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【人】 紐 ジェレミー
(101) nostal-GB 2014/11/01(Sat) 14時頃 |
― ―
[目の前に現れた金色の獣。
その大きくて獰猛な存在は、ちいさな体躯を縮み上がらせた。
あまりに恐ろしい牙と、飢えた息と。
元の姿を取るのも忘れ、ただ木の葉をマント代わりにし、
目を閉じ、ぶるぶると震えていた]
「たべないで……」
[溢れた言葉はきっと、届かない。
そう思っていたが、目を開けても洞窟の中に己はいない。
じっとその狼を見上げる。
哀しい赤い目を、寂しそうな赤い目を、している
栗鼠は、再び彼に届く声で自身のことを明かし
城まで運んでくれと頼むのだった。
――せめて、この腹空かしの獣に食事を与えようと。]
この時期は、南瓜があまいので
[ハロウィンを知らない吸血鬼は、
ただ、「美味しい時期」だとは知っていた。]
ニンゲンの肉はあげられないけれど……。
[だから、振る舞えるのは、こんなものしか無かった。
街角で愛されている南瓜のペーストを挟んだパン。
牛ひき肉や玉葱、香草、米を南瓜に詰めて、肉詰めにしたもの
トマトと一緒に煮込んで、味をより芳醇なものに。
肉詰めから溢れるトマトブイヨンは、緋色である
せめて見た目だけでも狼の好む其れに近づけようとした。
肉詰めにした南瓜の色合いは白っぽく、白菜に似ている
それでも、食べればあの甘み
[食事を取る狼男の対面で椅子に腰かけながら、
合間に、煩いとならない程度の声音で感想を聞く。
時を止めてしまった金髪の男は、
狼の子が手料理を食べてくれる光景を眺めながら
穏やかに微笑んでいた。]
……また、遊びにおいで。
私はヴァンパイアのニコラエ、君は?
―――… … 私と友達になろう、狼よ。
[その出会いは、城でひとり孤独に暮らす男にとって
退屈を打ち壊す「非日常」と為った
だから、彼が人里に住むようになったと文を寄越した時、
紅茶のラベルが彼の住まう街の住所を示していた時。
いってみたい、と思えたのだろう。
だって、狼に会えたら、つまらない灰色の毎日が、また**]
オイ、好きなタイミングで鳴らせ。
[だから、そう告げるのに一切の躊躇はない。
時計塔の影 ひとつの影が揺れて――]
……で、テメェは結局なんだったんだよ?
[その問いには答えは返らない。
”N”の正体を抱いたまま、秋の気配を吹き飛ばす風に彼女の笑いが乗ってくるだけ。
他にもやるべきことはある。
一度咳払いして、]
クソネコ、”約束”の時間だぜ。
[さて、使い間の返答はいつごろになったか。
落ち合うまでは人間達に挨拶でもしてみようか、と
露天巡りの放浪はもう少しだけ続く*]
ボス……!
[時は進み、鐘が鳴った。
ハロウィンが終わらぬが故に保留され続けてきた”解雇”宣告も、いよいよ効力を発揮することになるのだろうか。]
分かったよ、ボス。
[シーシャのことを「ボス」と呼べるのも、もう後ほんの少しの間だけ。
さて、いまシーシャはどこにいるのだろうかと、耳を揺らして気配を求める。]
[顔の前に人差し指。]
この魂使ってもう一回生物として――寿命も姿もただの猫として生きるか
[今度は中指を伸ばした]
コイツを魔力に還元して、寿命も生態もただの猫じゃねぇ――軽く魔物として生きるか。
[以前、他の下等妖魔から聞いた話は、契約を解除しても、まだ多少の魔力は残る、契約者である人間が置いて死ぬまで、ずっと傍にいられるというもの。
けれど実際には、若干の違いがあった。
その妖魔が、また別な契約形態だったのか、それとも、魔として生きることに躊躇いがなかったのか……今更、知ることなど出来はしないが。]
ボス、おれは………
[悪魔との契約を破棄するということは、思っていたより、ずっとずっと、重い事柄だった。
けれど、決断に、そう時間を有することはなかった。]
おれ、ただの黒猫に戻るよ。
[たとえ、どんな永い時を得たとしても、その先にあるものが永遠の別れであるならば、そんなものに意味はない。
ならば、たとえ短い時であっても傍にいて、いつの日かまた、巡り会うことが出来るなら……]
……あばよ。
【人】 紐 ジェレミー― 木枯らしの11月から ― (173) nostal-GB 2014/11/02(Sun) 09時半頃 |
悪魔とヤんのはすげぇイイらしいぜ?
[舌なめずり一つ、彼に言い訳を与えて−−−深く深く、ベッドに沈み込む。
運命を共にする影二つ*]
[ 悪魔の気の済むまで 一つの影のまま* ]
いっしょだ……グレッグ。
”ずっと”一緒にいよう、な……。
[向けた笑みには、小悪魔の片鱗が*]
いいのかよ?
そうそう真名なんて呼べねぇんだぞ。
[そろそろ聴こえるだろう、と囁く甘言。
胸に刻んだそれを、契約完了の証として求めた]
なぁ、 和希 ?
[慰めと、希望の意味を持つその花が。
春を連れてきてくれたのだ
―――其処に肌寒さは、もう、ない。]
【人】 紐 ジェレミー
(297) nostal-GB 2014/11/03(Mon) 16時頃 |
【人】 紐 ジェレミー
(298) nostal-GB 2014/11/03(Mon) 16時頃 |
【人】 紐 ジェレミー― ハロウィンが終わったときのこと ― (302) nostal-GB 2014/11/03(Mon) 19時半頃 |
【人】 紐 ジェレミー
(303) nostal-GB 2014/11/03(Mon) 19時半頃 |
逸れンじゃねぇぞ、和希。
[それでも、隣に”彼”が在る。
唯一の心安らげる場所。永い生も何もかも預けられる存在。
相手を思う時、悪魔の心に芽生える想いは愛に等しいのだろう
いつか口にした砂糖菓子のように甘く優しい *それこそが*]
……私は、変わらず君の友人だよ。
何が変わろうと、変わらなろうと。
ねぇジェレミー。
だから、――…いつか店に遊びにおいで
虹の架かる橋の下で、待っているよ。
[虹を冠る店は、あの街にはもう無い。
あるのはただの、空き地のみ。
店に訪れた住人は首を傾げる
此処には雑貨屋があったはずなのに、と。]
……───餌を、くれよ。
[巣くった闇が、もっと深くに根を張って、いつか深紅の魔華を咲かせるまで。
グレッグの魂が、闇の眷属に相応しい、罪の色に染まるまで………*]
一曲踊ろうか。
君が生まれた、お祝いに
[もう、時計の針は動かないから。
時間が私達を邪魔することはない]
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