84 戀文村
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苦しまずに…か。
酔って、そのまま寝てしまって…静かに凍死。
もしくはヨーランダの家に薬草はあったかな。
トリカブトは苦しむからな。
ジギタリスを呑ませて少し無茶な運動をすれば……突然心臓が止まる。
[前線で戦っていた身。野戦病院の様な場所で手伝った事もある。
その時に得た知識をただ淡々と伝えた]
ジギタリスか…そういう知識はヨーランダさんのほうがあるからなぁ…
うまく飲ませる自信ないなぁ…
[最後は自分が無理矢理…ということになるのかもしれない]
ブローリンは、手紙を書き終えた。封筒を取り出して、中身の束を出す。
2012/03/27(Tue) 22時頃
[自分の決意をヨーランダに伝えるべきか悩んでいる]
ちゃんと言ったほうがいいんだろうけど…
[どうやって伝えたらいいのか]
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[手紙の中で古い物は、前に一度この村を出る事になった時のものだ。 それに戦地での写真、敵兵の死体と肩を組んだりなど、生々しいものは除いてある。 まるで学校の集合写真のように写っている仲間達の内、自分を含め生存確認されているのは 片手の指にも満たない。その四人弱も、今はどうだろうか。 銃を肩に立てかけている自分の写真。煤と血で汚れているが、白黒の写真では、 銃がなければ農作業でもしているようにも見える。]
……
[老婆にこれを送ろうと思い立った。 思い立った日から月日が過ぎて、いまだに渡せずに居る。 書き足した手紙と、また部隊に戻った後の写真とが増えていく。 店員の女性に、タバコを吸う仕草をして首をかしげた。 マッチと灰皿を持ってきてくれた彼女に会釈をして、 古い手紙を束ねて捻り、火をつける]
(287) 2012/03/27(Tue) 22時頃
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[代わりになりたいと思うのは図々しい事なのだろう。 ことさらに軍服のまま彼女を尋ねる意味も、恐らくはあの老婆は理解しているのだろう。 喜ばしいと思われてはいまい。彼女は、自分に優しさで答えてくれているだけだ。 なりたいと思っても、なれるとは思っていない。 あの老婆の哀しい心の荒野を潤す、たった一滴になりたいと思う。 そして、自分の行為は、さらにあの老婆を苦しめているだけではないかと、ずっと危惧している。 そうして、あの老婆が自分を拒絶しないのを良い事に甘えているだけだ]
……
[煤が舞わない様、灰皿に入れきる。 すべて炭化し黒くなった手紙の束。それが入っていた、傷んだ封筒。 それに、数々の写真と、新しく書いた一通の手紙。 後悔ないように。彼女に渡すのは、次自分が往く日だ。 そう心に決めて、代金を置いて席を立った]
(289) 2012/03/27(Tue) 22時半頃
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[セレストとヨーランダの決心を知っているはずもない。 ただ、サイモンの事もあり、セレストの態度の事もあり、 漠然と、今日会わなければきっと会えないのだろうと、感じてはいた。 所詮、意識下の感情だが、それに駆られて彼は墓地へと歩く]
……
[墓地についた頃には、もう日は殆ど落ちていた。 宵の明るみ、あるいは暗がりの中まだ二人は居ただろうか?]
(292) 2012/03/27(Tue) 22時半頃
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最後の夜だろ。
ゆっくり……自分の言葉で伝えればいい。
[薬を一緒に飲むと言えば、ヨーランダは死ぬと判っていても
飲むだろうか。
だがそれをセレストに伝える事はない。
嘘偽りない自分を受け入れてくれた相手を最後に騙すような
形になる事を、セレストは望まないだろうと思ったから]
自分の…言葉で…
[できるだろうか、自分に。
一時の別れの時間は…近づいている]
食合せてはいけない食べ物ってあるでしょう。
そういう感じで、ヨーランダの薬草にも
決して混ぜてはいけないものがあるのを知っているわ。
昔、それこそギリアンさんが生きている頃に
墓場で遊んでいたら教えてもらったの。
……母さんも、ほかもそれを使ったから効果は。
でもね、アタシがそれを良しとすると、思う?
