226 【突発誰歓】君の瞳に花咲く日【RP村】
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
― 深夜 ―
――――……嗚呼。
[吐いた息は冷たい。 月光が樹上を照らし出して枝の影を地面に写していた。
幹へ体重を預けた青年の影も枝の影に飲み込まれて、無い。 微睡みから覚めた青年の瞳は光の無い深緋色。 人の気配も、鳥の声も無い中庭の闇の中へがさりと降りる。
庭の形に切り取られた空には丸い月が浮いていた。 …青年は未だ知らない。 貸しを押し付けた"彼"がいなくなったこと。>>3:336 青年はあまり喋らなかった――"私"の方が親しかったかもしれない――"彼女"がいなくなったこと。>>3:334
唯、月を見上げて嗚呼。と呟く。 心の奥底まで冷え切ったような、そんな感覚。]
(8) 2015/06/11(Thu) 06時頃
|
|
[たった数時間の居眠りの間に、 今度は何を失くしてしまったのだろうかと考える。 何が"私"のものになってしまったのだろうと。考える。
…それでも、心の裡の空虚な穴に気付きはすれど、 それが何かまでは分からないまま。
( わすれないで )
頭へ残っていたその一言。 声の高低も、誰が言っていたのかも思い出せなくなっていた。
降り注ぐ月光は白く。 夜気に当たっていると更に何かを失くしてしまいそうで、 青年は足早に踵を返し、自室へと向かう。]
(9) 2015/06/11(Thu) 06時頃
|
|
[深夜の廊下は閑散としている。 その中に足音がどこか遠くで複数 鳴っていた。
…何度だったろう。 昼夜問わず忙しく歩き回る白衣の姿を目にしたのは。
…何度あっただろう。 そんな様子を目にした後に"誰かがいなくなった"のは。
胸中を嫌な予感が抜ける。 深夜の足音。目にしたくもない白衣。 そして――欠けていた挨拶。>>3:41
黒雲のように湧き上がるそれらを振り払うように頭を振って、 "その部屋"の前を通り過ぎる。
貸しは残したまま。 次に会ったら包帯で足りるかよ。なんて、言ってやろうと――、]
(10) 2015/06/11(Thu) 06時頃
|
|
[自室のドアを。開けようと、して――固まった。 ドアノブに袋>>3:261が掛かっている。 無視の使用もないくらいに。 その上に置かれたメッセージカードの字体には覚えがあった。]
『 貸し二つ返したよ 』
[添えられた味も素っ気もない一言。 …だからこそ、これは"彼"が置いたものだと。 残したものだと。直ぐに確信に至る。
メッセージカードを退け、袋を開ければその中には…バナナ。 嗚呼、そういえばアイツはバナナが好きだった。 思い出し半分、…懐古に浸り続ける余裕も時間もない。
――背筋をぞくりと寒いものが落ちていったようだった。 部屋へ戻る途中聞いた足音の、出処は。]
(11) 2015/06/11(Thu) 06時頃
|
|
[ …彼の部屋からでは、なかったか。 ]
(12) 2015/06/11(Thu) 06時頃
|
|
["その部屋"は通り過ぎたばかり。 主の顔を見たのは、――昨日の早朝が最後。 中庭でもすれ違ってしまえば、会うことは叶わなかった。
偶々だろう。なんて、もう誤魔化し続けることは出来ない。 部屋の前で止めていた体を逆へ向ける。
……過る予感を今度ばかりは外れろと願いながら、 その部屋の――メルヤの部屋の前まで歩いて。
コン…コン、とノックをする。 起きている保証などどこにもない時間。 …それでも、不機嫌な顔で出てくれた方がまだいい。
部屋の中から……、返事は返らない。]
(13) 2015/06/11(Thu) 06時頃
|
|
[待つのももどかしく、もう一度コンコンと扉を叩けば、 矢張り返事はなく、ドアノブを掴んで回せば容易に開いた。
…そして、部屋の中には「何もなかった」。
