73 ─深夜、薔薇の木の下で。
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俺さ…。好きなのかもしれないって、思ってた人…居たんだ。 でも、勘違いしてたのかな、って。
君のことも、こうやって一緒に暮らしてて居心地がいいけど、 それが好きなのか、都合のいいだけなのか…わかんないんだ。
好きになるって、どういう事なんだろうね。
[ズキリと胸の奥が痛むのは、医務室で見た誰の寝顔を思ってだっただろう。]
(60) 2011/12/31(Sat) 23時半頃
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…おしお、き……?
[不穏な気配に、ざわりと胸の内が波立った。]
あれ。
なんか期待でもしたのかな。
なら何かしてあげようか?
[くつくつ]
でも悪い子には何かしないとダメだよね
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どうなんだろうね… なんかさ、色々わかんなくなっちゃったんだ。
好きなのって、嬉しくて楽しいけど、 それ以上に、痛いのかもしれなくて、さ。
触れてみたりしたら、わかるのかな。 …一つになったら、わかるのかな。
[指先についたケチャップを、舌を伸ばして舐めとりながら。]
フィリップさんは、どう…だったんです? 誰かを好きになったこと、とか。
[背後に居る客人に、ふと目を向けて問いかけた。]
(65) 2012/01/01(Sun) 01時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/01(Sun) 01時頃
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…っと。
[焦げかけていることに気づいて、火にかけたままだったフライパンを持ち上げる。]
痛くなって欲しくないってのは…ちょっとわかるかも。 …でもさ、それもなんか、合ってるようで合ってないみたいでさ。 その人が誰かに痛くされちゃうのが嫌過ぎて、それならいっそ自分が…なんて…そういうのは酷いよね、やっぱり。 ただの我侭だったんだろうなって…今はちょっと思ってる。
大切って…気持ちと、欲しいって気持ちは…やっぱ相容れないものなのかな。 欲しくてたまらない気持ちが、大事にしたいって気持ちを裏切っちゃうみたいな、
…そんなの、ただのエゴかな、やっぱり。
[カルヴィンの華奢なうなじの白さをしみじみと見つめる。 いっそ力尽くで壊してしまえば、誰にも取られずに済むのだろうけど。 それだときっと、もう元の仲には永遠に戻れない。
肉体には、モリスの感触がまだ染み込んでいるみたいに思えて、 たとえ彼が目覚める日が来ても、前のように馬鹿やって笑い合える自信はなかった。]
(71) 2012/01/01(Sun) 01時半頃
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…わかんない、や。
けど…。取られちゃうのは嫌だって思ったんだ。 嫉妬、してたのかもしれない。
気になってる人が、俺の知らないところで、誰かになにかされてたりとか… そう言うの、悔しい…って思っちゃったんだ。
痛いのを心配する以上に、悔しくて、羨ましくて…さ。 それならいっそ、もっと酷くなりたかったけど…
[出来なかった。 意気地なしだった。
今となっては、何を恐れていたんだろうと思う。 世界は綺麗なことばかりじゃないと、穢れてみて漸く判ったから。]
…あ、たまご美味しそう。 どうやったら、こんなに美味しそうに出来るんだろうなぁ…
(78) 2012/01/01(Sun) 02時頃
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バチでも何でも当てればいいよ。
…俺も、汚らしく穢らわしい生き物だったって、気づいたから。
そんなの、酷い目にあって当然だよ。
罰を受ければさ、なんか許してもらえたみたいな気分になれるじゃん。
サイラスは、食卓は三人で囲めただろうか?**
2012/01/01(Sun) 02時頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/01(Sun) 02時頃
そう。僕が怒ってるのは薔薇を折ったこと。
君が綺麗だろうが汚かろうが、
モリスと何かしようがどうでもいいんだよ?
自分の背徳へは自分で受ける罰を見つけるんだね。
僕は君の行為を蔑みもしないし美化もしないよ
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…どうして?
