは俺じゃ、ねえし。アレンティじゃねえの』
[ミナミは憤慨したように、言った。 どうやら嘘ではないらしい。こいつは嘘をつくのが極端に下手なのだ。]
あいつはプリンなんて食わねえだろ。
[フロアは五人一組。そのうちの一人、アレンティ・ノアは最先端のバイオジーンだ。オデッセイきってのビューティ・アンド・ワイズとして名を馳せる彼は、極度に燃費が良い。数ヶ月もの間食事を取らなくても生きていける。その代償に、摂取できるのは特別製の錠剤だけ。それがかえって彼の存在を伝説的なものにしている。まあ、僕らにとっては普通のルームメイト、なのだが。]
(0) 2014/07/23(Wed) 15時頃
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『ああ、そっか。うーん。じゃ、誰だ』
[残る二人、ミカとステフのケルソ兄弟は一週間前から探査船実習で不在だ。ということは、容疑者不在。これはちょっとしたミステリー…いや、むしろオカルトじみている。]
(1) 2014/07/23(Wed) 15時頃
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[不意に、レプリカ・セミの合唱がやんだ。辺りは静寂。
遠くにアレンティの赤い日傘が見えた。 彼岸花を思わせる美しい姿に、そこかしこからため息が聞こえる。 僕らは手を振り、駆け寄った。彼は静かに微笑む。 そうだ、とりあえず念のため、聞いとこう。]
なあー、俺のプリン 、知らねえ?
[僕らの"夏"は、こうして始まった。]
(2) 2014/07/23(Wed) 15時頃
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[あの大空に夢を描くの。 昔のように、一緒に大きすぎる夢を描こう]
"ただ地平線の彼方、その先にまで広がる空を指さして私たちは笑っていました。 あれは犬の顔みたいな形をしてるよ。 それじゃああっちの雲は"ぷりん"みたい!
遠い昔の 笑顔を見よう。"
(3) 2014/07/23(Wed) 15時半頃
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白い雲が流れてく。 青い空が消えてどこかへ去っていく。
そうして現れる夜の時間。
私たちの空中散歩は、そこで終わる
(4) 2014/07/23(Wed) 15時半頃
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[夜空の星は、大人の時にも子供の時にも等しく特別だった。 ただ、大人になって眺めた空の隣にはあの日の特別はいない。
得意満面に笑って、 お姉さんぶって、 星の名前や色々なものを教えてくれた、あの子はいない]
(5) 2014/07/23(Wed) 16時半頃
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[僕の母は伯父伯母の中でも末っ子で、僕はいわば末っ子の末っ子だった。 親戚内で歳の近い子は一人だけ。あの町では、あの子と二人で遊ぶ以外に退屈をしのぐ方法がなかった。 一つしか違わないのに子供扱いしてくることが少し悔しくはあったけれど、あの子にしてみれば唯一の年下である僕のお姉さん面をするのが楽しかったのだろう]
(6) 2014/07/23(Wed) 17時頃
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[何となく親戚と疎遠になってしまってからは、あの子とも会っていない。 一度だけ入籍を知らせる葉書が届いたけれど、写真の中の女性があの子だという実感が湧かなかった。 子供の時の姿ばかり、声ばかりが印象強く、僕の中のあの子の時は止まったままだ。 あの町で僕は、もう何処にもいない「あの子」を探していたのかもしれない]
(7) 2014/07/23(Wed) 17時頃
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[あの子が特に好きだったわけでも、嫌いだったわけでもないけれど、特別だった。 夏の特別だった]
(8) 2014/07/23(Wed) 17時頃
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「宇宙船に乗って、あの星の向こうまで行けたらいいのにね」
夜の彼方を眺めて 君は言う
「きっと面白いものがいっぱいあるよ」
此方を振り返らずに 君は言う
「こんな退屈な町なんて……」
その声は 聞こえない
ただ子供っぽい夢と 見合わない憂いだけ ちらりと見えた横顔が 一つ 大人に見えた
(9) 2014/07/23(Wed) 17時頃
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[畦道を抜けた先、古びた家屋に、『斎木商店』と看板が掲げられている。]
「じゃ、また明日」
『おう、またな』
[小さな商店の入り口へと、少年は姿を消す。]
『花火、確保しといてくれよ!』
[追いかける声に振り返ることはない。 少女はその背が見えなくなるまで手を振る。]
(10) 2014/07/23(Wed) 20時頃
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『夏目、置いてくぞ』
[影が、今度は少女を呼ぶ。 慌てた様子で、少女は影の集団へと溶けこんでいく。]
(11) 2014/07/23(Wed) 20時頃
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<あなたを見ている>
『じゃ、また明日』
<暗闇へと溶けこむように、あなたは消えてゆく> <その姿を、最後まで、丁寧に見届ける> <わたしの瞳がそうしてあなただけを、ただ、毎日、>
<きっと、あなたは知らない>
(12) 2014/07/23(Wed) 20時半頃
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<暗転>
(13) 2014/07/23(Wed) 20時半頃
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[夕暮れの教室。]
[真っ赤な夕日が室内を刺す。 カーテンを揺らす風が、少しの涼やかさを与える。 制服姿の少年と少女が、ふたりきり。]
大学には行かないの?
