人狼議事


289 【ペア】風邪引いたあの子ん家に行く村

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視点:


あー、いや、というより、食べられる分だけってするなら、ここで剥いちゃったほうがいいかなって思って。
それなら小さいナイフのほうが邪魔にならないかなと思っただけなんで。大丈夫です。

[林檎を普段わざわざナイフで剥くかといえば、正直全然やらない。
 もっぱらペティナイフの使いみちは、安売りしてたチーズを切ったり羊羹やらカステラ切ったりするときだ。
 大は小を兼ねるので、問題ない。]


ティッシュ、そろそろまとめて捨てちゃいましょうか。
一瞬だけ部屋出ますけど、いいです?

[買い物してきたビニールは結構大きいから、ゴミ箱の中身を受け止めるくらいの容量はある。
 それくらいは、と許しが得られるなら中身をまとめてビニールの口を縛るし、難色示されるなら苦笑いしつつ奥に詰め込むのを手伝おう。]

小難しいのは、僕も書ける気しないなぁ。
ミステリとか挑戦してみますか、今度。

[言いつつS・F(すこし・ふしぎ)ミステリになりそうな気配だが。
 モニターテストについては、やってみるといいですよ、なんて気軽におすすめしてみた。]


あー……

[金額のこと、伏せていたが気づかれてしまった。
 かなりつらそうだし、いっそ請求しないつもりにすらなりつつあったのだけれども。]

じゃあ、その帽子が代金ってことでいいですよ。
僕はその方が嬉しいです。

[出来上がったそれは、気に入りの帽子になるだろう。
 それなら現金より、ずっとそのほうがいい。]


[それからは、帽子から派生した話だったり思い出話だったりに花咲かせつつ、時々静かな空間に打鍵音だけ、というのを繰り返していたが、そのループが何周かしたところで、新しいお願いがやってきた。]

はい?
何でもどうぞ。

[ベッドの方を振り返って、様子を伺う。
 そして、告げられた願いに口元を少し緩めて。]


はい。

[さっきよりは少しぬるくなった人肌の片手を出して、そっと顔を出した右手を握った。
 方徳さんが眠ってしまうまで、そのまま離さずに。]


 なるほど……!

その発想はまったくなかった。
 目から鱗は出なかったけど、熱でじんわり涙は滲んだ。
 ちょっと、目やにも出てる気がする。]

 あぁ……世話かけばふ。
 あっでも触ったば風邪うつんないべふか?

なにせ、風邪菌満載の鼻水にまみれたティッシュ山だ。触らせるのは申し訳ないところなのだが、これ以上そのままにして溢れさせるのはもっとよくない。
 少々不安と申し訳なさを抱えながら、やさしさに甘えてしまおう。]


 ミステリ、いいですねー。
 俺もたばに見るんですよ、二時間ドラマ的なやつ。
 書けたら読ばせてくださいね。

[言われて咄嗟に浮かんだ光景は、断崖絶壁でのアレだった。
 長らくまともに本なんて読んでなかったけど、彼の書く話なら、きっと面白く読める、そんな気がした。
 モニターは今度、手芸用品関連で何かないか探してみよう。それなら多少はまともに評価できそうだし。]


 うー……?

代金の話をしたら、なんだか微妙な反応をされてしまった。
 なんやかんやでがっつり買い出し状態になってしまったし、なぁなぁで済ますのは図々しすぎるだろうと思ったのだけど。]

 えっ、でぼこんだけじゃ……。
 あーでも、凛堂さんがそんで喜んでくれるんだば、そんで、おねがいしばす。

[行き場のない作品が、こうして誰かのところで喜んでもらえるのなら、なによりだ。
 それがこの親切な隣人のところなら、尚更に。
 けどこんだけではやっぱり申し訳ない気がするので、何か、おまけを考えてみよう。]


いい歳こいたおっさんが、眠りにつくまで手を握っててほしいとか。
 自分で言っておいて、何言ってんだと思ったけど。
 あのとき触れた凛堂さんの手が、ひんやりしていたのに、なんかあったかい、そんな不思議な感触だったから。
 でもさすがにヒかれるだろうと思ったのだけど、凛堂さんは、微笑んでくれた。

 ……ありがと、ござます。

ゆるく上体を傾けて、左手も添えて握った手は、さっきより少しだけぬるく感じたけど、とても心地良かった。]


[本当は分かっている。
意地が悪い部分は、幼馴染の本質では無いことくらい。

本当に嫌なことは、絶対に口にしない
よく泣いていた小さな頃、彼に泣かされたことは一度も無い
ちょっとした喧嘩をすることがあっても、
謝るのがどちらが最初の時も、いつだって許してくれて。
あの日から遠ざけていた理由も、おれの為だった。

嫌がれば、やめてくれた。伝えてくれた。
今はもう全部分かっているんだ。
這う手付きには優しさも含んでいることも、ちゃんと。

それでも、徐々に燻っていった熱はもうたまらなくて
どうしても、この身体には意地悪くなってしまっただけで。]


[その結果、随分な誘い方をしてしまった。
もしこの行為の始まりが、相手ではなく自分の衝動であれば
引かれてしまいそうな、やり方。]

 ……柊真が、こんなことするからだよ。

[押し倒し触れたことを責める響きは無い
合意の行為を求めたのだから、当然のこと。
だからこの熱の責任を取ってほしい、
そこにあるのは、そんな男としての思いだけ。

じっと見つめられ目が泳ぐ。
引かれないのはいいけれど、とても落ち着かない。
押し倒されてから向けられていた欲の他にも
熱っぽい表情には、何かがあるような気がして。

打ち明け話を聞いていた時のように、また胸が痛くなった。
それもまた、欲の中にすぐに沈んでいって────]




[これからの行為を想像し、熱い息を長く吐いたその時だ。]



 っ ……?

[離れた手の唐突さに焦れを増す暇もなく
聞こえた音に、肩が跳ねる。

ああ、そうだ。幼馴染は風邪を引いて寝込んでいたのだ。
当たり前のことが、当たり前じゃない状況のせいで
すっかり頭から消えてしまっていた。]




 だ、大丈夫?

[一連の行動を目だけで追い掛ける。
格好なんて気にしないけれど、大丈夫なのだろうか。

けれど早急な動作は、中断の選択は無いように見えて
ベッドからドアの距離も辛そうだった様子は、
男一人押し倒せる分には回復して見えたから。
それに……おれ自身、止められるのは辛いので
一度気遣いを向けるだけに留まる。]




 ……うん

[リードする言葉を素直に受け入れる返事。

本当は、自分で脱ぐほうが手間も掛けないし
まだ少しは、心も落ち着かせられると思う
だが、いざそうすると緊張で絶対にもたつく筈だから。]


 あっ

[驚いたような声は、小さく短いが確かに漏れた。
思ったより軽々と、引き寄せられてしまったものだから。
普段はそんなに意識しない体格差が、大きなものに感じる。

などと呑気に考えている暇もなく、
下半身の覆いは躊躇いなど無い動きで取り払われて
投げ捨てられたものを取りに行きたくなる気持ちを、
晒された部分を隠してしまいたくなる衝動を
目線はベッドの外ではなく、彼に向け
両手でそれぞれニットの胸元とシーツを掴むことで堪える。]


[思わず唾を飲み込んだのも、致し方ないことだ。
その行為は意味を思えば一層艶のある光景に映る。]

 は ……ぁ

[繋ぎ、引き、頭を撫で、おれの為に振るわれていた手が
そんな相手への欲情を示す部分に触れるのも、そう。
いけないものを見ている、させている。
まだ直接触れられただけで、
腰が跳ね、思わず目を瞑る程に反応したのも
濡れた感触のせいだけでは、無いだろう。]




 ……柊真って、そんなにエロかったんだ

[再び開く視界には、覗き込む顔が
視線を逃がしたくても、上手くいかない。
少し逸れては、また相手を見てしまう。

呟きは、強調する言葉に対しての恨み言ではなく
棘の代わりに切なさを持って、響いた。

声が、吐息が、音が、感触が
与えられたそれらがここまで欲を育ててしまったけれど。
見慣れていた筈の幼馴染の、知らない顔
その姿自体が興奮材料となっていると、認めなくてはならない。]





 ……柊真に、触ってほしい。
 柊真だから、してほしい。

[だから、隔てるものが無い欲に
自分の手を伸ばしたい気持ちは、抑えて求める。
従順に答える合間にも、呼吸は浅く熱く。]


[優しく扱き上げる動きに、
皺が出来る程布を握る手の力が強まる。
育っていた部分が、また膨らみをより大きいものへ。]

 ん、んっ ……ぅ

[一人で慰める時、声なんて出たことはないのに、
途切れ途切れにそれは自分の耳にまで届いてしまう。
もっと、そう求めるみたいに
腰は中心を相手の手に押し付けるよう、動く。

ああ、大丈夫だろうか。嫌ではないだろうか。
既に想像の中で裸に剝かれていると知らない故の心配も、
幾度かの手の往復が繰り返し、限界まで育った欲には勝てない。]

 とうま、っ ……気持ち、いい 

[伝える声は、切なく辛く
その頃には唾液を含んだ彼の手を更に濡らしていくものがあった。
聞こえ始めた水音は、彼の手元から。]**



………俺は稜の方が、エロいと思うぜ

[少し逸れては、絡み合う視線。
避け続けて来た幼馴染を見つめる視線には遠慮がなく。

彼だけには、見せないようにしていた。
こんな情欲を持った自分を見られてはいけないと隠していた。
しかしその躊躇いを溶かしてくれたのが彼ならば、
他でもない、その自分で興奮してくれる彼ならば
もう隠す理由は、何処にもない。]


……… ッ……煽るねえ


[彼の言葉に、どうしようもなく息を乱されてしまう。
同じような浅くて熱い呼吸の合間に、唇の端を僅か上げて]


[ああ、こんな幼馴染は想像のどこにもいなかった。
無理矢理じゃない事が、こんなにも嬉しい。]


………いいよ、声、抑えなくて
もっと聞きてえから。

     ──── …… っ…… 稜、


[彼の心配をよそに、強請るような腰付きは
ただただ男の行為と、その熱を昂ぶらせるばかりで。

彼自身から零れ出た蜜は、男の手の中で溶け合い。
いっそう耳に届く水音を響かせる。]



………ッ、……ゴホ!

[片手で愛撫を続けながら
片手で湧き上がる咳を抑えるように、腕で口を覆う。]

( 喉、いってえ……)

[思えば、長らく水分をとっていない。
乾く喉に咳が伴えば、裂けるような痛みが走る。
しかし今は自分の手の中で育つ幼馴染の熱を、放したくない。
熱に侵された脳。彷徨う視線は彼の顔を──唇を捉えて、喉を鳴らす。]





稜、………風邪、移してもいいっつったよな


[は、と余裕のない吐息が数度。
顔が近付いていき、恐らくそれは返事も与えない時間。]



───── ………ん、 っ


[軽く、唇を食むように口付けて。
それから空いている手で顎をくいと引かせれば
僅か開いた口の隙間へ、舌を潜り込ませる。

相手が臆していても、無遠慮にその舌を絡めて
角度を変えながら、口内で何度も、何度も密に触れ合う。
やがて蕩けた彼のくちを、覆い尽くし、奪うような口付けを。
──じゅる、と大きい音を立てて、
惜しげもなく彼の口内から唾液を吸い、飲み込んだ。]


 ……… ふは 、…… っ

[喉を鳴らす音はわざとらしく響き。
ようやく離した唇についた、彼の唾液さえも
あますことなく男の舌は舐め取って。]


[本来ならば初めての口付けというものは
もっと場所と状況に気を使われるものなんだろう。
けれど、どんなに浪漫がなくとも、きれいでなくとも
求め、求められるその構図は
紛うことなく、二人にとっては初めてのそれで。]


な、………もっかい、………

[そう呟きながら再度寄る男の顔は
予想以上に“彼”との口付けの甘さに酔わされていて。
水分を貰う為ではなく、ただ求めるように、
キスの味を覚えたばかりの少年のように、彼の唇に貪りつく。

合わせて、幼馴染の熱を扱く動きは緩やかに
しかし確実にその速さを高めていき
昇りつめるのを誘うように、唾液と、蜜が溶け合った男の手は動いた*]


―ド深夜―

[触れた部分に宇原の高い体温が伝わる。触れた箇所は僅かなのに、自分まで体温が上がったような心地になった。熱い体に部屋の空気が冷たい。

宇原の方を横目に見やると、やはり変わらずきれいな顔がどこか苦しそうに眉を寄せている。その表情も詰まるような息遣いも、彼の顔の良さを引き立てるような味わいがあった。ちっとも起きやしない彼の小さな挙動の一つ一つに意識がとらわれるようだ。これが固有スキルイケメンの潜在能力なのか。

『腐女子歓喜』そんな少し懐かしいフレーズが岩動の脳裏に過る。

なんとも言えない心地で身動きも取れぬまま固まっていると、宇原がぶるりと身震いをした。]


[そういえば宇原は岩動の毛布の上に落ちてきたため、今何も被っていない。
「寒さで起きてはくれないものか。」などと考えもしたが、彼に寝床を明け渡すのが懸命だろう。
頬の下敷きになっていた腕を、なるべく起こさないようにとゆっくりと抜く。

少しぶりに自由になった腕を振り、毛布を軽く引っ張ってみるが抜ける気配がない。
仕方ないと自分が被っていた毛布をそのまま宇原にかけて毛布で包み、ベッドの上の掛け布団を引きずり下ろしてその上に被せた。]



 …ふう

[結局欲望ベッドで寝る羽目になってしまった。
部屋が暗いのは幸いだった。

ベッドの上にゆっくりと移動して、横になる。
    …………寒い。

足を擦り合わせて身を縮めてみる。
     ………………………寒い。

さっきまで暑かったはずじゃないのか。]


[しばらくすると、なんだかこんなに寒さに耐えているのも馬鹿らしいような心地になり、ベッドを降りて、床に敷かれた布団に潜り込んだ。
妙な気分になるので、宇原には背中を向けて。]


……どういたしまして。

[途切れがちに呟かれたお礼に、たいしたことじゃないですとか、お礼なんていいですとか、何でもするって言ったじゃないですかとか、いろいろ返す言葉は浮かんできたものの。
 それらにはすべてお休みいただいて、一番シンプルな言葉を選んだ。
 きっとこれ以外のどれだって、今のシーンには似合わない。

 熱い両手に包まれながら、目を伏せる方徳さんをそっと見守った。]


[飲みながら、ちらりと覗いたノートパソコンの画面には、やっぱりたくさんの文字が打ち込まれていた。]

 おはなし、進みました、か……?

