62 あの、夏の日
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はは。まさか、メアリーとテレパシーが出来るようになったのか?
[まさかな…と、苦笑する少年。
しかし、少年にも好奇心はある]
俺は、ディーンだ。
聞こえるか、メアリー…?
[風が止んだタイミングを見計らい
思考で彼女へと語りかける――]
[水を含んだ髪はもう舞うことはない。
けれど、風は優しくすり抜けていく。
一瞬の無音、その後に。]
――……ディーン、先輩?
[聞こえた。どこからといわれてもわからない。
けれど優しく降ってくるように響いてきた声に]
聞こえます!
うわ、なんだろうこれ、不思議ですね。
[騒がしい音の合間に、そっと声を乗せて。]
…おお!聞こえるか!?
[ハッキリと返ってくる声に、感嘆の声を微かに上げる。
声や先輩呼びからして、テレパシー相手はメアリーで合っている様だ]
吃驚したぞ!まさかいきなりこんな事が出来るようになるとは!!
[不思議です。と答える彼女には、少年の明るい声が届いている事だろう。
堅物な少年とは言え、やはり不思議な事が起きれば驚きもするし、感動もする。
そして]
まるで、夢みたいだ――
[そう呟いた瞬間]
[くらり、眩暈が起こる]
[聞こえてくるディーンの声は、それはそれは明るく。
見えるわけでもないのに、首を縦に振って同意した。]
すごいですよね!
でも、本当……どうして、だろう。
どうして、いきなり、こんな
こんな……
[足元に伸びる影、ベルトに下がった星のキーホルダー。
ぽたり、と髪から落ちた雫は闇色。]
こんな風に、……会うなんて。
[自然と漏れた言葉はどこか落ち着いたそれ。
まるで、自分自身の声でないような。]
[陽が作る、見慣れたシルエット。
左右に結わえた髪、大きくない影。
――かわんねーな。
誰かが、そう、言った気がする。]
ねぇ、先輩。
どうして、でしょう。
私、懐かしくて――
[ぶれる思考が声を、震わせた**]
……メアリー?
[明るかった彼女の声が、徐々に暗くなる。
まるで夕日が夜を連れて来る様に、少しずつ。すこしずつ]
おい、大丈夫か…?
メアリー、返事を……
[眩暈を起こす頭を軽く振って、彼女の意識の方へと向かおうとする]
[だが]
[足は、動かない]
[問いかけてくる後輩の、声とは違う聲が不思議と脳に響く]
懐かしい…?
[彼女は一体何処で、何を感じているのだろうか?
そう思うと同時に]
…………?
なんだ、この…胸の奥からの、痛みは…
[じわり、じわり]
[内側からの不可解な感覚に襲われる]
[ノートを手に取る]
[それは、生徒会の会計ノート]
[パラパラと、頁を捲る]
[綺麗だが、何処か拙い字]
[未熟な、財務管理の計算式]
ああ、此処はこんな計上ではいけない――
[不意に出た声は、少年の声ではなく]
[恐らくは、小柄な彼女の。
駆けていく足音に、耳を澄ましながら]
[談話室に差し込む夏の光に、目を細めた**]
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うるさ……あれ、いない。
[窓を開けて怒鳴ろうかと思えばそこには既に人は無く。]
……まったく、静かに出来ないものかしら。 夏休みだから楽しいのはわかるけど。
[ケイトの口から出るのは、小五月蝿い説教じみた言葉。]
(88) 2011/08/27(Sat) 11時頃
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……そういえば、少し喉が渇いたかな。 送られてきたコレもみんなに配らなきゃ、傷んじゃうし。
[今日実家から送られてきた西瓜も捌ききれなくて困っていた所で。
ケイトは西瓜の入ったダンボールを持ちながら、談話室へと向かっていく。]
―自室→廊下→談話室―
(89) 2011/08/27(Sat) 11時頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2011/08/27(Sat) 11時半頃
ケイトは、廊下で何やら起こっている様子には声をかけつつ。大丈夫そうなら談話室へと*向かう*
2011/08/27(Sat) 11時半頃
[目の前を覆った大きな影。
――おかえりなさーい!
――ただいま……!