最初からこの部屋には誰もいなかったかのように。 …最初から白く、無機質な部屋であり続けたように。
…それでも青年は知っている。 数日前にこの部屋の壁に付けた青年自身の爪痕。>>2:154 それと、壁の数箇所を凹ませる丸い窪み。その意味を。
その時、自分が不用意に口にした>>2:153コトバも。 何もなくなってしまった部屋を見れば――思い出す。]
(14) 2015/06/11(Thu) 06時頃
|
|
…ばか。――…ばかやろう 包帯とバナナなんかで…借りを、
[開け放した扉の中へ声を絞り出す。 ……嗚呼、だって、…だって、まだ。]
返したつもりになってんじゃ…ねぇよ。
[青年にはあまりにも急過ぎた。 …メルヤ本人は知っていたのかも、しれない。 だから、"また"とは口にしなかったのかも、知れない。
あの時>>3:94呼び止めておけばよかったと。 それから、どうしようもなかった可能性の方が高かったにしろ、腕を掴んででも、追い縋ってでも、止めて理由を問い質していたらなどと。 歯噛みする青年は、メルヤの真の望みなど知らないまま。*]
(15) 2015/06/11(Thu) 06時頃
|
|
[踵返して向かうは、白い白いキズの波の残る壁の先。 四角く切り取られた廊下の壁へ手を這わせながら歩く。
地下へ続く階段、上階へ続く階段。 二つが見えたとき、ようやく歩みを止め、立ち止まる。
もしも、青年がこの時間に自室で休んでいたとすれば、 気付かないであろう微かな物音。 足音。ガチャガチャと何かの動く音。漏れ聞こえる話し声。 それは――間違いなく上階へ続く階段の先から降ってくる。 こんな時間に誰が。とは微塵も思わない。
只々、上へ上へと段差へ足をかけて、昇る。 その先。風なんて吹いていないのに忙しく揺れる白衣。 囁き交わされる人の声。声。
まだ夜も明けない時間だというのに、 誰かを呼び止めて聞くまでもなく知れる、異常。 青年の脳裏にチラつくのは過ぎてきた空っぽの部屋。]
(16) 2015/06/11(Thu) 07時頃
|
|
[階段を登り切り、部屋の並ぶ廊下へと出た。 ――その時、どうした、と聞き覚えのある声が背後からかかる。
振り向く青年は、ぎぎぎ、と音が鳴るほどにぎこちなく、 固い動きで自分より幾らか低いその顔を見下ろした。
…………そこには、何時もと変わらないセンセーの姿。 何時も通りに、目だけは笑わない優しい笑顔で青年を見ていた。
…センセーと。呻くように出した声は掠れている。 もう一度呼ぶ。せんせー。なあ。センセー。]
メルヤは――――……、 ?
[それだけを、言って。げほげほと咳き込む。 肺に吸い込む空気が厭に冷たく感じた。]
(17) 2015/06/11(Thu) 07時頃
|
|
[まだ寝ている時間だろう、と青年を部屋に促そうとしたセンセーの服を掴んで青年は繰り返し聞く。 メルヤはどうしたのかと。 …あァ、他の誰かの名前も出した、かも知れない。]
『 ――――……は、症状が悪化して…、 』
[結局、根負けしたのはセンセーの方で、 渋々ながらに"メルヤとケイトリンは隔離された"ということを教えてくれた。 それと、昨日連れて行かれた"だれか"のことも。
長い間ココに住んでいるのは偶にこうして役に立つこともある。 ……本当に、偶に、だけ。しかも、嬉しくないことで。]
(18) 2015/06/11(Thu) 07時頃
|
|
どうして、アイツがっ――メルヤが…! まだ、アイツは――――……、
[深夜の激した感情は収まりどころを見つけることが出来ず、そのままセンセーへと飛ぶ。 症状が悪化していたなんて知らなかったから。 …連れて、行かれてしまうほどに。
そして、ケイトリン。彼女も、また。 …奥歯を噛んで、センセーの服を掴む。 センセーの瞳はいつもの通りのまま。
笑っていない。寒々しい冬の瞳のまま。 青年へ向けられた、不愉快そうな視線だけが違う。]
まだ――、まだ、アイツも、ケイトリンも、!!
