233 逢魔時の喫茶店
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[ cafe & bar ]
[ Twilight ]
[夜の街の中。風で揺れる看板はキィと音を立てて。
その店は今夜も開いている。
迎えるのは人の店員と、人では無い店員と、
人のようで人では無い、バーテンダー。**]
―トレイルが来ていた日の、夜のトワイライト―
[天引きで。そう言われれば男はきっちり金額をメモして、月末の彼の給与明細にほんのわずかなマイナスを刻む。
社員割引の発生は店主の気分次第で、今日はとても機嫌が良かったから。
すっかりふやけた顔>>+0を見せられたのなら、此方も機嫌がよくなるに決まっている。*]
― ゴロウとコテツが来た頃の、夜のトワイライト ―
いらっしゃい。
コーちゃん、今日休み取ったのって、これだったんだ?
どうぞ、好きな席に座って。
ゴロウさんも、よく来てくれたね。
[小さな客に驚き飛び上がる青年と、それをなだめる店員と。
そんな二人を笑顔で迎えて、店主は好きな物を振る舞うだろう。
昼間とは違う、白黒のバーテンダーの制服を身にまとい、酒を振る舞う手は鮮やかに。
ちなみに小さな骨の客は奥のテーブル席に収まった。
どうやら手洗いに立っていたらしい。]
―――トワイライト―――
[微笑ましすぎる同僚を厨房から観察。
笑いが堪え切れないようだ**]
…コーちゃん、
ゴロウさんに何の説明もしてなかったの?
[やや、どころかかなりパンク気味の彼を見て、不安そうな顔を店員に向ける。
希望があれば酒をつくるが、さて、こんな状態でアルコールを注いで本当に大丈夫なのだろうか。
しかし今度出かけると言うのなら、今日がその事前説明の日だったのだろう。
…事前説明にしてはこの店は大分、ハードな物なのだが。
少し背の高いハイボールグラスに注ぎこんだのは、ウィスキーと、ミントの香りの強いリキュール。
ミントの強さで、ベースのウィスキーの風味を損なわないよう、量は適切に。
そこにソーダ水を注ぐものの、割合はそこまで多くない。
ウィスキーの強さの残る淡い琥珀へ、仕上げに本物のミントを飾って、
まあこれでも飲んで落ち着きなさいなと、
ゴロウには、氷の浮かぶミント・クーラー。
コテツの注文はカクテルではない。
手に取ったのは瓶を一本。コルクを開ければ、ふわり広がったのはナッツの香り。
金色のフィノを小さめのシェリーグラスにを注いで、カウンターに置いた。]
[完璧な料理はケイに任せるとして、とりあえずは、アンチョビとクラッカーとドライフルーツでも。
酒を出せば、後は二人でゆっくりと歓談をどうぞと、自分は業務に戻ろうか。]
[うん。説明。してるね。そーだね。
まあ、これだけインパクトがでかければもう他に驚く物はないか。
いつも通りブツ切りなコテツ店員の返答を耳に、好きな物頼んでねと、昼とは違う分厚いメニュー表をゴロウに差し出した。
酒の種類もそれなりに。
それでも人の口にできる物は、酒も含め半分かそれ以下だろう。
アルコールのページも、ゴーゴン酒各種銘柄等と言う不思議な単語が踊っている。
まあヒト種からそのような注文があった場合、やんわりと断るだけなのだが。]
[注文があればそれに答え、後は、静かにグラスを磨いている。]
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