人狼議事


194 花籠遊里

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視点:


亀吉! 今日がお前の命日だ!


【人】 墓荒らし ヘクター

[微笑みの裏から突き刺す一言につい笑ってしまった。>>3:128
微笑を花として取繕うのに、言葉は裏切り、その差異を愛でた。]

 慈善事業を気取る気は更々ねぇよ、
 お前さんが覚えがねぇなら、俺の戯言よ。
 またお綺麗に微笑んで流しゃ良い。

[ただ、手繰り寄せる指先は離さなかった。
咽返りそうな情交の中、真実を晒す金華の前。偽りだらけの花と蝶が視線を交わし、指を強く握りこんだ。]

 ―――だが、聞き流せねぇなら、もう諦めろ。
 
[色に濡れても眼差しの強さ変わらず、引いた指の節へと口付けを落とす。罅が入って、砕けた先を知らない。揺れる心が求めるを知らない。

けれども、やはり、彼の焔に似た髪色は嫌いでなかった。]

 誰に言われず、誰に愛でられず、誰の目にも留まらずとも。
 ――― 造花なんて、寂しい振りするんじゃねぇよ。丁助。

[言葉の最後、そっと彼の節に歯形を残した。*]

(0) 2014/09/21(Sun) 02時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[悲鳴が響く、心地の良い悲鳴が。>>3:129

発露を知らぬ蝶の深層を暴き、彼が抱える膿を吐き出させるよう手荒に抱いた。加減を知らぬのは彼の熱に惹かれる所為だ。己はつくづく正直に出来ている。

抱擁を強め、体温を交換し、生まれたままの彼を砕く。
強いられる事に喜びを覚えさせ、喉が嗄れるまで好きよう貪り尽くした。実に満悦なる饗宴であった。

振り乱す金の髪が視界で揺れると、糖度が喉に溜まった。男の支配欲を彼の痴態は癒してくれる。
強請られるままに与えてしまうのは、聊か興に反したが、今更身体が欲以外の言い分を聞く訳もなし。囀りに誘われたと、胸内で誰にともなく言い訳を並べたてた。

溺れてしまえば良い、沼に足を取られ、沈んでしまえば良い。
そんな夢想を抱くほど、壊れて行く蝶の美しさは筆舌し難く、どろりと溶け合い境界線を見失う。>>3:130

彼は漸く、彼自身を捕まえたように見えた。
喉を滑り落ちる甘い呼気。

もう一つ飴をやる変わりに、彼の痩躯を抱きしめた。]

(1) 2014/09/21(Sun) 02時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[結局、その夜は驕傲の限りを尽くした。

捕まえた金華の中に幾度も精を注ぎ込み、彼の腹内を重く温め。
涙も声も最後一滴まで味わい、関節を軋ませ、愉悦に浸る。
翌日は如何様な顔をして逢うかなどという無粋は考えなかった。
金華の側面暴いたとしても、彼の備える無邪気な傲慢さは変わらないだろう。
一歩自己の理解を深める背を押したに過ぎない。


けれど、人の体温はやはり、一時の充足を呼んでくれた。

一夜の戯れだと知っていても、夜は折り重なって出来ている。
子種を塗りこめるように放った果ては、深い夜に紛れて濡れた。


――――積み重なる深い夜は、*いつも己に夢を見せる。*]

(2) 2014/09/21(Sun) 02時半頃

墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 02時半頃


可愛い吾が子達。

今日もお前たちに潤いが降るよ。
恵みの雨とはよく言ったものだねえ。

[毎日それは繰り返される。
牢に降るは紙の雨。
丁の許へと降らすは二倍。
よく働いたねと微笑み落とし。]


[朧月夜の言の葉に
 漸く藤の花が一輪、籠から消えたことを知りました。]


 ────…。


[何を言葉に出来ましょう。
 否定して頂きたかった言葉は、されず
 思っておりましたことを、肯定するように紡がれたのです。]


[知らぬ『月』の名を呼ぶことは出来ません。
 藤色のみが、それを許されていたでしょうに
 消えてしまったその『花』に、月は欠けてしまったのでしょう。

 はらはらと。
 涙の代わりに霧雨が降っておりました。
 さらさらと。
 月の欠片の砂塵が舞っておりました。]


 とても。
 ───お辛い、でしょう。


[櫻は枝葉にて、月を抱きます。
 月が眠ってしまわれるまで、そよそよと
 枝葉を濡らし、夜風に揺れていたのです。]


[藤の花欠けたことを知る朧月夜。
 もう一輪、『おうじさま』に連れ去られた『おひめさま』がおりました。

 それはまだ読んだ事のない『花籠物語』。

 咲き行く『しあわせ』。
 先行く『仕合せ』。

 それは『幸せ』な結末の向こう側。



 囁きは花籠、中庭に植えられた種
 明日にはきっと、哀しき花を咲かせるのでしょう。]


墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 11時頃


 月が、欠けてしまわれましたよ?
 逢いに来てくれるのでは、なかったのですか?

