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恨んでないやつがいないともって。
貴方って案外と言うわよね。
[少しだけ、苦笑をもらす。]
ああ、繊細なあたしの心が傷ついたわ。
思わず手が滑って貴方まで切り殺してしまいそうなぐらい。
[冗談めかしてそう告げたのだった。
そして神宿に彼を伴って向かう事となった。]
[零瑠というのなら、家族の誰かだろうけれど。
また、逃げたのかと視線の鋭さはそのままに。
リッキィは何も言わないから、零瑠も何も言わなかった。
………絢矢? なんで俺に?
何を今更。知っててやってるんだろう。
お前、繊細どころか大戦災じゃねぇか。
手が滑るならそのまま滑ってどっかいっちまえ。
[
彼女の供をするのは本当だ。乾坤圏を腰に、彼女の後ろから従うように城を出る]
]
……それは、大収穫じゃないか。
仇を―――…と、らなきゃ
[長く長く息を吐いて、笑う。
家族同士の討ち合いを、また、望まれている。]
だれ?
…さーね。直接聞けば。渡してほしいと預かっただけだ。
あと伝言。涼平と周を返せ、だとさ。
[零瑠の視線
もう突っ込まれて色々踏み込まれるのはゴメンだったからだ。ただ、誰と問われれば
アヤだ、と]
ああ、全く。
ああ言えばこう言う。
育てた吸血鬼の顔が見たいわ。
[そんな軽口を叩きながら。
向かうのは神宿]
− 回想・零瑠への褒美 −
[和本の内容を零瑠が知っているのかは尋ねなかった。
最後まで読み終えてどんな感想を持つか、今は判らない。
そも最後まで読み終えるかも定かでは無かった。
積み上がった書物はそうやって、思い出した様に
読み直されたり、山に埋もれたままになる]
迷信とは、人間は己と違う遠い存在から、畏れから逃れる為に。
己を安心させる為に創りだしたものだ。
その分、その迷信が効かぬと知れば面白いように慌てふためく。
[零瑠の途切れた言葉
だが直後の模範解答に、その瞳の奥に潜むものを追及はしなかった]
――…!
[僕は絢矢の名前が出たことに分かりやすく息を飲む。
それにしても、絢矢と、この紐と、零にーさんにどんな繋がりが?
木箱を持って、僕と手を繋いで逃げていた絢矢の姿なら記憶にあるけど……]
――もしかして、あの、5年前、ほら、零にーさん明日が誕生日、で、それで…
[僕の言葉が途切れ途切れになるのは色々と思い出してるから。
「シュークリームが食べたい」。
聞こえる、子供達の歌声。
帰らないにーさんやねーさんを待って絢矢と二人身を寄せ合ったあの時]
直接聞いて、腹に傷でも負ったら堪らない。
[理依と絢矢の間でどんな話があったのか、
そんなものは想像に過ぎないし。
どんなヘマなのかも、また。
彼の指が差す、若草色。
もしかして、と話すリッキィの声。]
………は、は。絢矢なら、こういうの、用意しそうだけど。
馬鹿だな。この5年、ずっと……
[子が夢中で首筋に立てた牙
嚥下する音が間近で響いて、子が喜んで飲み下している事に
満足げに笑みを浮かべて、指を絡めた髪を見下ろした]
………泣いているのか。
[途切れる事無く、迷う事無く感謝の言葉
子は泣いた。
その涙の意味が判らず、僅かに傾げた頭を頬杖で支えながら
その透明な雫を見つめた。
家畜なら命乞いで泣くのは知っている。
断末魔の前に痛みで泣く事も知っている。
だが零瑠は家畜では無い。
命の危険も痛みも無いのに何故泣くのか]
何を泣く?