(19) 2015/06/11(Thu) 07時頃
|
|
[ダメだ、それ以上はいけないと頭の奥で警鐘が鳴る。 …それを打ち消すように、なんでどうしてと言葉が口を衝く。 嗚呼、嗚呼、だって昨日は平気だったじゃないか。 顔だって合わせたし、話だってした。 彼らはまだ違う。連れて行かれるべきじゃなかった。
青年は縺れた言葉で訴えようとする。 嫌だ。いやだ。いやだ。 ――何人と、見送ってきたはずなのに、 何がここまで自分を突き動かすのかすら、分からず。 掴んだ白い服の端を離さぬようにと掴んだまま]
――――……返せ、 ッ……返せよ…!
[閉じ込めていた澱が漏れる。箍が外れる。 過るのは少女の涙。>>3:103それが容易に激情を煽る。 センセーが悪いわけではない。知っている。 疾うに、知っている。――けれど、それでも。]
(20) 2015/06/11(Thu) 07時頃
|
|
――――……!!
[口にした言葉は音になる前に咳に消される。 その間に周囲が騒がしくなる。音。音。音。 服を掴んだ指は一本一本が引き剥がされ、空を掴む。 ひゅう、と喉が鳴って。痛い。
青年の体躯を押さえ付ける腕が伸びる。 二本、四本、六本――――。 仕舞いには数え切れなくなって。
――…首筋を通る針の痛み。 電気の回路が遮られるようにぶつん、と。 意識の糸が切れる音が聞こえるような、気がして――。]
(21) 2015/06/11(Thu) 07時頃
|
|
[薄れて、薄れていく意識の中。 青年を見るセンセーの目は、やっぱり、笑っていなかった。**]
(22) 2015/06/11(Thu) 07時頃
|
|
― にせもののねむり ―
[焼き切られた意識に眠りはない。 現実と虚構を彷徨う混沌の中で、青年の耳はぼそぼそと落ちる音を幾つか拾い上げた。
…想定よりも悪くなっている。 …定期検診が――――。 …定着が思ったよりも――、
言葉そのものの意味は分からずとも、それが何かの意味を持つものだということは理解して。 …それでも、誰が喋っているのか、何を喋っているのかを知ることは出来ずに、青年の意識は再び深淵へと転げ落ちる。
誰かが青年の部屋の前を通ったなら>>43、話している者の正体を知ることが叶ったかも知れない。 …青年は、ついぞ知ることは出来ないまま。]
(57) 2015/06/11(Thu) 23時半頃
|
|
[センセーに与えられた偽物の夢は唐突に――覚めた。]
…ッ――――あ――――あァ――――――!!!!