[欠ける前に、必ず逢いたいと謂ってくださったのは一輪の『花』。
 『人』ではないのです。
 だからきっと、もう逢いに来てなどくれないのでしょう。
 彼の『花』は『人』となりてしまったのです。

 もう、この籠の中には咲かぬのでしょう。
 取り残された櫻の『花』は、中庭で櫻色を揺らし
 呪詛の種を埋めていたのでございます。]


【人】 墓荒らし ヘクター

― ??? ―

[その日は青い空に虹が掛かっていた。

男はその架け橋を区切られた窓から見ていた。秋風は生い茂る木々を分け、空を広げて久しい。

昨夜、金華を暴き、紅華を揶揄った。
夜に舞う夜蛾の一面、朝に戻る人の一面。
どちらも己のもので、金華に告げた本質云々は単なる経験談。
ギシ、と革張りの椅子に背を任せて軋ませる。

得体知れぬと花街で噂の男は、夜の世界に現界する常のだらしない姿ではなく、仕立ての良い黒のスーツに身を包んでいた。
己の前には重厚な執務机が飴色の輝きを放っている。]

 ―――籠の中と、外の違い。
 花と蝶の違い、ね。

[独り言をぷかりと漏らす。
日差しの中で橙灯色の髪を揺らし、耳にノックの音が届く。
入室の許可を出せば、眼鏡を掛けた背の高い男が書類を抱えて入ってきた。]

(11) 2014/09/21(Sun) 15時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[すらすらと本日の予定を告げる音階聞き流しながら、男は足と指を組み合わせ、緩慢な瞬きで瞳を洗った。
秘書めく男は揺れぬ口調で言葉を吐き出すも、最後で言い淀むように数秒の沈黙を挟んだ。

されど、意を決したように「それから…」と、漸く口火を切った。]

 「やはり一度本国へお戻りください、」

[張り詰めた声にも男の顔は動かない。
ただ、区切られた窓の向こうに視線を伸ばしたまま。]



 「エクトゥール・エトワル・ダルジャン参事官。」



[陽下で生きる名を呼ばれ、隣国示す徽章が鈍く輝いた。*]

(12) 2014/09/21(Sun) 15時頃

墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 15時頃


【人】 墓荒らし ヘクター

― 来館遊里 ―

[その日の男は珍しい風体であった。

いつも夜更けにしか訪れぬ癖、今日は黄昏に近い宵に訪れた。
いつも横着げにシャツを引っ掛けている癖、今日は漆黒に染まるスーツを着こなす。腕に下げたロングコートは秋の深まりを示し、緩めすぎたネクタイと第三釦まで開けた喉元を除けば、常と180度は違う印象。
相変わらず派手な悪人面と耳に穿った飾りは変わらぬが、花主の揶揄を誘うには十分だったらしい。>>4>>5]

 俺の一存で刈れるほど可愛い気のある櫻じゃあるめぇ。
 それとも根こそぎ倒すかね、そいつぁ庭が寂しくならぁな。

[はは、と気のない笑い声で花主の傍を通り抜け。
程なく歩けば、己は中庭で土を弄る後頭部を見つけた。>>9
回廊の窓から覗く彼の姿は、同じ視座に合って内と外とで別たれている。>>10]

 そいつをお前さんが謳うには、10年ほど早くねぇかね。

[窓枠に五指を掛け、身を僅かに乗り出しつつ。
今宵も迫る夜と共に、彼に茶化して語りかけた。]

(13) 2014/09/21(Sun) 15時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[庭に埋められたのは、花の欠片か。>>14
彼はこの廓に永い花。過ぎ去っていく蝶も、枯れていく花も飽くほど見ているだろうに、丁寧な埋葬は、彼の大切なものを埋めたように思えた。櫻の下には確かに花の亡骸が埋まっているのかもしれない。]

 そいうや、見てねぇな。
 色恋に溺れて世でも儚んだかね。

[彼の歌を思えば、口から出るのは碌でもない予想。
自然と窓枠に自重を掛けて、上体を折り曲げつつ、腕を組んだ。]

 ちと明日は朝が早ぇんだよ。
 アパルトマンも払っちまったから、屋根を借りれりゃ良い。

[上背に合わせてオーダーされた生地は上等で、彼らを買い求める貴族のそれとも、高級娼館の案内役とも違う意匠の黒衣。
二次性徴の終わりを抜け出せぬような童顔に鼻を鳴らし、既に首に下がるだけのネクタイを更に引いて寛げる。

夜に馴染んだ香でなく、今宵の男が纏うのは外の匂い。
己の言葉が示すのは昼の顔。彼の知らない世界の話。]

(19) 2014/09/21(Sun) 16時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[世間話のように繰り広げる中、不意の気配に視線を起こす。
人目が増えてくる頃合に、花を独占していれば衆目も集めよう。
だが、男が察したのは覚えのある気配。

昨夜、とろりと馴染んで溶けた、金華の気配。]

(20) 2014/09/21(Sun) 16時半頃

[黒衣を纏う男は、彼の昼の顔とよく似ていた。
責背負い、裏と表を使い分ける。
だからこそ、人の気配にも聡く、発音にも癖が付いて回った。]

 ―――…ニコラス坊やか?