[フィリップの様子に、不思議そうに目を向ける。 薔薇の牢獄と化したこの寮内で、彼らが急速に惹かれあったことなど知らない。 それが本心なのか、香りに誑かされてのことなのかすらも。
ただ、彼の意識がカルヴィンに向けられれば、胸の奥がピリリとした。 同じ部屋で寝起きを共にして、食事を分けあったり、朝までくだらないことを話したり。 一緒なのが当然だと思っていたから、そうじゃなくなることは酷く腹立たしく思えてしまう。
二人の唇が重なることに、思った以上に動揺した。 スプーンを取り落として立ち上がりかけたけれど、それ以上動けなくて…]
(97) 2012/01/01(Sun) 09時半頃
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カル…
[判ってる。自分の所有物じゃない。 ペットでも、もちろん恋人でもない。
なのに、大事にしてきた花園を、踏み荒らされたようなそんな気がした。
自分が他の者達にそんな思いを抱かせてしまっていたのかもしれないとは知らぬ間に。]
(98) 2012/01/01(Sun) 09時半頃
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[迷うも結局後を追ったのは、何故だったのだろう。
一口しか手を付けられていない皿と、手付かずのままの皿は、 そのまま静かに冷めていく。]
(99) 2012/01/01(Sun) 09時半頃
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…判ってるよ。
そんな安易な救いなんて、もらえないって。
薔薇のせいなんじゃ無く、自分の心がしたことだって。
[責任転嫁してしまえば、楽になると知っているから。]
キス…しようか。
届くかどうかは、わからないけど。
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[胸の奥が痛くて、痛くて。
何かに縋るようにポケットに手をやれば、潰れた薔薇の蕾が指先を染める。
何かに似た紅い花芽に、そっと唇で触れた。]
(100) 2012/01/01(Sun) 09時半頃
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んン…
[サイラスのキスをうけたローズヒップ。
甘い感覚に心地よさ気に声を漏らし]
やめときなよ
僕も君にキスしたくなる
多分今の君達はそれ以上も求めたくなるでしょ?
君の懺悔を聞くのは構わないけど
僕に答えは求めないでね
大事な君達の願いを、僕に否定させないでほしいよ
君は苦しいんだね。
キモチが伝わってくる。
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[追いかけるべきかどうか、迷って迷って…]
…でも、取られちゃうのは嫌なんだ。
[醜い嫉妬と分かっているけど、カルヴィンが他の奴のところに行くのは嫌だなって思ったのは本心で。
探しに出た所で、目立つ赤と2つの金色を丁度見つける。]
…もう、オムライス冷めちゃうじゃないか。
[声をかけて…、二人の手が繋がれていることに気づいて…
一瞬目を伏せた後、二人に向かって自分の手も差し出した。]
(157) 2012/01/01(Sun) 22時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2012/01/01(Sun) 22時半頃
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[薔薇の香は、近くに有るほどに色濃く、 出された手を握るのは期待したのとは違う方の手。
いっそ彼ごと手に入れてしまえば、取られたことにはならないんじゃないか。 そんな事すら、考えたりもする。]
うん、三人で…一緒に。
[両手がふさがって行き場のない鳥は、肩から何処へと移るものやら。]
(161) 2012/01/01(Sun) 22時半頃
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…そう、かな? 薔薇の香りは、嫌い?
[横目でちらりと見た相手が、気まずそうに目をそらす。 何処か疚しいことがあるのだろうかと、首をかしげてじっと見つめた。]
せっかく、あったかいご飯だったのになぁ。
[そんなぼやきだけはいつもどおりで。
けれど、服の下で茨の棘はじわじわと内側を蝕む。 つないだ手の甲にまで、するりと蔦のような痕が広がる。
このまま誰かに移さずに居たら、きっと奪われるのは精気だけじゃ済まないかもしれない。 だってもう一つの棘は、誰かの秘めた思いと共に夢の中へ消えてしまったから。]
(165) 2012/01/01(Sun) 23時頃
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…どうか、した?
