168 LOVEorDEATH2〜死者は愛を知りたいようです
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墓
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霊
全
この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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ちゃんとご注文通り、さまざまな人たちをお呼びしましたよ。 いたるところから…そう、地平の果てや、宇宙の彼方からも。
中には、主様を消してくださるような方もいらっしゃるかもしれません。
(0) 2014/03/11(Tue) 23時頃
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――――…。
(#0) 2014/03/11(Tue) 23時頃
そこは真っ白な場所だった。
かろうじて床のような地面のようなものがあるのは分かるが、見渡す限りどこまでも真っ白な空間。
果てがあるのかどうかも良く分からない。
(#1) 2014/03/11(Tue) 23時頃
そんな白い空間に水溜りのようなものと人影のようなものがいた。
水溜りのように見えたそれはちょうど、大きめの窓が床についているような、そんな印象である。
人影の後ろからそれを覗き込めば、その窓の中では何やら複数の男女が話したり、生活したり、抱き合ったりしていた。
それを覗き込んでいた人影が何事かを呟く。
(#2) 2014/03/11(Tue) 23時頃
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んふふー。 ちょうどよさそうな人たちいっぱーい♫ 迷っちゃうなー。
だーれーに し、よ、う、か、な? て、ん、の、かーみ、さ、ま、の、い、う、とーりっっと!
[人影は至極楽しげに、軽快なリズムに合わせて指先を動かし、水溜りに映る人影をじっとりねっとりと眺めていく。]
あ、そうだそうだ、こっちも準備しとかないとね♪
(1) 2014/03/11(Tue) 23時頃
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人影がなにやら目をむけると、白い空間に、壁が、床が、天井が、絵を描くように姿を現す。
さらさらと見えない鉛筆が走るように、真っ白だった場所に柔らかな陰影ができ、そして「部屋」を成した。
彼は部屋を満足げに眺めると、次の準備に取り掛かった。
(#3) 2014/03/11(Tue) 23時頃
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よーし、おもてなし準備、オッケー! そろそろお迎えいかなくちゃあ。
[そういうと、再び水溜りを覗き込むようにして。 先ほど描かれ、作り出されたばかりの部屋の中。 壁に囲まれているというのに、どこからか少しの風がふく。 人影は微かに揺れたかと思うと、すうっと消えてしまった。]
んふふー! 楽しいゲームになるといいな♪
[真っ白な部屋に、楽しげな音の余韻だけを残して。**]
(2) 2014/03/11(Tue) 23時頃
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―――ある、日。
それは、どこにでもある、ごくごく普通の日。
(#4) 2014/03/11(Tue) 23時頃
LOVE or DEATH 〜死者は愛を知りたいようです〜
(#5) 2014/03/11(Tue) 23時頃
調律師 ミケがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(調律師 ミケは村を出ました)
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[その日のあたしは、サイッコーに機嫌が悪かった。 理由なんて大したことない。 非情に胸糞の悪い夢を見てしまっただけである。]
…はぁ…
[何であたしは、よりによってあんなことを思い出すかな。 自分自身の執念深さに、反吐が出そうになる。 だって、あれはもう…3年近くも前の事なのだ。 いい加減、すっぱりさっぱり忘れても良い頃だと、あたしは思う。 あたしはその収まりどころのない苛立ちをぶつけるように、フライパンをガチャガチャと鳴らした。 その気持ちを反映するように、今日のスクランブルエッグはいささか焦げすぎているようだった。 それがまた、あたしの苛立ちを更に加速させる。]
あー、もうっ
[二つ並べたお皿に、玉子を適当に盛り分ける。 焦げ目は片方のお皿に偏るようにした。 普段だったらそのまま再び火にかけるフライパンを、一旦流しに下して蛇口をひねれば、ジュウゥ、という音と共に湯気がもうもうと立ち上がる。 それを眺めていると、ガチャリとリビングの戸が開く音がした。]
(3) 2014/03/12(Wed) 12時頃
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『おはよう。』 …おはよ。
[かけられた声に、振り返りもせずに返す。 あたしの背中からは、きっと不機嫌があふれている。 けれどもその声は、どこまでも穏やかだった。
…ちくしょう。]
今日ちょっと早くない? まだ、準備できてないんだけど。
[ややぶっきらぼうに尋ねながら、マグカップを二つ、食器棚から取り出す。 百均で買った、色違いのくまさんの顔がプリントされているそれらは、案外使いやすくて、あたしらのお気に入りだった。 茶色のくまさんのマグカップに、淹れたばかりのコーヒーを注ぐ。]
牛乳入れる? 『お願いしようかな。』
(4) 2014/03/12(Wed) 12時頃
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[冷蔵庫から取り出した牛乳を、そのまま注ぐ。 冷たい牛乳を入れては、折角のコーヒーが冷めてしまうのだが、朝の割と忙しい時間にそんな贅沢は言わない人だ。 ちょっと冷めてるくらいの方が飲みやすいしね、と、その人は言う。 何も入れないブラックの時だって、涼しい顔してごくごく飲んでいる癖に。]
はい。 もうちょっと待ってて。
[食卓にマグカップを置けば、テレビのリモコンを拾ってきたその人は、椅子に座った。]
『そんなに急がなくても、大丈夫だからね。』
[言われた言葉にちらりと時計を眺めれば、確かにまだ急ぐ時間ではない、けれど余り余裕があるわけでも無いのも確かだった。 一度洗ったフライパンをコンロにかけて、ハムを軽く焼く。 両面をしっかり焼いてから、先に卵を乗せた皿に乗せた。 トースターに食パンを放り込んでから、冷蔵庫のレタス…昨日の夜ついでにちぎっておいた…を出して皿に加え、プチトマトも3つばかり乗せてやり、食卓に運ぶ。 ジャムだのバターだのを出しているうちにチン、と音のしたトースターからパンを出して運べば、漸く準備完了だった。]
(5) 2014/03/12(Wed) 12時半頃
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[自分の分のコーヒーは、ピンクのくまさんのマグカップに半分ほど注いでから、角砂糖を二つ、それから牛乳を等量。 要はカフェオレだが、気にしちゃいけない。]
お待たせ。
[テレビを見ていたその人の前に腰を下ろして、呟けば、視線がこちらに向けられた様だった。 どちらからともなく手を合わせ、食べ始める。 焦げた卵はやっぱり少し、苦かった。]
『ミチ。』
[唐突に、呼ばれて無言で目を上げる。 すると、その人は眼鏡越しにこちらをじっと見つめていた。]
…何。 『今日も、遅くなるのかい。』
(6) 2014/03/12(Wed) 12時半頃
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[尋ねる声は、妙に真剣だ。 そのまっすぐな視線とかち合った時、何故だろう、あたしのくすぶっていた苛立ちが再び燃え上がった。]
…あたしの勝手でしょ。
[どうせ、夜なんてあんたいないくせに。 一体いつ帰宅してるんだか、いくら帰りが遅くなったとしても、あたしが寝る前にこの人は帰って来ること事態珍しい。 それがたまたま、昨日は早く帰ってきて、あたしの方が遅かったからって、何をいまさら。 保護者面なんか、してるんだか。]
『ミチ、最近は…』
[また、説教か。 あたしは盛大にため息をつく。 黙ってしまったその人を、あたしは正面から睨み据えた。]
(7) 2014/03/12(Wed) 12時半頃
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通り魔だか何だか知らないけど、あたしには関係ない。 殺されてるのは猫でしょ。 それも、野良猫。 それとも父さんは、あたしが猫だとでも言いたいの。
[あたしの言葉は、ずいぶんとんがっていたことだろうと思う。 それに気づいてはいたけれど、抑えようって気には全然ならなかった。 あたしは残っていたパンを口の中に押し込むようにして、立ち上がる。]
ごちそうさまっ 『ミチっ』
[声が追いかけてくるけど、無視して食器を流しに運ぶ。 調理台の上から弁当の包みを二つとも取り上げると、大きい方の包みを食卓に持って行って、無言でどん、と置くと、リビングの扉を開けて階段を上った。 自室へと戻ると学校の支度をする。 鞄はもう用意してあるから、あとは身支度くらいなものだ。 さっさと制服に着替えると、鞄を掴んで階段を下りた。]
(8) 2014/03/12(Wed) 12時半頃
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『ミチ。』
[階段の下で、待っていたのだろう、声をかけられれば一旦足を止める。 無視していくこともできた、けれど… そう、邪魔だったのだ。 あたしは無言でその姿を見降ろす。 困ったような笑みが、あたしを見返した。]
『…もし、遅くなるようなら、電話しなさい。 迎えに、行くから。』
[それだけ言うと、リビングへと戻ってしまう。 あたしは暫くそのしまった扉を睨みつけていた。]
…なんなのよ、くそっ
[迎えになんて、忙しいあんたにできるわけ、無いじゃない。 できもしないこと、言ってるんじゃないわよ。 大体そんな、ガキみたいなこと、高校生にもなって、できるわけ… 言いたいことは、たくさんあったけど、それを言いに行くのも癪だったので、あたしはそのまま玄関から外へ出た。]
(9) 2014/03/12(Wed) 12時半頃
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[ぽんっと何かが弾ける音と共に、子供たちの頭上から色とりどりの花びらが降り注ぐ。 今日もショーは大成功。喜び花びらを手のひらに集めようとする彼らを、にこやかに見つめ]
はーい、今日はこれにて終了だよ! また見に来てねー!
[『ばいばーい』『お姉ちゃんまたねー!』 元気な声で言葉を返してくれる小さな影を見送って、疲れを感じながら奥に引っ込む。 遊園地でショーを行う日々も慣れたものだが、何故か子供の視線は自分に疲れを感じさせた。 付けていた顔を半分覆うタイプの仮面を外して、机に突っ伏する。 手品師といえばお道化た中性的なイメージがどうにも強いらしく、その演技を強いられているのも原因の一つだろうか。いつの間にかそれが癖になっていたせいで、前ほど苦労はしていないけれど。]
連日ってのも考え物だよね。少しくらい休日をくれてもいいと思わない? …なんて言っても、君には分からないか。
[愛犬家で知られているスタッフが連れてきた犬に話しかけていると、外から微かな泣き声が聞こえてくる。]
(10) 2014/03/12(Wed) 18時頃
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[泣き声のする方に向かおうと扉を開く。くるくる廻るメリーゴーランドは今日も盛況のようだ。 白馬に女性が乗って、傍らには男性が立つという微笑ましくない光景も見てしまった。独り身の自分には辛いものだ。]
…あぁ、あの子かな。
[道端で泣いている子供に手を差し伸べる大人はいなかったらしい。近付いて声を掛ける。]
迷子? お父さんとお母さんは?