 なんか、凛堂さんがキーボード叩いてる音、とっても心地よかったです。

[病気のとき、誰かが傍にいたことなんて、こどものとき以来で。
 嬉しいのと照れくさいのとで、口元が少し緩んだ。*]


はい、お休みになっている間書いてましたから、少し。
あんまり身体しんどい時に読む内容じゃないですけど。

[これから良い方向に向かう予定はあるのだが、まだ青年の物語は不安の只中だ。
 健康に良いとは思えず、苦笑い。]

ああ、雨が窓打つ音とか、不規則な音を聞いてると落ち着くって言いますよね。
ゆっくり眠る助けになれたなら、嬉しいです。

安眠のために、また進めないとですね。

[それは予期せぬ効能だったが、そう言われたらまた青年の物語を先に進めたくなる。
 バックライト付きのキーボードに、片手を伸ばして軽く叩いてみる**]


[年の変わらない同性に翻弄され、
声をあげ身体で反応するばかり、
そして、驚きまで素直に出てしまう自分は、
相手のような本来あるべき大人の余裕や
色気というものが無い。
けれど、そう思ってくれていたらいいとも思う。

こうすれば、これは無理矢理なんかじゃないと
感じてくれるだろうかと言う思考もあるけれど。
そうやって次を求め恥知らずな言葉を口にする時点で、
反論は出来ないのかもしれない。]


[聞き慣れた自分の声、明らかな男の音階が
妙な甘さを持って、勝手に出てしまうことが、嫌だった。
だが、やはり柊真は反対の反応をする。]

 
 そんなこと、…… っ

[無い、なのか
それとも出来ない、なのか。
追い詰められてゆく最中では、思考の動きも鈍くなり
水音が増していく事に、そこに混じる声も一層切なさを帯びる。]


[咳は相変わらず重たく、痛ましい。
眠るまでの間、あれだけ辛そうにしていた後なら当然だろう。
続けられる愛撫で、喋る余裕が中々生まれない。
大丈夫なのか、熱も上がっているのでは、
倒れたらどうしよう、大袈裟でも目が離せなくて
だから、視線の動きもよく把握出来ていた。

唇に注がれた視線、近づく顔
意味を理解し、口を開くより先に────]


 〜〜!!

   っ、 ………ん、う
  
[言葉を発するべく器官は、塞がれる。
まず軽く、次に潜り込む舌が始まりに、深く変わった。

初めてが思わぬ形で奪われたことについて思う間も無い
思わず逃げる舌も絡め取られ、
侵されるままに与えられる全てを受け止めるしかなく。

時折跳ねる肩が表す未知の感覚への戸惑いも、
密な繋がりが齎す確かな切ない痺れによって、
溶かされていくようだった。
隙間から、角度を変える時、漏れる声を
蕩けていく頭でどこか遠くに聞いていた。]




 ……ああ、 そんな

[そんなことまで、君はするのか。
連なる二つは大きく、わざとらしい音。
その後に、弱く、一方で確かな興奮を持った声が続く。

酷くふしだらなことをされていることを、一層意識させられ
更に腰が重くなった気がした。
漸く離された後、呼吸を短い感覚で繰り返しているのは
口づけの合間に上手く呼吸出来なかったからではあるまい。

舐めとる舌に注ぐ視線には、
思い描いたものと違う初めてへの悔みなどどこにも無く。]


[それはきっと、欲望だけが理由ではなくて。]

 ……うん、おれも
    もっと、したい。

[再度近くなった顔と顔の距離
誰も聞いてはいないのに、小さくなる声は。
性にどっぷりと浸る中に、まるで今更な照れを含む。

貪りつかれても、もう戸惑いは見せなかった。]


[口づけながら与えられる熱への刺激は、
自慰では得られない類の快楽となる。

────舌が気持ちいいなんて、知らなかった。

緩やかに速度を増す程に、着実に追い詰められてゆく
腰が揺れているのは無意識のこと
見えてきた最後に至るところへ、
早く辿り着こうと全身が求めている。
やがて、その時はそう掛からずに訪れて。]




 ッ〜〜────!!

[未だ口と口を繋げたままで、
声も上げられないままに達することとなった。
離されなければ、その手を汚してしまっただろう。

数度、中心は痙攣し背を震わせながら白濁を吐き出して
それが収まり部分が固さを失った頃、
くったりと身体は弛緩した。
汗が滲む額、ぼんやりと開く目は快楽に水の膜を張って。]**


[興奮を示すように、短く繰り返される呼吸。
欲を隠さない男にも、幼馴染は怖がる事などなく。
彼もまた、性に溺れたように求め合う口付け。
それは、今までしたどんなものよりも、気持ちよくて。

照れたように、小さく呟かれる声に誘われるように
その口付けは、激しさと水音を増した。]


────、……… ん、イけた?

[夢中で、唇を塞ぐように貪りつく中。
握り込んだ幼馴染のそれが痙攣し、背を震わせるのと
手の中に吐き出される感触を感じれば、唇を離して

────ああ、しまった。]




あー…… 稜がイく時の顔、見たかった。

[惜しそうに、汗滲む額にかかる短い前髪を掻き上げ
優しくそこに口付けを落とす。

手を汚す白濁は、何度も見てきた自身のものでなく、幼馴染のもの。
熱の所為なのか、それともこの状況に浮かされているのか
心地よい浮遊感を感じながら、見せ付けるように、
その白濁の一部を舌ですくって、飲み込んだ。]




………ん、 ッ…… っしょ

[そして、男にしては細みのある幼馴染の腰に片腕を回し、
一気に彼の身体を抱き寄せて、対面座位へ体勢を変え。
その臀部へ手を伸ばしやすいよう、僅か突き出させて]


痛かったら、悪い。

[滑りを伴った指は、手探りに秘所の周囲を彷徨い
やがて、彼自身ですら触る事がない、その場所を見つければ
彼の反応を見ながらゆっくりと、指を沈めていく。]





………俺の、触っても良いよ。

[下を見下ろせば、見える位置に男の熱を孕んだ膨らみはある。
既に行為に十分すぎる程であっても、
幼馴染の手で触られるというならば話が別だ。
しかし彼自身をこれから穿くそれを、直接見るのは躊躇うだろうと
どう触るか、それとも触らないかは彼に任せて。]


[男は、幼馴染の中を解すために
早く欲しい、と焦る気持ちを抑えながら
少しずつ、誰も知らない彼の奥を暴いていく。

根まで深く沈めては、抜き、また沈め。
時折、奥で指先を小刻みに震わせたり、
内壁を拡げるように円を描く動きを繰り返しながら。
その度に情欲を煽る音が響くのを、聞いていた。]


───……… ゴホ、 ……ッ

[どのくらいの間そうしていたか。
風邪を患っている上、性急に見える男にしては長すぎるほど
差し込む指の数を増やしながら、焦らして、拡げて。
十分に蕩け、彼が音を上げて来る頃に、ようやく指を引き抜いた*]


[体調は少し良くなった気もするけれど、まだ眠気は残っている。
 凛堂さんに何を書いているのか聞いてみたら、今読むにはあんまり適していない内容のようだった。

 じゃあ、早く治さなきゃ、ですね。

[そう長引かなければいいな。
 凛堂さんが看病してくれたし、たぶんすぐ治る。
 そんな気が、なんとなくした。]

 あー……雨だれ、それかも。
 なんか耳に優しくて……ふしぎ、ですよね。

[デザイン事務所やなんかにお邪魔したとき、カタカタ叩かれているキーボード音は、けしていい音とは思えないのに。]

 やさしい人が打つと、優しい音になる、んですかね……?


 楽しみだなぁ、どんな話が書き上がるのか。

[ポカリで少し喉を潤してから、また身を横たえる。
 静かでやさしい音は、また、ゆったりした眠気を呼んでくれた。]

 そうだ、凛堂さん
 もひとつ、甘えさせてもばって、いいですか?

 ……起きたば、りんご……
 むいてぼらって、いい、です……?

[言ってから、それじゃ凛堂さん帰れないかもと思ったけど。
 言い直すのもおかしいよなと思って、そのまま。]


 ……ふぁ……。

 なんか、
 いい、ですよね

 凛堂さんといっしょになる人は、きっと、幸せなんだろうなぁ……

[ふわっと訪れた眠気のままに、なんか、言ってしまった気もするけど。
 ふんわりして、よく分から、ない、かも……**]


[そういえば、連休の直前まで大学のレポートに追われ
暫くの間、自分でしていなかった。
そんな状態で初めて人の手に与えられた気持ちよさは
想像よりずっと、……凄かった。
聞こえた声もどこか遠くに思えた
常であれば羞恥を齎した言葉にも、反応はなく。
額の心地良さにぼんやりと目を細める程度で。

それはつまり、未だ余韻の中にいたということ。]

 だ、だめだよ……汚いよ

[見せつけるように吐き出した体液を舐め取られ
狼狽えながら、そう口にする。
しかし、喉を鳴らし、彼の口元に視線を注ぐ様は

言葉通りには、とても見えまい。]


[精を放ち脱力した身体は、無抵抗に抱き寄せられる。
彼の上に座るような体勢、それに────

ああ、ついにらしい。
知っている。存在しない器官の代替に何処を使うのか。
心の準備をする余裕なんてものは無かったが。
その言葉に口の端を持ち上げ、静かに頷いた。

異物を咥える為に無い場所は、やはり苦しい
勝手に締まり、指を拒もうとしてしまう。
詰まる息をなんとか吐いて、吐いて。
入る力を抜く努力を続けるも、意識すればするほど難しい。]




 あ、……柊真の、まだ大きい。

[声に反応し、見下ろした先
すぐ傍で膨らみは今も興奮を示している。

自分が触れられるばかりで、
彼のものはずっとそのままにされていたことに気づく
まだ萎えずにいてくれていることが、嬉しい。

同性の身体、ましてやその箇所になんて関心は無く
触ることなんて考えたこともなかったのに。
考えることもせず、手は伸びていた。
一度消した筈の熱が、また灯り始めているのを感じる。]


[最初は恐る恐る、緩やかな動きで指で撫で付ける。

下着と寝着で隔たれていても、確かに伝わる固さに
これが彼と自分を繋ぐと思うと、怖いような緊張するような。
数度手を引っ込めてしまいもしたが、
そんな躊躇いは、慣れと反比例し消えていって
やがては掌を使い形を確かめるように変わる。

少し布を引けば、すぐにそこを確認出来てしまうけれど
今はこれが精一杯の行為だった。]




 っ、 う……、  ぁ

[その間も、中に侵入した指は沈められ、抜かれ
予測出来ない動きに翻弄され続け、
苦痛に耐えるような声と、寄せた眉。

沢山の時間を掛けて拡げられてゆく
経験が無くとも、丁寧に扱われていることは理解した。
自分もまた触れる側になることで、気も少し紛らわされ。

反応はゆっくりと変わってゆく
肩が跳ね、手が止まり、時折強く締め付けて
声は小さく控えめになる、知らないものになる────]




 は 、……んんっ
     なんか、変だ…… 

[齎される感覚も、苦痛や異物感から別のものへ
未知のそれを言い表すことが出来ない。
布越しに撫でていた手も、上手く触れられなくなり
離れ、縋り付くように相手の肩を掴む。

腰に響くような刺激や、直接的に触れられる快楽とは違う
内側がじんわりと熱くなる、不可思議な感覚。]

 こわい ……、も、 やだ

[いつまで続けるのだろう、水音と自分の声が耳につく。
焦らされていると知るには経験は足りずとも、
決定的なものには遠く、与えられ続ける知らない感覚に
大人しく耐えていることは、やがて出来なくなった。
下腹部には、先程達した筈の中心が形を持ち始めている。]




 っ、 く…… とうま、咳、辛い?
         ────でもおれ、もう

[咥え続けていた指の数本を引き抜かれ、
漏れる声の後に唇を噛んだ。

息を少し整え、ぽつりと問い掛けるも
主語を持たない続きは、
彼がなんと言おうともこの先を求めている。

確かな喪失感に、充分に拡げられたそこは収縮した。]*


なんだか、嬉しいけど少し恥ずかしいですねぇ。
僕の原稿読むのを治す活力にされるって。

[確かに今回の導入は明るいものではないから、今すぐ読むには適さない。
 それにしたって、読むために早く治そうなんて、何ともこそばゆい。
 早く治ってほしいし、読まれるのは構わないとも思っているのだけれども。]

……僕、優しいんですかね?

[優しい人が打つと優しい音になるというなら、自分が優しくないと成り立たない。
 いやまさしくそういった意味合いで言ったのだろうが、よりくすぐったい評価がやってきて、おもわず受け止めるのにクッションをいれたくなってしまった。]


やさしい、かぁ。
普通のことをしたつもりだったんですけど――ああでも、普通の人はご近所さんってだけで、お見舞いも看病もしないのかなぁ。

[正直、人付き合いの経験が少なくて、普通と普通じゃないの境目がわからない。
 今日のことを踏み込み過ぎと反省する予定はないのだけれども。]

……ああ、もう少し寝られます?
じゃあ、起きたら剥きますね。

[帰れない、なんて過ぎることすらなく、当たり前のようにお願いを聞き入れて、キーボードが空想の窓を打つ。]


……えっ?

[眠りに落ちる寸前だったのか、ふわふわと呟かれた言葉は、うまく聞き取れず聞き返す。
 聞き違いじゃあなければ、いっしょになるとか、幸せとか。
 意図を聞こうにも、当人は夢の中。

 あとには気恥ずかしさだけが残って、ほんのり耳元赤くしながら、青年を霧に迷わせ続けた**]


[咥え慣れていないそこは、
入ってくる異物を当然のように拒絶する。
それでも、何とかそれを受け入れようと
必死に息を吐き続ける姿は、とても愛おしく。]


…………っ、は、 お前の所為だよ。

[男の熱は、そんな幼馴染のお陰で
収まる事を知らないように、主張したまま。
緩やかに、そして確かめるように触れる手付きは
彼の精一杯の愛撫である事が伝わって
男は、満足したように息を吐き出す。]


[触られれば、すぐにでも求めたくなる。
拡がりきらない其処を、自身の熱で無理矢理押し拡げ
彼の中を、思うままに掻き乱したい。

しかし指だけでも、
その声と顔から苦痛の色が滲むならば
今一度、湧き上がる欲を抑え込んで。

やがて、反応が変わってくる頃。
こわい、変だと呟く彼をあやすように
また額に口付けて、薄く笑み。その指を引き抜いた。]



……ゴホッ、!………馬鹿、
お前は自分の心配してりゃいいんだよ。

[それでも、自身を心配してくれた事に礼を告げる代わり
いつもしていたように、頭を二度撫でる。

腰を抱えながら、ゆっくりと、
またその身体をベッドに沈めさせれば
男の眼の前に彼の下腹部の中心が曝け出される。
寝着を下ろして、彼と揃いの───
しかし痛い程に張り詰めた自身のそれを、数回扱いて。

そして十分慣らした其処に宛てがい、確かめるように動かせば
待ち切れないと主張する先が溢れ───にち、と粘着音が響く。]



─────……… 

[不意に男の動きが止まり、窺うように視線を絡める。
ここまででも、幼馴染としては度を超えすぎた事をしているが
この先へ進めば、明確に、
今までの関係では居られなくなってしまう。

しかし、それも一瞬。
既に熱に侵された脳は、彼を奪う事しか知らず
性急に、彼との繋がりを求めて腰を進ませる。]


……っ、 は ……

[ぐ、と押し込み、先から少しずつ埋め
ゆっくり、ゆっくりと彼の中を押し拡げて]




稜、───…… 〜〜っ、……!