[痛みを覚えいているとすれば、彼の心か。
贄を差し出そうとする程、彼は吸血鬼と成っているのに。
まだ涙する部分があると言うのか]
そう。
[伝言に対しては、短く。
生死を問わず、返してやれば良い。
立ち去ろうとする理依には、これ以上話すことはないだろう。
背中からリカルダへと視線を落とし。
ぽんと一度、頭の上に手を置いた。]
じゃあ、ふたりとも。また後で。
[家畜の悲鳴や涙は食事の時間に彩を添えた。
ならば吸血鬼の涙はどうなのだろう。
沸いた興味のままに舌で零れた雫を掬い、転がした後。
離れずに零瑠の首筋に牙を立てた。
力の強い吸血鬼の血はそれだけで味わい深い。
まして血の絆の子の血は更に味が濃い]
成程、甘い。
[涙を混ぜた血は芳しく、甘さを増していた。
味に満足したのか、喉を数度鳴らした後、牙を離す]
………。それだけ忘れたくなかったってことだよ。
[僕は零にーさんの気持ちも絢矢の気持ち、どっちもなんとなく分かる。
ただ、周にーさんと話したばかりだったから、気持ちはなんとなく周にーさん寄り。
最後に見せた、笑顔。
あれで本当にお別れ、なのかな。
僕は零にーさんが頭に手を置いた時、
相っ当心配そうに見える顔をしてたことだろう。
――いかないで。
――つれてかないで]
私が呑んだ中でも上質のものだ。
大事にすると良い。
[また1つ、面白いものを見つけたと、
弧を描く口元を隠さずに零瑠が下がる際に背に声を掛けた。
あの涙は何処かに残ったままの人間の部分か。
人間の涙と吸血鬼の血潮。
混ざったその味に、機会があれば、
他の眷属達も試してみるかとほくそ笑んだ*]
[きょとりとした。
何か素朴なものを見たような印象だ。
永く生きているだろう純血の吸血鬼でも、
慣れない事というのはあるらしい
そうですか。
[そして有言実行とばかり一人で出て行く背へ、
行ってらっしゃい、と静穏に頭を垂れる。
指示されれば従う以外の道はないから*]
− 襲撃の前 −
[血酒と穢れた肝を用意してきたホリーのピクニック
僅かに苦笑を浮かべたまま、探る様な視線を投げる]
行って来ると良い。
愉しんで来い。
[贄を探しに行くわけではないだろう。
そこに何があるのか迄は図れないが、わざわざ出向くのだ。
それ相応の愉しみがあるのだろうと許す]
どんな遊びをするつもりか知っているか?
[肝を運んで来た家畜に訊いた所で、知る筈も無い。
震えながら存じませんと答える家畜に]
そうか。だが貴様でも私に教えられる事があるぞ?
この穢れた肝と、貴様の肝の味の違いもそうだ。
[意味を家畜が理解した時には、その腹は裂かれていた]
やはり女は処女が、男は穢れた味が美味い。
[味の劣る肝は、一度舐めだけで床に棄てられた*]
―書庫―
[探していた本は見つからなかった。
元々置かれていないのか、誰かが持って行ったのか。
どちらもありえるし、どちらもないようにも。
堆く積み上げられた本の森を諦めて去る]
―廊下でのこと
もう、死んでいたかも知れないじゃないか。
忘れられなかったのは、同じ……
[リカルダの視線。何を言いたいのか、敢えて考えるのを止めた。]
ねぇ、リッキィ。
絢矢がこれを預けたってことは、さ。
………さよならって、ことだよね。
― 廊下にて
そう、おなじもののままだって思ってたからだよ。……でもさ。
僕が違うものになっても変わらないの。キャロライナにーさんも周にーさんも!
[それがただただ、最初は信じられなくて耐え難くてでも、……不思議と悪くはない気分も浮かんできてて。
―――じゃあ、絢矢は?
さっきの理依にーさんの、まるで“直にーさんを殺したのは絢矢だ”と言いたげな態度は]
そんな、……ちがう、
【人】 猫の集会 クシャミ―少し前・明之進の部屋― (409) 2014/02/13(Thu) 23時頃 |
―廊下にて
……キャロライナ、も?
そうか。彼にも会ったんだ……。
[逃げたの? 逃がしたの?
そう問う気力が、今はない。]
変わらない人達が居て。
でも、変わる人達だって、居るよ。
……ちがう? さぁ、どうだろう。
俺にはそう、思えない。
[廊下でちらりと、遠目に零瑠の部屋を窺う。
部屋の前にリカルダがいたことで、
ぴんと、周が目を覚ましたんだと思った。
涼平に知らせようと思って、足を急いだ。]
変わっても良いんだよ。
変わらないなんて、そんなもの……
[あるはずがない、とかぶりを振る。*]
【人】 猫の集会 クシャミ―現在・明之進の帰還― (416) 2014/02/13(Thu) 23時半頃 |
【人】 猫の集会 クシャミ[どんな返事が返ってきたにしろ、少し間が経てば崩していた姿勢を正し、明之進の瞳を見つめる。 (423) 2014/02/13(Thu) 23時半頃 |
……うん。
[僕は……キャロライナにーさんの武器だけ壊して退いた。
これじゃあ逃げたのと変わんないや。
“始祖様”に知られたらどうなるか――って実に今さらだよね。とりあえず何も言わないでおいた]
れ、零にーさんがそう思いたければそう思えばいいよ、僕は、思わない。
なんで、……なんでそんなこと、言うの。
[僕は零にーさんはただ“始祖様”の血に縛り付けられてるんだって、そう信じてる。
僕と零にーさんを隔てる違い――誰の牙を受け吸血鬼になったか。
信じてるのに、零にーさんがまるで“吸血鬼に変わってよかった”って言ってるみたいに聞こえて、―――寒気がする]
――…ごめん。
[僕はその場から走り去った*]
【人】 猫の集会 クシャミ 俺は甘いから、ずっとずっと迷うんだ。 (438) 2014/02/14(Fri) 00時頃 |
【人】 猫の集会 クシャミ 分かってるだろ、明之進 (446) 2014/02/14(Fri) 00時頃 |
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