『…分かんない、はぐれちゃったの。』
[まあそうだろうなと、返答に苦笑する。 親の居場所が分かっていれば泣かないだろうし、そもそも一緒にいるだろうから。]
そっか、それは寂しいね。 でも泣かないで? 幸せが逃げちゃうよ。
[それは溜息だと指摘する者はおらず。ハンカチをくしゃりと握り潰し、3つリズムを刻む。 瞬間、ハンカチの中から現れたのは薔薇。少女は顔を輝かせ、凄い凄いと騒いだ。]
(11) 2014/03/12(Wed) 18時頃
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うん、泣き止んだね。 お姉さんと一緒に行こう? きっと親御さんもそこで待っているはずだから。
[流れている放送を聞き、目の前の少女と照らし合わせて手を差し出す。薔薇はショーで使えなかった分だから、スタッフに怒られもしないはず。 迷子センターで待っていた親と少女を引き合わせて、帰ろうとした時。自分の服の裾をくいっと引かれた]
『お姉ちゃん、魔法使いさんなんだよね? あのね、明日も見せてほしいの! お願い!』
[慌てて謝る女性に、いいんですよと首を振る。少女の頭を一撫でし]
じゃあ、明日の午後2時にイベント広場においで。 いつもそこでショーをやってるんだ。
[その小さな頭が頷いたのを見れば、小さく会釈をして再び荷物を取りに戻る。 ――明日はいつもより豪華にしてあげようかな。 そんなことを思いながら**]
(12) 2014/03/12(Wed) 18時頃
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[女の子は大体甘いものが好きだ。 ケーキとかパフェとかアイスクリームとか。
おれは、そういうものを作るのが得意で、好きだ。]
おい、盛り付けたぞキウイのソルベ。 溶けねえうちに持ってけ兄貴。ほら早く。
[シンプルながらもかわいらしいグラスに盛り付けたそれをウェイター、もとい兄に手渡し席へ持っていくよう促す。]
言っとくが給仕ついでに女の子ナンパすんじゃねえぞ。 義姉さん泣かしたら本気でしばく。
[こうやって釘を刺しておくことも忘れない。 …先月。顔と要領と人当たりのいい兄は、甘いケーキを餌にまんまときれいな嫁さんを娶ることになった。
さようならおれの初恋。 ついでにあの試作品ケーキを無断でプロポーズに使った報いはいずれ受けてもらう覚えてろ。]
(13) 2014/03/12(Wed) 19時半頃
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[昔ながらの純喫茶を改装し、女の子受けするカフェとしてリニューアルオープンしたのが三年前。 両親は改装を期にさっくり引退し、おれと兄が後を継いだ。
目論見通り、おれの作った料理や菓子類と見目麗しい兄目当てで女の子がわんさと来るようになり。
しかし、それでもおれはさっぱりもてなかった。 まあそりゃな、料理人兼パティシエとか裏方だもんなくそう。 容貌も中の中となりゃ、まあ致し方ないのか。]
…買出し行ってくる。 ケーキやタルトはショーケースに入れてるからそれでしのげ。
[ひらと手を振り、裏口から店を出る。 あの試作品ケーキ、まだ客に出すには一味足りない。 さてどうしたもんか…。**]
(14) 2014/03/12(Wed) 20時頃
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截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/12(Wed) 20時頃
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――2014年3月某日・都内某所 路上――
[最初に感じたのは、衝撃と音だった。
ドスン、とかガツン、とかいう鈍い音と、それにそぐわない強烈なベクトルが身体に加えられる。 ぶれる視界はあっという間に平衡感覚を失い、自分がどこを向いているのかも分からない。
ぐるぐると回転する世界に思考ごと持っていかれたようで、頭の中をめまぐるしく何かの残像が浮かんでは消える。 果たしてこれは眼球がとらえた映像なのか、混乱した脳が見せる幻影なのか。
処理能力を上回り押し寄せる情報に、けれど、どこか冷静な自分がいた。 じゃりじゃり、と、アスファルトを擦る感触。最後にぐるん、と身体が半回転した気がする。何かにぶつかって止まったのか、単に慣性が失せたのか。
いずれにしろ、仰向けで止まって拓けた視界には、春らしい薄い色の空が映り込んでいた。]
(15) 2014/03/12(Wed) 20時半頃
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(――――良い天気、)
[ちらりと場違いな感想が沸く。 身体を動かそうにも、瞬きひとつ自由にはならなかった。
路面に擦れた箇所だけでなく、全身を痺れと熱のようなものが覆っている。さっきから意図に反して、投げ出した脚のほうがぴくぴくと痙攣していた。
痛いはずなのに、痛いと思う神経が焼き切れてしまったかのように、遠い。 開きっぱなしの眼球がひりつく。目を閉じたい。やけに喉が渇いていた。そして。]
(……ああ、なんだ)
[唐突に理解する。 誰かの喚く声。慌てた人の姿と足音。携帯の着信音。ざわめき。雑音。また、幻影。]
(いわゆる、走馬灯ってやつ。コレ)
(16) 2014/03/12(Wed) 20時半頃
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[人は危機に瀕したときに、命を繋ぐ手段を自身の記憶から再検索するという。 どうりで見知ったようなものばかりが浮かんでは消えるわけだと、妙に納得する。
脳に収められた記憶の奔流。子供の頃の事。ついさっきの事。どうでもいいような些細な日常の風景。かぞく。ともだち。テレビで観ただれか。道端の花。空。そら。そら。あおい。]
(なんで、……なんで、こんな)
[そう長くはない人生のプレビューを見せられるうちに、言い知れないほどの不安感とやるせなさが襲う。 先ほどから、周囲に変わらず人の気配はするのに、水の底に沈んだみたいにぼんやりとしか音が聞こえないのだ。]
(17) 2014/03/12(Wed) 20時半頃
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[遥か上空の晴天に思考が塗り潰されそうになる。 自分の決定的な何かが閉じてしまいそう。 目を背けたいけれど、どこにどう力をいれれば瞼が動いてくれるのか、もう分からなくなってしまった。
懸命に、自分が何故こんなところに転がっているのかを考えようと努めた。 朝、起きて。今日の講義は午前で終わりだったから、画材を買いに街に。そしたら、電話、そう、電話が掛かってきて、それから、それから。
沈みそうになる意識を、必死で繋ぐ。 どこか遠いところから響いてくるサイレンの、くぐもった音が近付いている気がした。**]
(18) 2014/03/12(Wed) 20時半頃
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―某時刻・とある建物の屋上―
『ゴメン…キミとは、やっぱり何か感覚が違うみたい。』
[そう言って、目の前の女子は別れの儀式を始めた。 「貴方とはもうただの友人ですよ」、とアピールするためだけの。
それをただ無感動に、少年は受け入れる。]
(19) 2014/03/12(Wed) 22時頃
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(―――こんなものか。)
.
(20) 2014/03/12(Wed) 22時頃
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[どこか現実味を欠いた目線で、その現実を受け入れていた。 自販機で缶ジュースを買うのと何も変わらないかのように。 小銭が転がる音と同義なくらいに、女子が言い訳を始める様を聞いていた。]
[曰く、デートをしても楽しそうでないこちらの姿が面白くない。 曰く、友人でも一緒に過ごしていて楽しい男子が居る。 曰く、付き合う前の方が一緒にいて楽しかった。
などなど。]
…それは。
[それは『恋は盲目』というやつだよ、口に出そうとした言葉を収める。 彼女はもう別れを決心していて、こちらの言葉など必要ないのだ。 伝えたところで、何かが変わるわけではない。]
『だから…』
[友達に戻りましょう、と。ようやっと話の終わりが始まった。 それにしてもそこに至るまで実に45分の時間を要しているのだから、なるほど「彼女はそれだけ自分のことを大切に思ってくれていたのだ」という解釈もありえるだろう。]
(21) 2014/03/12(Wed) 22時頃
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[逆の立場であったなら、少年はたった一言。
『今までありがとう、もう終わりで。』
そう言うだけで、関係を精算しようとするだろうから。]
(22) 2014/03/12(Wed) 22時頃
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[少年、進村 真墨は、まともな感性を持っていなかった。]
(23) 2014/03/12(Wed) 22時頃
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[買出しを終えて、おれは歩き出す。 …めんどくさい。近道を通って帰ろう。 買い物袋を抱えなおしてから、ビルとビルの隙間へ入り込む。
あ、そうだ。帰ったら試しに買ってきた紅茶を淹れて………]
[歩きながら思考していたおれの頭上。]
[開いていた窓から、でかい植木鉢が落ちてきて]
[気付きはしたが、避けるには遅かった。 そいつは見事に頭に直撃。そして、意識は暗転する。**]
(24) 2014/03/12(Wed) 22時半頃
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截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/12(Wed) 22時半頃
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『おとーちゃん!おとーちゃん!!あさだよー!!』
[寝ぼけ眼で目覚ましを止め、二度目の眠りに身を任せようとしたのだが、その願いはけたたましい声で破られた。]
…――あと5分…
[その願いも空しく、敵は容赦なくこちらの布団を剥ぎ取り、そのまま全体重をダイブさせた。]
ぅぐッッ!!――…ハナ、お前もうちょっと優しく起こせって…
[そういいながら上に飛び込んできた少女を抱いてようやく目を開く。今日もいい天気だ。]
(25) 2014/03/12(Wed) 23時頃
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『おとーちゃんおきろー!おきろー!!』
んだとぉ…?――起きないって言ってるだろー!!
[自分の上でじたばたとはしゃぐ少女――ハナ。 それを抱きしめ、横たわったまま自分の無精ひげをぐりぐりと滑らかな頬にこすり付けると、少女はきゃあきゃあと身を捩りながら逃げようとする。 そうやってしばしじゃれあってから、はたと時計を見た。]
やっべ、ハナ、朝ごはん食べるぞ!
[そういいながら台所に向かう。米は昨日のうちにセットしてあるのでそのまま手早く朝食を作ろうとする。 あ、また目玉焼き崩れた。いいやスクランブルエッグで。]
(26) 2014/03/12(Wed) 23時頃
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[そんな俺の後ろからハナが背伸びをして食器を取り出しながら声をかける。]
『おとーちゃん、おちゃわんだしとくねー』
おー、ありがとなー。
[スクランブルエッグに悪戦苦闘しながら返事する。
この生活もようやく3年。最近は何とかこうやって食べられるものを作ることができるようになったが、最初はそれはそれは酷いものだった。
あの頃まだ幼かったハナも今年の春からは小学生だ。今では立派にお手伝いしてくれる。]
(27) 2014/03/12(Wed) 23時頃
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[二人で朝食をちゃぶ台に並べ終えるとようやく落ち着いた。]
いただきます…!