セレスだけじゃない、一緒にヨーランダも失えって、
言うんだよね。
そんなこと、アタシが黙って見ていられると思うかい?
ブローリンは、セレストにもし会えれば、村を背に、敬礼してみせる**
2012/03/27(Tue) 23時頃
[ダーラの言葉は痛いほど分かる。それだけに胸に突き刺さる]
ダーラさん…そうだよね…
やっぱり…我儘だよね、私の。
[だからこそ、戸惑いがある。]
…ダーラさんがどうしても嫌というなら、
私…ひとりでも、いいよ?
[自分より、年の近いダーラのほうがヨーランダへの思いは強いだろうから。]
[……と口に出来れば良かったのだろうか。
ただの機械の筈の通信機から何かが溢れて来る。
その想いに衝動的に口を付き掛けるが。
だが結局それを言葉には出来ず]
すまない。
[口に出来たのは何に対してか。謝罪のみ]
人殺しでいいなら、アタシにくれば良かったのに。
ねぇホレーショー。こうなったら、皆で静かに眠りましょう?
手伝ってくれるわよね。
[ヨーランダの決意が固いから、出る言葉は、村を覆う仄暗いもの]
順番に、すれば……ネ。
ああ、あんた達が安らげるなら手伝ってやるよ。
[その場にはいないが、無機質な鉄の塊の向こうの張り詰めた、
痛い程純粋な想いが伝わって来る。
この想いを戦火で散らせるくらいなら、と改めて決意を固め。
ただ、それに自分を含めなかったのは。
この村の人々には安らいで欲しいと思ったから。
自分は戦場で散るべきだと判っていた。
地獄に落ちて、馬鹿な上官達を引き摺り込むのが役目だと。
だからこの村で眠る事は出来ないと…決めていた]
……アンタも、もうこの村の一員よ。
そこ忘れないで。
[小さく息を吐いて、あのときの―母を殺めた時―と同じ顔になる]
アタシは皆を眠らせるまで、起きているわ。それでいい。
…ダーラさん。
私は(戦地に)行くよ、…だから…私には毒を盛らないでね。
[おどけた言い方をする。でも本気である]
あら、バレちゃったなら仕方ないわね。
ふふ。
[一緒に飲めたら、どんなに良かったか]
ちょっと、冗談で言ったのに。
ダメだよ。私が行かなかったら村が危なくなっちゃう。
[融通が利かない“妹”である。]
……感謝する。
[ダーラの言葉に目を閉じて数秒の沈黙の後、静かに礼を。
本当なら抱きついて大人気もなく大声で泣き喚いてやりたかった。
共犯者として、村人として、家族として……。
だがそれだけは出来なかった。
2人に嘆きを背負わせたのは戦争で、結局は自分達のせいなのだから]
セレスト……ヨーランダ…良い夢を……。
[絞り出した言葉がヨーランダには届かないとは知っていても。
酒を呑もうと言った彼女を思い出しながら、呟かずにはいられなかった]
[ヨーランダの行動にうろたえた]
ヨーランダさん…ここまで本気だったなんて。
……やっぱり盛っちゃうべきかしら。
[真顔でぼそり]
それだけ……あんた達の絆が深いんだ。大切なんだよ。
もう賽は投げられた。
ダーラさんが盛るくらいなら、自分でヨーランダさんから貰った薬飲むから。
[真顔で返す]
ほんと、仲良いよな。お前ら。
[通信機は小さな呟きも拾うのか]
次は、戦争の無い時代に平和な世界で姉妹で生まれて来いよ。
二人共ウチのベッドで、ずっと寝ていればいいわ。
[割と本気の呟きも、機械は拾うか]
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