[名前を呼ぶ声には、余裕などない。
は、と息を吐けば最奥へ強く押し当てる。
体温が上がった身体同士が触れ合った部分は、もはや熱いほど。

ずっと、ずっと穢してはいけないと思っていた場所。
しかし今は、求められながら、その場所を犯している。
それが、どうしようもなく男の興奮を誘って]



[ぎし、とベッドが音を立てる。]




……悪い、ちょっと ……───好きにさせて。


[繋がったまま、幼馴染に覆いかぶさるように彼の顔を見下ろした。
それは、一度も見せた事がないような雄の顔。
降りかかる声に熱い吐息が混じれば
彼の許可もなく、腰が揺れだした。*]


― ド深夜 ―

[ベッドから落ちる宇原を支えようとした岩動の腕を枕にして、布越しに熱を持った頬で体温を伝えている。

くふ、と高い音を混ぜ、喉を鳴らして吐いた苦しげな息が、岩動の首筋に触れた。
微かに動く乾いた唇も、眼球の動きにつられて小さく震える目蓋も、宇原が確かに眠っているということを伝えるばかりだ。

岩動の隣の毛布の上、体のおさまりがいい位置を求めて身じろぎをし、曲げた膝や放り出された腕が毛布越しに岩動の体に触れた。]


[布団から抜け出したせいで、宇原の体は冷えた夜の空気に晒されている。けれど、震えの後で軽く体を丸めただけで起きる気配はない。

寝心地の悪い枕に顔をこすりつけて、首をまるめたり、膝を引き寄せるようにして脚を縮めたり、少し寒そうに身を縮める程度だった。

結局枕にしていた腕を抜き去られても、ぷす、と寝息を漏らし、若干寝違えそうな姿勢になりながらも、敷布団に頭を置いて眠ったまま。]


 




[その後、毛布に包まったその上から掛布団をかけられたSUPER-NUKUNUKU状態で、宇原がもぞもぞしはじめたのは、岩動が布団に戻って寝直し始めて数時間後。明るくなってきてからだった。]


[目覚めないまま毛布を腕や足で剥がそうとしながら軽く唸った。暑くて寝苦しいらしい。
ん、と軽く息を詰まらせ、どうにか毛布をくちゃくちゃにしながら蹴りどけて、体から剥がしきると、はあはあと息を乱した。

若干汗ばんだ体で寝がえりを打ち、少し暗くて、ほどよく何かにもぐった感のある場所へ顔をぐい、と鼻から潜らせた。
宇原はほとんど習慣でそれに体を添わせ、手足を絡ませる。

岩動紅一、28歳会社員。
彼は朝方からしょこらちゃん抱き枕がわりにされていた。

背中に顔をくっつけられて、脚に脚をからめられ、へそ下15センチほどの位置に手も添えられ、またも身動きが取れなくされていたのである。**]


―朝―

[エロい夢を見た。


具体的にどういう夢かと言うと、チタンフレームの眼鏡をかけた黒髪ロングでふたなりのOLのお姉ちゃんが地味に俺のパーソナリティを卑下しながら寄り添い体を弄り誘惑してくる夢だ。
夢の中で、なにかいい匂いがする。とおもった。]


[カーテンの隙間、窓から差し込む日光が冷えた部屋を温める。まだ微睡みに身を置きながらうっすらと瞳を開くと目線と同じ位置に床があることに小さく驚く。
そういえば昨夜は宇原の家に泊まったのだった。

ぼんやりと、宇原の様子を思い出しながら夢の感触の余韻に浸る。凄くリアルで、今も感触をありありと思い出せる…]


 んん?


[背中がぽかぽかとあたたかい感覚、しっかりと抱え込まれた腹と足。そして、ちんちんがやたらむずむずすると思ったら、宇原の手は岩動の下腹部にふんわりと添えられていた。]

 ………………………………ウツギくん?

[寝息が背中にかかってくすぐったい。
むずむずとした感覚が体全体に広がっていく。身動きがとれないということもあるだろうが。尻に当たっている感触は、よくわからないがこれは。]

 ………………………………………………。

[ほんの悪戯心、出来心でもぞり、と体をよじらせて宇原の指先を股間に触れさせ、心もち尻を宇原の股間に押し付けて感触を確かめる。]

 ……………………………ふんwwww


[これはまずい。 瞬間的にそう思った岩動は鼻で笑うと共に宇原の手を取り持ち上げると、彼のスネを蹴るように踵で小突き]

 ウツギくん、起きれそうー?

[背中の彼に聞こえるように、寝起きのかすれた声で囁く。
とりあえず、手に取った彼の手首をどうするか、うろうろと彷徨わせて迷いながら。離れがたい背中の熱を、ふつふつと湧き上がる気まずい感情に向き合うことからは、今は逃げることにした。]**


― 朝 ―

[体が揺すられているような感覚と、名前を呼ばれたことで、漸く宇原は目をさましつつあった。
いつもの抱き枕(※勘違い)に顔をさらにこすりつけて、少し考える。誰かの声がしている。これはそうだ、メイさんだ、と徐々に思考が繋がってきたあたりで、寝起きの掠れた小さな声で返事をした。]

 すうう……っ………、
 あい、おきてう、……

[何か手が動かない。それとなんだか、いつもの抱き枕の感触やにおいが違っている。(※勘違い)
動かない手を寝起きの弱弱しい力で引っ張ってみた。何かに引っかかっている。いや、掴まれている…?]



 うお……


[やっと意味がわかってきたらしい。
今へばりついているのは人間だ。]


 うおお……
 ……
 え……?
 
 ……wwwwwwwwww
 


[驚いて声をあげるも、それも寝起きのトボけた声だ。次いで、こらえきれない笑いがきて、岩動の背中に笑って漏れる息がふすふすと触れては、布を温める。]

 え???wwwwwwwwwww

[天井の高さから床に敷かれた布団に居ることを把握し、何故ベッドからこちらへ移動したのかは不明なものの、どうやらしょこらちゃんではなく、岩動を抱き枕として使っていたことはわかってきた。]

 ンフッwwwwwwwごめんwwww


 やさしーですよ、凛堂さん。
 なんか、はじめは、すごい気を使わせちゃって、ぼうしわけないなーとか思ったけど。

 ……そうじゃなくて、すごい、自然にやってくでてんだなぁって。

 だから…………


[そのまま、微熱と睡魔に浮かされて。
 ぽつりと零した言葉は、本人も、半分くらい無自覚なまま……]


[つんとした言い方も、それがこちらを想う内容なのも
どこまでもらしくて、撫でる手を受け入れながら、小さく笑う。]

 ごめんね、いつも馬鹿な幼馴染で

[嬉しそうな言い方になってしまったのは、仕方ない。

行為の為に体勢を変えさせる、そのやり方すらも優しかった。
一度達し、それから触れられてはいない自身と
張り詰めた中心は、同じ器官でも反応の示し方が違う。
……本当に、そんなものが入るのだろうか。
視線を注いでしまったことに、怯む気持ちは確かに影響している
それでもやめたいのだと思われたくなくて、口にはしない。

宛てがわれたその熱の動きに、
其処がきゅっと締まるのを自分でも感じた。
緊張で視線は逸れ、顔の横で握る手が掌に爪を立て────]




 ………… ?

[しかし、動きは不意に止まって
視線を上げれば、相手もまたこちらを見ていた。
二つは絡み、見つめ合う。

そこに含むものが、彼の思うことが伝わる気がする。
けれど一瞬のこと、言葉も発することは無く。]

─────……… 

[ヒーローではない、思い出の幼い姿でもない
今の鳴海柊真を瞳に映しながら、静かに微笑んだだけ。]



 ぅ、 …… あ、 っく

[進んだ腰、押し広げられる内部。掌に爪が食い込んだ。
先を強請る程に慣らされた其処は、痛みは想像よりずっと少ない。
それでも、指とは比べ物にならない彼の質量に
圧迫感を覚えるのは、代用の器官では仕方ないことだ。

体内から臓器を押されて、耐える声が漏れ続ける
ゆっくり、ゆっくりと進む毎に、途切れ途切れに減ってゆく。]


[ずっと、昔のように呼んでほしかった。
その願いは、今夜叶った。]

 とうま、とうま……っ

[いとしい呼び声に返るのは
やはり彼と同じように余裕無く、縋るような響き。

逞しい熱が貫いてゆく時間は、とても長く感じ
まるで串刺しにされているよう。
体験することなど夢にも思ったことがない行為
幼馴染が相手ならば、そう望んでも、やはり。

指で時間を掛けて拡げられ感じた、こわい知らない刺激は
今は圧倒的な大きさに、見つけられないようで────]


[────それより強い感覚が、不意に訪れる。]


 ひぁ ッ……!

[高くなった声も、跳ねた身体の反応も、大きい。

そんなとこまで入ってしまうのかと思ってしまう程の奥
先端が強く押し当てられて
まるで、電流が走ったようだった。]


[これはなに、これは苦しいよりこわい
おれの身体はおかしいのかもしれない
きっと知らないままのほうがいいものだ。

見下ろす相手を見上げる
待ってなんて言いたくても
頭の中がどろどろで、見たことがない表情に引き込まれて
柊真は答える前に動き出してしまう。]


 ん、んんっ は……ッ、あ

[指で与えられる体内からの遠い刺激に、
緩く持ち上がっていた箇所は、気づいた時にはもう
揺さぶられる身体の中心で、はっきりと主張している。]


[指を引き抜かれ、喪失感を覚えた体内と共に
触れてもいない部分は今、悦んでいる。
自分が自分でなくなりそうで、こわい。]


 んっ……とう……ま、っあ、
       きもち……い、い?

[けれど言葉にする代わりに、そう呼びかける
上手く作れない表情で、笑おうとした。

あやすような口づけが嬉しかったから
“お前の所為”が続いていればいいと思う。

そうしたほうが気持ちいいのかな、って
揺らし始めた腰は、辿々しくすぐに跳ね、止まり、また動く。]*






だから、俺がお前のヒーローになってやるよ。

 



[ちょっとやそっとでは起きないのでは、そんな予想は案外あっさりと覆され、寝ぼけてかすれた声が背後から聞こえた。彼も同じくこの状況に戸惑ったのだろう、少しすると笑い声を背中に押し付けながらいつもの軽快な口調で謝罪の言葉を口にした。]

 ちょお、くすぐったいて。

[謝りながら身じろぐ宇原の動きがいやに敏感に感じ取られ、手首を掴んだままに慌てて仰向けに寝返りを打つと、昨夜の腕枕の姿勢を再現したかのようになった。]

 ………………近っ

[近さについて言及したものの、姿勢はそのまま動かない。今朝の顔色は…どうだろう。そういった他人の機微を読み取る繊細さはあいにくと持ち合わせていない。というか、夢の余韻のせいかなんだか思考がそっち側によりすぎていると言うか、剥がしたはずの宇原の指の感触が肌から離れてくれない。]


[わざとなのでは? まずそう思った。
昨夜のあれも、それも、今朝のこれも。わざと言っていないか?女性経験はないがもちろん男性経験だってない。そんな岩動にこういった駆け引きのことがわかるべくもないが、どうにも普段から思っていたが、この懐き方はただならぬことなのではないだろうか。]



 昨夜、………

[腕枕したの覚えてる?…まず間違いなく笑い話だ。軽く話せばいいのだけれど、いざ話を切り出してみると自分の声が震えたことに気がついた。

彼と目が合うと、じわり、と無自覚のままに体が火照り、惰性の皮を借りて名残惜しさで絡ませていたままの脚がじれったいと言わんばかりに宇原の脚を撫でた。むずむずとした感覚が口角を引き上げようとした瞬間に、岩動は先に布団から抜け出した。部屋の空気が急速に岩動の体を冷やす。]

 ト、トイレ借りるわ。
 昨夜から我慢してたの忘れてたね。

[そう言ってそそくさとトイレへと逃げ込んだ。]**




 げほっ、げっほwwww

[どうしてこうなった。それが強くて笑いが収まらない。
混乱しているせいか、岩動が手首をつかんだままなので離れられもしない。]

 だって笑うでしょwwww
 なにがおきてる……?
 おれの寝相が狂ってることしかわからねwwww


[岩動の背中に向けて喋っていると、息が当たって暑いのか、それとも擽ったいのか、岩動が寝返りを打った。
寝返りの際に脚同士が脚が重なった。
手首だけでなく脚もとられたようだ。
正面に見える横顔が、こちらをむいた。目があう。]

 ………………近っ

[はもった。
それがまた可笑しくてわらっている。一種のにらめっこのような笑いどころがあったので、距離感もそのまま。ゲーム感覚で一歩もひかずに顔を見ることにした。
一時的にかもしれないが、眠ったことで体温も微熱まで下がっていた。]


 ………

 (眼鏡ないと相当顔変わるな……)


[流石眼鏡は顔の一部と呼ばれるだけある。
眼鏡がない状態で外で会ったら分からないかもしれない。
睨めっこついでに宇原は岩動の顔をまじまじ眺めた。]


 ……ん〜?