[脳に直接注射針を差し込まれたような痛み。 ぎりぎり、ぎりぎり、と音が耳の奥で鳴る。 喪失の痛み。忘却の痛み。 …知っている。 青年が激情を顕にしたとき、その感情を奪うため、 頭に巣食う悪魔が寄越せ寄越せと騒ぐ声。
軋むような音を立てて、 青年の頭を這うねじくれた角がずるりと外へ引きずり出される。 また伸びたのだと、見ずともわかるほどに。]
(58) 2015/06/11(Thu) 23時半頃
|
|
[いやだ、いやだと無意識に首を振っても、 青年の躰ではない青年の一部は言うことを聞いてはくれない。
青年は喪う。 ――――……誰かの為に怒る心を。
青年は失う。 ――――……誰かの為に激高した理由を。
目を覚ます頃には、忘れたことさえ頭の中には残っていない。*]
(59) 2015/06/11(Thu) 23時半頃
|
|
― 自室 ―
[薄く開いた目に飛び込んだのはキズだらけの白い天井。 固いベッドの上で、目をぐりと動かせば腕に刺さる針が見えた。 …首筋には未だ微かな痛みが尾を引いている。]
――――ッ…。
[一度、覚えがあるから。何時かのように鎮静剤や安定剤の類だろうと乱暴に腕を穿つ針を引っこ抜く。 こんなコトをしてもらいに行ったワケじゃないと起き上がりかけて、その時初めて自室に人影を認めた。>>43]
…キル、 ――…お前、なんでオレの部屋に、
[目線を落とせば置かれた椅子が見えて。 誰が運んできたんだろうなんて、考えながら尋ねた。*]
(60) 2015/06/11(Thu) 23時半頃
|
|
[目覚める前、額に触れた感覚を青年は知らない。>>63 ただ、微笑む顔を何となく訝しんだ。 それはもしかしたら、昨日見た光景>>3:309が記憶の中に残っているからかもしれない。 ケイトリンがいないことを青年は――もしかしたら、まだ青年だけが知っているから、かもしれない。]
ヘーキヘーキ。 怒られたら――そうだなあ、素直に謝っとくさ。 …まァ、怒られんのは慣れっこだ。
[薬液の滴る針をそこらに適当に置いて 理由になってねーよと弟分の応えに突っ込んだ。>>64 それでも、それ以上問うことはしない。]
(68) 2015/06/12(Fri) 01時頃
|
|
[代わりに、間を空けて続く言葉>>65に黙り込む。 自室に運び込まれる場面でも目撃されたのか、それとも青年を運んだ誰かと会ったのかもしれない。 偶々青年の部屋に足を運ぶ理由は――思いつかなかった。]
…別に?何もねぇよ。
――…あー… いや、
[否定した答えを取り持つ言葉を出せば、逡巡する。 何もなくは、無かったから。]
(69) 2015/06/12(Fri) 01時頃
|
|
メルヤとケイトリンが、さ。 いなくなったって 聞いた。 …センセーから。
[ぽつり、とそれだけを口にした。]
(70) 2015/06/12(Fri) 01時頃
|
|
お前はオレを何だと思ってんだよ… 反抗期はもうとっくに終わってんだぜ。
[普段通りの笑みを見ればそう言っても見たが>>72 否定の言葉を吐く前、 僅か、対する相手の体が強ばったように見え、眉を顰める。
それが事実>>70を告げたあとでも変わらないと見れば尚の事。]
(78) 2015/06/12(Fri) 02時頃
|
|
[感情のカケラ一つもない顔。>>75 微笑みの内側はちっとも笑っているようには見えない。 空白の微笑みの中身は伽藍堂。 …それを、見ていると。]
なあ、一つだけ聞かせてくれよ。キル。
[無性に――" "する。 青年は欠け落ちた感情を不思議とも思わず、 腹部の底で滾る篝火に薪をくべるように、訊く。]
お前さ、――…ケイトリンのこと、"すき"だったろ。
[当人二人から聞いたことは――無かったハズだ。 記憶を浚う。 …記憶には残っていない。 …けれど、二人でいる場面は何度も見ていたし、その時の二人の顔も何度も目にしているから。 ――…だからこそ、青年には今の弟分の態度が解せない。*]
(79) 2015/06/12(Fri) 02時頃
|
|
[青年は深緋の双眸を眇める。 見詰める弟分が何を考えているかまでは計り知れない。>>82
唯、首を傾げる顔の反応を視る。 そうして、片手間に色恋沙汰の相談なら 自分より余程トレイルに行くだろうなあと考えて、 原因不明の苦々しい思いが湧いてきたので、やめた。]
(85) 2015/06/12(Fri) 03時半頃
|
|
[キルロイとケイトリンの仲については 何時気付いたのだったかと思い出そうと試みて …案外、メルヤ辺りに仲がいいなどと言われて注目するようになってから気付いたのかも知れない、と結論づけた。]
おうよ。遠回しな聞き方は好きじゃねぇの。
[褒めているのか貶しているのか、 問いへ先ず返ってくる返事は青年の言葉への感想で。 ならばとひらひらと手を振れば口を開いて応じる。]
――…そう、か。
[けれど、それ以上が次がれればそれだけ相槌を吐いた。 相対した顔の迷い子のような表情が、瞳孔を一瞬、過ぎる。>>83]
(86) 2015/06/12(Fri) 03時半頃
|
|
――――……ならねーよ。
[キルロイの言い分を聞き終えれば一言。青年は口を開いた。]
何とかなるもんかよ。
どうしたらいいか分からなくなるほど"すき"なんだろう?
