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……ッ……
[
そりゃあ、あれだけ刻みつけられた快楽、培った常識とそれの乖離、そしてその享受。
何より、相手がこの男だから、]
あ゛、っぁ、
あ、あぁぁ、……
[指も舌も甘やかすような快楽、歯の与えるものは鋭くて、
それも、また、善い。
あの掌がもう膨らんだ下腹部へ行けば、舌なめずりして笑う。
快楽を知ったばかりゆえに素直で、貪欲で、
堪える事を忘れた喘ぎが漏れた。]
あ゛、 はぁ、 あぁ、んン……、
………、
[
物欲しげに見れば、荒々しい仕草。
そうじゃない、それ、]
やぁ……
は、さ、さわって、ほし、直接、……
直で、……擦ってぇ、
[目を細めて死神を見る。
声は、亡霊の嬌声に混じりあまったるい。
離そうとする手を掴んで、もう下着も濡らしている陰茎を擦り付ける。]
……あ、ふぁ……ひぁ……あ、
[しばらくそのままにしていたら、痛みと圧迫感と慣らされたおかげで感じ始めた快楽に頭がぼうとしてきて
微かな動きのたび、奇妙な胸につっかえるようなものを感じる。
快楽までは、まだ遠い感覚。
もっと、と。
熱に溶ける頭が、本能のままにそんなことを思う。
呆けた目で、トレイルの顔を見て
なにを言ってるか分かってないような顔のまま、ふわついた声をかけた]
も、なんだ……好きに、しろ……
―去年の宴―
あっ、ぁあ。 ……グ、ゥ
[
蠢く指の動きに自然と喉もひきつった
それでいて拒みたい筈の尻穴には力が篭らない
いいように嬲る指に、ただ肉を柔らかくしてゆくだけ]
っん っ、 やめ
か、――…、ぁあ、 やめ 、ろ、くそ
[なにがおかしいのか
唾液で濡れた虫と手元を睨んでいたが
その虫の外身が割れる音を、聞いた
大腿に湿った感触、なにが垂らされているかなど
目を向けなくともわかること、 ]
[びくり、頬の筋肉がいよいよかたまる。
やめろ、そんなものをおれのなかに、やめろ
やめろ やめろ やめろ やめろ やめろ]
―――ウあ、ぁあ ! ! 、ゃだ、ぁ
[思わず聲も跳ねた
ぬちゃぬちゃと粘着質な音が耳に痛く、心地悪い
先ほどの精液や己の腸液よりも、また違うぬめり
首がふれるものなら精一杯横に振っていたはずだ]
あ、ぁぐ、 ―――……、ぅ
[涙の浮いた目が間近に酔った蟒蛇の瞳孔を捉えた
丁度、昂ぶりが菊座に押し当てられたそのとき
く、っそやろ、ぅ …… 、
[憎しみと苛立ちと、情欲に濡れた目を向ける
はぁ、と熱を孕んだ溜息が口端からこぼれた]
く、そが。 ――ア゛、ぁあ、ふ
[悪態を吐く口とは裏腹に、
狭い肉は猛る熱量の訪れをよろこんで、
打ち震えた*]
ふ、……ふふ。
[耳へ届く悦をのせた音色を喜ぶ
聲を耐えるな、そう告げたことを覚えているらしい
青年の頭だけでなく、体にまで教えが侵食するなら
御主人でも恋人でもなく“せんせい”で居るのも
悪くはないかもしれないと一瞬よぎり
ふと、思考がとまる]
( なんだこいびと…って )
[どさくさに紛れ込んだそれへ密かに頬を染めた。
広がり始めた悦楽に夢中になっている青年には
気づかれないといいと思いながら、頭を緩くふるう。
舌先を前後に揺らし肉粒をびたびたと舐め回しながら
青年の唇を濡らす朱へと視線を届かせた
あの色は二番目に好きな色。
誘われている、と本能で感じ取れば男の下肢も疼く]
……ああ、それだよ。
お前のねだる聲で、俺は感じる
お前だけでしか………感じないように、してくれよ
[男の匂いのみで性感を刺激されるようになるのなら、
また、逆も然りと。願いを低く唱えた]
これじゃ下を脱がせられんだろう?