[小さく呟いた声は彼の耳に届いただろうか。
強いられる彼の痴態がフラッシュバックして、甘い重さを腰に自覚すると、自身も軽く頭を振った。
気を抜けば飼い猫へするように、彼を呼んで仕舞いかねない危うさだ。]


 
 
 あなたは、『しあわせ』ですか?
 
 


[『花』でもなく、『蝶』でもなく。
 『人』同士で紡ぐ『夢物語』なら。

 どうか、『しあわせ』であってほしいのです。

 梅花を埋めながら、僕の『しあわせ』を
 赤魚を埋めながら、僕の『呪詛』を
 まるで希望と絶望添えるように、埋葬したのでありました。]


[櫻子とヘクターの会話はよく聞こえてこなかったが、自分の名を呼ばわる小さな呟きは何故か妙に耳についた。]


 ふぁ、はい…!

[ぼうっと昨夜のことを夢想しかけていたところに声をかけられたので、なんとも情けない声をあげて返事した。
彼の事が恐ろしいわけではないが緊張はして、背筋がぴんと伸びる。]


【人】 墓荒らし ヘクター

 縁起悪ぃな。

[七色の光が終わる先を己は見たことがない。>>21
天の門を潜るのだと一般的には言われるが、御伽噺のような絵空事は信じていない。
ただ、甘い蜜の夢より価値ある大切なものを見つけたのだろう。と、月輝と月下蝶が脳裏にゆらりと立ち込め消えた。]

 未練がましく土いじりなんてするんじゃねぇよ。
 お前さんは何時から墓守の真似事を始めたってぇのか。

[何のために此処から抜け出したかは、考えるまでもない。
だが、目の前の彼はいつも見送る立場らしい。
中庭の繁栄も、長きに渡る彼の管理の賜物だろう。

何処にもいけない櫻樹は、ずっとこの花籠に咲く。]

(24) 2014/09/21(Sun) 17時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 ――…まぁ、粗方毟っちまったからな。
 名無しの黒子の渋顔は悪くねぇが。

[己の悪行三昧は口にせずとも、想像付く範疇。
昨夜も蝶を一頭、花を一輪、地下の深みに引きずり込んでいる。
己の顎鬚をざらりとなぞってから、閃いたように口を開いた。

夜色の双眸に、悪趣味なる笑気の顔を映して。>>22]

 金を落とさねぇ蝶に貸す枕はねぇってんなら、
 櫻の小枝でもへし折って枕元に挿しておくさ。

[やはり今日も、夜蛾は性質が悪い。]

(25) 2014/09/21(Sun) 17時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[ガサと揺れた茂みに音なく笑い、彼の影も手招こうか。>>23
ついでに、腰は無事かい。と揶揄を飛ばし、嗄れた喉から搾り出される声を清澄するよう、耳を傾けた。**]

(26) 2014/09/21(Sun) 17時頃

墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 17時頃


 
[きゅうと、唇を引き結んでおりました。
 表情は微笑みを湛えているというのに。

 どうして僕は、小さく唇を噛んでいるのでしょう。]
 


[夜の香りを色濃く残す虫籠に、金の雪が降る。

今夜は何もしていない、と否定もせずに、多く散らばった其れをかき集める。

夢を、見ている。
素直だと嘲る声を身に受けながら、
こうしていればいつか、外へと戻れるかもしれないという夢を。

其れは儚い唯の夢でしかないと、心の何処かで諦めながら。
この花籠に浸りきった身体に、他の居場所等有りはしないのではないかと疑いながら。

それでも。]


墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 20時頃


【人】 墓荒らし ヘクター

[昼の世界に馴染み、彼を暴いた指先で日常を送る。
黙っていれば、軽薄な悪人面も多少緩和されるが、昨夜を知る身には難しいだろうか。しかし、男は常と変わらず指先を閃かせ、ニコラスを迎えた。>>23]

 花に貢物とはお前さんも隅に置けねぇな。
 
[へぇ、と呼気を漏らして彼の目的を知れば、数泊の間を空け視線を流し>>27]