[忙しい朝もこうやって必ず朝食を食べるようになったのはひとえに妻のおかげだ。 その妻当人は、今はここにはいない。]
『おとーちゃん、またたまごしっぱいしたでしょ。』
しょーがねーだろー、そんな日もあるんだよ。
[卵をつつくハナにそう返しご飯をかきこむ。悔しいが料理は苦手だ。]
(28) 2014/03/12(Wed) 23時頃
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[そうして今度は着替えだ。 俺は仕事着に着替え、ハナは保育園の制服を着る。保育園に入った頃はボタンどころか服も自分で着られなかったのに、今では完璧だ。]
――ほら、母ちゃんに挨拶してからいくぞ。
[そういってハナを呼ぶと、二人で仏壇の前に座った。]
『おかーちゃん、ほいくえんいってきます』
[そういってハナが手を合わせる先の写真――ユキ。ハナの母親であり、俺の妻だ。 いや―――妻、だった。]
――…よっし、今日もいくぞー!!
[そういって顔をぴしゃりと手で叩く。写真の中の笑顔は変わらない。 今日もいつものように一日が始まる。]**
(29) 2014/03/12(Wed) 23時頃
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……はぁ。
[口から出るのはそんなため息。この時間は社員達の通勤も終わり、営業に出る社員もあらかた出払ったために、通る人影はまったく見えない。 アポイントもこの時間はないので、遠慮なくカウンターに両肘をついていた]
『どうしたの須藤、元気ないわね』
いいえ、何でもないです。大丈夫ですよ。
『そう。なら肘をつくのは止めておきなさい。行儀悪いわよ』
[隣に座る先輩社員が声をかけてくる。何でもないわけはなかったのだが、ひとまずそんな言葉を返した。 そうすれば帰ってくるのは小言。はぁい、と気の抜けた返事をしながら前を見る。 ――あんなことがあった直後だと言うのに、大丈夫な訳がない]
(30) 2014/03/12(Wed) 23時頃
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[この会社に勤めて、そろそろ2年になるか。先輩や同期と軋轢がないとは言わないが、なんとか働いている。 配属されているのは本社ビルを入ってすぐの案内カウンター、いわゆる受付嬢だ。 華やかな職場だと思われがちだが、実際はそうでもない。真冬は自動ドアが開くたびに凍える北風が真正面から吹きこんでくるし、これから少し季節が過ぎればヒーターもかくやと言う熱風に炙られる毎日が始まる。 どちらにせよ、肌に悪い過酷な環境なのだ。うっかりクレンジングをし損ねて眠ってしまえば大変なことになる]
(――本当、昨日あんなことがあったのに。どうして私、こんな風に出来てしまうのかしら)
(31) 2014/03/12(Wed) 23時頃
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――でも、いまは仕事が楽しいから。 おばあちゃんには悪いけど、お母さんのほうで、お見合いの話は断っておいて。
[祖母が持ち込んだ、何回目だかの見合い話。 両親は強く言わないけれど、そういう期待をしている雰囲気は、イヤでも判る]
……うん、そうする。きっと、GWの連休には帰るから。
[去年のお盆も、年末年始も、同じことを口にしたけれど、帰らなかった。 顔を合わせたら、もう三十路近いんだからと、言われることが目に見えていたからだ]
うん、それじゃ……またね、お母さん。
[ぱたんと電話を切って、溜息を吐く。 深夜残業の真っ只中に、暗い給湯室でするには、いささか気が滅入る話題だった]
(32) 2014/03/12(Wed) 23時半頃
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『ごめんな。君の気持ちには、応えられない』
[大好きな人の唇から、不思議な言葉がこぼれてくる。自分に向けられているということははっきりと分かっているはずなのに、まるで他人事みたいだった。 ぎゅっと自分の手を握る。爪が手のひらに喰い込んで微かな痛みを伝えてきた]
…――さん。
[彼の名前を呼んだ筈なのに、その声はかすれて意味をなさない。力が抜けてだらりと下がる両手の痛みが、これが現実だと強く刻みこんでくる。 彼の姿を見る事も出来ずに、目線は足元を彷徨うだけで。音もなく踵を返して立ち去っていくブラウンのシューズが目に入る。 辛くて苦しくて見て居られなくて、両手で視線を覆い隠す。そうしたら今度は靴音がだんだん遠ざかっていくのが耳元に大きく響いて来た]
(33) 2014/03/12(Wed) 23時半頃
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――っ!
[両目からどっと涙が溢れてくる。それは『やっぱり』と言う気持ちと、『どうして』と言う気持ちのせめぎ合い。 懲りることなく何度も経験しても、慣れる事のない痛み。本当にもう終わってしまったのだと言う残酷な現実を理解して立ちつくす自分に、冷たい雨が打ちこんでくる。 彼の為に新調したスーツが濡れてしまう、と思いながら。もう『彼の為に』なにかができる訳でもないのに。 さざめく雑踏の中、どうやってアパートまで戻ったのかも覚えていなかった。気がつけばいつも通りに、朝になれば目が覚めていたのだ]
(34) 2014/03/12(Wed) 23時半頃
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……はぁ。
[そして再び出る暗いため息。先輩は今度は何も言わなかった。 自分自身でもどうにもならないものが、どうにかなると思わなかったからかもしれない。 憂鬱な一日は、始まったばかりだった]**
(35) 2014/03/12(Wed) 23時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2014/03/12(Wed) 23時半頃
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……年度末で忙しいのに、もう。
[社会人経験のない専業主婦の母は、そのあたりの感覚に疎い。 疲れ果てて惰眠を貪っている土曜日の朝に予告なく訪ねてきたり、 定時時間内にも電話をかけてきたり、そういったことを平気でする。 悪気はないのだろうが、イラッとすることがないかといえば、嘘になる。
今の電話だってそうだ。 仕事中だと言ったのに、結局、二十分近くも付き合わされた。 挙句が、『そろそろ私も孫の顔が見たいし、会うだけ会ってみたら』なんて。 すぐ子供を産む前提で話されたら、どんなにいい相手だって、会う気がなくなるというものだ]
(36) 2014/03/12(Wed) 23時半頃
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――某日、少し前――
『コウタ。お前、最近ちゃんと母さんと連絡取ってるか?夕べ話したけど、心配してたぞ』
[電話口から聞こえる慣れ親しんだ声に、槇村康太はうんざりと顔を顰める。 まだ三十にもならないというのに、実の兄は非常に説教臭い。聞いてる?返答を促す言葉に、ああ、うん、などと適当な相槌を返した。
嘘吐け、面倒臭がってんだろ。続いた言葉にうぐ、と声が漏れた。察しがいいのは昔からだが、今の職に就いてから磨きがかかったように思う。]
……にーちゃん、父さんに似てきたなぁ。…ん?いや、マジマジ。今のうそつけ、の言い方とか、ほんとそっくり。はは。
[実際兄は、年を重ねるほど父の面影が濃くなっている。 自分よりもがっしりとした肩幅も、落ち着きのある錆を含んだ声も、生きていた頃の父によく似ていた。
父に憧れ、その後を着いていくかのように同じ職に就いた兄。揃いの制服を見せられて良かったと、いつか嬉しげに語っていたのを思い出すと、自然と笑みが零れる。]
(37) 2014/03/13(Thu) 00時頃
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分かってる、今夜にでも電話するよ。…大丈夫だって、無理なんてしてないし。 東京だって人ごみばっかじゃないじゃん、おっきい駅避けてるし近くなら歩くから。うん。そっちこそ気ィ付けて。恨み買う仕事なんだから、さ。
[父さんみたいに、殉職なんて冗談じゃないから。 言いかけた言葉は飲み込んで。じゃ、また。短く挨拶を交わして、通話を切った。
こんな昼間に掛けてくるのは珍しい。大抵は夜か、早朝にたたき起こされるかのどちらか。 痺れそうな片手で買った画材を抱え直した。]
けーさつかんて、ちゃんと休みあんのな…。ああ、昼休み、とかかなぁ。
[ひとりごちて、歩き出す。バイトの前に、この大荷物を自宅に置いてこなくてはならない。
人通りの多い大通りを迂回して、狭い横道に入る。そのまま細い道を辿っていけば、十五分程度でアパートに着くだろう。 狭い割には車通りの多い道を歩く。首都とはいえ大きな道を外れればどこもこんなものだ。
慣れた近隣のドライバー達は、ちょっと驚くくらいの速度を出して車同士がぎりぎりすれ違えるような路地を走っていく。そのくせ、歩いている人や遊んでいる子供も少なくはないのだ。]
(38) 2014/03/13(Thu) 00時頃
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そんでも、電車とか広い道よりはマシ、だけど。
[ふ、と息を吐いて。歩きながら眺めていた、携帯の画面から視線を上げた。 開かれたままの検索画面に表示される履歴。
「人肌 アレルギー」 「人肌 苦手」 「人肌 苦手 病気」 「人肌 嫌い 治し方」
似たような文字列が並ぶ。何度も調べてみたけれど、納得いく結果に出会ったことは無かった。
彼は、人が大勢いる場所を歩くことが出来ない。 病的なまでに他人に触れることが出来ない体質だった。**]
(39) 2014/03/13(Thu) 00時頃
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[思えば、生まれた時から何かがずれていた。 生まれてこのかた欲しいものなど何もなく。 生きてきて今まで目指す先など無く。 子供のころは己の異質さを隠すことが下手だった。 何か欲しいものはある?という質問に『明日』と答え、 大きくなったら何になりたい?という質問に『大人になりたい』と答えたのは家族の間で笑い話として語り継がれている。 無論、真墨本人は真面目な回答だった。]
[思春期というなら、自身の特異さに気付くことこそ彼の思春期の芽吹きだった。]
[だから、彼は『普通の人間』を目指した。 欲しいものは『普通さ』。 なりたいものは『人間』。 思春期の年代なら惚れた腫れたの一つや二つもあるだろう。 そう考え、自分に好意を抱く女子と何度か蜜月の時を過ごした。 それが、真墨にとって蜜月と呼べるものだったかはさておくとして。]
(40) 2014/03/13(Thu) 01時半頃
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[薄い絵の具を落としたような、春色の空を背景に、色鮮やかな鳥が空を飛ぶ。 どことなく不自然なはずのその光景に、気づく者はほとんどいない。]
ぼーくらはみんなー いーきているー♫ いきーているから
[愉しげにピーチクパーチク歌いながら、ばさばさと翼をはためかせ飛んでいたすぐ近くの建物。 その窓辺から何かが下へと落ちていく。(>>24)]
いたいよねえー♪
[ばさり、と植木鉢があった窓辺に止まると、首をくるりと傾けて下の様子を見る。 見届けるまでもなく、どうなるかは知っているんだけどね。 何か起きたのかと集まりだした人々を尻目に、艶やかな鳥は、またばさりと羽を広げて空を舞う。**]
(41) 2014/03/13(Thu) 01時半頃
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[終わってみて、最初に抱いた感想は『こんなものか』(>>20)、だった。]
[人の想いを踏みにじっておいて、たった一言の感想。 たとえ批難されようと罵倒されようと、この感想は変わらないのだろう。 それが、進村 真墨の本心である限り。]
[別段両親が不仲だったとか、虐待を受けたとか、幼いころからいじめられていたとか、周囲の愛情不足だったとか、幼いころ出会った人物に影響を受けたとか、有害図書を読んでしまったとか、その他不幸な偶然によって人格が破綻したとか、そういうわけではない。 逆に、皮肉なことに―――真墨本人が思うよりもずっと、彼は彼自身の目指す『普通な』『人並みの』境遇に生まれついていた。]
[唯一、彼の感応性を除いて。**]