[手首を押さえつけられ、中心のある布の上へ引き戻される
触れることは叶うけど、ペニスを直接可愛がるのは無理だと
上下に軽く擂りたてはするも、やんわりと戒めを解き]
……こっち、自分でいじってろ
[青年の手を先ほどまで可愛がっていた胸の飾りへ押し付ける。
その代わりにと下衣を下着ごとずらして片足ずつ引き抜いて取り去り]
………は、こんな。
[こんなに濡れて、愛らしい。
青年の反りかえった雄の先端へと唇を押し付け、膨らみにキスをした
唇にするそれと同じように何度か小さな孔ごと啄んでから口を開く
あむりと口腔へ招き、半ばまで一気にくわえ込んだ]
…お前さえ良ければ?
[にま、彼の口癖を真似て告ぐ。
深い赤みを帯びた瞳を間近に見つめ返し、熱い肌に触れられて息を吐く。
皮膚の刺激に身震いするのを、口付けて誤魔化した。
露天風呂では言葉の通り。
酒を呷っては人目も気にせず、彼の唇に注いだ。*]
[どうみても怖がっているそれは
追いかけられれば応じても、やはり彼に自らの味を覚えさせるのは…なので触れるのみ]
だって、好きなんだから仕方ない……
[と苦笑いすれば、小さく確かに聞こえた言葉に目を細めた]
[泣きそうな顔に息がつまる様子は
引き抜いたほうがやめたほうが、とも一瞬過ぎれど熱はきっとお互い収まっていないのだ。
彼が自分で腰を下ろし始めたから手は離して、そっと背中に回し抱き締めるような状態にし]
……ん、っ
[ねだられるまま重ねた]
[そうして漸く狭いそこに全てが収まった
きつく締め付ける死者には熱い中に、甘く息を吐いて、きっと質量が増してしまった]
う、うん……ごめんね……
[そんな顔で言うにはとても残酷な言葉だとこの吸血鬼は自覚しているのだろうか…
疼きつい少し動いてしまっては上がる喘ぎに煽られる、…早く慣れてと必死に念じていた]
ン……っ。
[露天でも、首はちいちの腕に抱かれたまま。
口腔内に流し込まれた、彼の体温と等しい温度の酒に、こくりと喉を鳴らして目を細める。
口の中の酒がなくなっても、暫くは唇を離すことなく、最後の一滴まで味わおうとするかのように、舌を絡め、交わらせる。]
……っ、ふ。
流石……チー君の見立てた酒だ。
[漸く唇を離した頃には、紅は更に濃くなり、ゆるりとくつろいでいた胴体は、いつのまにか、腕をちいちの腰へ回していた。]
チー君………
[するりと滑った掌は、鱗に包まれた臀部と太腿を撫で]
この後の時間は、私が、キミを独占してしまっても構わないかな……?
[艶やかに笑みながら、誘いをかける。
そろそろ、湯から上がってもよい頃合いだろう。*]
[顎を伝う涎を舐め取る、ぼうっとした様子
っ
しぃ、しゃ……
[呆けた顔、ふわついた声に思わず喉を鳴らす
許可がでればもう、おあずけを食らっていたそこは]
ごめん、優しく出来ないかも……
[荒い息と共に囁きを落とす
欲するまま彼の身体を引き寄せ、中を突き上げて存分に貪った]
ん、ん゛……、 ………?