……完全に失くしたわけじゃねぇから すごく"かなしい"じゃあ済まねぇんだよ。キル。
[青年には"すき"は分からない。 分からないから、只の憶測で、推測で。机上の空論でしかない。 …それでも、何時かどうにかなる。なんて到底思えなかった。 処置を誤った傷跡は膿んで傷になる。痕として残る。]
(87) 2015/06/12(Fri) 03時半頃
|
|
[キルロイの心に疵の残らないようにすることは無理でも、せめてその痕が醜いものにならないことを青年は願う。 それが叶わないことなのだとしても。]
自分の感情に蓋をするんじゃあねぇよ。 "すき"ってのははっきりしてるんだろ? ――だったら。
[青年は、申し訳なさそうな貌の弟分へ手を伸ばして両手でその顔を挟み込む。 それが叶えば、両手で圧迫した顔をやや上向かせるようにして瞳を覗き込もうと。 青年の暗赤色の瞳はじぃっと見て]
ケイトリンがいなくなって、どんな気持ちなのか。 …何もねぇってことはねぇだろう。 …吐いちまえ。
[色のない表情でそんなことを、尋ねてみた。]
(88) 2015/06/12(Fri) 03時半頃
|
|
だーっ、もう! 笑うな。 禁止!お前、笑うの今から禁止。
[青年の頭を翼が撫でる。>>99 …それを退けることはしないままで、青年はむすりとそう告げた。]
キル。キル。キルロイ。 なあ。 お前さ、無理しちゃダメだはオレの台詞だろうよ。
どんな顔をしていいかわからねぇなら顔を作るな。 ずっとわからねぇ顔をしてろ。 お前、今さ。
[言葉を迷わせて、口を止める。 続きを考えて、考えて、漸く口を開いて]
(100) 2015/06/12(Fri) 19時頃
|
|
――――……目だけは、笑ってない。
[青年の覗く漆黒の瞳に映り込むのは青年自身。>>97 揺らがないその中に沈む感情は何だろう。 …少なくとも、笑顔の元になる感情では、ない気がした。]
(101) 2015/06/12(Fri) 19時頃
|
|
笑うのはそうしたくなった時だけで十分だ。 …オレから言えるのは、無理スンナってコト。
お前こそ、無理するんじゃねぇぞ。 ――それと。
[真面目な顔で告げれば、一転。 青年はいくらか表情崩して、もう一言を加える。]
お前がオレの心配なんて百年早ェよ、キル。 弟分に気遣われるほど落ちぶれちゃいねぇさ。
[マ、ありがとな。と付け加えて両手を引き下げ、へらりと笑った。**]
(102) 2015/06/12(Fri) 19時頃
|
|
[表情の消えた顔を見詰めながら、青年の深緋は瞬く。 余程表情の無い方が、「らしい」と思う。>>108
大切なものを喪失した時にほどその後に続く空虚は大きい。 得る傷は大きい。 ――…作りモノの感情は何時までも続かない。
キルロイの視線が他へ向いたなら、それを追うことはせずに、弟分の顔へ視線を向けたままであったけれど、そのうちついと逸らして言葉を繋ぐ。]
…ハ。それでいいさ。 お前に心配されるほど悪化したら――――……、
[一瞬言葉を止め、悪化する前に。と続けようとして、口を噤み、それ以上声を出しはしなかった。 音になる前の囁きは喉の奥に飲み込まれて、消える。]
( ――――……死にてぇよ、俺は。 )
(113) 2015/06/12(Fri) 21時半頃
|
|
[その直後、奇妙なお願い>>110に首を傾げ、ああそういえばと思い出す。…昔の話、ことあるごとに濡れ羽色の髪へ手を伸ばしていたときのこと。 ――…無くなって久しい青年の悪癖。それを。]
……、あァ、何時からやらなくなったんだろうな。 そんなコトしてたの、すっかり――忘れてた。