(42) 2014/03/13(Thu) 01時半頃
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[既に組まれているデザインを、淡々とデータにおこして行く。気になる部分があってもお構い無しだ。 言われたまま、右から左に作業をこなしていく。 時間がない、予算がない、デザイナーのプライドが高い。 妥協する理由ならいくらでもあった。]
(…朱に交われば赤くなる。 2年も過ぎれば腐った林檎の出来上がり、ね。)
[作業の区切りに腕を伸ばすと、こきりと首の骨が鳴る。 オフィスの窓の外、ビルの谷間に見える空は柔らかい水色。 ため息をついて視線をデスクの上に戻せば、無造作に置かれた栄養ドリンクの空瓶が目に入った。**]
(43) 2014/03/13(Thu) 03時頃
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[パチン、という音と共にコンパクトのふたを閉める。 家はさっさと出てきてしまったので、学校につく前に、少々化粧直しをしなくては。 鏡を眺めれば、どこにでもいる普通の女子高生がこちらを見返す。 それがあたし自身だという事に、未だに慣れない。
電車に揺られながら、今朝見た夢の事をぼんやりと考える。 あの日々のことが、誰かにばれるのは、まぁ時間の問題だろうと思う。 けれど、興味を持たれなければ、掘り返されることもない。 目立たなければ、他の興味で忙しければ、あの子たちはあたし自身になんか、構いやしないだろう。 なんせ、友達と呼ぶ相手の、本名すら忘れている連中だ。]
『おはよーミル!』 …おはよ、るり。
[改札を出れば、待っていたのだろうか、声をかけられた。]
(44) 2014/03/13(Thu) 06時半頃
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[高校に入ってすぐ、女子がグループみたいなものを作り始めるころ。 あたしはほんの少し派手で、化粧と恋愛話にしか興味がなさそうな子達を選んで近づいた。
ねぇ、どこの化粧品使ってるの。 すっごく良い匂い。
適当に持ち上げてやれば、あっさりと、その中に入り込めた。 排除されないこと、攻撃を受けないこと。 今の所、成功していると言えるだろう。 クラス替えの時には少し警戒してしまったけれど、何のことは無い、クラスが変わったところでグループは崩れなかった。 新しいメンツを増やしながら、毎日がだらだらと流れていく。]
『ねーミルフィ、今日放課後、時間ある?』 …何? 『またね、相談、乗ってほしいの!』
(45) 2014/03/13(Thu) 06時半頃
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[ちらり、と脳を今朝の事が過る。 けれど、あたしはそれを無視することにした。 今日もあの人が早く帰ってくるのかは分からない。 けれど、とりあえず顔を合わせたくないと思ったから。]
…いいよ。昨日のファミレス? 『うん!あそこ、良いよねぇ、チョコサンデーがすっごく美味しくて!』
[そのままスイーツの話をしながら、学校へと向かった。 そんな、平凡な、日常。 ありふれた、一日。 何故だか、そんな日がずっと、毎日毎日続くんだって、思ってた。
笑っちゃうくらい、当たり前に。]
(46) 2014/03/13(Thu) 07時頃
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[放課後、結局ファミレスに集まるのはいつものメンバー。 るりはあたしの他にも、あんずにも、あかねにも、ゆーりにも、声をかけてたみたいだった。]
『それでね、それでね私、先輩にね、告白しようと思うの!』
[るりの宣言に、きゃーっと場が涌く。 話を纏めれば、どうやら憧れの先輩が、フリーになったから告白しようと思う、ということらしかった。 …なんて、短絡的な。
その先輩が、フラれたにはフラれただけの理由があったって、思わないのかな。
その疑問は口にすることなく、あたしも無駄にテンションを上げる。 相談、とは名ばかりで、ただ、話したかっただけなのだろう、ということは、暗黙の了解で分かっていた。]
『きっと、先輩今フラれたばっかで寂しいと思うの、だから私がね、慰めてあげるの!!』 『わー、るりったら、超献身的じゃーん!』 『めっちゃ良い嫁になるタイプだしー!』 『先輩も、いちころだってー!』 『えへへ、そうかな、そうかな?』
(47) 2014/03/13(Thu) 07時頃
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[はたしてそんな、押しつけの好意に、喜ぶ奴はいるのだろうか。 それは偽善…ですら、ないような。
あたしはメロンソーダをずるずるとすする。 るりが告白しようとしている先輩が、一体どんな奴何だか知らないが…そんなちょろい奴だったらむしろ心配だなんて、そんなことを斜めに考えていた。
相談という名の駄弁りは、だらだらと続く。 制服姿でいられる限界の時間まで喋り倒し、そのまま皆と別れた。 駅が一緒のるりと暗くなった道を歩く。]
『ね、ね、ミル。』 なぁにー? 『ミルも、応援してくれる?』
[振り返れば、きゅるん、という効果音が似合いそうな、るりの顔。 あたしは思わず小さく笑ってしまう。]
…もちろんだよ。
[ぽんぽんと、あたしよりも頭半分くらい小柄なるりの、頭を撫でた。]
(48) 2014/03/13(Thu) 07時頃
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うん、なんとなく知ってた。
[カフェで冷めたコーヒーをまた一口ちびりとしながら、 目の前の友人と決して明るくない面持ちで喋っている]
けど、彼女はそんな子じゃないし。 俺、もう一度話聞いてみようと思うよ。
[ちらり。かばんを横目に。 中には指輪が入っている。仕事が一段落したら渡そうと思っていたもの。 忙しくて、寂しい思いをさせていたのはわかっている。 だから、写真の中央に異性と映る女性を責める気にはどうしてもならなかった]
彼女だって俺に言いたいことはあっただろうから。
(49) 2014/03/13(Thu) 07時頃
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多分、俺が同じ立場でも浮気するわな。 …。自分は忙しいんだから相手にも我慢しろって、ただの横暴だよね。 だったら最初からつきあっちゃいけないんだって。
[ホテルから出てきた所をわざとかという程見事に撮られた一枚を手にしてため息一つ]
あれかなぁ。結婚前だからって手を出さなかったのも やっぱり嫌だったのかな。俺頭古いのかも。 あ、ここ俺のおごりね。メシ注文するならはよせいな。
[こちらの悩みは所詮他人ごと、ガツガツとオーダーし始める友人を横目に、若干青みのかかった目は窓越しに道行く人を見つめている]
(50) 2014/03/13(Thu) 07時半頃
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[ソファの脇においていたポートフェリオを見ながら、 彼女に手を出さなかったことを後悔するべきか迷っている。 そういえば会社にいたな。やたら色々着込んでるアルバイト君]
そういえばさ。
[何?という顔で見上げてくる友人の顔は間抜けだった*]
この写真、顔出さなければ使っていいかな。 こう…ここらのね、テクスチャーが面白く映っててね 使えそうだなーって。
(51) 2014/03/13(Thu) 07時半頃
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―昼休み・校舎の屋上→教室―
[さて、長くて短い時間を過ごして自分の教室へと戻った真墨は、既に先程の話が周囲に漏れていることを知った。]
…どこから?
[友人にそう聞くと、「壁に耳あり」と返ってきた。 つまりは誰かに聞かれてた、ということらしい。]
(……あの子が気まずくなってなければ良いケド…。)
[フラレた後だというのに、フラレた相手のことを心配する。 真墨の心に、失恋の痛みだとか喪失感だとかそんなものは存在しなかった。*]
(52) 2014/03/13(Thu) 08時頃
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[昼休み、コンビニで買って置いたパンを齧りつつメールをチェックする。先月辞めて行った後輩くんのメールをフォルダの隅にみつけて、手が止まった。]
(あたしも会社辞めれば良かったのかなー…。でも、辞めたところで次の仕事のアテもないし。)
『田端ちゃん、コレも追加でお願い。』
[思考を断ち切るように、ばさり、とデスクの上に置かれた紙束とメモリ。営業さんの顔をちらりとのぞくと、申し訳なさそうな色が浮かんでいる。]
(53) 2014/03/13(Thu) 12時頃
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はぁーい。
[パンの包みをくしゃくしゃと丸めてビニール袋につっこむと、コーヒーを片手に、紙束に手を伸ばす。]
『ホント、田端ちゃん入ってくれて助かったよー。お客さんワガママでさ、悪いけど来週末迄によろしくね。』
[仕事は山のようだし、頼まれれば無碍にはできない。 今の仕事は思い描いていたものとはかけ離れている。新入社員の頃は自分も後輩くんのように納得行かないことに物申していたはずなのだけれど。]
(54) 2014/03/13(Thu) 12時頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2014/03/13(Thu) 12時半頃
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んじゃ、俺行くから。これ持っていかないといけないし。
[まだ料理を頬張っている友人を置いて席を立つ。 会計伝票を持って支払いを済ませた後、のんびり下請けの会社に向かう。 なんか上の空だ。どうしたものかな、と。
持っているデザインは奇しくもブライダル関係のものだったのがなんか腹立つ]
(55) 2014/03/13(Thu) 17時半頃
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[新しいアトラクションが建設されるらしく、既に形が出来上がりかけているそれを人々は眺めながら歩く。 やはり絶叫マシンが人気だから新しく増やすのだと、スタッフに聞いたことがあった。]
(へぇ……確かに見かけなら立派なものだね。 中身が面白いのかは知らないけど)
[そういえばこれが完成したら、記念に大々的なショーをやるように言われてるんだっけ。 考え事をしながら通り過ぎようとしたその時。]
[――上から大きな音を立てて落ちてくる鉄柱が、自分の体を貫いた。]
[焼けるような痛み。叫び声が何処か遠くに聞こえてくる。 そこで意識は途切れた**]
(56) 2014/03/13(Thu) 17時半頃
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[携帯をポケットに押し込んで歩く。 次の角を曲がると少し道幅が広がり、神社のある通りに出る。そこから少し先まで歩けば、もう自宅はすぐ側だ。
通りがかるマンションの出入り口で、主婦と思しき住民が井戸端会議に興じている。 通りの向こうに可愛らしい塗装のバスが停まり、お揃いの制服を着て園児バッグを提げた子供が駆け寄ってくる。住民の子供だろうか。
ちらりと腕時計を見遣る。まだ夕方には遠い時刻。 と、再び甲高い着信音。片手に荷物を持ち直して、携帯を引っ張り出す。
見知った名前。あ、しゃちょうだ。呟いて、通話ボタンを押した。**]
(57) 2014/03/13(Thu) 18時半頃
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截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/13(Thu) 19時半頃
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―数日前の話―
まいどどうもー。お茶とお菓子の配達です。 会議室って聞いてるんですけど。
[うちの店は純喫茶時代からお茶や軽食の出張サービスを承っている。 が、しかし両親はそろそろ足腰にガタが来ていて兄は定休日以外店兼自宅から出ない主義。 必然的に、配達はおれの仕事になる。 この時だけおれはウェイターの服装に着替えるけれど、やはりどこかさまにならないのはタッパのせいか。]
