22 共犯者
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もしかしたら、俺は、最後まで
アンタの側に居られねえかもしれねえ。
ラトルの娘を一応は手なづけて置いたから、
今すぐ俺が狙われる事は無いと思うが…。
……あーあ、ドジっちまったよなあ。
なんだかよ、急に、
アンタの声が聞きたくなったのか、
アンタの匂いが嗅ぎたくなったのかわからねえが…。
気が付いたら、ここへ来ちまってた。
─昼間・工房にて─
[ 既に身支度を整えた彼は、じっと同胞を見詰める。]
何を気弱なことを……
[ 一笑に付したが、眸はそれ程笑ってはいない。]
[話している場で、ノックスが狼の血を引く者だったと言う話を聞いただろうか]
そうか、アイツが……。
[確かに、思い当たる節は有る。]
俺と対峙した時のあの少年の目。
覚悟を決めたあの眼は、
獣のごとき鋭さと気高さを確かに持っていた。
オスカーの姉妹?
「ホリー」か……。
俺はあの娘こそ
我らの血を引く者かと思っていたが。
確かに方割れを喪った少年が、
どの様に豹変するか、見てみたくはある…。
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別に何もないよ。 もちろん、僕は居なくなるつもりなんて無い。 ホリーと一緒に、いつか村を変えていきたいって思う。
だけど……アルフレッドさんも、パピヨンさんも……だったから。
[それもまた現実なのだ。 自嘲の笑みを浮かべて、ホリーの頭を軽く撫でて]
行こう、ホリー。 君は絶対に還させない。君も、僕の友人達も、皆。
[脆い決意を口にして、 広場へと向かっただろう]
― →広場―
(280) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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[マーゴを狙うかと告げる同胞の言葉を
じっと考えているようだ。
マーゴへの、一種言語化し難い感情が
ヘクターの中で無意識に揺れ動いて居るのかも知れない。
同胞の身を護るには…それも止む無し、
と言うのは理解してはいるが。]
[ 同胞の考え込んでいる様子を観察した後、]
──ならば一日猶予しよう。
お前の決心が付くように。
だが思い出せ。
儀式を完遂するには、あの娘も手に掛けねばならない、と言うことを。
[ それは事実であり、冷酷な宣言だ。]
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―広場―
[ミッシェルの姿がある。 二ールの姿がある。他にも、何人か。そしてヴェスパタイン。 ぺこりと礼をして、森の方を睨んだ]
(286) 2010/08/03(Tue) 22時頃
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[一笑する同胞に近づき、心を落ち着ける。
そして真剣な顔で真っ直ぐに彼を見つめると、口を開く。]
俺にもし何かあった時は、「キツネ」を頼れ。
アンタの命令なら、喜んで命を投げ出すような奴らばかりさ。
表向きには出来なくても、色々と今以上に援助できるだろう。
[ヘクターが墓地でマーゴに話した伝承は大筋事実であった。
実際、彼の家の人間をマーゴが視たならば、濃さの程度はあれ、同じような違和感を感じ取っていただろう。
中には、ヘクターの子を宿した女も何人か居るかもしれない。]
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>>291
パピヨンさんが亡くなってしまったので、村役がアレクサンドルに継承されましたから、その件……だと思います。 長老連合の皆さんが、本当に許してくれたかどうかは分からないけど。
[言いながら、少し驚いた。 自分が広場で喧嘩を売っている間に、ホリーはそんなことをしてくれていたのだ]
(297) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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[ 同胞の瞳の奥の真剣な色を読み取り、
それを真正面から受け止める。]
──ああ。
[ 短い応(いら)え。
だが彼はどこまで同胞の言葉を守る気であったか。]
[同胞に、万一自分が先に還った時の事を伝える。
それは杞憂かもしれない。だが―――。]
ヴェスパタイン…。
アンタの肌に、ちょっとだけ、触れてもいいか?
俺は、きっと、たぶん、
アンタより先に………。
[それ以上は言葉にならなかった。]
[ 同胞を見詰める宵月の瞳は揺らがない。
だが。
無言で腕を開き、愛しいものを呼ぶように誘(いざな)った。]
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あの、 朝はありがとうございました。
[どんよりしているヴェスパタインに、何となく近寄って。 井戸端での出来事の礼を述べた]
……。
[何と声をかければいいか分からず、心配そうな目線を向けている]
(308) 2010/08/03(Tue) 22時半頃
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>>311
死なないでくださいね。 あなたも――
[そう言いつつ、今晩も供物は捧げられてしまうのだろうか。 どうすればいい、どうすれば終わる。ミツカイサマは何処に居る、ミツカイサマは、誰だ? 分からない。分からないから焦る。無意識に指を噛んだ]
そろそろ、森に入ろうと思います。 時間も、近いですし。
[浮かぶ月を見上げて、言った]
(314) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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>>327
うん。 いいよ。 はぐれないで……足元には気をつけてね。
[頷いて、手を差し出す。 にっこりとほほ笑んで、暗い森の奥へと足を進めた]
大丈夫。何かあっても、僕が何とかする。
[落ち着かない様子のホリーに、そう声をかける。 思うのはミツカイサマの事。森の何処かに、間違いなく居る筈だ。そして供物の事]
(334) 2010/08/03(Tue) 23時頃
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そういえば、さ。 ホリーって、本読むの好きだったよね。
[ぶつぶつと何かを呟いている姉。 明るく声をあげて、ゆっくりと足を進めながら]
僕はさ、小難しい話とか、ばあさんの話とか嫌いだったけど…… でも、本っていいよね。
[柊の葉っぱを取って、後は、供物。 供物。そうだ。何かしないと、供物がささげられてしまう。だけど、どうすればいい?]