[
何か、頭を振る死神。
どうした、と小首をかしげるも、おそらく答えは無いだろう。]
、ふ、
ん、ふふふ、 ん、ッぅ、
[猫のように目を細めて、ごくりと喉を鳴らす。
この死神が。
たかが人間あがりの亡霊に、それを願うのか。
それほどまでに、]
わかった、
俺だけに、して、 あげる。
すき、 ミーナさん
あいしてる
[死神の好むこの色を遣って
与えられるままに媚びて強請るのはきっと、自分だけであればいい。]
うぁ、ら、だってぇ、… は、
やめよ、とした……
[
解かれるまま、先まで愛撫された胸に指が触れる。]
あ、あぁ……ん、
はぁ、…
[死神の真似をして弄るけれど、上手くいかない、足りない。
下手を差っ引いても、この温度が違いすぎるのか。
命じられる事を忠実に行う事自体には、先走りが零れるくらいに興奮するのに。]
ひは、 あ、あぁ、…んっぅ、……―――
は、
[先端に口づけられて、身体が跳ねた。
同時に、死神に愛撫されたのと同じように、胸の先を爪弾いて。
咥えこまれた陰茎がびくびくと震え、同時、どろりと白濁混じりのカウパーが漏れた。
本能が勝手に男の動きを再現して、どこもかしこも愛撫されている錯覚。
だらしなく開いたままの口、一度乾きかけた唇を、舐めてうるおした。]
しぃしゃ…好、き……っ、しぃしゃ……
[幾度も名前を呼び、唇を奪って、彼の自身を扱き自分がされたように先端を弾いて
理性などとっくに消し飛んで、きっと命令も全てが終わるまで聞けなかった*]
………、
[
橙の瞳も、紅い舌も頬も。
魂のいろも、どれも男を誘ういろで、どれも愛らしい
その口が紡いだ愛を誓う言葉に、もうだめだと思った]
俺も、お前を愛してる
[死神ではないものに、変わってしまう気がした
それでも、
いい。]
あいしてる
[彼と共に過ごす時だけは、一人の男になっても、
死神じゃなくなっても、いい ]
[どろっどろに思考が溶けた頭、名前を呼ばれてふにゃり微笑んだ。
顎を舐められる感触さえ、脳に響いて。無意識にきゅうと中が締め付ける]
ふぁ?
[と。
ごめん、と謝られて、首を傾ぐ暇もなく]
っあ゛! ちょ、ま…っ、ひあっ にぁ、
[突き上げられて、焦って一瞬抵抗したそうに体に力が籠って
すぐに、寸止めしていた快楽に頭が溶けて、脱力する]
[なにかに捕まりたくて、手を伸ばして
ぎゅうとトレイルの肩を掴むと、爪を立てた]
は、とれぇ、るぅ……っ
すき、ぁ、とれぇる、すき、ひぅ、にゃ、
[ぎ、とひっかきながら、甘ったるい声で甘ったるい砂糖菓子を、落として
顔を見て、ふにゃとまた微笑んだ]
[男の言いつけ通りに胸の尖りをいじる姿は扇情的で
腔内にとぷりと溢れる、精の息遣いを伴ったカウパーの苦味も、
肉茎に浮く汗のにおいや味も、なにもかもがいとしい。]
――ん、
[幹を口腔で扱いた末に白濁が舌や腔内を汚せばそれを甘受し
でも、まだ。たりない]
サム、
[そっと名前を呼び、こちらに跨るようにと強請る。
可愛い亡霊の虜にされた今の男は、死神ではなかった*]
[湯船に浸かるのは本当に短時間となった。
いくらしぶといからといっても熱湯に浸かれば眠くて堪らなくなる。
変温動物の悲しい宿命だ。
代わりにルーカスの身体を湯に浸からせたまま、自身はその頭と酒瓶を抱いて、背中合わせに座った。
芳しい酒を浴びるように飲んで、含んでは間近の首に口移す
ふ…ぅ、 んく、
[舌を吸われ、ルーカスの艶を含んだ吐息が干した酒の代わり口内を満たした。]
…んー。
お前さんの見立てだろォ。
初っ端引きのいい升酒持ってぇ来やがって。
[熱い肩にくたり、凭れて星を眺める。月はかなり傾いて、その姿を半ば建物の影に隠していた。
金糸の髪と額を撫でる。声をかけられ、敏感な肌身に触れられれば、少し抑えた息を漏らして短く、ン、と応える。
首を持ち上げ、視線を合わせた。
瞳の深紅は余程色濃い。己の眼と、さてどっちが紅いやら。]
――、…幾らでも。
.
うん、
[
きっと最初に、この男を初めて見た時には
吸いこまれるような紫黒に、
内を震わす聲に、
たましいを、取られていたのだと、思う。
終末の日に招かれるべき楽園を捨てても、
人間であったことを捨てても、
永劫取り残される存在となったとしても、
この、死神と同じ場所へと堕ちる為に
意識を持った亡霊として、成ったのだろう。]
あいしてる、よ。
[そう信じさせるほどには、満ちたりたものを、知った。]
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