[返事の代わりに引いた手をゆっくりと伸ばして、 鴉の青年の頭まで持ち上げ、わし、とやや荒く撫でる。]
…辛かったな。
[そう、一言だけを添えた。*]
(114) 2015/06/12(Fri) 21時半頃
|
|
[青年は弟分の抱く不安を知らないまま>>118 青年は仄暗く翳る瞳を半分ほど閉じて、暫く外した目線をゆっくりと元へ戻す。
そうすれば、眉尻の下がる顔を捉えることが出来たか。]
ん、そうだな。 …何時の間にか。 オレよりよっぽど「兄ちゃん」って感じだよ。
タルトや、ヒナにとっては、ずっと――お前のほうが、さ。
[キルロイの頭を撫でる端、苦笑交じりにそう告げて。 嫌じゃなかったなんて言われれば、 そいつはよかったと笑みがてら、ふと、遠い目をした。]
(134) 2015/06/12(Fri) 23時半頃
|
|
[青年の、辛かったなという言葉に嘘は無い。 けれど、…これから先、その言葉を眼前の弟分は何度味わわなければならないのだろうと鬱屈とした気分になる。 それこそ、死ぬまで引き摺っていくのだろうと、思う。>>120
…忘れないから、辛い。失くさないからこそ、辛い。 それは、幸せなようでいて、残酷なことだ。 失くしてしまう青年には、"つらい"気持ちは理解が叶わない。 それを、少しだけ"かなしく"思った。]
――…上出来。 ちゃァんと自分が何を思ってるのか言えたじゃねぇか。
…それに、少しでも楽になったならよかったさ。 人を慰めるなんざ性に合わねぇよ。――オレには。
[青年は言った傍から笑うなとは言わない。>>120 それは切り貼りした笑みではないものに見えたから、 咎めもせず、唯、喉の奥でくく、と笑って、一際強く弟分の濡れ羽色の髪を掻き回し、今度こそ手を離した。]
(135) 2015/06/12(Fri) 23時半頃
|
|
[随分と時間が過ぎてしまっていたようで、窓を通る斜陽は赤光を過ぎて闇が混じり始めていたか。]
――大分話し込んじまったな。
あァ、悪ィ。 見舞い?に来てくれたのに茶も出せねぇで。
[切り替えるようにそう言えば。 青年は少しばかり間を空けて、]
少し――野暮用があってな。 これからちと出掛けようと思うんだが、お前は
[どうする?と聞きながら、 立ち上がって伸びをすれば、あくびがひとつ、床に落ちた。*]
(136) 2015/06/12(Fri) 23時半頃
|
|
― 深夜の廊下 白衣の前 ―
[まだ"メルヤ"の名を出す前。>>17 青年にはセンセーに聞きたいことがあったから 先に"その話"を持ち出したのだった。]
あのさ、センセー、……鍵、失くしただろ。
[服の下にかかる"鍵"を示しながら、青年は嘯く。 センセーの目からはその形を知ることは出来ないだろう。 ココの廊下に落ちててさ――拾ったんだけど、誰のでもないって言うから。センセーのだろ?と。
センセーは、少し 慌てたようだった。 使ってないだろうね?とか、あそこは立ち入り禁止で、とか矢継ぎ早に言葉が足されていく。
嗚呼、隠し事の下手なセンセーだ、と青年は冷えた頭で思う。 青年の手にする鍵の"ひとつ"が何処のものか。 何となく、薄らと、理解する。]
(144) 2015/06/13(Sat) 00時半頃
|
|
[――…その上で服の中から取り出したのは自室の机の鍵。 鎖に繋がれたそれが閉じ込めておくべき記録はもうない。
これなんだけど、とセンセーに渡せば露骨に態度には出ないものの、落胆したようだった。 それでも、仕事柄そうせずにはいられないのだろうか。 青年の手から小さな鍵と鎖を受け取るだけは受け取って。
