52 薔薇恋獄
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>>113
駄目だ…。
[そして、耀が流す涙を見る。 キスした、とも言った。それには、目を見開いて…。]
お前……。
[一筋流れる涙。 それは、その言葉が、本当は、違って……。
生きたいと……。]
――……ぁ……
[駄目なのは、自分のほうだ……。]
(114) 2011/05/23(Mon) 21時頃
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[嫉妬した]
(115) 2011/05/23(Mon) 21時頃
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[次には、ふるりと身を震わせる。 駄目だ、慰めなくちゃ…と思うのに。
どうしてだろう。]
[耀は見えただろうか。]
(116) 2011/05/23(Mon) 21時頃
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[一つぽろりと、涙が零れた。]
(117) 2011/05/23(Mon) 21時頃
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ごめ……。
[自分で自分に吃驚する。 なんでか、ぼろぼろ零れた。
逃げなくちゃ、と思う。 思ったから、逃げだした。
駄目だ。おかしい。
自分がおかしい。
そう思って、よろめきながら部屋を出て、とにかく、と階段を下りていく…。]
→自室へ。
(119) 2011/05/23(Mon) 21時頃
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― 自室の和室 ― >>120 [耀の声が後ろから響く。 甲斐は珀のものだ。うん、よくわかっている。 あいつが俺を好きだというのは、ただの代用でしかない。
だから、珀の元に甲斐を送ってやることが何よりなのだ。]
[でも、なんで、涙は出るのだろう。]
(124) 2011/05/23(Mon) 21時半頃
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――……
[そして、どのくらい泣いてただろうか、 もう、疲れた、と思った。]
[もう、疲れたから。]
[濡れた身体のまま、足を抱えて、部屋の隅、壁に寄りかかった。 雨風はやまない。
でも、もう、それでもいいんじゃないかって。]
(128) 2011/05/23(Mon) 21時半頃
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――…寒い。
(129) 2011/05/23(Mon) 21時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/23(Mon) 22時頃
セシルは、結局、甲斐はもう来ないのだろうな、と思った。
2011/05/23(Mon) 22時半頃
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[耀と話してくる、と甲斐は言った。 そして、戻ってこなかった。
耀とはキスしていたらしい。 でも、俺には何もしてくれなかった。
結局、甲斐は、どう答えを出したのだろう。
いずれにせよ、もう、見捨てられている。]
(150) 2011/05/23(Mon) 22時半頃
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[ああ、早く強くならなくちゃ。こんなことぐらいで]
[そう、一人でも、いや、一人で旅立つことは、慣れてるだろ?]
(152) 2011/05/23(Mon) 22時半頃
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[女が笑う]
[そう、哀しい気持ちが]
[哀しい気持ちだけが膨らんでいくから]
(160) 2011/05/23(Mon) 22時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/23(Mon) 23時頃
……多分、あまり時間がないのだろう?
もし、俺が1人飛ばされるようなことがあったら、
皆が無理なら、栖津井先生とだけでも話できるようにはならいか?
――……できれば、俺を選んでくれないのがベストだが。
[元々対人で喋るのは苦手で。
ともすれば傲慢ともとれる言葉を紡ぐ。
いつもはもう少し、それでも言葉を選ぶのだけれど、それすらも惜しむように。]
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[にたりと笑う女]
[それに虚ろな目を向ける]
[俺が思うことは間違っているのか。]
――……所詮、代用品か。
[偽者の恋、そんなもの、いるわけない。]
(170) 2011/05/23(Mon) 23時頃
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『ぎゃっ』
[ 上がる悲鳴はとても短く、低く、重く ]
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俺は、いらない。 俺なんか、いなければよかった。
[思い出してはいけない、あの頃のこと。 あの時もそう繰り返してしまっていた。 俺がいなければよかった……と。]
(172) 2011/05/23(Mon) 23時頃
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セシルは、スティーブンの気持ちを踏みにじった。
2011/05/23(Mon) 23時頃
セシルは、ヨーランダに醜い涙をみられた。
2011/05/23(Mon) 23時頃
セシルは、自分が嫌いでしょうがなかった。
2011/05/23(Mon) 23時頃
セシルは、頭を抱えて、涙が止まらない。
2011/05/23(Mon) 23時頃
『選ぶのはわたしじゃない』
『わたしが選べるのだったら、もっと早く楓馬と蛍紫を逃がしたわ』
[ こちらも言葉を迷う様子 ]
『……もし、あなたがいなくなったら』
『残っている人たちはわたシの声を聞くことができるようになるでシょうね』
『でもそれハ、ワたしと彼ラが近くナる証』
[ 女の顔に、無かったはずの痣がうっすらと浮かび始める ]
[ 今話しているのは、どちらの"日向"なのか ]
セシルは、誰かがきてくれたなら、悲しそうな眸を向ける。
2011/05/23(Mon) 23時半頃
どうにか、彼らと喋れるようにはならないか?
[日向の言葉に、苦しそうに眉間に皺を寄せる。]
喋れないと、伝えれない。
なぁ、お前の望みは、唯、恋獄に魂を引きずり共に苦しむことなのか?