[夜のことを宇原は覚えていない。ゆえに聞き返した。
のんびりした口調ははぐらかしているかのようだが、ただ単純に覚えていないだけだ。

笑いが収まったら、微熱気味の体が少しだるく感じる。それとちょっと寝違え気味で首も痛い。
だから、寝起きの赤い目は、やや気だるげに目を細められ、言葉の先を気にして今も岩動を見つめている。目がしっかり合っても、尚。]


[岩動の脚がそわそわと動いた。その拍子に体が跳ねる。
布越しに宇原の内腿を撫でていく岩動の脚の動きが非常にくすぐったかったらしい。むずむず感から逃れるために、反射的に脚が動いた。岩動の股にはさまる形で動きが止まる。]


 wwwwwwwwwwwえっ?
 あ、はいwwwww

[不意打ちの意図せぬ擽りに、声なく笑いながらじたばたしていると、宇原は突然手首と脚を解放された。岩動はトイレへ去っていった。]


[俺の名前を呼ぶ、お前の声が好きだった。
今、切なさと熱が混じりあって響くそれは
ひとつ、呼ばれる度に、ぞくりと甘い痺れを齎して。]


──── …… ふ、

[揺れだした腰は、ゆっくりと。
初めて咥えるそこに、覚え込ませるように
熱と硬さを主張しながら、蹂躙していく。

爪が食い込む程に力強く握られた手には
自身の手を這わせ、撫で、その拳を抉じ開けて
そうすれば指を絡めるように、汗滲む手を握り合った。]


[嬌声に混じりながら届く
自身の名前と、問いかけに、正常な脳が侵される。

ぎこちなく作る表情は、俺しか知らない
───俺だけの、稜の笑顔だ。]


っ、は……………稜、
……お前の中、めちゃくちゃ気持ちい、から、
優しく出来ねえの、……我慢しろよ


[快楽を求め合うように、互いの腰が淫らに揺れあえば
無理矢理の行為でない事を、改めて感じて。
熱く蕩け、自身を締め付けて離さない内壁に
膨れ上がっていく情欲と、熱。]


[もっと。
お前の知らない顔をみたい。
お前の知らない声を聞きたい。
俺の手で、乱れていく姿を暴きたい。

そんな欲望は、抑え方を忘れさせて
初めての身体に、自身を刻みつけるようと、猛る。]


…………あー、……俺、 今
稜の事 犯してんだ

[洩れた呟きは、荒い吐息に混ざり、独り言のように響いた。
詰まった鼻は、呼吸を上手くさせてくれないが
ティッシュに手を伸ばす時間すら惜しくて
夢中で、腰を押し付ける。]




稜、……… 稜……っ


[離れていた二年分の距離を埋めるように
名前を呼んでは、何度も、何度も
彼が大きく反応した奥へと
しかし、その時よりも深く、強く押し当てる。

絡める指にも力が入り、体勢は上から押し潰すように。
粘着質な水音は、その激しさを主張するように増し、絶える事なく。


やがて限界が近づき、余裕のない顔で笑えば
汗がつたい、彼の肌に落ちた。*]




[目があったときの顔を見たか。
これまで生きてきてあんな風に間近で真正面から顔を見つめられたことがあったか。
直前まで馬鹿みたいに草はやして笑ってたじゃないか。何故黙る。
何故なんかちょっと、それっぽい感じになる。

あまりその整った顔で見つめないで欲しい。]



 う……

[何もかも狂った宇原の寝相のせいだ。
それと、彼が熱を出すから。体が温かいから。懐きすぎだから。顔が綺麗だから。
思わせぶりな声を出すから。ずけずけと自分の領域に踏み込んでくるから。顔が綺麗だから。やたら接触が多かったから。抱きついてきてちんこ触るから!いちいちエロい反応するから!
太ももちんこに当てるから!!

君にちんこがついてるから!!!!]



 …………………………………
 …………………………………………………はあ。



[クソデカため息を落としながらレバーを回し、様々な葛藤を水洗トイレにまるごと流してもらう。
罪悪感がすごい。このときばかりは自分の性癖(※1)が怖くなった。
友人の家で友人で抜いて友人の家の水洗トイレが詰まる原因を作ってしまった。すまんウツギくん、許せよ君が悪い。
自分がまさか三次元の男でここまで興奮できるとは知らなかった。

トイレを出てから宇原には、「うんこ。」と声をかけた。そういうことにしておく。]



 
 …で、体調はどうなんですか。


[何事もなかったかのように、そう訊ねる。実際そこまで深く思いつめては居ないのだ。]


(※1 岩動くんは大のふたなり好きのちんこ萌えだよ。)






 おかえりウンコ〜。


[他人のトイレの音はなるべく聞かないでおいてあげようとするのもまた人情。ゆえに、トイレから出てきたその男が賢者であることを宇原が知る余地もなかった。]


[体調を尋ねられた時、宇原は歯磨きをしていた。]


 んー?ふ〜ん……んんん?……ん〜。

[口を開けずに体調を伝えることを諦め、口のなかの泡を洗面台に捨てに、玄関すぐそばの風呂場のほうへ引っ込んでいき]


 まだだるいかなあ……?
 吐くって感じじゃないけど胃は変。
 あ〜おかゆたべよっと。
 買ってきてくれたし……


[と言いながらまた風呂場に備え付けられた洗面台のほうへ引っ込んでいき、歯磨きを終えた。
廊下へ出てきながら、今度は自分の体を嗅ごうとしている。
鼻がつまっていてなんのにおいも感知できない。
昨日寝落ちたし、寝汗をかいた気もするし、くさいと申し訳ないなと思い]

 風呂はいりたーい。

 wwwさっきくさくなかった?
 やだった?ごめんね?


 
 あ。そういや昨日がなんて……?

[先程岩動が言いかけていたことを尋ねながら、ぶるっと体を震わせた。寝起きの毛布サンドイッチに掛布団で暑くなって、羽織っていたパーカーも脱いだくらいだったが、冷えた風呂場の床と空気に足から一気に体が冷えた。

そそくさと部屋に戻る。なんなら乳首が立つほど寒い。憐れセイカちゃんのTシャツが部分的に出っ張っている。ごめんな平らにきてやれなくて。君を傷つけるつもりじゃなかった。
すぐに布団に戻って、すっぽり脚を布団へ突っ込んだ。]




 ん、 うれし …… っ

[共有する体温は熱く、境界を失っている。
その形を覚えそうな程、締め付け、壁を擦られながら
返った言葉に、確かに感じた満たされる心地。

求められ、求めて、確かに今はお互いだけを見ている。
あの日から胸に開いた穴が、
失ったものとは違う何かで塞がれてゆく。

おれ達は本当にもう戻れないのだと、その時実感した。]




 ッ……んは、ぁ! は!、あッ、あぁっ……!

[緩やかだった腰の動きが変わった
猛り、夢中で押し付けるようなそれがたまらない。

欲の全てが引き摺り出され、彼に曝される
抑え方を忘れたように響く自分の声がどうしようもなく煩い。
与えられるのは知らないものばかり、
それでも、気づいて、握ってくれた手があるから
もうこわいとは思わなかった。]


[何度も、何度も。穿つものが奥に当たる
その度に収縮する場所が、もっとと強請るみたいに締まった。
最早、相手に感じてほしくて自ら動くことなど不可能
勝手に逃げようとする身体も、
押し潰すように重みを掛けられそれは叶わず。
解され、幾度も押され、
体勢が変わればより深くまで届いているようだ。]

 とうま、あッ……と うま、ぁ! ひ、 あっ

[耐えることの無い水音に混じるのは、
ぶつかり合う肌の音と、喘ぎ、それに名前を呼び合う声
平静なんてどこかに消えた頭で、
大切な相手に応えようと懸命に繰り返した。

過ぎた快楽に滲んだ涙が、頬を伝い流れ落ちる。]


[余裕の無い笑顔に向けられるのは、未だ涙を溢れさせ続ける表情
幼い頃、初めて気持ちが通った日から
大きくなるまでに何度も見せてしまった泣き顔とは違う。
染まった頬、半開きで閉じることの出来なくなった唇
悲しみではなく、明らかな情欲を示していた。]

 は、……あぁっ、 ふ、 ……ぅ、 あッ

[陸の上にいながら、酸素を求めるように呼吸は荒く
腫れ上がる中心は、先端を濡らして。
限界が近いのは、どちらも同じ。]




[口の端を持ち上げるだけの、より不格好になった笑み。
君しか知らない、作り物じゃない顔で
強い力の込められている手を、握り返し
──── 一つ、確かに頷いた。]


 〜〜ッッ! 

[その時、目の前で火花が弾けるような感覚を覚えた。

最早声もあげられず、喉が反れ両目がきつく閉じられる。
強く、強く、制御の利かない締め付けは長い。
まるで相手にも達することを促すように。]*


 普段、ひとりで仕事してることのが、多いから。
 部屋にずっと誰かいるのって、すごい不思議な感じ、するんです。

 けど、なんか……。
 なんか、いいなぁ……って。

 …………。


[つい、零してしまったら、耳のあたりが少し熱くなってきたような気がして。
 誤魔化すように、また、リンゴに爪楊枝を刺した。*]





[歯磨きをしながら歯ブラシを咥えて、宇原がこちらに返事をしようともがもがしている。その様子を見てイラリと眉根を寄せた。何にイラリとしたかって、それはなんとも言い難いがこのあざとさになのかもしれない。引いては、あざとさになびきそうになる岩動に残ったなけなしの理性なのだろう。

顔を小さく顰めたまま、洗面所に向かう宇原を見送った。]


[再び顔を出した宇原から体調の報告を受ける。]


 ああ、でも随分良さそうだね。


[安堵の声が漏れた。
おかゆを食べるらしいので自分はカップ麺でも食べるか、と風呂場に戻る宇原を尻目に台所の薬缶に水を貯めて、コンロに火をかける。シンクに手をついてつま先でもう片側のふくらはぎをぼりぼりと掻く。伸びてきたヒゲを指で引っ掻いて呆けていると宇原が再び離れた場所で口を開く。
風呂に入りたいらしい。気持ちはわからないではないが]

 やめといたほがいんじゃない?

[風呂でまた吐こうものなら地獄を見ることになるのはわかりきっている。]


[くさくなかったか、いやじゃなかったか。
もちろん他人だから多少は臭った。その事実が岩動の返答を遅らせる。]

 や、

[別にいやではなかったのだ。嫌だったら文句のひとつやふたつ、適当に言って返したのが。]

 別に。
 まあ多少は。

 あー後で蒸しタオル作っちゃるからそれで体拭きなよ。


[と、そっけない返事を返すばかりだった。]



 昨日?ああ。
 や、昨日ウツギくんベッドから降りてきて俺の腕枕にしてたの。
 覚えてっかなと思ったけど忘れてるね。

[どうでもよさそうに、薬缶を見ながらぼそぼそ話していると宇原がそそくさと部屋に戻っていく。そして見逃さなかった。
宇原の着ていたTシャツのセイカちゃんが部分的に2つの尖りを携えていたのを。]

 ウツギくん、タバコ吸っていい?

[限界だった。
もうタバコでも吸って誤魔化さないとやっていられない。
布団にずっぽり脚を潜らせている友人の乳首に一瞬ウキウキした自分がつらい。
荷物からタバコを持ち出し、中の一本を抜き取るとトントン、とそれをシンクの端で叩いた。]**




[寒気やだるさはあるが、昨日のような吐き気はないし、しゃばしゃばの鼻水が出続けることもない。地味な頭痛もとれてきた。代わりに喉に違和感があって声が寝起きからざらつきっぱなしだが、それでもやはり昨日よりは。
随分良さそうとの安堵の声に、こくんと頷いて素直ににっこりと目を細め、口元を緩ませた。]


 おかげさまっす。


[風呂はだめらしいと聞いて、残念そうに了解した。]

 大丈夫でした?

 よかっ……ええ……多少?
 あんんんん!おれの萌え豚臭を嗅がせてしまったあ。
 せめて人に迷惑をかけない清く正しい
 萌え豚でいたいとおもっていたのにぃ……

 ありがとお……
 めっちゃ拭くね……。


[それから昨夜の話になって、布団のなかで話をききながら驚いたように目を丸くする。]


 え゛っ。えっ。
 お、おれ、そん、おおっほぉwwwwwwwwwww
 そ、そっかあwwww風邪こわすぎですねえ?!?
 な、なんだろうなぁ!
 寝ぼけてた感じでしたかねえ?!?


[みるみる顔が火照る。
予期せぬ甘え方をしていたらしいと聞かされて、どうしてそんな行動をとったのかも理解できない。
一度足りとて腕枕をしたこともされたこともないのに!
どうしてそんな事したくなっちゃったのか。
酔って記憶のない間の出来事のように、自分の無意識の恐ろしさが、宇原には強烈に恥ずかしい。
だって少なくとも、無意識ではどうやらその時はそうしてみたいと思ったということだろうので。]


 
 ご、すみ、どう、えええぇぇぇとwwwwwww
 め、メイさんゆるしてくれる???


[ついに耳までほんのり赤くして許しを請うことにした。]


 え? た、たばこね!はい!
 火つけましょうか!?

[パシリでもなんでもするぞという心地で慌てて立ち上がった。乳首とともにスタンダップだ。岩動のタバコの原因がそれとはしらない。**]


[成人男性二人分の重さと
激しさを増す行為を支えるベッドは
情欲を煽る水音に混じって、悲鳴を上げる。


胸を埋めるのは、確かな幸福感。
しかし同時に、二度と返っては来ないあの頃を思い
言いようのない喪失感が心を過るのは、男も同じだった。

しかし、今だけはそれを忘れるように
目の前の彼を、ひたすらに求めた。]


[自身の猛りによって、
抑えがきかなくなっていく彼の嬌声に
親指の腹で、握った指の側面を撫で付ける。

余裕なんてとうにないはずなのに
その愛おしい姿を、声を、隠さずに曝け出して欲しくて。]


はっ、…… っ  は………

[呼びかけに応えるよう
何度も、男の名前を必死に紡ぐ声。
頬を伝い落ちた涙は、幾度となく見たそれとは違う。
ぞく、と身体が反応するのを感じながら
伝う涙の痕に、唇を触れさせて]




好き、だ、 ……稜


[伝えるには、過ぎた感情。
独占欲と性愛が入り混じった不確かなそれは
そうはっきりと言葉にするには、ちぐはぐだった。

けれど、俺しかしらないお前の笑顔も
この感情と似ているのなら

きっと、今は不格好のままでも良いのだろう。
握り返された手から、確かにお前を感じながら
そう思った。]


[何かが弾けたように、一層締め付けが強くなる。
彼に促されるまま快楽に身を委ねれば、上体は折れ
喉を反らせる、その首元に顔を埋めるように]


───── ……… く、 ぅぁ ッ……!


[一番繋がりが深い場所で、大きく脈を打ち
長く、吐き出す感覚に耐えるように顔を歪める間
その先を彼の最奥へと押し当てて。

それから、息を吐き、名残を惜しむように
彼の中から自身を引き抜いた。]



──── ………っふ、 は ゴホッ……!!