(37) 2014/09/21(Sun) 20時半頃


 ―――…ほう。
 まだ、中に違和が残るかね。

[ツイと、近づいてきた彼の腰に指先伸ばし、円を描く接触。
櫻樹の前での戯れは、昨夜を誘発させる因子。
染まる横顔をチラリと横目で視姦した後、密やかな声で囁いた。]


【人】 墓荒らし ヘクター

[そうして、櫻より後半濁された言葉は、蝶たる己は知らぬ世界。
或いは途切れさせた彼にも、知らぬ先か。

花を植えて、朽ちた葉を払い、残った種で次の四季を越える。
輪廻を手繰る彼は、この庭園を作り上げたのだろう。
まるで大樹が木陰を作り、花々を慰めるように。
―――――或いは、弔うように。>>28]

 なら、いつも墓守代わりか。
 景気の悪りぃ話だな。

[片手で己の短い髪を掻いて、僅かに顎を引く。
彼の口ほどの物を言う眼差しを頬に感じると、軽い瞬きを挟み。沈黙を一拍。>>29]

(39) 2014/09/21(Sun) 20時半頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[何事か口を開こうとした矢先、櫻が揺れるのは金華に誘われ。>>30
失墜した言葉は口腔の内に仕舞いこみ、察した花の聡さに弁明せず無言の肯定として肩を竦めて見せた。]

 俺はともあれ、座敷代を払って、
 態々、茶飲みに来るというのも、酔狂なことよな。

[夜の茶会が、無聊の慰めとして成り立つ事は知っていたが、花と蝶の立場弁える身には縁遠い話。されど、水が此方に向けられれば、また指先で蟀谷辺りを引っ掻いた。>>31>>33]

 幼子で在るまいし、いらねぇよ。
 茶なら一杯貰おうかね。毒入りでねぇなら。

[気の良い蝶の傍ら、夜蛾は平時と違わず櫻花に揶揄を降らせた。]

(40) 2014/09/21(Sun) 21時頃

 ひゃっ

[忍びやかに伸ばされた指先の感触に小さく悲鳴を上げる。]

 や、やめて下さいよヘクターさん…!

[これには流石の僕も赤い顔で抗議した。
櫻子の前で痴態を演じる羽目になるのは避けたい。
櫻子も廓の花なのだから慣れてはいるだろうが、あのくりくりとした大きな黒い瞳に見られるのはなんだか憚られた。

多分、物凄く恥ずかしいだろうから。]


[まるで、櫻の前では見得を張りたいと言わんばかりの文句
彼の素直さに主張の激しい喉仏が緩やかに上下した。

花前でも微笑を取り繕っているばかりだった数日前に比べれば、
随分彼には色が増えた。やはり、彼には才能があるのだろう。

人を惑わす天性の才能が。]


【人】 墓荒らし ヘクター


 ―――…だらしねぇ顔をしやがんなよ。
 誑かされているようだぜ。

[悪い夜蛾は彼の善意を打って算え、皮肉な笑みを乗せる。>>43
甘味は櫻樹が重ねる小さなしあわせの素の一つ。
それを与えるニコラスは良き蝶だろう。

ふむ、と吐息を一つ漏らすと、続いた言葉には首肯を浅く。>>44]

 お前さんとはこの先、そんな巡り合せもあろうかね。
 ―――…最後の晩餐には程遠いが……、

[そんな夜も悪くない、と、珍しく殊勝な心地で、相席を申し出ようとしたその時。差し挟まれる声が己の思考を止めた。]

(48) 2014/09/21(Sun) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 ――――…、

[不意に飛び出た彼の告げる架空の毒害計画。>>45
企てる花は毒を持ち得ぬ種だが、男は重い半分ほど降ろし。

口から出てこなかった言葉と、彼の告げなかった言葉が水面下でぶつかった気がした。]

 ……いや、やはり止めておこうや。
 何処に隠し持っているか知れねぇ。

[興が削げたとばかりに、片腕に下げたコートを揺らめかせ、中庭を覗いていた窓辺より別離。嬉々として仲睦まじい彼ら二人を残し、夜蛾の鱗粉撒き散らしつつ。

ただ、スーツに包まれた片腕を持ち上げれば、櫻子へと「枕を借りるぜ。」と端的な言葉を届けた。
謎かけめいたその言葉を彼が理解するのは、花主に召喚される時か。



今宵、夜蛾に櫻梢が買われたと、伝わるその時か。**]

(49) 2014/09/21(Sun) 22時頃

["丁"という花の名を借りたのは、己の全てを掌握するあの男が好ましく思えなかったからだ。

花籠の主。
誰よりも高みから眺めるあの男に、己は居場所を決められたのだから。

もう二度と聞きたくも無い名前でしょう?
其の意味を込めて、嫌がらせに、己は"丁助"に成った。]


墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/21(Sun) 22時頃


[白に含ませる沈丁花の香も、以前の"丁"を真似た。

赤い蕾をつける花だから。
理由は後から追いかける。]


[花として生きる花たちを、自らと同じ立場だとい言うのに、何処か遠くに感じることがある。

馴染んで居るのか、居ないのか。

花らしく微笑みながら、世界は薄い膜の中。]


ちょう。

[男の声は“丁”の名を綴る。
在るのは普段変わらぬ一階の奥。
揺り籠に揺れる宵闇の色。]

丁。

[花が何かに心奪われ。
根腐れ起こすなどよくあるお話。
“丁”も変わらず、その一人。]


 
 
[“丁”は替わらず、ただ独り。]
 
 


[男は思い出していた。
あれはいつの頃だっただろう。

雨の日か、
或いは雪の日か、
或いは曇り、
或いは月夜、

覚えてなどいないが
蕾の色と同じ色をした
ぬるつく“紅”に濡れていた。

沈丁花の香など掻き消えて。
淀んだ空気が満ちていた。]


丁、飛べぬ花。
飛ばぬ花。

[数多、花を刈り取る命下しても。]


飛ぶことなど、赦しはしない。


[男が直に刈り取ったのは“丁”一人。]


[同じ名を持つ焔花。
それが蒲公英であるというのなら。

男は、
綿毛のひとつ、
籠から飛ぶを、

赦さない。]


[それはまだ、雨が止んだ頃であったか。
珍しく一階奥の部屋にて、蝶以外の来客が通された。
一輪の花の迎えに、醜い肉塊が現れた

金は払った!
何処へ隠した!

そんな風な叫び声が部屋中に響く刹那。]


知らないねえ。

花は、人でも犬でもなんでもない。
首輪もなければ自由に咲き、自由に枯れる。

あれは元々、根を張る花とは違ったのさ。
水面に揺れる、蓮の如く。

波間に浚われてしまったんだろうよ。


しかしだ。
そんなことはどうでもいい。
金は払ったというが、どうも勘定があわなくてねえ。

お客人、利子というものをご存知かな?

他から金を借りるということは、そういうことなのだよ。

払わずして消えた花の数年の利子、
払えるのなら全て揃えて頂こうか。

無くとも、払って頂こう。
言うだろう?


―――“人間外見じゃなく、中身だ”と。


[その後、その肉塊がどうなったか。
嗚呼さっぱりと覚えてなど居ない。
蛇から逃げ遂せたかもしれないし。
そうでないかも知れぬ。

今は揺り椅子に揺られ揺られて。
男は籠の中の
花の名を口にする。]


藤は今頃、どうしているのかねえ?

[罅割れた鏡花。
朧月を泣かす藤。

下町の空きを、しっかりと埋めていることだろう。
下方の孔も、しっかりと埋められていることだろう。
花籠がどれ程幸福な場所であったか、知らしめられていることだろう。

下卑た冗句。
きいきいと揺り籠は揺れる。]


……しかし、花も幾分と減ったものだ。

[ゆうら、ゆうら。
揺れる宵闇は *何想う*]


[彼の部屋か、あるいは館のどこかでか。

朧の姿を見つけると、己は彼に問いかける。
普段より落ち着きが無いと、心配させるかもしれないが。]

 ……朧は、此の花籠で長いよな?

 なあ、此処から、逃げ出すことは、可能だよな?
 金を貯めて、自分を買えば、叶うよな?

[困らせる問いだっただろうか。
それでも、問う。

借金を背負い、繋がれた楔から逃れる術を。

唯一己が縋った未来は、之までに叶えた事の在る花など居たのだろうか。
在り得ない幻だったのだろうか。]


[音も経てずに、ただ静かに霧雨は降る。

明日には『日常(いつも)』の朧に戻るため。
『普段』の花籠で揺れる花に戻るため。

もう二度と見れぬあの色に告げる。
左様なら、さようなら、と。

櫻の微かな香りと温もりを傍に、月は眠る。*] 


[焔色に違和感を抱きながらも、己の部屋を訪れたならば茶の一つくらいは出しただろう。

焔が月に問うは、『花籠』から出るための問い。
僅かに眉間に皺を寄せながら煙を燻らせれば、暫しの間が。
吸い殻を丁寧に落としながら、ゆっくりと口を開く。]


 前者はともかく後者は然り、だな。
 


[迷ったままの視線は焔と合う事は無かったのだろう。
己に投げられた言葉には微かに光が宿っているように思えた。
しかし。
それを叶えた花など、少なくとも朧が見た中では居なかったのだろう。
……自分が花になる前なら、あったのかもしれないが。
花主がそれをただ黙ったまま見送るのかどうか。

故に朧は、そうとしか答えることはできなかった。]