[何かに驚いたようなフィリップの様子に、きょとんと首をかしげて、
それでも、席に付けば無邪気にオムライスへとスプーンを入れ…
頭がぼうっとするのは香りにやられてか、それとも中から蝕まれているせいなのか。 火照る身体は、はじめての情事の甘さを思いだして疼く。 けれど、なんだか間に入ってくるコイツが邪魔で、手出しできそうになくて。
…いや、自分は一体何を考えているんだ……。]
(171) 2012/01/01(Sun) 23時半頃
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フィリップさんは、そうなの? 薔薇の香りが強いと、シたくなっちゃって、困る…とか?
[煽情的だと怯えていた様子を揶揄るように、冗談めかして問いかけた。]
…カルヴィンも、そうだったりするのかな。
[以前はこんな事を言い出すようなことはなかった。 変わってしまったんじゃない、きっと今までが子供過ぎたんだ。 人間は醜く穢れた生き物だと知って、少し大人になれたのだと、 そう思わなければきっと、受け入れられなかったから。]
(174) 2012/01/02(Mon) 00時頃
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…これ?
[指摘されて、其れを漸く認識してハッとした。
袖をめくり、胸元を引いて覗き込んで、それの出所を認識する。
いつも傍で守ってくれていた目に見えない気配はもう感じられず、 代わりに身体に刻まれた、棘の毒が広げる文様。 モリスは、こんな風にはなっていなかったのに。
禁忌が刻んだ罪の証を、秘めた思いと、散り急ぎたい渇望と、抑えきれなかった劣情が次々に重ねられて育ててしまって、 薔薇の棘の毒をすっかり変質させてしまっていた。]
…嘘だろ? なんでこんな…… [犯した罪の重さと思い込んでしまったからか、急速に広がりゆく茨模様。 ガタガタと震えが止まらないのに、身体の芯は狂おしいほどに熱く火照ってたまらない。]
(176) 2012/01/02(Mon) 00時頃
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…ねぇ、どうしよう。どうすればいい…?
モリスに貰った薔薇の棘が、なんだかおかしくなってきちゃってる…
[怯えて切羽詰まったような声が、縋るように訴える。
きっとこの変質は、薔薇の精本人にも予定外の事だっただろう。]
[薔薇の意識は酔いを含む。
セレストとキスを交わした後、更に艶ました感覚が意識に乗る]
熱い……
……?
何かあったの?
[正直薔薇の棘が人に欲を浮かびあがらせる以外、
自分とて知るところではなく]
さあ…僕にもわかんないなぁ…
気になるなら誰かに移してしまったら? 棘は君達を殺しはしないだろうから。
ごめんね、本当にわかんなくて。
[薔薇の精の艷めいた声だけで、こちらまでも煽られて酔い痴れるよう。]
駄目だ、…欲しいよ。
どうすれば収まるの?
[咲きかけの花は、咲く場所を見つけられず、
身体の中で出口を探して暴れ続けていた。]
…移す?
[モリスから自分に移ったように、思いを受け入れてもらわなければ。
同室の華奢な相方は、この思いを受け入れてくれるのだろうか。]
モリスは君にどう棘を移したかな?
同じことをすればいいんじゃない?
[棘を受け入れると言ったセレストへと言えばよかったのだろうけれど、
薔薇は何故かそこは口をつぐむ]
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[胸の奥が痛くて、苦しくて。 吐息は酷く熱かった。]
なんか…このままじゃ、もう…… ねぇ、助けて…カルヴィン。
誰かに移してしまえって、そういうんだ。
(179) 2012/01/02(Mon) 00時半頃
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…君の精気を、薔薇に……
[もう、交わり合うだけの余裕も余力もなくて、 抱き寄せたカルヴィンの唇を貪るように奪う。
こんな形じゃなく、傍に居たかったのに。 なんて思いを抱いたまま、ふわりと意識は遠のいて。
奪った精気はきっとそれだけでは足りず、深い眠りに堕ちていった。]
(182) 2012/01/02(Mon) 00時半頃
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