悪、……中、出した
ゴホッ!!……あ゛ー……

[夢中で穿つ間、止まっていたかに見えた咳は
大きく息を吸い込んだ途端、再び戻って来る。

冬も近づく季節の深夜だというのに
元からの熱と、性交で暖められた身体は汗を滲ませていて。]



………あっつ、


[そうして、おもむろに上を脱ぎ捨ててしまえば
次に目線がいくのは幼馴染が着たままの白いニット。

中に出した熱をそのままに
果てたばかりで力の入れ方を知らない身体から
その服を捲りあげ、脱がし、またベッドの外へ放り投げて]






…………… 稜、もっかい


[未だ熱の余韻に浮かされた顔。
視線を合わせて、悪戯を思いついた子供のように笑う。


そうして夜が更けていき、体力が尽きれば
あの頃のように、二人で身を寄せあって眠り
狭くなったベッドの上で、朝を迎えた**]




[様子を見て読み取れるのは、昨日より声が出しそうだということ、食欲がありそうなことと、思考がままならない状態は抜けたのだろうということ。
にっこりと笑う姿に、風呂くらいはいいのかもしれないと甘やかしたい気もしてくるが血の巡りがよくなりすぎてゲローっといく姿があまりにも容易に想像できた。]

 多少だよ、多少。
 無臭じゃないってだけ。
 俺だってタバコ臭いだろうし。


[めっちゃ拭くね、と体臭を気にする友人に笑いながら手をひらひらと振ってみせる。
それに彼は普段は別に服装の趣味以外は小奇麗な若者なのだ。顔もいいし。
だからこそ体調不良のときくらいそんなこと気にしなければいいのに。女子か。そう思うが特に伝えることはしなかった。]


[臭いを気にしていた割にすばやく布団に潜る宇原を相手に、昨夜の出来事を多少盛り付け気味にきかせてやる。返ってきたリアクションは思ったより大きなものだった。]

 え、 うん。
 寝ぼけてたっていうか。まあ、まあ…そうね?

[慌てふためく様子に知らせない方が良かったか?と淡く後悔が顔を覗かせるが、すぐにそんな意識は消し飛ぶことになる。]



 えっ…


[宇原のみるみる紅潮する顔が意外で、驚きの声が溢れる。
つまり、どういうことだろう。
寝ぼけていたら腕枕されたくなるのかこの男は。
そういう風にされたいという意識があるということなのか?

ぱちり、ぱちりと岩動の脳内で辻褄の合う音がする。
普段から懐きすぎだと思うことも、ベッドから落ちて目を覚まさないまま腕枕をされていたことも、起きたときに背中から抱きついてきていたことも、今朝近かったときにやたら見つめてきたのもわざとだった可能性が…いや、むしろそう考えたほうが自然なのではないか?]



 ウツギくん俺のこと好きだねえ。


[口を突いて出たのはしみじみとした響きの言葉。
しまった、とすぐに煙草を咥え、火をつけましょうかという宇原にライターを握らせた。涼しい顔と仕草の向こう側には、困惑が渦巻く。
ゆれる視界の端に映るスタンダップ乳首を見逃すことはなかった。]**



 
 えっ……
 だ、ダメ?


[戸惑うような岩動の声。
許してあげないという意味だろうかと若干焦る。
宇原はライターを握らせられ、試しに手元で火をつけた。]





 え? あ、ウン。
 遊んでたのしいから!

[宇原には一切悟らせず涼しい顔で困惑している岩動と反対に、宇原は物のついでのように好意を超あっさりと肯定した。懐いているのは宇原にとっても事実なのだ。]


 なんか?ライター持ってる時?
 なんか手やらなかったっけwww
 あ、こう……?
 これ何から火まもってんすか?風…?

[ライターをつけた手に手を添えて、火を差し出した。]


 おれタバコ吸ったことないんすよー。
 今度すわしてね!
 今日は喉痛いからいいけど……

[タバコに火がつくのを確認してからライターを返し、視線を追う。]

 ……?
 wwwwwやん。
 wwww乳首みないでwwww

 や、きいてくださいよwwww
 wwwww朝からネタがアレなんすけど
 おれ乳首開発めっちゃ試したんすよ……
 超きもちいとか幸せいっぱいってきいて……
 wwwwwwwwwwwwwwww

 乳首ちょっと育ったんすよねwwwwww **


[伝えられた感情に瞬き一つ
唇が触れた涙の痕へと、また一筋が流れ切る前に
そして、言葉を返す時間など与えられないまま
噛み締めることすら出来ないまま、

目も眩むような衝動が、身体を突き抜けた。]


[まるで放つ為だけの慰めとはかけ離れたものだった。
声もあげられず、ただただ耐えるしかないような、それ程の。

だけど、それが頂点では無かった。]


 ひッ あぁ、 ……ぅ、 っん
          ああっ、 ……!

[脈打つもの、その先端を再び押し当てられて
これ以上など無いと思われた快楽に、直接的なものが加わる。
そして、彼が吐き出す為に動くことが無いのならば、
自分では終わることも出来ないのだ。
背筋を駆け抜ける電流は、
途切れることなくそうして与えられ続ける。

いつの間にか達していた中心は、
勢い無く垂れ流すように少しづつ白濁を放つ。
それもまた、限度が過ぎた大きさの刺激を構成する
その一つになっている。]




 あッ、 おれも ……
       おれも、好き ……とうま、ぁ

[その中で、縋れるのは繋がっている彼だけだ。

快楽で震える手で、なんとか相手のそれを握り続けながら
想いを何度も繰り返し、飽きる程に名前を呼んだ。

互いが口にする二文字に含む意味なんて、今は考えられない
気持ちを打ち明けられ、求められて
こちらに欲を向けながらも、奪おうとはせず優しいままだった
そんな相手に胸を痛めた愛しさのままに。]


[長く、長く時間を掛けて、絶頂は続く
泣き声に近い嬌声は、その間ずっと続いた。
引き抜かれた時はぐったりと脱力し、
聞こえた謝罪にも咳き込む様にも反応が出来ない程。

肩を上下させ呼吸を繰り返し、全身は汗ばんでいる。
されるがままに彼にニットを脱がされ
少しだけ、快適になったようだったが────]



 っ、え ……柊真?

[合わさる視線、どこかかつてを思わせる表情
可愛いと思うには、未だ熱に浮かされた様と
その、告げられた内容が邪魔をする。]

 おれ、無理だよ……

[狼狽える声、心からの言葉だった。
あんな達し方を何度もしたら、自分が壊れてしまいそうだ。]



 …………、 ほ、本当にするの?

[だが
目を逸らしながら、吐いた息に籠もった熱は
受け入れ続けた部分が、確かに疼く感覚は
教え込まれた気持ちよさを、彼ともう一度と望んでいる。

────結局、頷いたのは言うまでもない。

そうして、再び繋がり合いすっかり声が掠れた後は
悲鳴を上げることを漸く止められたベッドの上
懐かしさも窮屈さも感じる余裕などなく、二人寄り添い
疲れ切った身体は泥のように眠る。]*





 や、ダメとかじゃないけど。別に。
 全然いんだけど。
 全然いい、てのも変なんだけど。
 …まあ、いんだけど。


[今のは勘違いしても仕方がない。そう思って取り繕う。
続けて、うっかりと漏れ出た言葉への返事はまたも思っていた調子とはかけ離れていた。]



 ……………………………………………………
 ……………………………………………………。

 あ、そ。

[たっぷりの間の中に(え、そんだけ?)を含める。
落胆に似た感情に自分でも戸惑わないではないが、「そりゃそうだ」が最初に来るのは当然のことだ。
しかして懐かれていること自体はやはり嬉しい。
先程の即答を思い出し、自分などと遊んで楽しいと言ってくれる弟分の存在に口角を上げて表情を緩めた。]


[けれど困惑はすっきりとは晴れないまま。
彼が自覚していないパターンだってあるはずだ。
岩動の中で密かに、「懐かれている」から「好かれている」に意識が切り替わったことは、言うまでもない。
どうしよっかな、などと要らぬ心配をし始めた頃]


 っと。

[思い出したように台所の換気扇を回すと、再び口を開きウツギの質問に答えた。]



 ん、知らないね。
 なんだろうねあの手。
 なんか〜 あの〜…

 …ホストがやるやつでしょ?

[ぷか、と空をぼんやり見つめながらライターを持たない手で身振りをして、首をかしげる。]

 わかんないねwwww

[そう笑って、咥えた煙草をライターの火に近づけて、息を吸う。

近い。

なんだかいちいち距離が詰まるたびに意識しているような気がする。そんな手玉に取られている感覚に、またも困惑しながら視線が微かに揺れた。]


[スタンディング乳首だ。さっきぶり。

あまりにもくっきりと主張するそれを凝視していると、宇原がそれに気づいた。]

 え、 え。

 ウツギくん乳首開発してんの?

 ………え????



 え?ほんとに?


[真顔のまま宇原の乳首をTシャツ越しに摘んだ。ごめんねセイカちゃん。]**


ああ……

[合点がいけば、納得と同意の色をため息に乗せた。]

僕もひとり仕事が多いんで、こんなに長く誰かといるのはひさしぶりです。

だけど……うん、わかりますよ。
なんか、いいですね。
人がいるって、あったかい。

[話をするだけでも、落ち着く気がする。
 気を遣うわけでもなく、自然でいられるし。]


方徳さんがいつも一緒にいてくれたらなぁ。

[それはお互い違う仕事をしていても、どこか心地良いような気がする。
 ふわふわと浮かれるような気持ちになって、気分よくもうひとつ林檎を楊枝で刺した**]





 許された? よかったー。
 ん??? 

[微妙な間に宇原は首をかしげた。
もしやヨイショが足りないか?

 メイさんゼロ式以外も付き合ってくれるし。
 絶チャレできるフレ貴重だし。
 まぁPvPやってくんねえけどw
 あとやがらず装備作ってくれるwwww

[とヨイショらしきものを並べた。
岩動が表情が薄いなりに笑ってくれたあたりで、宇原は大丈夫そうだと好きな箇所を並べるのをやめた。]


[手元でタバコの火をつける人が新鮮で面白がって見ていたせいで、乳首を見られていることに気付いたのである。]


 きもちいって聞いてやらずにおれんかった……っ
 おれの溢れる好奇心がとまんなかった……っ
 てかなんすかまさかメイさんまだなんすか?
 は?wwww
 人生とかいうゲームのこと全然わかってない。
 いつ時代の人生やってんすか。
 乳首開発なしの時代は終了してんだよな。

[乳首開発トークがギャグとして成立するまでおもいつくまま鼻声で喋っている。これが出来るようになっただけでも、恐らくはかなり体調が回復しているといえる。吐き気がない世界はいい世界だ。
そして謎煽りをしてると唐突に乳首を摘ままれた。]


 
 ん……っっっ !?

[びくっと体が跳ね、声が上ずった。一応驚いたせいでもあるが、割とそれっぽい声が出てしまったことが宇原にはまた可笑しかった。本気で不気味がられるのではと心配しながらも、片乳首にじんわりと与えられた痺れのような感覚は、興味本位で乳首をいじり倒し続けた日々を経て、すっかり気持ちいいものの導入と刷り込まれているがため]

 あっ、あんんんんwwwwwばかwwwww
 ちょいちょいちょいwwww
 ガチのやつwwwwwwwwwwww
 ちんこたっちゃうやつだからwwww

[と爆笑しながら宇原は岩動の手を掴んで乳首から離そうとした。**]




[突如として巻き起こる宇原のヨイショコールに顔をほころばせる。]

 何急にwww
 たかってんのwww

[追い打ちが来ない内に、笑って済ませる。
これ以上褒められると褒め返さなけりゃならない気になりそうで、なんとなく宇原が一旦黙ったうちに話を収束させることにした。
改まって他人を褒めるのは得意ではないからだ。]




[乳首開発について矢継ぎ早に語る宇原のトークに「へえ。」といった顔で返事をする。つまり彼は乳首開発をもう少なくとも1段階は終えているということだ。曰く、開発なしの時代は終了しているわけだから。
つまり、その乳首は一般の、開発などされていない何かしらの変化を得ているということで。今布越しに主張されている2つの突起は自分の知らない世界なわけで。

興味がわかないはずがなかったのだ。]


[岩動がノリで乳首を摘むと、宇原が高い声を上げて体を跳ねさせる。]


 うわ。


[これはガチのやつ。宇原がそう口にしたとおりガチのやつだと直感した。]



 え、これどうなってんの。
 どういう感じ?
 乳首でちんこ立つの?エロ漫画か?

[露骨に口数を増やしながら乳首を捏ねる。
芝生を生やしながら制止する宇原の声は既にいつもどおりの調子に戻ってはいたが、どうにもさっきの反応が面白くてもう一度、もう一度と指先を動かすのをやめられない。

宇原の制止する手にも抗うほどに、その行為にのめり込んでいた。]**


 
 や、だからwwwww
 そうwwwwエロ漫画のやつwwww
 ちょっとwwwww

[キッチンでタバコ片手に乳首をこねられる。岩動の手を押さえて逃げようとしているうち、シンクに腰が当たって後ろへ逃げられなくなった。

 ち、ちょっ……とwwww

[その間も岩動の肉厚な親指と人差し指がセイカちゃんの頭の隣、宇原の乳首を布越しにこね続けている。
岩動はなぜか開発乳首への食いつきがやたら良かった。]


[始めて他人に乳首を触られていることや、無理やり感とか、追い詰められてる感とか、ここは絶対興奮しどころではないぞと思うといっそとか、そういう何かが余計に乳首の触られ具合を意識させている。]


 wwwwばっかwwwwwwwwww
 んんんんんんwwwwwwww


[殆どテレ隠しのために笑いながら、冗談の域を出さないために少し派手目に悶えていたが、徐々に顔は下をむいて、シンクに尻をくっつけたまま、小さく息を乱し始めている。]


 ……、……ん、んん、wwww

[若干育ってふっくりとした乳首はまだ岩動にいいように弄ばれており、指のしつこい触り方を意識していると、じんじんした痛気持ちよさのなかに、背中がぞくぞくするような寒気とはまた違う感覚を見つけて、ついそれに意識を向けて気付けば口数が減っていた。誤魔化すようにまた少し草を生やした。

微熱で若干だるい時、なんだか妙にムラムラしてしまうことがある宇原は、それもあいまって、股間にテントをたてつつあった。
何かこう、めちゃくちゃに萎えることを考えなくてはと思うのだがままならない。萎えさせ定番を頭に思い浮かべるところまで頭が追い付いてくれない。**]


[宇原の抗議の声と態度は届かない。
それもそのはず、岩動はじゃれているだけだ。宇原が普段やるのと同じに。
眼の前に格好のおもちゃを見つけて、夢中になっていた。]

 すげ、乳首あるんだもん。

[煙草を支えていた手を離し、自分の胸を弄るが、自分の体だというのに乳首はどこにあるかすらいまいちつかめない。ところが目の前の彼はそれが摘めるほどに主張している。]

 はは。
 ウツギくんおっぱい持ってるじゃん。

[気づかぬ内に宇原を追い詰めながら突起を執拗に弄ぶ。
宇原の反応がおもしろい。経験のなさと、好奇心と、同性という理由が作用して、遠慮のない、どこか一種のゲームのような感覚。
勝敗の落とし所はどこだろう。泣かせたら?嫌がられたらゲームオーバーだとして、エロフラならば軽くイカせたら次の段階に…]




 あ。


[宇原の股間の膨らみに気がつく。尚も手を止めることはなく、そこを凝視しながら煙を深く吸った。]


 ……ほんとに乳首感じるんだね!?おもしれえ。
 

[その一点を見つめたまま、薄く煙を吐き出す。
へえ、と関心を漏らしながら、改めて布越しにやんわりと乳首をまさぐる。テントの動向が気になった。どういう感じでこことそこが連動するのか。]




[夢中になっていることにも、興奮していることにも自覚がないままその行為を止めることはない。顔が綺麗で、無邪気で、乳首で感じて、ちんこがある。
興奮しない理由がなかったのだ。
岩動にとって宇原は既に]

 ウツギくん、実質ふたなりじゃない?