……ミツカイサマは。 ミツカイサマは、どこにいるんだろうね……
[ぽつり、呟いた]
(344) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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双生児 オスカーは、飾り職 ミッシェルから送られた紙飛行機を視界の端に見た。
2010/08/03(Tue) 23時半頃
[始めに腕に触れ、肩に触れ、長い髪の懸かった背に手を伸ばす。
やがて彼に抱かれるよう懐に入る。人の子とは違った感覚。
自分の心が落ち着き、また同時に湧き立つのを感じていた。]
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? どうしたの、ホリー。
[紙飛行機は近くの草の間に落ちて行った。 拾おうとした時、傍らのホリーが足を止める。 振り返って、首を傾げた]
(349) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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[姉の様子がおかしい。 手が震えている。何かを本当に恐れているような気配を感じる。
森。 暗い森。 昨日は驚きと怒りと共に駆け抜けてしまったから――でも、改めて見回してみれば]
……今は、たまたま暗いだけだよ。 ほら、木の葉が重なっているでしょう?もう少し歩けば、遮られた月の光を見る事が出来る筈だから。大丈夫。大丈夫だよ、ホリー。
[言い聞かせる。 この森に、――開けた場所なんてあっただろうか。 何か救いを求めるように、辺りを見回した]
(353) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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オスカー、ホリー、オスカー……。
[夜の森で一人呟く。]
双生児 オスカーは、ランタン職人 ヴェスパタインのランタンの灯りを見る事が出来たなら、あ、と声を上げて。
2010/08/03(Tue) 23時半頃
[ 広い背に腕を回し、近付いて来た肉体を抱き取る。
腕の中、招き入れた赤毛の同胞は彼よりも大きく、圧倒的な存在感を持っているのに、包み込むのは同胞ではなく、彼、なのだった。
そのまま、静かに腕の中の同胞に身を委ねる。
仰のいて、祝福を与えるように額に口接けた。]
[ 彼が望めば、そのまま抱かれることもしただろう。
触れ合った同胞の汗の匂い、呼吸と鼓動の音に包まれ、『かれ』は宥めるように背を撫で続けた。]
[マーゴ・ラトル…
我らが宿敵の「視る者」の一族。
我らの敵、只の贄の筈なのに、
あの娘に覚えるこの感情はなんだ?
―――俺は、人に混じり過ぎたのか?
自分でも制御できない感情に戸惑っていた。]
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上をよく見ていて。 きっとどこかに、光の漏れる所がある筈だから。
[下に目を向けるよりは、空を仰いでいて方が良いだろう。 先程、視界の何処かをランプの光がかすめた気がする。 光が欲しい。まずは、光を――。
傍らに落ちた紙飛行機を拾い上げて、 ランプの光が見えた方向へと足を進めようとする]
(361) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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ホリー・アレクサンデル…。
あの少女、何か恐怖を察知しているようだ。
我らの眼に気付いたか、それとも「人の手」が怖いのか――。
片割れが邪魔だ。襲う際に上手く引き離せると良いが。
[彼の眼は同時に樵の少年や白いシャツの女へも向けられていた。]
[ オスカーには、闇をも見通す捕食者の眼が彼の姉を見据えているなど、知る由もない。]
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ヴェスパタインさんだ! ホリー、ランプの光があるよ。ヴェスパタインさんが持ってる!
[上ずった声で、ホリーの手を軽く引く。 声の方へと歩く。――だが]
……っと。
[つまづいて、転びかけた姉。 その身体を受け止める。そして、その顔を、見た]
大丈夫だよ。ホリーは僕が守る。 光も、多分、今――
(372) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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[振り返り、ヴェスパタインの声が聞こえた方に、こちらも声を張り上げた]
すみませーん、ヴェスパタインさん、いらっしゃいますかー? 灯り、もらってくる。ちょっとだけ、待って。
[ホリーから少し身体を離して。おーいと大声をあげて、ヴェスパタインの声が聞こえた方向へと踏み出した]
(373) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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