[椅子に腰掛けたまま、澄んだ声で少女は尋ねる。]
「ああ、行かない」
[少年の返答に、少女は(そっか)と呟いて、それ以上何も言わない。]
(14) 2014/07/23(Wed) 21時半頃
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「俺が大学に行ったとして、4年だろ。親父、もたねえよ」
[少年の父親が身体を悪くしたのだと、狭い世界の人間は皆知っていた。]
「店、潰すのもさ」
[そして、口を噤んだ少年と、目を合わさないままに少女は言う。]
うん。
[それ以上、何も言えない。]
(15) 2014/07/23(Wed) 21時半頃
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白い壁。緑の壁。 青い瞳は、今ようやく、そのことに気がついた。
壁が色を持つということ。 世界は一定ではないということ。
一歩踏み出さなくとも、何かが髪をそよがせていること。
(16) 2014/07/23(Wed) 21時半頃
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受験勉強以外に予定のない 退屈だけど平穏な夏休み そして高校生活最後の夏休みだ
親友とよべる友だちも 彼女もいない とくべつ運動ができるわけでもないし 大した特技があるわけでもない
そんなナイナイづくしの僕が これまたなにもない町の外に出てみたところで なにかを手にできるわけなかった 急にじぶんが情けなくなる
(17) 2014/07/23(Wed) 22時頃
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僕は 今や傷だらけのビー玉に 自分の日々を重ねると 有名ロックバンドの曲を口ずさみながら 思いっきり蹴飛ばした
つま先に わずかに硬いものが当たる感覚 陽を浴びてきらきら煌めきながら 落ちていくビー玉
遠くでコツンと音がしたあと そのままコロコロとどこかへ消えてしまった
さよならビー玉 僕は町にもどったらサイダーを飲むよ そしてまた凪のような生活にもどるんだ
(18) 2014/07/23(Wed) 22時頃
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「アニメみたいに? 宇宙船で星を探しに行くの?」
聞こえなかった言葉を 問い返すこともなく
「楽しそうだね」
聞こえた言葉の字面だけ 応える 何も見ていないふり 星だけを見ているふり
気づかないふりに 君は気づかない あるいは 気づかないふり
(19) 2014/07/23(Wed) 22時頃
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「君の気持ちが少しだけ、分かったよ」
今はもうどこにもいない あの日の君に 呟きを小さなビンに封じて 心の何処かに流した
(20) 2014/07/23(Wed) 22時半頃
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「夏目は?トーキョー行くんだろ?」
[シンボリック・トーキョー。 現実感を伴わない言葉は宙に浮く。]
うん、看護婦になるの。
「そっか」
[会話は続かない。]
「夏目、二人でいると結構しゃべるのにな」
(21) 2014/07/23(Wed) 23時半頃
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<あなたを見ている>
『夏目、二人でいると結構しゃべるのにな』
<そんなことないよ、という言葉は声にならない> <もっともっと、話したいことならある> <けど、あなたが言っているのはそういうことじゃなくて、>
<滅多に口を利かないわたしが、変わっていると言われること> <その評価が妥当だってことも、わたしが一番知っている>
<それでも、>
(22) 2014/07/23(Wed) 23時半頃
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「帰るか」
[少年が立ち上がる。少女も黙ってそれに続く。 二人は揃って校舎を後にする。]
(23) 2014/07/23(Wed) 23時半頃
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[申し訳程度に舗装されたアスファルト。 道の脇、真っ直ぐと日に向かって咲く向日葵>>0:29が、赤い日の中で揺れる。 咲き誇るそれらの中、くたりと下を向いた一輪だけがしょげて見える。]
――き?