[そう言って目を細めて笑った。]


 ……え?

[つい零れてしまった呟き。
 ほとんど無意識だったから、反応されて少し驚いた。]

 あ、はい。
 なんてか、気楽でいいなーって思うこともあるんすけど、不意に人恋しくなったりなんてのも、あったり。
 家で仕事なことが多いから、尚更。

[共感に、少し照れくさげに笑う。
 この歳にして、なんだかもぞもぞと甘酸っぱいような気恥ずかしさが、こみ上げてくるようで。]





 みんな乳首あるって……wwww

[笑って肩を震わせたふりで、背中のぞくぞくした震えと、言葉尻がため息交じりになってしまうのを誤魔化した。]

 メイさんもある!wwww
 自分のでやれwwwwwけほっ……げほ

[少し大きい声を出したら、先程から喋り続けている喉に痛みが走って咳が出た。
おもちゃとして遊ばれているのは分かっている。だからもう、あとはこの変な空気が変に印象に残らないように、じゃれ合いで済むように、そろそろ止めてもらおうと岩動の表情を伺う。]


 俺も。

視線は指先の爪楊枝へ。
 照れ隠しのように、くるくると弄びながら。]

 凛堂さんがいつもいてくれたら、嬉しいなぁって。
 …………。

 あ。

 もちろんそのぶん、洗濯とか掃除は、やりますよ!
 そっちはそこそこ得意なんで!

[なんかこれでは、ご飯をたかるようになってしまうじゃないかと。
 慌てて付け足したのだけど。]



 おもしれえじゃねえわwwwwww
 だからそお言ったじゃんんん、げほっ、ぜぇほ……
 あっあんwwwwwらめえええwwwww

[とにかく気まずくはなりたくなくて、冗談で片づける体裁は崩したくなく、わざとらしく喘ぐふりをした。
けれど乳首の表面を少し硬い指先で優しく撫でられているうち、背中がまたぞくぞくしてきて、軽く声を漏らして体をよじった。
同時に岩動に見られている股間がむくむくと反応する。柔らかい部屋着が膨らみのせいでますます突っ張った。

やんわりとしたじれったく浅い快感は、強く捏ねられるより馴染みがあって、わざと喘いでみてはいるが、実際気持ちが良い。
口を開けて浅く吸った息で喉が乾燥する。こく、と唾を飲み込んで、少し腰を引いた。完全に勃ってしまった。
ばればれだろうけれど、少しでも見えづらいように少し前かがみになり、岩動を若干恨めしげに見た。]


[実質ふたなりではという岩動の笑みに、宇原は目を点にした。]

 ばかじゃねえのwwwwwwwwwwwwww
 もうだめ!乳首こわれりゅ!wwwwww
 試遊会おわり!

[手を引っぺがして、すすす…とそのまましゃがみこんでおっぱいをガードし、勃起ちんこを触りたいのを我慢しきれず、手を脚の間へ挟み込み押し付けながら、しぼむのを待つ。]

 おかゆ〜〜〜めいさんおかゆたべたいな〜〜!?
 昨日いっぱいでたから、げほ、んん゛、けほ
 おれげろげろに腹へってまああす。
 体もふきたいな〜〜〜ね〜〜〜めいさ〜〜ん。

[しゃがんだまま、わざとべたべたに甘えた声を出した。]



[内心、宇原は超ハラハラしていた。

今の流れはどう処理されるのだろう?
此方はセクハラジョークで済ますので構わないが、岩動は呆れたのか引いたのか楽しんだのか、実質ふたなりなどと言って笑っていたし、今一つどんな気分でいるのかが把握できない。バカを言ったから怒られた可能性まであるのでは。
オタクリア友あるあるだったりする?
此方の界隈では全く無かったことだが……。

宇原はこれがどういう状態なのやらわからずに、岩動の動向を伺っている………。**]


 あー………………


[なんだろう。
 せっかく下がった熱が、また上がってきた気がして。

 片手で目元を隠すように押さえて、ぽすんとベッドに横になった**]






 え、おもしろいでしょ。
 ちんこほんとに立ってんの。見して。


[宇原のズボンの端に指を掛けようとしたららめえ、と逃げられた。

前述したとおり、この一連のやり取りを岩動は戯れだとしか思っていない。
そりゃあ、自分が勃起してるのを見られると恥ずかしいし、友人で勃起したなどとは知られると気まずい。けれどこの場合は宇原は乳首をいじられたからだし、何より顔が良くて公害度が低い。それに自分が嫌がっていない。岩動にとっては宇原相手に行うことは大体遊びの範囲なのだ。情動すらも。 そりゃあ、嫌がるようなことはしてはいけないと思うので、試遊会の終わりを告げられれば素直にそれに従う。]



 はいはいwww
 また今度ね。

[そう言って宇原の乳首を突くと、手を離して何食わぬ顔で煙草を吸うのに専念する。宇原が騒ぐのは楽しい。このドタバタ感が今遊んでいる!という感じがする。宇原が気持ちよがっているのも、楽しんでいるようで面白い。]


[おかゆが食べたい、と甘えられれば「そうだった」と言って薬缶の火を止めてから、鍋に湯を貯めて火にかけると、タバコの火を消してゴミ箱に放る。足元にしゃがんでいる宇原を両脚の間に挟み、昨日買ったレトルトのおかゆを取り出して鍋の中に沈めた。]


 そんなとこしゃがんで。
 ゲロリンくん台所寒くないかい。


[と声をかけてじりじり宇原を挟んだまま数歩歩いて、しばらくして鍋のお湯が沸騰したらおかゆの入ったパックの端を摘んで取り出す。]

 あち、あち。
 ……っと。

[封を開けて中身を器に移すと、それをスプーンと一緒にテーブルに運ぶ。そのついでに昨日の買い物袋からタオルを取り出してさっきレトルトおかゆを温めたお湯をひっかける。]
 


 あぢっ!!!!!!!!


[手にかけた。
熱がりながらもなんとかアツアツタオルを絞り、宇原に手渡す。]

 おかゆ冷ましながら体拭きなさいね。
 足りなかったらまた作るから。

[おかゆでもタオルでも。どちらでも。 そう言い残して再び薬缶に火をつけ、煮えた湯をカップ麺の器に注いだ。]


 

[先程当然のように見してと言いながらズボンに指まで引っかけられていたが、この岩動という男リアクションが平坦すぎて何を考えているのかがわかりにくいのだ。

ふたなり好きのくせに男のちんちんを見てどうだというのか。いや。「実質ふたなり」とか言っていたな。まさか本当に見たかったのだろうか。見てどうするつもりだったんだ。ツッコミそこねてしまい、今更戻れぬ微妙な消化不良的悔しみを抱えることとなった。

諸々心配はしてみたが、現在宇原は岩動の脚の間にはさまれていることで、なんのかんのと構われているので大丈夫だろうと安心しつつある。(※単純)]


 
 さむい………。

[ゲロリン君には台所は寒かった。
おかげで冷えたおちんちんは平静を取り戻しつつある。
じりじり挟まれたまま何度か岩動の動きにあわせて動く。
おかゆの完成とともに、宇原は岩動の股の間を脱して、部屋へ戻った。ベッドに腰かける。]


 
 ………。ぶしっ、ぶしっ。


[ぶるっと震えてくしゃみを二回。はなをかむ。
すごい量の粘度も色も濃い鼻水がぶるぶると出続けている。ただ、出したあとはとてもスッキリしている。
昨日とは大違いだ。

鼻の通りにプチ感激をして、すううううと空気を鼻から吸っていると、台所のほうで悲鳴がきこえた。


 うおお……っ、だいじょうぶすか!
 火傷した???

[そわそわと半分立ち上がるが、大丈夫とあしらわれてそこに留まる。すぐに台所から平気そうな顔して歩いてきた岩動にタオルを渡されて、有難く受け取った。
岩動はカップ麺を作りに再び台所に戻っていった。]


 

 すぴ……ういっす。

[はやくも鼻がつまった。
短い開放感だったな、とおもいながら、粥を食う前に体を拭けという岩動アドバイスに従いTシャツを脱ぐ。
素肌に直接部屋の空気が触れて、ぶるっと震えた。
先程触られた乳首が視界にはいる。
ぶっちゃけると宇原はTシャツを着る際不利な時もあるが、現状の乳首に、それなりに見た目がいい自負がある。捨ててしまっていいような自負だが、二次元美少女達の乳首のように鮮やか桜色とはいかぬが、グロくもなくちょっとエロくていい感じだと思っている。見られて恥ずかしいことなど何もない。
中途半端なことになったので、本音をいえば自分でも触りたい欲にかられるも、家主が急に乳首を触り出す世界は嫌だろうのでやめた。素直に体をふく。]


 
 ………。

[首の裏側にタオルをあてて、すこし熱いくらいの温度が気持ちよくて溜息をついた。首筋や耳、肩や胸元を拭い、おなかを拭いて、脇腹を拭いて、背中を不器用に拭く。
ズボンをたくし上げて膝の裏も拭いたあと、先程ちんこを見たがられたことを思い浮かべながら、まあいいかとズボンを下ろして、太ももを拭いた。]


 ぇぶしっ……ぶしっ!

[やはり脱ぐと冷える。宇原はきゅっと脇をしめて体をちっちゃくしながらズボンをあげた。
半裸でベッドから立ち上がると、腕をさすりさすりクローゼットに向かい、適当に掴んだTシャツを取り出した。みぃむちゃんの全身が刷られたポップでキュートなTシャツだ。そういう煽り文句だったので間違いはない。
それと、適当なスウェットの下とぱんつも手にとった。

脱いだセイカちゃんTシャツを洗濯機に入れに、そそくさと廊下に出た。
セイカちゃんを洗濯機に放り込んだら、みぃむちゃんを着て、ズボンとぱんつも脱いで洗濯機に放り込み、それも着替えた。]



[風呂に入っていないので完全にすっきりとはほど遠いものの、いくらかマシになった気持ちで部屋に戻る。テーブルの傍に座り、さめてきたであろうおかゆの前で手をあわせた。]

 いただきまぁす。

[詰まった鼻で食うおかゆに、味は感じないものの、昨日食べたおにぎりよりは胃に優しそうで嬉しかった。**]


[そんな近況を話しつつ林檎を齧っていれば、自分のこぼしたあたたかさに、寄り添うような照れ笑いがあった。
 家仕事、どうしたって孤独を感じる時があるのは、お互い同じらしい。
 そして、楊枝の先遊ばせながらほんの小さく落ちてきた願望が、耳から意識を染め変える。]

……え、あ、……ぇ。

[一緒にいてくれたら、と最初に言ったのは自分のくせ、相手から同じ意味合いの言葉が返ってきたら急に照れくさくなった。
 言葉がうまく出てこなくてまごついていたら、ぱっと家事担当の話が出てきて、空気が少しゆるむ。]


あ……はは、じゃあ、掃除してくれたらうれしいですねぇ。
ついさぼりがちなんで。

[もしもの想像に話が進めば、なんてことない世間話に変えられる。
 照れを誤魔化すように笑ったら、方徳さんがベッドに寝転がったので、この話はおしまいだ。]




[おしまい。]

 


【人】 測量士 ティソ

── 翌朝 ──


[眠りは深く重たく、朝まで続いた。

未だ思考の回らない意識は、いつから覚醒していたものか
境目の曖昧な状態で、起き上がりもせず微睡んでいる。
目覚め良く、朝から活発に活動する方であった筈だが。

その目は細く射し込む光にも、
小さな世界の外から届く音にだって>>43
開くこと無く、動かない身体は眠りの続きを欲していて。]

(49) clade 2018/12/06(Thu) 22時頃

【人】 測量士 ティソ

[それでも、君がおれを呼ぶのなら>>44
頬の感触が、その声が、
たった一晩で起きた沢山の出来事の続きならば
ゆっくりと瞼を上げ、確かめようとする。]


 ……おはよう、柊真

[眠気の残る声で、その名前を呼び返す。
昨夜、何度も何度も繰り返したように。

自分のものじゃない、けれどよく知っている部屋。
その中で、抱き寄せられながら
まるで幼馴染や兄弟がするものではない、
口付けを首筋に感じ、擽ったいと小さく笑ったおれが
どうしようもなく安堵していたことを、君は知らない。]

(50) clade 2018/12/06(Thu) 22時頃

【人】 測量士 ティソ



 可愛いなぁ ……

[大きな犬みたいだ。

なんて言うのは流石に怒られる気がして、止めておいた。
密着し伝わる体温が心地良くて、
一度上げた瞼がまた下りそうになるのを堪えるのが大変だ。

看病の為に来たというのに、病人のベッドで朝から寛ぐなんて。
早く朝食を、薬を、やることは山のように浮かぶ。
だが、柊真もそうしたいようだから、と言い訳をし
すり寄る彼の青みがかる黒髪を撫でながら、少しも動く気が無いのは
疲労のせいだけでは無い筈だ。

だって、こんなにも君の隣はあたたかいから。]*

(51) clade 2018/12/06(Thu) 22時頃

【人】 測量士 ティソ

── やがて ──


[カーテンが開かれ、二人もすっかり起きた後。
相変わらず彼の部屋、そのテーブルに並ぶのは
フレンチトーストと、湯を注げば完成するスープが二つづつ
それに相手の側にのみグラスと、錠剤が二つ。

剥がしたシーツと二人の着ていたものは、
昨日部屋から回収していた衣類と共に洗濯機へ。
シャワーを貸してもらって、
今着ているのは持ってきていた着替えだ。

彼の調子が湯を浴びれる程なら、
湯冷めしないよう脱衣場まで暖めておく。
でなければ洗面器に湯を汲んでタオルを用意しただろう。
……ともかく、どちらも身体を清め着替えるべきだったから。]

(52) clade 2018/12/06(Thu) 22時頃

【人】 測量士 ティソ



 ごめんね、今朝はこんな感じで。

[苦笑し謝罪しながらも、理由は言わない。
理由を口にするには戻ってきた羞恥心が邪魔をした。
あちこち歩き回る身体の動きがぎこちないことは、
気づかれているかもしれないが。

ベッドを、二人を、綺麗に整えた後でも
Vネックのセーターは、首筋の赤を隠してはいない。]

(53) clade 2018/12/06(Thu) 22時頃


 ねえ、一つだけ聞いてもいいかな
 君は、……後悔している?