 ――そうか。

[出された茶にも手をつけず、座して朧の紡ぐ言葉を待っていた。

抱いていた期待は、筋の通る話である筈だ。
大金の代わりにと繋がれた鎖なら、金で断ち切れると。

花籠に長くして、彼は己よりも多くの花を知っている。
其の彼の言葉なら、信じられる。]

 だよな。
 良かった。

[彼の懐に渦巻く疑問に気付かずに、焔はふわりと、微笑んだ。]


 お……
 おぼろ、僕は、何時か自分を買って、外に出たいんだ。

[之までに誰にも告げたことの無かった夢を、教えてくれた彼に打ち明ける。

其の為に今は耐えていると、言葉の裏は彼に伝わるかは判らないけれど。]

 答えてくれて、ありがとう。


[ただ、ただ、苦手なのです。

 近付いてはいけないと、何かが警鐘を鳴らします。
 関わってはならないと、何処かが制止をかけるのです。]


 …───『嫌い』になれたら、


[どんなに、楽であったことでしょう。
 それもこれも、僕は花であるからだと。
 何方を好いても、何方を嫌ってもいけないのだと。
 その教えに生きているのだと、ずっと言い聞かせておりました。]


 
 
[言い聞かせて、おり 『ました』 。]
 
 


 ―――…丁助。

[ぽつりと花の名を呼ぶ。
孕む色は、迷いか、戸惑いか。何れにせよ良い感情だとはとても言えないそれを込め。
焔の微笑みは『しあわせ』を宿しているように見えた。

見えたからこそ、言うべきか言わざるべきか。

これが己では無く他の花ならば、もっと上手く丁助に答えを出してやれただろう。
月には告げられなかった。焔が我慢強く耐えていたのを知っていたからかもしれない。]


 お前にとっての幸福が、『外に出る事(それ)』ならば。
 ………叶うと、いいな。


[無責任な言葉の羅列に聞こえたかもしれないが、本心も混ざっており。
しかし、叶える助言をしてやれるわけでも無ければ、
砕くなんて惨い事もできずに。
随分と煮え切らない態度となってしまった。] 


[例え花籠から出られようとも、それが『幸せな形』で出られるとは限らない。
花籠から逃れようとも、あの花主から逃げられるとは限らない。

……浮かんだ『不幸の形』を必死に沈めるために朧は煙をはく。
焔と同じ響きを持った花ならば、音にせずとも分かっているだろうと。]


 ……ん。

[頷く。
不器用な声色を、彼のらしさだと思い込んで。
思い込みたくて。]

 あっ、あ。
 変なこと、急に聞いて悪かった。

[浮かんだ予感は、消したのだ。
消したかったから、訊ねたのだ。

浮かぶ煙は、見えない何かを形作って、消える。]


── 櫻の苗植わりし日 ──

[それは今から二十年以上も前の
 何処にでもあるような、詰まらない昔話です。]


 おかあさん。
 ねえ、どこにいくの?

[ぼくは おかあさんと てをつないでいました。
 おかあさんのあしは はやくて
 ぼくはなんども ころびそうになりました。

 おかあさんは ぼくを みおろしています。
 しらないおうちのまえで とまって。
 おっきな りぼんを ぼくに かけてくれました。]

 くれるの?
 ありがとう!

[ぼくは はじめておかあさんに ぷれぜんとをもらいました。
 おかあさんに ありがとうをいうと
 おかあさんは わらってくれました。
 すごく すごく うれしかったです。
 だっておかあさんは ぼくをみるとき いつもいつも
 おこったような こわいかおをしているからです。]


[おっきなおうちのなかから かみのながいひとが でてきて
 おかあさんは なにかを おねがいしていました。

 わらっているのに こわいかおで
 ながいかみのひとに たくさん おねがいしていました。

 ながいかみのひとに いっぱい かみを もらって
 おかあさんは とても うれしそうにしていました。
 おかあさんが うれしそうな かおをするのも はじめてみました。
 だからぼくも すごく うれしかったです。

 おかあさんは かみをもらって
 そのまま くるまにのって
 ぼくをおいて どこかへ いってしまいました。

 おかあさんが くるまにのるまえ
 ぼくに こう いいました。]


 
 
 「アンタが金になるなんて、最高の厄介払いね。」

 


[その意味を知るのは、もう少し後になってからでした。
 とある女が望まぬ妊娠をし。
 不必要な子供を遊ぶための金に変えた。

 ただそれだけの、詰まらない話でございます。]


[思い出す昨夜の地下。

男に弄られ、悦ぶ男。
見せ付けられる交わりに、混同したのは過去。

氷の指先。
花の咲き方を教え込んだ籠の主。
嫌悪感に満たされながらも、受け入れ悦ぶ身体。

未知から、力任せに咲かされる夜。]