――……違うだろう。
[どちらの日向にしても、見方を変えれば救いに繋がりはするから。
それを信じてる。楓馬が信じていた彼女を。]
俺は口が上手くないから、お前の言葉を上手く伝えられない。
お前が誤解されたままであるのが、俺は哀しい。
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――…文せん せ……。
[哀しげな、そして、虚ろな眸が文を捕らえる。 どうか、こっちにきてほしい、と指が求めるように動いた。]
(181) 2011/05/23(Mon) 23時半頃
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『誤解だなんて』
『彼らの解釈はそう間違ってないわ』
『寧ろあなたたちが、わたしたちに好意的過ぎるだけよ』
『死んだ他人より、生きている大事な人を優先させて』
『皆救おうだなんて欲張ると』
『あなたが死ぬことニなるわ』
『わたしの目的』
『………………』
『なんだったかしら』
『モウ、思い出セないわ』
『たブン、たぶんね』
『一緒に泣いテくれる仲間がほシかったの』
『そうイう意味では』
『共に苦しむとイうのも間違いじゃナい』
『だッテ、苦しむ時でスらひとりぼっちなノは、さみしいモノ』
セシルは、その向こうに耀がいるのにも気づかず、 そのまま、文の名前を掠れた声で呼んだ。
2011/05/23(Mon) 23時半頃
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[文は入ってきてくれただろうか。 それとも、文も、耀と一緒に過ぎ去っただろうか。]
文せんせ……ごめんなさ い。
[文が来てくれたなら、抱きしめてほしいと、その身に縋ろうとする。]
せんせ……
[そして、その服を掴む。]
(184) 2011/05/23(Mon) 23時半頃
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>>183 [駆け寄ってきてくれる文の服を掴んだだろう。 そして、頭を押し付ける。
そう、とても、寒くて、しょうがなかった。]
文せんせい…… 好きなら……
貴方から、キスしてください。
強く、抱きしめてください。
[それは、懇願……淋しくて、淋しくて、しょうがなくて……。]
(188) 2011/05/23(Mon) 23時半頃
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そしたら、俺、貴方が好きになる……。
[そう、本当は、とても弱くて……。 強がってきたけど、本当は、傍に、いつもいてくれる人を求めていて……。]
駄目なんです……心だけじゃ……。 醜いですけど………。
[そして、見上げて…。]
俺、汚い人間なんです。 だから、それが嫌なら、
振り払ってください。
(191) 2011/05/24(Tue) 00時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/24(Tue) 00時頃
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>>195 [文の問いには、また、涙を流すだろう。 そして、くしゃりと顔を歪ませる。]
わかってま す。 だって、文先生のこと、きっと好きなんです。 貴方を断ったこと、ずうっと確かに心にある。
それに、甲斐は、きてくれない。 俺は、珀の代用品だから…。 甲斐にとって、俺は、必要じゃない。
[そして、また文の胸に頭を押し付けた。]
こんな人間、醜いこと、わかってます。 だから、嫌なら、振り払ってください。
[そう、もう、本当に、心が疲弊して…。]
(200) 2011/05/24(Tue) 00時頃
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>>203 [文が口付けしてくれたなら、身体を寄せて、 軽い口付けだけですませないように、舌を絡めていく。目を閉じて、その温かさを感じて、
そのうち、手は伸びて、文の頭を掻き抱く。]
(204) 2011/05/24(Tue) 00時半頃
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『つらかったのね』
『あなたはよく耐えたわ』
『あなたは、もう、休んでもいいのよ』
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[そう、甲斐に言ったことは、間違いではない。
もう、人のぬくもりを知ってしまっている。 その性癖は直るものじゃなくて……。 身体のぬくもりが、心を癒す。 それも、一つの好き、になってしまうのだ。]
(207) 2011/05/24(Tue) 00時半頃
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[そう、それも、嘘じゃない。 口付けから、一度、唇が外れれば、濡れた眸で文を見た。 もう、一度剥がれ落ちた強さは、今はもとに戻らない。もう、今は、目の前の文に恋している。]
――…先生、好きです。
[受け入れてくれたことに、 残酷なほどに、幸せな笑みを浮かべて。]
(211) 2011/05/24(Tue) 00時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/24(Tue) 00時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/24(Tue) 00時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/24(Tue) 00時半頃
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>>217
[もう酔いしれてる顔は、教師のものなんかじゃとっくになくて…。 抱き寄せてくれるなら、嬉しそうに、擦り寄る。 そして、目を閉じて、文に身体を預ける。
温かさに余計なことが滑り落ちる。]
(222) 2011/05/24(Tue) 01時頃
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[再度の口付けが離れれば…また身を寄せて…。]
先生、 一人は、嫌なんです。
先生、 傍にいてください。 先生は優しくて、温かいから…。
[それは激しい恋情ではないかもしれないけど、 あたたかいものを、育てていける気がしたから。
そう、これから、はじめていきたいと…。]
(223) 2011/05/24(Tue) 01時頃
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