――――……嗚呼、その後のことだ。 …メルヤの名前を口にしたのも、ケイトリンの名前を口にしたのも、……青年の意識が焼き切れたのも。*]
(145) 2015/06/13(Sat) 00時半頃
|
|
― 自室 ―
お前だって随分と直球じゃねぇか。 褒めたって何も出ねぇぞ。
[突っ込んだのは言われたことへの意趣返し。>>83 ストレートな言葉は青年であっても少しばかり照れる。 …けれど、平静を装ってぶっきらぼうな言葉を吐いた。]
…あーあー、気にすんな。いいって。 こんな汚ェ部屋でイイならいつでも来いよ。
[謝意は受け取らないとばかりにひらりと手を振れば、そのまま服へと両手を突っ込み、スリッパを突っ掛ける。 青年の部屋に鍵は無い。 出ていくのならご自由にとばかりに足を扉の方へと進めて]
(146) 2015/06/13(Sat) 00時半頃
|
|
へェ、図書室ね。 ――…階段で転ばないように気を付けろよ。
[言い置いたのは忠告だけれど 青年以外に階段で滑って転ぶなどということを体現する人間がいるかどうかは考慮していなかった。
"野暮用"についてはそれきり口にしないまま、引き止める言葉が無ければ部屋の外へと出て行く。*]
(147) 2015/06/13(Sat) 00時半頃
|
|
― →キズの残る壁面の前へ ―
[部屋を出て、早足で歩けば 青年が向かうのはキズの描かれた壁のその上。 立ち入り禁止の札。或いはその上の白い階段。>>1:197 傷痕深い壁を見れば、ここ数日"記録"をしていなかったことを思い出した。 ――自室の壁へ刻んだ痛みのことは記憶に薄い。
零れ落ちる砂時計の砂はあと幾粒? 砂が全て落ちるまであとどれだけ時間がある? 青年には知りようがなく、…知る気もない。
青年の深緋の瞳は何も映し出さない。 "起きた">>60瞬間から秒読みは始まっていた。
"たのしい""かなしい""うれしい""つらい" 口にした言葉は空っぽ。 励ますような言葉を口にしたって、 その中には何も入っていない。伽藍堂のまま。]
(164) 2015/06/13(Sat) 01時半頃
|
|
[……せめて。 キルロイに感づかれはしなかっただろうか、と思う。 感情に蓋をするな。無理に笑うなと言った口のなんと滑稽なこと。
感情に素直であれと口にする青年には、もう感情のひと欠片も残ってはいないのに。 唯、憶測で、推測で、慰めた"フリ"をした。
気付かれていなければいい。 ――同時に自分がいなくなったあとには、誰も彼もが"辛い"と感じることがなければいいと、思った。
自分の存在の爪痕を残しておこうと必死だった青年は 初めて、そう、思った。]
(165) 2015/06/13(Sat) 01時半頃
|
|
[そして、目的の場所へ続く階段の前へ歩み寄ると、 "立ち入り禁止"を蹴飛ばして更に先へと歩を進める。
階段の先の先、見上げるのはひとつきりの白い白い扉。 ――…その先は、青年の知らぬ世界。見たことのないもの。
青年は扉まで近付くと、服へ入れたままの鍵を取り出して 鍵穴へ差し込み、――――……回す。*]
(166) 2015/06/13(Sat) 01時半頃
|
|
[ ――――……ばきっ。
鍵は容易に回る。 …同時に、何かの割れる音が青年の体の奥で響く。 ふらり、とその場を離れる虚なる瞳は矢張り深緋で。*]
(177) 2015/06/13(Sat) 02時頃
|
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る