配達担当がフツメンなおれで申し訳ないですね。 目の保養にならないのは知ってます。…ははは。
[先輩格らしき受付嬢の言葉をいつものようにさらりとかわし、サンプル代わりに個包装されたパステルカラーのマカロンをいくつか受付のデスク上へ。]
ま、そのマカロンが気に入ったら店に来てください。 おれと違ってイケメンの兄がお出迎えしますから。
[ひらひらと手を振り、注文された物の入ったトランク片手に会議室へ。 お茶は会議室に着いてから淹れるのだ。]
(58) 2014/03/13(Thu) 20時頃
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截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/13(Thu) 20時頃
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―数日前の話、その2―
[赤い屋根に白い壁、屋根の天辺に年季が入った本物の風見鶏が風に揺られてくるくる回る。 その建物がうちの店。ちなみに風見鶏は純喫茶時代からのトレードマークだ。]
[配達を終え、おれは表から堂々とトランクを手に舞い戻った。 放課後だからか、女子高生の子達が甘いものをつつきながらおしゃべりに興じている。]
季節限定のスペシャル苺パフェもよろしくな、お嬢さん方。
[彼女達の話の邪魔をしない程度に宣伝してからキッチンへ引っ込む。 ううん。たぶん化粧しなくてもかわいいんじゃないだろうかあの子達。 いやま、それを口にしない程度には大人だけどなおれ。]
さて、晩飯の準備でもしますかね。
[冷蔵庫を開け、中身を確認。 大分野菜が余ってるし、今日はミネストローネにしようか。]
(59) 2014/03/13(Thu) 20時頃
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……ふう。
[終電までの残業が三日続くと、さすがに辛い。 疲労と眠気で麻痺した脳は、それでも、本能のようなもので家路を歩ませる。 吊り輪を掴んでうとうととしていても乗り過ごすことはないのだから、不思議なもので。
疲れた身体を引き摺って、電車を降りて。 駅前のコンビニで、350ccのビールを一本だけ買って、家までたどり着いた。 熱いシャワーと、そのあとのビール。それが楽しみで、毎日の残業地獄を耐えているようなものだ]
……さ、明日も頑張ろう。
[何のために頑張るのかは、よく判らない]
(60) 2014/03/13(Thu) 20時半頃
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[キッチンで調理をしながらも、彼女達の話は案外キッチンまで筒抜けだったりして。]
コイバナ、かぁ。 …とんと縁がないよなあ。
[いわゆる彼女いない暦イコール年齢というあれだ。 色恋沙汰になるような容姿じゃないのはおれ自身がよくわかっている。]
…ホワイトデーも近いし、菓子の売り上げはもう少し上がるかね。
[色恋沙汰のイベント事も、おれにとっては絶好の書き入れ時でしかない。 ま、フツメンのおれが消費者視点で関わることはないだろうな。**]
(61) 2014/03/13(Thu) 20時半頃
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截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/13(Thu) 20時半頃
截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/13(Thu) 20時半頃
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[荷物を片手に、スマホをいじる。 あのアルバイト君、たまにご飯を食べる仲だけど、 今日はどうだろう?彼のシフトはよくわかってない。 知り合いの知り合いという程度だけど、 たまにご飯一緒したりはするし、彼女居る話程度はしていた]
…だめだ、今誘ったらグチしかでぬわ。
[はー、と盛大にため息をついて歩きスマホ。 自分はモテる部類だとは思っている 学生の頃は散々遊んだりしていたから、そのしっぺ返しというところだろう]
(62) 2014/03/13(Thu) 20時半頃
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[気分はあまり、良くはなかった。朝から、母が電話してきたからだ。 昨晩は、仕事で疲れていたから上手く説得できなかったと思ったらしい。 一晩あけて爽やかな気持ちになれば、見合いをして孫を産む気になるかといえば、そんなわけはないのだけど]
まったく、母さんは……、……何だろ?
[早朝、普段は静かな倦怠感に満ちている駅前が、やけに騒がしかった。
――奇声、といっていいだろう。 わけのわからぬことを喚き散らす男が、駅前で独演会を繰り広げていた。
幾人か、それを遠巻きにして眺めているようだったが、警察の姿はまだない]
なんですかね、あれ……?
[その場にいた一人に、小声で訊ねる。 お互いに名前もなにも知らないけれど、同じ時間帯に同じ駅から乗っていれば顔くらいは覚える。 先方も小さく会釈を返してきたあと、判らないと肩を竦めた。 関わり合いにならないほうがいい。もっともだと、無視して改札に向かおうとしたときだった]
(63) 2014/03/13(Thu) 21時頃
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『うぉえら! っれを、うしすんらぁねぇぇぇぇぇ!!!』
[それを邦訳すれば、お前ら、俺を無視すんじゃねえ――といったところだったのだろう。 どんっと、体当たりされるように突き飛ばされて、アスファルトに前のめりに突っ込んだ。 悲鳴を漏らしながらも、どうにか手は付けたから、顔は守ったけど。 膝からいったから、ストッキングは駄目だろう。ほぼ確実に、伝線しているに違いない。 着替えに戻ったら、何分無駄になるだろうか。いや、こんな騒ぎになったら、そもそも警察が出てくるだろうか。 あとは、転んだときに捻ったのか。脇腹が、なんだか熱いような気がして、手で触れた]
……え。
[ぬるりとした感触に、視線を落とせば。 掌には、べっとりとした赤。紅。朱。緋――溢れ出る色が、地面に]
な、なに、これ……。
[悲鳴と怒号が、飛び交っていた。 でも、それはもう、知らないところでの話だ。 急激に寒く暗くなる世界で、ぼんやりと。こんなことになるのなら、母の勧めに従っておけば良かったかなと――*]
(64) 2014/03/13(Thu) 21時頃
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[今回は本気だった、というか、社会人になって友人がデキ婚したりシングルマザーやファザーになったり。 でもって某匿名掲示板や某検索サイトの知恵袋とか見ていると こういう性格はきっと痛い目を見るにきまっている。 色々世間を見ているうちに我がふりも直そうと思った次第。 直したつもりになった途端にこれなので苦笑しかもれない]
はー。話するしかないよなぁ。
[今回は本気だったのに。 だから、会いたいとメールを送る。彼女へ。 画面を見ながら返信を待つ。いや、相手は仕事中なのだから 来るわけないのだが。
そして、歩行者の信号が変わるのと、大きな車の音が聴こえるのと メールの着信音が来るのは同時のこと。
横断歩道で視界が反転して、体に物凄い痛みが走って、 自分とスマホと、かばんの中身の小さな箱が別々の方向にふっ飛んで。
(65) 2014/03/13(Thu) 21時頃
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[周りのガヤガヤが遠くにきこえる。 目に映ったのは、遠くに落ちた、液晶の割れたスマホ。 あれ?さっき着信なったのに。 きっと彼女からなのに。
おかしいな。体が動かない。早く返信しないと。 待たせたらまた嫌われてしまう。荷物、拾って。 あれは会社の大事な……*]
(66) 2014/03/13(Thu) 21時頃
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截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/13(Thu) 22時頃
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―夜・自室―
[真墨は机に座りペンを走らせる。 授業の予習、試験範囲の復習―――勤勉、と評するに相応しい学徒のありかただった。 しかし、それも真墨にとっては「学生は勉強するものだから」という固定観念から来る行動。 やはり、どこかいびつな理由だった。]
『―――ブー…!ブー…ッ!』
[音楽すらかけていない静寂に満ちた自室に、携帯のバイブレーション音が響く。]
[着信はメールだった。画面上の文字を真墨の目が追う。]
え…今から?
[メールで「今から会わないか」と誘ってきた後輩に、思わず声がが出ていた。 もう夜も更け周囲は暗く、少女が出歩くのはとても推奨されない時間だ。 家の前に居る、というメールの内容を信じて真墨が窓の外を見ると、春先の寒空の下笑顔で手を振る人影。]
(67) 2014/03/13(Thu) 22時半頃
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ちょ、ちょっと…!
[急いで部屋着から着替え、ダッフルコートを羽織って家の外へ。 真墨の奇行は今に始まったことではないと、家族は出かける真墨を見送った。]
『あ、先輩だー!』
[ケラケラと笑う後輩の少女に、慌てて出てきた真墨は肩透かしを喰らう。家まで送るから帰りなさい、と少女へ促すが、まあまあ夜の散歩でもしましょうよー、といなされてしまう。 真墨は、どうせ一人で帰すわけにもいかないと、二人で散歩することになった。]
[ちなみに、セールスの世界ではこういった「相手が自分の話を聞かざるをえない状況に陥らせ、自分の要求を通す」というテクニックが実在する。 無意識に行っているとすれば、この少女は中々の手練れだと言えるだろう。]
(68) 2014/03/13(Thu) 22時半頃
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― 夜・駅のホームで ―
(……少し飲み過ぎたかな)
[金曜日の夜。明日は休みだからと友人たちと集まって酒の席を開いたのだ。 当然話題は自分の事が中心になる。結局今度も実らずに消えた恋。 奢るからという建前で酒の肴にされる腹いせに、高価でかなり強い酒も結構飲んでいたのだ]
(うん、真っすぐ歩けてる。大丈夫大丈夫)
[駅のホームの白線に沿って真っ直ぐ歩く。既にそんな思考に捉われる事が酔いが回っている証拠なのだが、そんな事にも気づかない。 そして足元をじろじろと気にしながら歩くことも、普段の彼女なら絶対にやらない行動である。 ――だからこそ、気づけなかった。赤い顔をした男が近くでふらふらしていたことに]
(69) 2014/03/13(Thu) 22時半頃
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"ドン"
え…?
[脇腹辺りに感じた感触。それと同時に感じたのは、自分の身体が宙に浮かぶ感覚だった。 見慣れた駅の天井が遠く感じる。否、遠ざかっているのだ]
(なに……? 何が、起こって……)
[無意識に伸ばした手は誰にも届かず、空しく宙を切る。 それがどういう事なのか理解する前に、体の右側から眩い光とけたたましい音が届く。 喧しいなと思いながらも、何一つ声を上げる事すらできないままに]
(70) 2014/03/13(Thu) 22時半頃
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[ぐしゃり、という音が身体の中に響く。 その音の発生源が自分である事の自覚もないままに、意識は消えてなくなった]
(71) 2014/03/13(Thu) 22時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2014/03/13(Thu) 22時半頃
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―住宅地→公園―
『ジャングルジムなんて、子供のころっきりですよー!』
[可愛らしい声が夜の静かな公園で弾ける。 猫じみたしなやかさで鉄製の棒をすいすい登っていく後輩に付き合って、真墨も一緒に遊具の上へ。]
…寒くない?