[その箇所に手を触れさせながら、
マグカップのスープの水面に無意味に視線を下ろした。

今だから、聞きたかった。
只の若者の過ちと呼ぶには、色々な妨げがある関係を
愛を誓い合って迎えたわけではない夜が明けたあと
どう、感じているのかを。

拒まれるのは恐ろしいからと、
何も聞かず過ごすことは、──もうやめたいと思う。]*


[なんて、誰かがいる心地よさに、つい気持ちも軽くなり。
 いつもより、少し饒舌になっていた気もする。

 無意識とはいえ零した言葉は戻らない。
 訂正すればいいのかもしれないが、そこに嘘はないのだから、否定するのもおかしな話だ。
 少し毛布を深く被って、顔を隠すも、ここからどう誤魔化したものかと、ちょっとぐるぐる。
 そもそも、誤魔化したいのかどうかも分からない。]


[さっき熱湯をかけた手のひらがじんじんとするが、水で冷やすとそんな感覚もすぐに薄れた。火の側にいても大して痛まないので火傷と言うほど大したことにはならなかった。
心配する宇原を制止して、台所に戻り薬缶の湯を容器に注ぐ。蓋の上に割り箸を乗せたままゆっくりとキッチンから奥のテーブルへと運び、小さく床に座る。]

 3分〜♪

[乾麺がスープと混ざって煮え、蓋と容器の隙間から湯気が上がる。風邪ひきの宇原にはもしかすると悪臭になるのかもしれないが、岩動にはかぐわしい。体調不良などおかまいなしだ。]


[席についた頃、宇原はさっき渡したタオルで体を拭いていた。蒸しタオルは気持ちいいけれど、すぐに冷えてしまうのが難点だな、と思いつつその様子を横目に眺めながら、スマートフォンのタイマーをいじるついでにSNSのチェックなどをしていた。
スマホから視線を上げた瞬間、不意に宇原と、目が合う。]

 ……

[なんとなく、自然に笑みがこぼれた。]


 ウツギくん……
 ははwwwwwww
 なんか乳首まで美形じゃない?www
 俺のなんてレンガみたいな色してるよ。

[良いものを見た気分になる。男の裸など大してあれでもないのだが、美形とはこういうとき何かと有り難い存在なのだなと思い知った。その後もズボンをおろして体を拭くところも、しっかり眺めた。
特に首の裏にタオルを当てて暖を取るさまは、ともすればおっさん臭い挙動のはずなのにどこか色っぽく見えたのだから、やはり美形は得なのだ。]




 あーあ。
 一気に脱ぐから。

[そりゃあ温かいタオルがあるとは言えど、脱げば体は冷えるし、温めた部分も逆に冷えるのではないか。宇原が鼻をずるりとすすりながらクローゼットに向かい、着替えを取り出す。昨日着替えを借りたときにも思ったが、美少女の絵がプリントされた洋服を身に纏いたいという感覚はよくわからない。わからないので、今岩動が来ているTシャツは彼のコレクションの中でも比較的岩動の趣味にも合う、ラリった猫がプリントされているものだった。
廊下へ歩いていったあとは、着替えるのだろうなと思いそれ以上覗くことはしな…いはずがなかった。 振り向いてしっかりと視線であとを追う。尻が見えた。
ああ、何故人間の男の尻はこんなにも笑えるのだろう。ぷぷ、と思っていたはずがこれがまた案外と綺麗な尻で笑う隙がなかった。美形はどこまでも美形らしい。]



[宇原がテーブルに戻ってきた頃、スマホのタイマーが3分を報せる。
宇原がおかゆの前で手を合わせたのに合わせて、カップ麺の前で小さく手を合わせる。]

 お行儀いいなー。


[そう言ってラーメンをすすり始める。大好物の、カロリーの味がした。]


[おかゆを食べる宇原をよそに、カップ麺を食べ終えた岩動は残りのスープを捨てに台所へ向かう。ついでにもう一枚、買ってあった徳用タオルを持って再び熱湯をかけて蒸タオルを作る。レンジでも使えばいいのだろうが面倒くさい。

ほかほかになったタオルを持って、おかゆを食べている宇原の後ろに立ち]

 食べてていいからじっとしててね。

[そう言って宇原の頭を温めたタオルでごしごしと拭った。
これでいくらか、すっきりするだろう。]**





 レンガてwwwwwwwwwwwww
 おれの乳首見ようによっては
 ぎりぎり貧乳少女なとこないすか?ない?

[などと乳首について話していたのもさっきのこと。
今は片方はラーメン、片方は粥を食っている。
家にラーメンのにおいが充満し、宇原が言ったことには]

 ううううううう。ひ。
 一口だけ………
 もういまなんでもうまそう……
 口のなかがよだれでいっぱいんなってきた……

[いっぱい食べる勇気はなかった。
箸を持っているのは岩動だけだ。一口だけ、ともう一度懇願して、岩動の傍に近づいて、ぱかと口をあけた。]


 

[そんなこんなをして、岩動は先にラーメンを食べ終わる。
よく噛んで食べろと言われているので、宇原はおかゆ相手にじっくり時間をかけて食べている。

匙ですくって、ほの温かい粥を口にいれる。うっすら水の味と米の味がする。噛み応えもへったくれもないものを噛んでいると、ラーメン汁を捨てに行った台所から戻ってきた岩動は、定位置に戻らず、宇原の背後に回った。]


 ??? うす。

[なんだろうと岩動を上目遣いに見上げて、頷いた。
再び粥に向き合うと、頭の上にあったかいものが乗った。]



 んんん。おおおおお。

[少し濡れた感触と温かさが頭を包み、わしわしと指先の感触が布越しに伝わる。]

 ああああ……
 んぎもぢい……

[と、匙を結局一旦置いて、たらんと腕をたらして、されるがままで頭を拭いてもらった。
目をとじて手の力にあわせて、少し首を傾けたりしながら暫し。ぬるくなったタオルが頭から離れると、また岩動を見上げた。嬉しそうに笑う。]

 ちょうすっきりした……

[頭は少し濡れて、短い毛が跳ねていた。**]


[触れる赤、意味するものは
二人の関係を変えてしまった昨夜のこと。]

後悔する事が何もない、っつったら
嘘になるのかもな。

[幼馴染と過ごしたこの十数年は
男にとって、かけがえのないものだった。
ヒーローであった鳴海柊真も、確かにそこに居た。
それを全て拒絶してしまうような気がして、僅かに言葉を濁す。

昨夜、いやそれよりも前。
あの高校三年生の日に、分岐しなければ。
幼馴染としての、兄弟としての正しい未来もあったかもしれない。

そんな、今はありもしない未来を思えば
彼と同じように、スープの水面に視線が落ちる。]




それでも、俺はお前の傍に居たかった。
お前に笑ってて欲しかった。

[それが間違っていたとしても
どうしようもなく、その隣を求めてしまう。

彼が笑ってくれるのなら、悪者にだってなれたのは
───ずっと昔からなんだから。]



だから、やっぱり
お前を抱いた事に後悔なんて一つもねえよ。



……それに、一人で抱えんなって教えてくれたのはお前だろ?


[返すのは、昨夜の彼の言葉。
それはこれから先の未来を憂うものでなく
秘密を共有し合った、共犯者のような
きっと以前の男では、ありえなかった笑顔で。

この重すぎる感情も、背徳心も、背負うなら二人がいい。

傷つけてしまうのが怖いからと、
何も告げずに離れることは、───もうやめたいと思うから。*]



[そう、彼の乳首は美少女のそれだ。その事実はただ彼のふたなり感を増すばかり。
やはり彼も自分がふたなり美少女だという自覚があるのでは。
そんな事を考え、しばらくすると宇原がラーメンをせがんで来た。]

 吐かないでよ〜?

[そう言って小さな一口をぽっかりと開かれて待つ、彼の口元へと運ぶ。他人に手ずから麺類を食べさせたのは初めてだったが、思ったより上手に啜るもので感心してしまった。
ちゅるん、と麺の端がスープを弾きながら宇原の唇に吸い込まれていく。]

 おいちいねえ。
 
[また自分も残りのラーメンを音を立ててすすり始める。
隣で宇原は、素直に言いつけを守ってよく噛んで食べている。また昨日のように胃が驚いて戻すようなことになると辛いだろうので、少しばかり注意深く見ていたが、彼の様子に安心すると自分の食事の後片付けに席を立ったのだった。]




[最初は頭全体を包んで湿らせて、次は頭皮をゆっくりと万遍なく。力加減は適当に、少し強いくらいが気持ちいいだろうかと雑に擦る。耳の裏や襟足もざっと拭って、形の良い頭の輪郭などわからない手付きだというのに、それが自分のものより少し小さめだというのは手触りで歴然だった。壊すまいと思いながらも、わしわしと掴むように洗ってやる。]

 どこか拭けてないところある?

[度々そう訊ねて、言われるとおりに簡単な洗髪をした。]



[拭い終えて、洗いたての犬のようになった宇原がすっきりしたと笑うので、ひと仕事終えた気分でグラスに水を注ぐ。]

 胃薬と風邪薬。
 食べ終わったら飲んでね。

[テーブルの上にそれらを並べると、大きく息をつきながら宇原の側に寝転がってくつろぎ始めた。]


 あっ。


間に合わなかった。
 いくら男同士とはいえ、パンツ半脱げなうえ、寝起きなせいでソッチまでちょっと起き上がった状態なのは、とんでもなく恥ずかしい。]

 あっ、
 いや、その

[さっさとパンツを上げればいいのに。
 気が動転したせいで、赤くなったまま硬直してしまった。*]




[拭かれた髪の毛がぴんぴんと跳ねているまま、先ほどの頭拭きの気持ちよさを思いながら、ほうっと溜息をついた。
髪を切りに行って美容師にやってもらうような、専門の人に上等なことをしてもらったわけではないが、この雑さでも大変気持ちはいい。

宇原は無自覚だが人に頭を触られるのがちょっと好きな傾向があった。美少女が頭をぽんぽんされてポーッとなってくれるのだけではなく、美少女に頭をなでなでされて全て許されたい。そういう欲求を抱きながら大人になったせいもあるだろう。

生憎と頭を拭いてくれた美少女には複雑な設定がついてはいるが……(美少女:28歳会社員男性・冴えないオタク)]


 
[胃薬と風邪薬を用意してもらいつつ、食事の続き。

傍に岩動が寝転んだ。窓から差す午前の陽が、のろのろ部屋を暖めている。ひと時静かになった部屋に、ちくたくと時計の音がしていた。

食べ過ぎない程度に器にいれてもらった少量の粥をやっと平らげて、一息つく。

先に飲む数が分かっている胃薬から口に放り込んだ。
今度は飲むのに成功して、水をがぶ飲みすることもない。
次いで風邪薬。纏めて飲んでいいのかどうかとかは、1ミリも気にしていない。そもそも薬のことなど分からないし、岩動を雑に信用していた。

少し勢いあまって、口の端から水がこぼれて顎へ伝う。
それを手の甲で拭いながら、コップをことんとテーブルに置いた。]


 
 のんだ!
 なおる!


[と、岩動に無邪気に報告して、胃袋が重たくなったので、真似して近くに横になった。**]


[別に同性なのだから、見られたところで何の問題もない。
 ないはず、なのだけど。

 見られたことを意識してしまったし、されてしまった。

 そのせいで、起きたばかりだからという理由以外の要素が、ちょっと加わってしまった件については、さてどうやって誤魔化したものか。*]


[顔が赤いのは、どうしたものか。
 とりあえず、まだ少し熱っぽいせいだということにしておこう。

 ……風邪ひいてて、ちょっとだけ、よかったと思った。*]



[蒸しタオルは、むかぁしむかしに軽い肺炎に罹って、自宅療養をしたとき。
高熱が続いて風呂に入れずに居た岩動に母がしてくれたことだった。
ああ、あとどうしてくれていたっけ。]


[宇原の近くに寝転んで、目を閉じる。
午前の日差しはぽかぽかとほのかに暖かく、やわらかな光と食事の音が微かに鳴る空間は時が止まっているようで、時計の音の時を刻む音はまるで足踏みのように感じた。]

 水も慌てて飲まないようにね。

[薬の包装されたシートがパキパキと音を鳴らすのを聞いて、忠告する。
確か昨日は薬を飲むときに水を飲みすぎて吐いたなどと言っていた気がしたので。

薄く目を開いて宇原の方を眺めると、薬を飲み終えて口を拭っていた。]

 飲むの下手かwww

[軽口を叩くと、無邪気に笑いながら彼もそのまま近くに転がった。床は冷えるから布団で眠ったほうがいい、そう思うけれど。休日の食後、ごろ寝タイムは何にも代えがたい。]




 早く治しなさいよ〜。


[そう言って手を伸ばし、彼の頭を小突いた。

…そうだ、ドライヤーなどもかけてやるべきだったか。
まあいいか、面倒だし。短い髪だし、すぐ乾くだろう。]


[それより後は、ほぼほぼ普段どおりに。
ゲームをしたり、オタクコンテンツを消費したり、お互いの性癖について語り合ったり。体調を考えたり考えなかったりして、少し大人しめにはなっただろうか。]


 新式装備フルセットやっとできた。


[素材から集め始めて、コツコツと作っていた装備をようやく仕上げる。
宇原の言ったとおりに、時間をかけてタダで仕上げる方法で作っていたら思っていたよりあれやこれやと時間がかかった。]



 そ〜したら、俺そろそろ帰ろっかな。
 
[随分具合も良くなったようだがまだ完全に治ったわけでもない。
これ以降は居てもかえって気を使わせることのほうが多いだろう。]

 ちゃんとあったかくして、おかゆでもスープでも
 食べられそうなもの食べて、薬も飲んでちゃんと寝ること。

 いいね?ゲームログインしてきたらうるさく密談飛ばすからね。

[そう言って笑って、宇原の部屋を後にした。

完全に部屋を出てしまう前に、一度だけ乳首をつついて。]**


【人】 測量士 ティソ


 ううん、いいんだ

[家事に歩き回る最中、気遣いを向けられていた以上
気づかれていたことに>>58驚きは無いけれど
そうして暗にでも触れられると、
顔を覆いたくなるような心地も確かにある。

少しだけ頬に感じた熱を振り払い、そして問いを向けた。]

(73) clade 2018/12/07(Fri) 02時半頃

[さも覚悟しているようなつもりで切り出しても
やはり、おれはおれなもので。
返る一言から、言葉を濁らせる言い方>=75を確かに感じ
視線は対照的な動きで、相手に向く。

だけど、その続きは
恐れたような内容とは、また違う。
こちらを見ていない彼には知れないことだが、
それを聞いて、おれの表情は軟化する。

小さな手が不器用に頭に乗せられたあの日を、
その時かつての少年が言ったことを、思い出した。]





 …… ああ、そうだったね。
 自分で言ったのに、すっかり忘れていた。

[深く深く、息を吐く。狡いなと、心の中で呟いた。
先に言わせた自分も、その言い切りも。
憂いの無い笑顔を見て、また一度、胸が痛む
どうしようもなくその姿が愛おしく感じた。]

 君がかっこよくて、本当に困っちゃうな。
 その半分でも、おれもそうなれたら良いんだけれど……
 今まで随分寂しくさせていたみたいだから、難しいね。

[小さなテーブル越し、少し身を乗り出すようにして
その手を引き寄せ、自分の頬を擦り寄せる。]




 好きだよ、柊真。
 おれには君だけだ、あの日からずっとね。

 君と一緒にいられる選択なら、
 後悔なんて、何一つ無いさ。

[昨夜口にした言葉に、どれも嘘はない。
名前を付けるには複雑な好意も、
許されないことだと示す、否定の一つ一つすらも。

その中から、夢中で告げた記憶のある二文字を改めて声にした。
潰えたあるべき未来が、今より純粋な色をしていても。
誰に何を言われても、君が隣にいてくれるのなら。]


【人】 測量士 ティソ


 
[────おれはあの夢を、二度と見ないことだろう。]*

(74) clade 2018/12/07(Fri) 02時半頃

[ああ、さっきは一緒にいたいとか言ったけど、嘘だ。
 今は、今だけは、ひとりでいさせてほしい。
 方徳さんが着替える間だけ。
 自分も風邪を引いたみたいに熱くなったのが、落ち着くまでの間だけ**]


 


 おれの新式ちゃん!
 あんんんんんんんんんんん。
 れっレン♡メイおにいちゃ♡♡♡♡♡♡
 うれっちいぃぃ〜〜しゅきいい!