 …………

[全身を這うような気持ちの悪さに、頭を振った。]


【人】 墓荒らし ヘクター

[早々に談笑を切り上げてしまうと、
男はその足で、迷わず花主の下へ向かった。
中庭に残した二人を振り返ることもなく、秋風渡る回廊を闊歩。

冷たい夜気は、人肌を求めさせるには良い塩梅。
されど、余り誰かを抱く気に慣れなかったのは、
外装で花籠に訪れてしまった為か。
謎掛け言葉を櫻子に飛ばしたものの、
買うてやろうか、やろまいか。と、茶化して、
別の花を選んだ事など幾らもある。

揶揄の対象にはなるが、同衾の対象にはならない。
まるで花としての彼を評価しないとでも言いたげな態度は、
廓を寄る辺とする彼を深く苛んだだろう。

男が花籠に訪れ、数ヶ月。
ずっと櫻の咲き方を、言葉で態度で、否定し続けてきた。]

(82) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[されど、今宵、花主に申し付けたのは一輪ではなく梢であった。
切花でなく花籠に深く根を下ろし、毎年同じ場所で咲く櫻。

彼の苦労など知らず、彼のしあわせなど知らず。
ただ、巡りあわせを引き寄せる。

それは蝶の遊泳でなく、それは夜蛾の誘引でなく、人の業。
覚めない夢でも、一時の幻でもなく、確かなる現実であった。]

 ……へぇ、とうとう枝切りねぇ。
 まぁ、聞けば永く居たものじゃねぇか。
 

(84) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 もうちと稼げる気もするが、お前さんの商いは
 肝心なところで法を抜けやがるからな。
 今後とも精進潔斎してくれっと在り難てぇ。

 ―――…此処は仕事で来るところじゃねぇよ。

[花主と馴染み然として交わす言葉は、
肝心な言葉を避けて深入りせず、小さく笑んで金子を放る。
選別代わりと少し多めに包んだが、オマケとばかりに
櫻には未だ告げていないとを教えてくれた。>>67>>68

男は指先に落とした視線はそのままに、
ふぅん。と気のない相槌で取り繕った。*]

(85) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

― 最後の地下牢 ―

[連日連夜の遊戯も今日でお終い。

コートを皺にならぬよう、安楽椅子の背に下げ、
ネクタイは捨てなかったが、背広の釦を全て外してしまった。
着慣れない訳でも、格式ばった装いを厭っているわけでもない。ただ、この花籠と乖離するようで、居心地が悪かった。]

 ―――……、……遅せぇな。
 これで、香でも焚いて居たと言えりゃ立派なもんだが。

 ま、駄々でも捏ねていような。

[どっかりと牀榻に腰を落ち着け、背筋を伸ばす。

最中に、想像に易い押し問答を口にしてみるも、
茶々を入れに赴く事も、面倒くさいと寝てしまうことも、
煩わしいと余所の花に浮つく事もなかった。>>70>>71]

(86) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[彼が来ないというなら、それはそれでも構わなかった。
だが、思考に反し、必ず来るだろうと予想を立てていた。

彼にとって此処は花籠、己は蝶。
そして何より、彼は花。

必ず、訪れるだろうと踏んでいた。
あの寒々しいほど白い衣を身に着けて。]

(87) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

[そして、彼は己の予想通り、花として牢へと降り立った。
黒衣を纏う男は、膝に前腕を乗せて、足の合間で指を組む。
ふらりふらりと舞い遊ぶ蝶でなく、悪辣な夜蛾でなく。

人として、得体の知れぬ男が、彼を待っていた。>>72]

 ―――…年がら年中咲いている櫻が、青天の霹靂語るなよ。
 
[口を開いて最初に飛ばすのは、相変わらずの減らず口。
彼が己に抱く苦手意識は、こうして直ぐに
真実をはぐらかしてしまう所にあるのかもしれない。

お前さんの慰めなど要らない。

―――と、突っぱねる強さがいつも言葉の裏に隠れていた。]

(89) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 言っただろうや、今宵は屋根を借りにきたと。
 そうも不満げな顔をするんじゃねぇよ。

[安宿なら花街以前に幾らもあって、彼を買うだけの金があれば、
コンシェルジュ付きのホテルとて宿泊できる。
しかし、そんな事実を世間知らずの彼は知らぬだろう。

この廓が櫻にとっては全てなのだ。]

 ……それとも―――、

[ひょいと、持ち上げた瞳が彼の夜色の瞳を覗きこむ。

明けない夜など無いと知っている。
けれど、彼の瞳は永劫続く常夜に似ていた。
明けない夜はないけれど、咲かぬ花はあるとでも言うように。]