[鉄製の遊具に触ったせいで冷たくなった手をさすりながら言うと、温めてーと甘えた声を出しながら少女は両手をつきだした。]
どうぞ。
[真墨は、ポケットから使い捨てカイロを取り出して少女の手に握らせる。]
『せ、先輩…そういうことじゃないって…』
[やや呆れたような声を出しつつ、それでも少女はカイロを受け取る。]
(72) 2014/03/13(Thu) 23時頃
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『というかもう3月ですよー?なんで先輩カイロなんて持ってるんですか! やっぱり先輩って不思議な人ですよねー。』
[ニコニコと笑いながら会話をする後輩を見て、ああ、と真墨は冷めた目で目の前の光景を見ていた。 この少女は、自分に好意を持っている。 なんとなくそれを察してしまい、途端に居心地が悪くなってしまった。]
る―――…あのさ、もうそろそろ帰らないとダメだよ。
[名前を呼ぶのさえ躊躇ってしまい、目をそらしながら帰宅を促す。 少女は、そんな真墨の気持ちも知らないまま、そうですね、と言った。]
『先輩、私、同じ高校に通ってるんですよ? 気がつきませんでした?』
[言いながら、ぴょんっと腰を浮かせる。]
(73) 2014/03/13(Thu) 23時頃
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[少女の手の置き場には、鮮やかに赤い何かが―――
―――居た、気がして。**] .
(74) 2014/03/13(Thu) 23時頃
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ハイ、槇村です。お疲れ様ス。え、今日ですか?今日は影木さんの班で、夕方からです。…ハイ。素材はUSBに焼いてきたんで、──え?あはは、大丈夫っスよ。順調順調!
[電話の相手は雇用主でもあり、歳の離れた友人みたいなものでもある。 仕事に関する会話に織り交ぜ、学業の心配もしてくれる。ついこの間会った時に卒業制作の話をしたからだろうか。
康太にとっては、自分の厄介な体質にも理解を示してくれる、良き相談相手でもあった。
会話をしながら歩を進める。角を曲がって、少し広めの道路を挟んだ向こう側に鳥居が見えた。人通りも増えるが、普通に歩いて身体がぶつかる程ではない。]
ん、飯ですか?仕事、遅くまで掛からなければ全然オッケーすよ。 …あ!じゃあ、影木さんも一緒に良いすかね。…ハイ、たまに一緒に飯行ったりしてるんです。
[談笑しながら道沿いに進む。そのまま信号の無い小さな横断歩道を渡っていく。渡り切る直前、視界の隅、足元を何かがすれ違った気がした。]
(75) 2014/03/13(Thu) 23時頃
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[──猫?ボール?思わず視線で追い掛ける。 肩越しに振り返って──瞬間、真横を走り抜けた小さな影と、けたたましいクラクションの音。
見開いた視線の先には、一瞬前に通り過ぎた何かを追い掛ける、園児服の子供の姿。]
────…ッ、!
[振り返った姿勢のまま、すぐに手を伸ばせば間に合ったのかもしれない。 けれど、ほんの一瞬、一秒にも満たない逡巡。他人の肌に触れる恐怖。 その一瞬は、走る子供を伸ばした手からすり抜けさせるのに事足りてしまった。
その真横に、突っ込んでくるトラックが視界に入る。駄目だ、届かない、引き戻すには足りない、──なら。]
[反射的に身体を捻って強く地面を蹴った。支えを失った画材がばらばらと地面に落ちる。 クラクションに驚いた子供は、足が竦んだのか立ち止まってしまっている。
通話中の携帯から聴こえた声が、地面に叩きつけられる直前、自分の名前を呼んでいた。何故だろう、それに妙に励まされた気がする。
届け。届け。その小さな背中を、手のひらが押したと感じたと同時に──強烈な衝撃で康太の身体は吹っ飛んだ。]
(76) 2014/03/13(Thu) 23時頃
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[キャー!と、悲鳴があがるのが聞こえてくる。 恐怖感からの、けれどそれは愉しさも孕んだもので。 ゴオッと悲鳴と一緒に風音を鳴らし、スピードをあげるコースターの横を一羽の鳥が優雅に横切る。 コースターに乗る彼らには、鳥の姿は見えてはいないようだ。]
んふふー楽しそ〜〜!
[楽しそうな親子連れ、行き交う人々は皆笑顔。 きゃあきゃあとあちこちから似たような悲鳴が聞こえてきていた。 けれど、突然、大きな音と振動があたりに響いた。 愉しげだった悲鳴が、金切り声に変わる。(>>56)]
順調順調〜♫
[騒々しくなっていく遊園地の上空で、それを見届けまた鳥はどこかへと飛び立っていく。]
(77) 2014/03/13(Thu) 23時半頃
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[激しい衝撃音に、集まってくる人々。 なぜか一部分を自然と避けるようにして歩いているが、そのことに彼ら自身、気づいてはいない。 彼らが避ける地面の上には、一羽の鮮やかな赤い色をした鳥がいた。 すぐ近くの地面に転がっている、液晶画面の割れたスマホ(>>66)を、くりんと首を傾けて覗き込む。]
あーあ、消えちゃってる。 残念だったねぇ〜〜。
[真っ暗な画面、今はもう何も映すことのないスマートフォンをこつり、と爪先でつついて。喧騒の中、再び、パステルカラーの空へと戻る。]
(78) 2014/03/14(Fri) 00時半頃
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[そこから然程遠くはない場所で、今度はけたたましいクラクションの音が上空まで響いている。(>>76) ざわめきだす人々の真上で、薄い青空に朱が刺した。 その朱はゆったりと大きな弧を描くように旋回する。]
うんうん、予定通りだね!
[空を仰ぐように倒れている人の姿(>>18)に満足そうな声をあげる。]
ぼーくらはみんなー♬
[愉しそうな鳥の囀りは、遥か上空を吹き抜ける風に流されていった。**]
(79) 2014/03/14(Fri) 01時頃
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[仕事に切りを付け、帰り支度をしている最中、上司に呼び止められた。]
あ、懇親会来週でしたっけ。 うーん…やっぱりあたしもパスでお願いします。
[ホテルの宴会場を貸し切ってのグループ企業の立食パーティ。美味しい料理とお酒にビンゴ大会、去年参加したときは目の保養になるようなイケメンも拝めたっけ。忘年会の開催すら危うい自社の数少ないマトモな福利厚生といっても過言ではない。]
あらら、参加するの営業部と社長だけなんです? 行きたかったですけど、今の状況じゃあ仕方ないですもん。
それじゃ、お疲れ様でした。
[あはは、と。乾いた笑みを浮かべオフィスをあとにする。]
(80) 2014/03/14(Fri) 02時頃
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[今日もギリギリ終電コース。混んでる車内の片隅、揺られながら携帯をいじる。]
"仕事終わったよ。1時間後にいつもの場所で。"
"了解待ってる!お疲れ様にゃー"
[メッセージを送信して、ほどなく帰って来るレスに頬を緩める。待ち受けにしているのはゲーム画面のスクリーンショット(流石にそのままだと恥ずかしいので加工しているが)。 上京してからというもの、学校に馴染めず友人は中々出来なかったし、先生との折合いも悪かった。就職だって、焦った結果がこの有様。そんな自分の愚痴をあの子は聞いてくれたし、あの子も悩みを打ち明けてくれた。]
(81) 2014/03/14(Fri) 02時頃
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(今日は何しようかな。追加されたクエストも面白そうだし。あの子が欲しがってたアイテムを取りにいくのもいいよね。それから、それから…)
[本名も顔も知らない、画面の向こうのあの子。やりたいことを思い描いては心を躍らせる。仕事柄、人と会えるような時間には中々暇ができない。次第に疎遠になっていくオフの友人達よりも、ゲームの中であの子と過ごす時間の方がいつしか長くなっていた。
…遊びたさに睡眠時間まで削ってしまうのはよくないことだと思う。思ってはいるのだけれど。]
(…あの子がいなかったらきっと、息が詰まって死んでるよね。)
(82) 2014/03/14(Fri) 02時頃
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さっむ…! 今日もおでんにしよっかな。
[ホームへ降り、ジャケットの襟元を閉める。春先とはいえ夜はまだ冷え込む。すなわち暖かいものが恋しいわけで、駅前のコンビニへ迷い無く入る。連日通っているので、そろそろ店員に"おでんの人"なんて言われているかもしれないが、70円セール開催中なのが悪いのだ。おでんに罪はない。]
『…でさー、叫んでるし女の人が血流して倒れてるしで。マジこわかったっすよ。』 『聞いた聞いた。あれウチの常連さんらしーよ。』
[カップを手におでんケースの前に立っていると、バイトくん達の会話が耳に入って来る。何やら今朝方、殺傷事件があったらしい。なるほど店の外には今朝はなかった看板が立っているようだった。]
(83) 2014/03/14(Fri) 02時頃
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(なにそれ。やだー、物騒ね。)
[会計をすませて店を出ると、終電を過ぎた駅前は閑散としていた。見慣れた筈の光景はどこか薄気味が悪い。目撃者を求める看板を一瞥して、足早に帰路を辿る。]
(…早く帰ってあそぼ。)
[歩道橋の下りに差し掛かったところで携帯が鳴る。メッセージの通知音、きっとあの子からだ。 慌ててジャケットから携帯を取り出すが、手が滑り空を切る。携帯を追いかけるように手を伸ばす。]
(84) 2014/03/14(Fri) 03時半頃
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──…ぁ
[一瞬のブラックアウト。 次に視界に入ったのは石作りの階段。 鈍い音とともに額に衝撃が走る。 何が起こったのか理解できていないことを理解する前に、景色が目紛しく変わっていった。]
(85) 2014/03/14(Fri) 03時半頃
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[チカチカと揺れる街灯。 微かな灯りが地面を照らす度に、赤色が広がってゆく。
すぐ側に携帯は落ちている。なのに、腕 が伸ばせない。
胸 が痛 い。
─息、が **]
(86) 2014/03/14(Fri) 03時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2014/03/14(Fri) 04時頃
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―また別の日の話―
[昼下がり。 今日は定休日。 おれは緑色のジャージ姿で近くの公園へ出向き、紅茶とマドレーヌを手にのんびりとくつろいでいる。
桜の木は当然まだ花を咲かせていない。]
梅の木見に行けばよかったかね。
[二杯目の紅茶を淹れて、飲む。 砂場で遊ぶ子供やら周りで井戸端会議してる主婦眺めていてもつまらんな…ふう。]
桜か。…見るなら夜かな。
[昼間は毎年酔客が暴れ回るので好きではない。 接客で忙しいというのもあるが。 紅茶とマドレーヌが尽きた頃、おれは店兼自宅へ引き返した。
買出しもついでにやっとくかね。**]
(87) 2014/03/14(Fri) 07時半頃
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截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/14(Fri) 07時半頃