そんなやりとりが、あった……ような。
ヤニクは流暢に話しをして。
たくさん話そう、と]
[笑いかければ、ケイトはどう返してくれるだろうか。
――相変わらずなんだから。
そんな風に、言われる気がして。]
……ずっとこのままでいられたらいいのに。
[その思いは、少女のものではない。
遠い昔を懐かしむような大人びたもの。]
……大丈夫です、先輩。
[心配させてしまったと、穏やかに語りかける。
思っていた以上に落ち着いた音でそれは伝わるだろう。]
少し、胸が痛くて。
[苦くて、甘い痛みが身体を駆け抜けていた**]
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―廊下―
あら、メアリーちゃん。大丈夫そうならそれでいいんだけど。
[ケイトは西瓜の入ったダンボールを抱えながら。]
元気なのはいいけど、今みたいにぶつかるから廊下は走っちゃ駄目よ。
(98) 2011/08/27(Sat) 14時頃
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それに、実家から西瓜を送ってきたから、後で食べましょう。
[ケイトはそうメアリーに告げると談話室までの廊下を後にする。]
じゃ、また後でね。
(99) 2011/08/27(Sat) 14時頃
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嗚呼…そうだな…
全く、その通りだ…
[その同意は、男にだけ聞こえてきた言葉へのもの
微睡む意識の中、拙い言葉が紡がれていく]
どうして…皆、バラバラになってしまったのだろうな…
……あんなに、楽しく笑っていたのに。
[思い出すのは、先程の談話室での遣り取り。
混濁した男の脳は、少年の外見に似合わない言葉を生み出していく]
[大丈夫、と答える少女の声が耳に届いた。
意識が眠りの縁に居た男にとっては、その落ち着いた声はとても心地良くて]
そう、か…
メアリー、無理は…するな…
[やがて、言葉は途切れ途切れになり]
…俺も、胸が痛いよ。
[瞼が下がりきる直前。
まるで尊いものを見守る様な微笑を浮かべ、ノートに幾筋も差した細い日光を見つめては]
なんで…だろう、な……?
[呟きは遠く、離れていく風に乗せて**]
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あっ、ごめんなさい。ディーンくん。
[廊下を歩いている途中で人にぶつかりそうになった。生徒会の副会長であるディーンだ。]
ウチの実家から西瓜を送ってきたみたいで。 帰省する子もいるからそんなに沢山送ってこなくてもいいって言ったんだけど。
[ケイトは少し重量のあるダンボールを持ち直すと]
(102) 2011/08/27(Sat) 16時頃
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先輩も、無理しないでくださいね。
こんな暑いんです、倒れちゃいますよ?
[ふふ、と零した声は聞こえただろうか。]
……ディーン、先輩?
[徐々に途切れる言葉に問いかけるも、ただ風が通り過ぎていくだけ。]
本当に、どうしてでしょうね。
こんなに楽しいのに。
……苦しいです。
[呟き、僅かに目を伏せた。
けれどこの思いは自分ひとりのものだけではないのだと知っている。それが少し、嬉しかった。]
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―回想・談話室―
あっ、ごめんね。こんな重いの持たせてしまって。
[ケイトの代わりに西瓜の入ったダンボールを持ってきたお礼をディーンにすると。]
あたしはちょっとここでお茶でも飲んでるから。 わざわざごめんね、ディーンくん。
[生徒会で良く顔を合わせる副会長に丁重に礼を言う。 クラスの者に頭を悩ませる者同士、どこか気が合うような気がして。ケイトはディーンを見送る。]
(145) 2011/08/27(Sat) 23時半頃
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さて、あたしは麦茶でも―――
[ケイトが冷蔵庫に麦茶を取りに行こうとした瞬間、床に這いつくばっているクラスメートの姿が。]
(148) 2011/08/27(Sat) 23時半頃
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ちょ、ちょっと!!!なにしてんのよヨーラ!!!
[ケイトの怒声が寮内に響き渡る。]
(150) 2011/08/27(Sat) 23時半頃
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ケイトは、ヨーランダをゆっさゆっさと揺さぶっている。
2011/08/27(Sat) 23時半頃
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―いつか・談話室―
助かりました……マリア先輩。
[ぐったりしたヨーランダにびっくりしたケイトが悲鳴をあげたそのちょっと後、気づいたのか気づかないのかマリアンヌがどうやらクーラーボックスに氷を入れて持ってきてくれたらしい。(>>152)]
……先輩も麦茶飲みます?
[マリアンヌをねぎらうようにケイトは麦茶を勧める。]
(157) 2011/08/27(Sat) 23時半頃
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[夢を、見ているのだろうか?]
[薄暗い店内、酒と遠くから流れてくる煙草の匂い。
そして思い出話をする男女の大人達。
彼らの声は変われど、何処かで聞いた事がある様な]
[同時に入り混じる、寮の談話室と廊下の風景。
湿度の高い空気、談笑する少年少女達]
ん…
[メアリーの声が聞こえる。
同時に、意識は夢から引き剥がされて]
……
[…苦しいと、メアリーは言っていた気がする。
でも、その声は何処か嬉しそうな気がしたのは。
その声色に、自分も微か嬉しく感じたのは、気の所為なのだろうか?]
ああ――
[寝呆けた頭では、結論には達せずに通行止めをくらって。
気の抜けた呟きと共に、空を見上げた]
読書家 ケイトは、メモを貼った。
2011/08/28(Sun) 00時頃
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