(90) 2014/09/22(Mon) 22時頃

【人】 墓荒らし ヘクター


 俺に抱かれたかいね、櫻子よ。


[せせら笑う悪辣な顔。
ひらりと櫻の香を掻き混ぜる右手。

歪んだ唇から吐き出す言葉は、また、彼を傷つける。*]

(91) 2014/09/22(Mon) 22時頃

墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。

2014/09/22(Mon) 22時頃


 別に構いはしないさ。だがな、丁助。
 …道を見誤るなよ。
 冷静に物事を見れる『花(ひと)』であれ。

[手折られずに、毒されずに。
その時まで根腐れも起こさずに。
自由になれる時が来れば良いなと、そんな思いを込めて。
年長からの小言に焔はどんな反応をしただろうか。
朧月は珍しくふわりと笑う。
『幸福』であって欲しいと、そんな夢を見ながら。*]


 冷静に、物事を。

 ……ありがとう。

[朧月の微笑に、赤い花も、笑う。
彼の言葉の真意に、己が気付けていたかはわからないけれど。

真摯な花の気遣いに、唯感謝した。]


[僕が目を背け続けていることと
 彼が表から隠そうとしていること

 ───きっと似ているものだと、判りながら。

 僕は目を背け続け。
 彼は隠している。

 そんな気が、しているのです。]


【人】 墓荒らし ヘクター

 それも今宵で最後よ。
 ―――…俺は外に、もっと遠くに帰らにゃならん。

[駄々の余韻を残す彼へ、事も無げに明日からの不在を伝えた。
また一人の男が彼の傍を通り過ぎて、花籠に櫻を残す。>>103

降り積もる櫻の花弁は柔らかで、花籠の底を隠す。
誰かの為に咲き、誰かの手で散らされ、誰のものにもならず。

堪えるような顔を双眸に映して、細い吐息を唇より漏らした。]

 酷い酷いと口ほどに物言う癖に、ちっとも泣かねぇな。
 本当に一滴たりとも―――…、
 

(109) 2014/09/23(Tue) 01時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 お前さん、櫻の為に泣いてやらねぇな。
 
[寂しいとき、苦しいとき、哀しいとき、辛いとき。
自らの為に流す一滴を彼は知らない。>>105
憂いのない生など、どれ程美しく咲く花にもありはしない。

では、彼が流さなかった涙は何処へ行ったのか。
櫻の下に埋まっているのは死体じゃない、
きっと彼が沢山捨てたものが海を作って沈んでいる。]

(110) 2014/09/23(Tue) 01時頃

【人】 墓荒らし ヘクター

 庭に咲いた櫻の香りが欲しいわけじゃねぇ。
 お前さんの慰めが欲しいわけじゃねぇ。

[きっぱりと彼の問いに一声を返す。
誘ったくせに、寸でのところで心を突き放し。>>108

代わりに持ち上げた腕は、彼の腕を引いた。
五指で余る細い手首は長年を掛けて作られてきた花の造形。
引力は彼の痩躯を支配し、傾斜させる腕力が強く。]

 ―――…眼くらい閉じろよ、色気のねぇ。

[囁く声は少し冷たく、触れた唇は少し熱い。
人には注文つける癖、己は瞼を下ろさなかった。

花としてでなく、蝶としてでなく。
櫻を愛でる心地でなく、蜜に誘われる欲でなく。


ただ、そっと櫻より生まれた子の唇を吸った。*]

(113) 2014/09/23(Tue) 01時半頃



 …───すき、です。
 
 


[背け続けた言の葉が、櫻の下の海に浮かび
 波紋を広げたのでありました。]


【人】 墓荒らし ヘクター

[約束など花籠では、一時の夜より脆いもの。
また来るよと告げて、彼の前から姿を消した蝶はどれ程いたか。
少しお暇を頂きますと去った花は何処で枯れてしまったのか。

彼はそんな多くのものを中庭に埋め、
墓標の代わりに花を育て、慈雨の代わりに涙を捧げた。
彼の苦労も悲しみも、全く以って想像の外。]

 ―――…お前さんが花でなくなったなら。
 遠く、遠くへ、来な。

 物知らずには丁度いい道中よ。

[重ね合わせた唇から注ぐ声は静かで、喉に流し込んでいく。
引き寄せた彼の手に握らせたのは、輝く徽章。

隣国示すエンブレム、遠いシンボル。
裏に刻まれた己の本当の名前。]

(118) 2014/09/23(Tue) 02時頃

【人】 墓荒らし ヘクター


 ――…花でなくなったら、

[その時は。と飲み込んだ言葉。
続きは啄ばむ口付けに紛れさせ、夜に溶かした。

彼が自分の為に泣けるようになったのなら。
寂しい事を寂しいと、哀しい事を哀しいと。
死体を埋葬するように、中庭に蹲ることがなくなるのなら。*]

(119) 2014/09/23(Tue) 02時頃

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