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──都内某所 路上・現在──
[最初に感じたのは、衝撃と音だった。
次いで感じた痛みと熱は失せ、今はひたすらに寒気と乾きが押し寄せている。 降り注ぐ柔らかな午後の日差しは、春めいて暖かいはずなのに。 動かさずとも軋む身体から熱が流れ出して止まりそうもない。]
(──あのこ、どうなった、だろ)
[ぼんやりと、思う。聴こえにくくなった音と共に、徐々に世界が眩み始める。 間に合っただろうか。助けられただろうか。確かめる術も、どうやらもう無いけれど。]
(……さむ、い、…だれか、だれか)
[手を握ってよ。寒いんだ。
乾いた唇からはひゅうひゅうと息だけが漏れた。 今更触れた事のない他人の温もりが恋しい。否、多分、ずっとそうだった。]
(88) 2014/03/14(Fri) 09時頃
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[自分と他者の間にある隔絶が淋しい。それを埋めるように描く事と造る事に打ち込んできた。 良い環境を得られて、理解者も出来て、これからだったのに。]
(絵…描き始めたばっか、なのに)
[未練なんて山程ある。寧ろ未練しかないのでは無いかと思う。痛かった眼球の渇きは、いつの間にか滲んだ涙で癒えている。 描きかけの卒業制作。 母へ電話。 会社の人達とご飯。 いつもの店の限定メニューもまだ食べてない。 海。温泉。行った事なかった。 こども、無事、だったろうか。 それから、それから。]
(すきな、ひとと、手、つなぎたか、た)
[一度でいいから。その一度が、最後でいいから。
恋を、知ってみたかった。]
(89) 2014/03/14(Fri) 09時頃
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[思考が蒼天に塗り潰される。一瞬、ほんの一瞬だけ、空の薄い青に原色の赤が過ぎった気がする。 けれど、彼の意識は違和感を拾い上げる事は無く。明滅しながらゆるゆると遠のいて、やがて世界は真っ白に眩んだ。
名残りとばかりに、頬を伝った雫が一粒、落ちてアスファルトを濡らす。
それが、彼の最期だった。**]
(90) 2014/03/14(Fri) 09時頃
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[自宅最寄駅は、あまり大きくない。 もう夜の10時も回ったとなると、結構閑散としてしまう。 それにしても人が少ない気がするのは、例の通り魔のせいだろうか。 あたしはスマホで時間を確認すると、そのまま画面を少し見つめた。]
…あほらし。
[一瞬よぎった逡巡を振り払うように呟くと、あたしはスマホをポケットへと戻す。 イヤホンを耳に押し込み、流行りの音楽を流しながら。 あたしは駅を背に歩き出す。 大通りを通れば、遠回りになってしまう。 あたしは自然、いつも使っている近道へと向かっていた。]
(91) 2014/03/14(Fri) 14時半頃
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[流れるしっとりとしたラブソングは、あたしの好みとはやや外れていたけれど。 るりたちが大騒ぎしていたから、暫く聞いてみることにしたそれだ。 恋愛沙汰は、巻き込まれて嫌な思いをすることばかりで、あまりいい思い出のないあたしにとっては、この女の気持ちは正直さっぱりわからない。 …どうして、片想いで終わることがわかっていて、好きでい続けられるのだろう? 諦めているようで、まったく諦めていなくて、やっぱり相手の目に留まりたくて… そんな気持ち、あたしは知らない。 けれど、るりを見ていると、あながちあり得ない話でもないのかも…
そんなことを、つらつらと考えながら、薄暗い路地に入る。 は、とした時には、妙に不安感を煽る匂いに、あたしは包まれていた。]
(92) 2014/03/14(Fri) 15時頃
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[思わず立ち止まったあたしのつま先に、何か妙に柔らかい物が触れる。 見てはいけない、と反射的に思うと同時、あたしの目は、意に反して“それ”を捉えていた。]
…え。何これ。
[目に入ったものに、同時にこの臭気の正体を悟る。 それは、割と、かぎなれた、鉄くさい…それ。 あたしの脳は、一瞬でフリーズした。]
…や、だ…
[思わず半歩、後ろに下がれば今度は背中が何かにあたる。 それが何か確認する前に、ヤバい、と思った。 同時に手に持っていたカバンを手放す。 昔取った杵柄、多少の相手なら、いなせる…と思ったのが、間違いだった。]
(93) 2014/03/14(Fri) 15時頃
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[どこをどうされたのか、気づけばあたしは冷たい地面に転がされ、ごつごつとした手に口を塞がれていた。 体には、経験にないくらいの荷重がかけられていて、じたばたしようにも身動きが取れない。 見上げたあたしの視界の中、銀色の刃が鈍く光った。]
『人間は、やばいからってぇ、猫で、我慢してたんだけどぉ…』 『やっぱりぃ、手ごたえがさぁ、違うんだよねぇ…ッ』
[まるでスローモーションのようだった。 振り下ろされる刃を、妙に無感動に、あたしは見つめる。 しかし、一泊おいて襲う、熱にも似た鋭い痛みにあたしは声に出せない悲鳴を上げた。]
『あはは、それ、それだよぉ!!』
[ブツン、ビチャッ およそ日常ではありえないような音が、耳に届いて、でもそれどころじゃなくて。 男の笑い声も遠くなって、
痛い、やだ、死んじゃう、怖い、やめて、助けて]
(94) 2014/03/14(Fri) 15時頃
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(とうさん…っっ!!!)
[最期に頭をよぎったのは、 言葉にできないほどの、 後悔だった。]
(95) 2014/03/14(Fri) 15時頃
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>>74
[何もかも唐突だった。 手の近くに赤い何かの存在を感じたから手を置く位置がずれたのか、 衣服が遊具のどこかに引っかかったか。 突然目まいが彼女を襲ったのか―――]
[とにかく、少女はバランスを崩した。]
『わっ…!』
(そっちは…!)
[運悪く、身体が傾いた先は鉄棒の配置されていない方向。 それも、遊具のすぐ奥には金網と鉄線の巻かれたフェンスがあった。 コンマ秒単位で傾いていく少女の身体へ手を伸ばす。]
(96) 2014/03/14(Fri) 19時頃
|
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ばっ…!
[バカ、とすら言うのももどかしいくらい急いで手を伸ばす。 掴まれ。掴まれ掴め掴まれ。 念じても手の先には少女の着衣すら届かない。]
[だから、真墨は傾き行く少女の後を追った。]
(97) 2014/03/14(Fri) 19時頃
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[――――ドッ]
(98) 2014/03/14(Fri) 19時頃
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[ゴチリ、とも、ドン、ともつかない音が頭部で弾けた。 気がつけば、真墨は少女の頭部をお腹に庇ったまま地面に倒れていた。 たかが2メートル半の高さから落ちた程度で怪我などしないだろう、真墨はそう思い少女の身体を一通り眺める。]
(……雨?)
[ぽたり、と耳元で水音が聞こえた。 今日の天気は雲ひとつない晴れだった。パステルカラーの水色が広がっていたはず。 だが、真墨の顔を見た少女の顔はみるみる青ざめていき、]
『せ、せんぱ…!ち…!』
[女性は流血に強い、とはいうものの、それは体の一部で出血している場合の話だ。 右側頭部からダラダラと血を垂らしながら少女を見る真墨の顔を見れば、悲鳴の一つでも上げたくなるだろう。或いは恐怖で声すら出ないか。]
…血?
[真墨は少女が指を差した先にある自分の頭部に触れ、手のひらを確認する。 まごうことなき自分の血だった。 青でも緑でもない、赤色の血だった。]
(99) 2014/03/14(Fri) 19時頃
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えー………っと。 よく…聞くんだ。 これじゃ…送ってあげられな……ぃから、 家に……帰りなさい…。 お布団で寝て、朝起きたら…… 多分、忘れてるよ。 これは…夢だよ… 夢なんだ……から…
[右手は血がついてしまったから。 左手で、少女の髪を梳く。 頭を撫でて、背中を押して。 少女が帰る方とは反対方向へと歩き出す。]
[フラフラと、宛もなく歩き出す。]
[視界が段々赤く染まっていく。 意識が廃工場の明かりのように明滅する。 どのくらい歩いたのか分からないが、身体が自然に動いていた。 河にかかる橋の上へと、辿りついていた。]
(100) 2014/03/14(Fri) 19時半頃
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[欄干へもたれかかると、真っ赤な月が目についた。]
………綺麗な……月だ…
[真っ赤に染まった月を見る。 真墨には、月がまるで彼を迎えるように自分に近づいてくるように感じた。]
[もっと、もっと近く。 もっと近づく。 真っ赤な何かが、月へと飛んで行った。 自分も、月へと向かうんだ。
真墨は月にもっと近づこうとして―――]
(101) 2014/03/14(Fri) 19時半頃
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[――――ドボン。]
[水面に映った月が、彼を抱くように迎えた。]
(102) 2014/03/14(Fri) 19時半頃
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[落ちてゆく。]
[落ちてゆく。]
[―――猿猴捉月(えんこうそくげつ)。 人の真似をして恋愛などしようとするから。 なりそこないは、闇へと落ちた。]
(……ああ、でも…)
[最後に、まともな人間として、誰かを愛してみたかった。 それだけが、彼の心残りだった。**]
(103) 2014/03/14(Fri) 19時半頃
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[朝の光の中、ハナを自転車の後ろに乗せて走る。 身を切る風は少し前の冬の冷たさから徐々に暖かいものに変わっているようだった。]
『おとーちゃんいそいでいそいでー!』
[後ろでハナが楽しそうに声を上げる。]
よっし、スピードアップだー!
[そういいながらペダルをこぐ力を強める。 長かった保育園の送迎もあと少しで終わりだと思うと、ほっとするような、だが少し寂しくなるような複雑な気分になる。]
(104) 2014/03/14(Fri) 21時半頃
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|
――よしハナ、ついたぞー!
[保育園の門の前で自転車を止めると、ハナを抱きかかえて自転車から降ろした。 あの頃から随分大きくなったように感じる。]
『いってきまーす!!』
[そう行って友達のもとへ駆けていく娘を、手を振りながらしばし見つめた。]
おい、あいつが前に言ってたカズくんか…? おとーちゃんと結婚してくれるんじゃなかったのかよ…ちくしょう、許せん…
[彼氏ができたとかいわれたら多分俺は冷静でいられない自信があるぞ。]
(105) 2014/03/14(Fri) 21時半頃
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…さて、俺もいくかぁ!