 ウッどぴゅっぴゅっ!



[そう言って岩動のうしろ、PC用椅子のちょっと下、布団の上でごろごろしながら装備の完成を喜ぶ宇原の頭には、ばっちり寝ぐせがついていた。


[早く直せと言われ、頭を小突かれたその後。
宇原は風邪薬も少しは効いたようで、微熱は微熱のまま、吐いたり気分を悪くすることもなく、着実に元気を取り戻してきていた。

玄関先で少し口うるさく、今日の過ごし方について指示してくれる岩動に、うん、と素直に頷いた。

ちょっと寂しそうに、足先が床をつついて、羽織ったパーカーのポッケに手をいれて、]



 ねー、メイさぁん。
 胃なおったらさあ、ラーメンいこー?


[と、寂しさから次の遊びの約束を取り付けて、頷いてもらうとはにかむように笑っていた。
部屋を出て行く岩動に、手を振ろうとポケットから手を出す前に、乳首をつつかれて、何か言う前に去られた。]


 

[岩動の手元、スマホには

「おいピンポンダッシュやめーやwwwwwwww」
「ありがとね!」

とメッセージが届く。

再び二人の会話は、
文字と顔の見えない音声のみの日常に戻った。**]

 




 そういうセリフはらぶ声通してもらえませんかねえ!?
 あっでもスペキャちゃんはちんちんついてないから
 どぴゅってしな…えっ

 スペキャちゃん今度どぴゅって…言ってね……?


[ついに新たな可能性を見出してしまった。中の人間が男だからといってキャラをふたなりとしてみるのは無理がある、そう諦めていたが声がつけば、あるいは…?
寝癖頭の宇原をよそに、そんな無限の可能性に心躍らせていた。]




[帰り際、見送ってくれている宇原の様子は、いかにマイペースが過ぎる岩動でもわかるほどに寂しがっている様子で。自慢ではないが盆休みに田舎に帰り甥っ子としこたま遊んでやったにもかかわらず全く懐かれなかった実績がある。懐かれていない実績があるからこそわかることもある。これは懐かれている。]

 いいよ。
 治ったら行きましょう。
 前ウツギくんと行きそびれたとこにしようね。

[返事をすると、相手がはにかむ。こんなに気分のいいことがあるだろうか。

そんな上ずったテンションで行ったのがピンポンダッシュだ。浮かれていたのだから、仕方ない。]**


 ほんにちはー。
 方徳、です。


[抱えた紙袋の中には、濃茶色の毛糸の帽子。

 それと。
 林檎を抱えた、猿のぬいぐるみ**]


[昨日からおかしいと思っていた。
喉がやけに痛いというか、べたべたひっつくというか、ざらざらしているというか。そこまで予兆がくれば流石に伊達に28年人間やってるわけでもないので風邪のひき始めだと察知し、ドヤ顔で風邪薬を飲み栄養ドリンクを飲み、万全を期して眠りについたはずだった。

ところがどうだ、明け方に寒さで目が覚めた。喉がパンパンに腫れた感覚で息苦しい。眠っている間に蹴り飛ばした布団を引きずり寄せながら、汗が冷えたのだと自覚する。ガタガタと震えながら痛みと倦怠感に襲われ、半ば気を失うように再び眠りについた。

アラームで目を覚ますと、今度は腹痛だ。夜の内に体を冷やしたのだろう。ベッドから起き上がると、振動で頭痛が響く。嫌な痛みを堪えながらトイレに篭っていると、また体が冷えて悪循環を起こし、辛さでと寒さで便座に座ったまま蹲った。]


[とりあえずこんな調子では出社は無理だと悟り、会社に電話連絡を入れようとしたときに、ようやく自分は声が殆ど出ないということにも気づく。普段から少しかすれた声は、もはや聞き取りが不可能だった。何度も痰を切り、ようやく少し声が出せるようになったタイミングで連絡を済ませ、病院へ向かうことにした。

死にたくはないので運転は避け、タクシーを捕まえて病院へ向かう。マスクをつけていると自分の息が眼鏡に掛かってレンズが曇り、心の底から鬱陶しい。ただマスクを外すわけにもいかずただただ、眼鏡を曇らせていた。

そんなこんなで潰れた午前。疲労困憊で帰宅するも症状はもちろん悪化して、現在に至るというわけだ。]**




……惚れても良いんだぜ?

[かっこいい、だなんて言われたら
冗談めかして、そう返そう。]


そうだな、お前
どっちかっていうと可愛いって感じだから。
…………怒んなよ。………っと、


[不意に、手に手を伸ばされて。

触れてはいけないと
あの日から幼馴染を避けていた手は
彼に引き寄せられる形で、その頬を感じていた。]



………っはは、
そんな事言い出すもんだから
お前は後悔してるのかと思った。

[偽りのない、彼の真っ直ぐな言葉が
一つ一つ、空いた心を埋めていくようで。
刹那過った不安は、もう微塵も感じなかった。]


お前のそういう真っ直ぐな所、俺はかっこいいって思ってるよ。


[先程の言葉に、再び応えるように
何でもない事のように、自然と口をついて出る。]



なぁ、稜。

俺もだよ。
お前の代わりになる奴なんて、居なかった。
……俺は、どうしてもお前じゃなきゃ駄目らしい。


だから、
今度は頼まれたって、離れてやらねえから。


[互いを互いで補うように、傍にと願った。
あたたかさとつめたさを分け合うように、季節は溶け合う。
誰に何を言われても、お前が隣にいてくれるなら。]




………好きだよ、稜。

[まるでその二文字を引き合わせるように
頬を包み込んだまま、唇を寄せて

───深く、口付けた*]


[冗談めかす言葉に返るのは楽しげな笑い
けれどその内容への否定は、決してすることは無い。
あの頃なら「子供じゃないよ」なんて、
拗ねて見せた例えにも、そんな様子は見せず。
一時交わされる軽口は、かつてのようでどこか違う。

なんでもないように告げられたその言葉
今は彼のお陰でしか無いけれど、なれたらいい、そう思う。

頬に感じる体温は、長細く骨張った五指を持つ大きな手から。
確かに彼が此処にいて、触れることを許してくれているのなら。
後悔なんて、ありはしない。]


[柊真のことを、冬のような人だと思っていた。
けれど今、くれる言葉の一つ一つがあたたかくて。]

 それじゃあ、永遠に一緒にいるしかなさそうだね。

[戯けた調子で、笑いかけながら
その一面を、いつまでも独占していたいと願うおれは
────やはり、狡い奴だ。

近づく顔は、暗闇に覆われること無く鮮明に映る。
引き合う二文字は、微睡みに阻まれず耳に届いて。

この時だけは、まるで二人には何の障害も無いような気がした。
満たされる心地と、味わったことの無い類の幸福感。
そっと瞼を下ろし、口付けを受け入れた。]*


── それから ──


 物じゃなくて、約束じゃ駄目かな。

[不意の問いかけに、カップを置き黙すること十数秒。]

 おれ達、一緒に暮らさない?

 星夏さんと父さんが籍を入れて、同棲を始めたら
 元から出て行こうと思っていたんだ。
 だって、折角だから夫婦らしい生活をさせてあげたいからね。
 柊真も、ずっと同居していようとは考えてないでしょ?

[相手はもっと明確な行動を起こしているとは、知らないまま。
早急さの無いいつかの思考は、
はっきりとしたプランを立てているわけでもなく、
だからこそその中に彼という存在も、容易に組み込めた。]



 生活費も、家賃も、半分に出来るし
 朝も起こしてあげられる、ご飯も作れる。

 数年間、何も出来てなかったのはおれも同じだからさ。
 その分だけ、毎日助けさせてほしいな、なんて……

 ……駄目?

[相手の想定と大幅に違う答えを出した自覚はあり、
何もかも、早すぎるとは思っている。
考えてくれるだけでも嬉しく、
どんな答えでも、悲しむことは無いだろう。]*


【人】 測量士 ティソ

── いつか、近い未来で ──


[日付はとっくに変わり、時計の針は深夜を示す。

晴れて夫婦となった二人は、
二度目の結婚式を行うことを望まなかった代わり、
夫の持ち家であり、これから暮らすその場所で
息子達とちょっとしたお祝いをすることを選んだ。

出前の器や、息子の片割れが作った酒の肴は片付けられ
夫婦は既に下がったリビングには、
彼らの姿と、二人きりになってからも重ねた酒の缶があるのみ。]

(112) clade 2018/12/07(Fri) 07時頃

【人】 測量士 ティソ

[今までのお互いとの思い出、家族との話、これからのこと
絶えないくらい話すことはあれど、酒気に浸る頭だ。
随分と続いていた話題はふと途切れ、少しの沈黙が流れる。
灯りも抑えられた空間には、とても静かに感じられた。

身を沈めたソファーに隣り合いながら、不意に一人が動いた。
自分のものより大きいその手を取り、自らの膝に乗せ、見つめる。

正確には、その左手の、彼の母親がリングを嵌めていた薬指を。]

(113) clade 2018/12/07(Fri) 07時頃

【人】 測量士 ティソ



 ────…………

[二人には消せない問題がある。
片割れは見つめる約束の指に、思うことがある。

けれど、それ以上に相手を信じてもいたから。
その時も何も言うことはせず、
アルコールに薄らと色づく顔で静かに微笑みを向ける。
いつか遠い過去の少年の面影を持った、愛しい相手へと。

そっと、唇が重なった。]*

(114) clade 2018/12/07(Fri) 07時頃

は、………

[さてどんな高いものが要望として来るか
遠慮して何も来ないか、そんな事を考えていた男にとって
その回答は予想外で。
しかし、驚いたのも一瞬。次第に表情は柔らかに]

良いよ。
俺も、母さん達の邪魔したくないから
一人で暮らせるように金貯めてた。

じゃあ親の幸せの為に、兄弟力合わせて生きてくのは
何ら問題ないわけだ?

             …………ただ

[叶うはずのないと思っていた日々。
得意げにとって付けたような理由は、建前でしかない。
駄目な事なんて何処にもない。
ないのだけれど]





…………何だ、その 嫁貰うみてえな。


[笑って付け足した最後の一言。

彼を女性扱いをしたつもりはない。
朝起こしてくれて、ご飯も作ってくれる恋しい人。
そんな響きに、ふと思った事が零れただけ。*]


 
 むかしむかしあるところに、
 昔はロリ巨乳でとおしたおばあさんと、
 AVの竿役で一躍有名になったおじいさんがいました。
 


 
 二人は二人の代表作、
 ファイナル・エロス・ファック十万連ピストン、
 通称FeF10が切っ掛けで、
 はれて夫婦(めおと)になりましたが……


[継続して宇原は岩動のお布団をポフポフと叩いてやっている……]


 職業上子供をつくらないように
 セックスを営む習慣があり
 二人は子宝にはめぐまれませんでした……

 中出しAVでおじいさんは
 一度はてっぺんを見たというのに、
 皮肉なものです……
 


[極めて穏やかに、優しい声音で物語は続いている……]



 ある日おじいさんは巨乳オンナ狩りに
 おばあさんは昨夜の激しいプレイによって
 しとど濡れそぼるまだ疼く体を
 洗濯に川にでかけました。
 


 
 するとどうでしょう、川からは
 巨大な拡張アナルを携えた桃尻が物欲し気に
 川の流れにあわせて腰を揺らしながら

 どんぶらちんぽこぎっこっこ
 どんぶらちんぽこぎっこっこ と流れてきました。
 


 
 おばあさんはたいそう驚きました。
 また股間が若いころのようにじゅんと濡れるのを感じると
 あっというまに太ももに愛液をたらし、

 どんぶらちんぽこぎっこっこ
 どんぶらちんぽこぎっこっこと
 流れてくる桃を川からひきあげました。
 


 
 拡張アナルの桃尻を、
 おばあさんは長年育てた強靭な肥大クリトリスで
 らんぼうに攻め立てました。
 おばあさんは所謂ふたなりの一種でもあったのです。

 けれどもまだ物足りないと、おじいさんと
 3Pをしに、家へ持ち帰りました……



 ………

[岩動は眠れそうだろうか?と様子を確認しながら]

 おばあさんとおじいさんは
 ふたりのちからをあわせて二本差しをすると、
 桃からは元気な男の子としての象徴が……

 


こんにちわー。

[鳴ったインターホン、間髪を入れずドアノブひねって出迎える。
 オートロック、遠隔解除なんて豪勢な機能はついていない。]

出来たの、見せてもらっても、いいです?

[いつもなら、汚いですが上がってください、とすぐに中を勧めるところ。
 その場でやり取りを完結しようと、作品受け取るため手を伸ばした。

 その声がいつもより嗄れていることや、顔が赤く火照っていることには、気づかれませんように**]


[変わったお願いは、否定されること無く
安堵と未来を思う喜びに緩んだ笑顔が浮かぶ。
そんな最中、落ちた言葉に対して
おかしいような、気恥ずかしいような、そんな心地で笑った。

その笑いに混じりくしゃみが出たことも、
彼の完治後に新しい病人が生まれることも
今は幸せを噛み締めることに精一杯で。また、別の話だ。]*


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