[少女が少年に駆け寄って、囁く。 少年はきょとんとした表情を浮かべた後、ゆっくりと頭を振った。」
(24) 2014/07/23(Wed) 23時半頃
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<あなたを見ている>
<ふわり、風に揺れる向日葵を、あなたは見つめていた>
――向日葵、すき?
<それは、ほんの好奇心> <あなたは、唐突な質問に少し固まって、そして首を横に振った>
『いいや、別に』
<答えは、それだけ> <お伽話や文学のように、そこに深い意味なんて> <結局のところ、ありはしない>
(25) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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[再び、商店の前。]
「気を付けて帰れよ」
[少年は薄暗い家屋の奥へと吸い込まれていく。 少女は、その背が見えなくなるまで手を振る。]
(26) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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<暗転>
(27) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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[だだっ広い広場。あるいは、グラウンド。]
『おせーぞ、夏目』
[影が発した声に、少女は息を切らして笑んだ。]
『もう始めちまってるぞ、ほら、夏目も』
[別の影が差し出した花火を手に取りながら、少女の視線は泳いでいる。]
(28) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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「ああ、」
[そして、一点で止まる。]
「遅かったな」
[斎木くん、と少女は笑んだが、その声は荒く吐く息にまじって消えた。]
(29) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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<暗転>
(30) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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[寂れた駅のホーム。]
さよなら。
[少女は笑む。少年は荒く息を吐きながら、それでも尋ねる。]
「なんで、こんな時期に」
[色々、と少女は笑みを崩さない。]
さよなら。
[もう一度言って、少女は扉の向こうへ消えた。]
(31) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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<あなたを見ていた>
『なんで、こんな時期に』
<あなたは焦ったような表情でそう言う>
<わたしは答えない>
<答えるけれど、何も、ほんとうを告げることはない>
さよなら。
<それで充分だった>
<扉の向こう、あなたが呆然とした表情で、>
<まだ、よく分かってないって顔で、>
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[どこからか遠く、聞こえてくる歌声。 指さす先 見える陽炎]
『 もう会えない』
「 ばいばい 」
さよならなんて、 嫌だよ ――ねえ。
(32) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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しあわせを、さがしにいこう。
(33) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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<あなたはもう見えない>
(34) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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それが幻でも。 逃げて行くものであっても。
探しに行こう。
――遠く遠く、向こうに見える夏の思い出のその先まで。
(35) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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『 ……夕顔 』
少女はいう。
「 ……朝顔 」
少女は泣く。
(36) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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会いに、行くよ。
雲を突き抜けて
哀の裏側を覗き見る。君を求めて。
少女の投げたビー玉はもう無く、いつしか歌声だけがそこに残り。
(37) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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誰かの落とした日傘は空を飛ぶ。
雨が降れば名も知らぬ唐傘さんが通り行く。
『 ――待って! 』
私はあの子を追い掛けて。 無我夢中、走りにくい着物が乱れても走り抜ける。
(38) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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[突然腕を掴まれ、振り返ればそこにはさっき会話したばかりの少女の姿。]
『 ……会いに、きたよ 』
[私は目をまん丸く見開いて。]
『 好きな花は、なんですか? 』
[ そして、わらったの ]
(39) 2014/07/24(Thu) 00時頃
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アリスの肌は熱を持たない。 無機質で、揺らぎのない完璧な身体。
青いスカートが揺れる。揺れる。 白い袖が膨らむ。膨らむ。
今は、いつ?
時間の概念も、此処にはない。 いつだって「今」で、前を見ても後ろを見てもどれも同じ。
(40) 2014/07/24(Thu) 01時頃
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上の壁が開いた。
アリスは口を大きく開ける。 いつから上の壁は、空色だった?
「そ ら」
空気が震える。 風以外にも、何かを震わすものがあるってこと アリスはいつだって、そう、「前」から
「しってた」
(41) 2014/07/24(Thu) 01時頃
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