[しばしハナを見送ると、また自転車にまたがり走り出す。 …ちくりと胸が痛んだのは、恐らくきっとハナが男の子と手を繋いでるのを見たからだ。
保育園から会社は自転車で10分ほど。 途中の上り坂は、慣れるまでは自転車で上がるのに難儀した。 いつもぜえぜえ言いながら坂を上る。]
――電動、自転車、ほしい、よなぁっ…!
[とはいえハナの送迎が無くなれば、バスでの通勤になるのだ。 運動不足解消のためだと自分に言い聞かせるが、今日はなぜかやたらと息が苦しい。 坂を上がりきって、会社に付く頃にはまるで滝のような汗だった。]
(106) 2014/03/14(Fri) 21時半頃
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…っ…年、か…?
[会社の駐輪場に自転車を止めると、しばし息を整える。 数分そうしていると、荒かった呼吸やキリキリ痛かった心臓もじわじわと落ち着きを取り戻した。 額の脂汗をぬぐい、前かごから作業着の入ったバッグを取ると事務所に入った。
タイムカードを押し、更衣室でさっと作業着に着替える。 ずっしり重い安全靴を履き、腰には作業ベルト。 小脇には「安全第一」と書かれた黄色いヘルメットを持ち、最後にゴムの滑り止めの付いた軍手を嵌める。]
―――っし。
[装備の重みを感じると気持ちは仕事モードに切り替わった。]
(107) 2014/03/14(Fri) 22時頃
|
|
―回想:数日前―
ワン、ツー……スリー!
[彼女の持つシルクハットから、白い鳩が何匹も飛び去って行く。 訓練してあるので、そのうち戻ってくるだろう。 鳩が苦手だったらしい若い女性の悲鳴を聞けば、仮面を被った手品師は笑いながら]
あははっ、ごめんねそこの綺麗なお姉さん! ほら、隣にいるお友達が笑ってるよ? 楽しいショーなんだ、君も笑って笑って!
[そう言って会釈をするのだった。 今日のショーもここで無事終了。仲のいい親子連れ、カップル、友人ら――様々な人たちが会場から足早に去って行く。 それらを全て見送って、ステージの上で息を吐いた]
ふぅ、疲れた……。
[少しくらいなら座ってもいいだろうと、ステージに放置されている木箱に腰かけた。 本日も晴天なり。皆楽しいひと時を過ごせるだろう]
(108) 2014/03/14(Fri) 22時頃
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|
「倉田さんお疲れー! 今日も良かったよ!」
ふふ、ありがとうございます。 ところで、まだ新しい手品師はつかまらないのかな? いい加減疲労で倒れそうだよ。
[苦笑いするスタッフを見るに、そもそも募集を出していないのだろう。 別に練習さえすれば上手くなれるだろうに。 自分だって青春がしたい。友人はいるけれど、遊びに行ったり恋だってしてみたいのだ。]
毎日同じような内容なんだもん。 パレードにも手品加えない? …駄目?
[「ケチー」と言って、文句を言いながらも明日の為に練習をする。いつの間にか習慣になったそれは、始めた当初と違ってわくわく感なんて無くて。 少女と約束をする数日前のことだった**]
(109) 2014/03/14(Fri) 22時頃
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|
[俺は、いわゆる建築現場の現場監督ってやつだ。
もともとはただの不良だった俺が、こうやって仕事をやれるようになったのも。 そもそもただのどうしようもないろくでなしだった俺が子供なんて持てたのも、全部――]
『―――今日も一日安全第一で』
[上司の長ったらしい朝礼が終わり、そこで我に返る。 今日は遊園地の工事の手伝いに行く予定だ。 もともと他の会社の仕事だが、人が足りないらしい。 何でも現場の奴らが過労寸前まで追い込まれ、それでうちにもヘルプ要請がきたそうだ。]
…ったく、無茶なことするよなぁ。
[図面を覗き込み、頭をかく。 構造もそうだが、人員配置も、工期も、何もかもむちゃくちゃだ。 本来ならもっとたくさんの職人を配置してもいいくらいだ。]
(110) 2014/03/14(Fri) 22時頃
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[普段なら、そのまま現場へ向かうのだが、今回はちょっと話が違う。 無茶な状況を整理するため、図面や今完了している点、周知を先に事務所で行う。]
…だもんで、この辺は俺が一旦入ってから見てみます。 多分この感じだと足場の組みなおしがいると思うんで。
[自分より年かさの職人もいる。監督といえど、率先して動かないとみんなのやる気をそいでしまう。]
で、そっちは任せますんで、どんどん進めちゃってください。 多分向こうの職人さんと交代する感じで―――っ―――
[説明していて妙な息苦しさを感じた。 よっぽど運動不足なんだろうか。一度大きく息を吸い、呼吸を整えようとした瞬間。]
(111) 2014/03/14(Fri) 22時頃
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[ ズキン ]
(112) 2014/03/14(Fri) 22時頃
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[心臓をハンマーで殴られたような痛みが走り、思わずその場に蹲る。 呼吸が浅い。必死に息を吸おうとするが、うまくできない。]
『早川、大丈夫か?』 『どうしたんすか、早川さん』 『おい、大丈夫か!どうした!!』
――だ、い、じょ…
[息を吸い、どうにか周りに心配かけまいとするが。
全身から汗が噴出し、心臓はまるで鉄球を打ち込まれ、押しつぶされたように痛い。 息が吸えない。 目の前が白と黒、交互に明滅する。]
何、だよ、これ―――
[周りの音が急に静かになり。]
(113) 2014/03/14(Fri) 22時頃
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『おい、救急車だ!早く!!』
[事務所の中に怒声が響く。 早川の顔色はどんどんと悪くなり、そして反応は絶え。
バタバタと救急隊員が入ってくると早川に何事か呼びかけながら、機器を取り出し、また胸を強く押した。 しかしその体は、徐々に熱を喪っていった。]**
(114) 2014/03/14(Fri) 22時頃
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截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/14(Fri) 23時半頃
截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/14(Fri) 23時半頃
截拳道 カイルは、メモを貼った。
2014/03/14(Fri) 23時半頃
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―回想・いつかの休日―
……たまには息抜きも、ね。
[そう遠くない遊園地を、ひとりで歩き回る。 ひとりと割り切ってしまえば、どうとでも遊べるものだ。 メリーゴーラウンドから絶叫マシーンまで、ひとりで楽しみ尽くして。 園内の、手品だのなんだの、大道芸人のパフォーマンスのようなものも、ドリンク片手に見物して。 最後に乗ったのが、夕暮れ時の大観覧車で――さすがに少しの物悲しさを感じながら、遠く、色鮮やかな鳥が羽ばたく様をぼんやりと見ていた]
(115) 2014/03/15(Sat) 00時頃
|
|
[怒声が響く、事務所の中。(>>114) 場違いな赤い色が浮いたようにそこにあった。 バタバタと担架に乗せられ、運ばれていく人物を追うように、その赤は翼を広げるが、誰もその異常さには気づかない。]
んふふ、 お疲れさま〜〜♬
[AEDを使い、必死に続けられる蘇生処置。 赤い鳥は聞こえない囀りを救急隊員へと投げかけて、事務所を抜け、空高く飛び上がっていく。]
(116) 2014/03/15(Sat) 00時半頃
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|
[人気のない公園の、ジャングルジムで話す少年少女。 その、少女が手をつく鉄の棒の、ほんのすぐ傍らで、赤い鳥がちょこんと羽を休めていた。]
青春だねー。
[その声はどこか、つまらなさそうでもあり。 何気に動かされた少女の手は、その鳥を自然と避けるようにして、それでも安定する位置に置かれていた。]
んん? 見られちゃったかな?
[ほんの少し、意識を向けられた気がして。(>>74)]
コスプレ変えちゃお。 ミー、トリ、飽きちゃったし。
[すっと鳥の姿は消え。 降りようと思ったのか、目眩でも起こしたのか。 それを合図にでもしたかのように、少女はバランスを崩したのだった。]
(117) 2014/03/15(Sat) 00時半頃
|
ひとづかい トリがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(ひとづかい トリは村を出ました)
|
ドボン
[何かが水に落ちる音。(>>102) 広がっていく波紋と、それに混じる赤い色。 その水面をスイスイと一匹のカエルが泳いでいった。]
(118) 2014/03/15(Sat) 00時半頃
|
|
[帰りの人々で賑わう、騒々しい駅のホーム。(>>69)]
『おい、人が落ちたぞ!』
[響く声で、日常のはずのその光景が、一気に非日常へと変わる。 緊急停止ボタンへと走る人、あがる悲鳴、けたたましい音、車輪が軋む。 それらも虚しく、ホームへと落ちてしまった人は迫り来る電車が、落ちた人を避けることは叶わない。]
……わー!すごいことになってるねー。
[一匹のカエルが止まった電車の上から、その光景を見下ろしていた。]
(119) 2014/03/15(Sat) 01時頃
|
|
[そこからまた。 然程離れていない駅。時間もそう大差ないその場所にも、カエルはいた。 翻訳が必要だと思えるほど、何を言っているかわからないキティちゃんに突き飛ばされ、転がる人。(>>64)]
んふふー。 大丈夫だよ、イキに計らってあげるからね!
[無機質なアスファルトに広がる赤、朱、紅。 温かかったそれらは、急速に冷えていく。 ぬるりとした手足でぴょんとその上に跳ねるも、カエルが赤に染まることはなく。 倒れた人物の、光を失っていく眸をじっと見つめていた。]
(120) 2014/03/15(Sat) 01時頃
|
|
[駅前での時と、同じように広がっていく赤。 閑散とした住宅街の中でのできごと。(>>94) こちらは、先のものよりも地面に広がる赤いシミの範囲が随分と広い。 それを眺めていたカエルは、何かに気づいたように首を傾げる。]
あー、ごめんね〜〜〜! ユーは連れて行けないんだー。
[横たわる少女の傍らには、いつからいたのか、そこにいた猫にケロケロ声をかける。 猫が死んでいるのか生きているのか、それはさておいて、たまに見えるものもいるからね。]
(121) 2014/03/15(Sat) 01時頃
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|
[石造りの階段の上。(>>85) ぺたぺたと歩いてその上から、落ちていった人を眺めるカエルは、ふうと息をついた。]
これで全員かな〜〜?
[すうとまた、その姿は消えて。]
(122) 2014/03/15(Sat) 01時頃
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きゅうていがか リリンラがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(きゅうていがか リリンラは村を出ました)
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ミー、カエルも飽きちゃったし。 これで全部の準備オッケー♬
[誰の目にも止まらない、奇妙な生き物が、そこにはいた。]
(123) 2014/03/15(Sat) 01時頃
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