22 共犯者
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今は放っておけ。
そのうちに、な。
[ その対象が新聞記者であるのか、リンドクヴィスト家のことであるのか。
定かにはせぬまま、声は消えた。*]
…ああ。そうだな。
彼女の魂と肉体も、我らの祝福された場所へ。
[鋭く氷を思わせるその声に少し圧倒されたか、それ以上は何も言わず、森全体が闇に包まれる時を待つ事にした。]
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―村長宅―
[ 扉から中に入り、脇に置いてある小さなベルボタンを押す ]
やあどうも。 夫人はいらっしゃるかな。
[ 夫人が降りてくるか部屋に呼ばれるまで、そこで待つつもり ]
(143) 2010/07/29(Thu) 21時半頃
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肉屋 ニールは、メモを貼った。
2010/07/29(Thu) 21時半頃
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やあおはよう、夫人。 昨晩の晩餐はどうだったね。
[ 少々の日常会話を楽しんだ後、沈黙が降りたら 口調を改めて ]
外からの客人を見たよ。 話によれば、村長が亡くなる前、村に招き入れたそうじゃないか? しかも祭について取材を許したって。
……確かに亡くなる前の村長は、ちょっと様子がおかしかったかもしれん。 夫人、村長は一体何を考えていたのか、知らないか。 知っていたら教えてもらいたい。村の一員としては、知らぬまま済ませるワケにはいかない気がしてるんだよ。
(161) 2010/07/29(Thu) 22時頃
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[ヴァンルナール家の代々の家長は、古くから人狼を熱心に崇拝していたようだ。
(人狼と「契約」を交わしたのも、遡れば彼らの祖先に当たるのかもしれない。)
ヘクターは当然実子ではなく、「実子として」家に迎えられているに過ぎない。
対外的には、ヘクターの「祖父」が家長だが、実質的に実権を握っているのはヘクター自身であった。
――尤も、それについて知っているのは、ヴァンルナール家でもごく限られた者のみである。
ヘクターは彼らを「キツネ」と呼び、彼の命令は、対外的に「祖父が出したもの」として実行されていた。]
「約定」はやはり忘れ去られている、か。
[ 平静な声音。]
……それもそうか。
[ 小さく鼻を鳴らす。]
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[ 話を聞きながら片眉を跳ね上げる ]
……つまり純粋に、祭のことを世に広めたかった、ということか。
勉強や研究自体は年寄り連中の許可をとっていたとは言え、記者を読んでそれを世に広めることにまで許可をとっていたのかい?
俺にはとてもそうは思えないんだが。 そうなのであれば、村長や年寄りから、村の連中に一言相談があってもいいもんだろう。
少なくとも俺は何も聞いていなかったし、他の連中も同じなんだろ?
(175) 2010/07/29(Thu) 22時半頃
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肉屋 ニールは、メモを貼った。
2010/07/29(Thu) 22時半頃
お前の言った通りだ。
彼らは忘れてしまった。
[ 遠巻きにソフィアの死体を眺めながら騒ぐ人間たちを凝視し、同胞に語りかけた。]
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ああいうこと、か
[ 思わず顔を背けた ]
確かに、大昔の祭には、年寄りどもが揃って口を噤むような何かがあったのは間違いないだろう。 それが神話のような夢の話なのか、実際の生臭い事件だったのかは俺も知らないさ。
しかし今のこの村は、そこまでせずとも、もう十分普通だと俺は思うがね。
確かに小さな村だし、余所者を忌み嫌うのは年寄りだけじゃなく、外の世界に触れたことのない若い者にも多い。
(190) 2010/07/29(Thu) 23時頃
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それでも外からの技術は少しずつ村にも浸透しているし、今や定期的に行商だってあるじゃないか。……しがらみは多いにしろな。
その行商のように、少しずつ、村のみんなと共に、村の心の開放を進めてほしかったよ、俺は…
そもそも、そこがアルフらしからぬ話じゃないか。 あの、人のいい漢が、何故。 何をそう急いだんだ。
[ 少しイライラとした口調になっていたのにハッとし 頭を振って申し訳なさそうに ]
……ああ、いや、こんなことはお前さんにグチることじゃないな。 すまない。
(193) 2010/07/29(Thu) 23時頃
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[ 少し訝しげに夫人を見つめたが、すぐに目を逸らす ]
終わってしまったこと… ……夫人、お前さんは本当にそう思っているか? あの記者が、この祭を記事にして終わりだと?
どこかの国の新聞にこの村の祭のことが載るだろう。 それを見てこの村を訪れるものが増えたとしたら…
[ 口を開きかけて噤む ]
……言っても詮無いことだな。もうなるようにしかなるまい。
(205) 2010/07/29(Thu) 23時半頃
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[ 肩を竦めて首を振る ]
つくづく、アルフが俺やお前さんにすら、何も言わずに逝ってしまったことが残念でならないよ。 どんなものを背負っていたのか知らんが。
俺が助けてもらったように、アイツの助けになってやりたかったが…望まれなかったのなら仕方ない。
……邪魔をしたな、夫人。ありがとう。 そういえば、あの記者とやらは、今はどこだい。
(207) 2010/07/29(Thu) 23時半頃
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肉屋 ニールは、噂をしていた人間の突然の闖入に驚いて目を丸くした
2010/07/29(Thu) 23時半頃
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[ 一瞬、夫人の方をちらりと見て、記者に視線を戻し ]
……ソフィアが? 殺されただって?
馬鹿な。 あのソフィアを殺そうなんてヤツは、村にいるはずがない。
[ イアンを信じる気がない顔で、笑ってみせる ]
(217) 2010/07/29(Thu) 23時半頃
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[ 夫人の言葉>>221に驚いて夫人を見やる ]
パピヨ……夫人、お前さんまさか信じるっていうのか。
[ 一つ大きなため息をついたらイアンに向けて諭すように ]
なあ、記者さん。 祭の日にタチの悪い冗談は、人からの信頼をなくしてしまうぞ。
……それとも、まさか本当なのか。
[ さすがに顔色が失われ始める ]
(227) 2010/07/30(Fri) 00時頃
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ああ、そうだな…。
[苦々しい思いで吐き捨てる。
――我らを思い出す者はおらぬか?思い出しても畏れから口に出さぬだけか?]
村の年寄り共もどれだけ使えるやら。
[ヘクターを補佐する立場にある「キツネ」も、人口が増え、近代化へと向かう村に対し絶対的な力までは持っておらず、祭の形骸化を食い止めるには限界があったようだ。]
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[ 夫人の動揺が激しいなら、近寄って肩を支える ]
……しっかりしろ。 コイツがお前さんの言う通りの人間なら、ソフィアはもう死んでるんだ。
確か昨晩の晩餐に姿を見せていたから、殺されたとして、その後だろう。
[ パピヨンが望むなら椅子にかけさせるなりしてからイアンに さすがに不機嫌な顔になる ]
…いやそうだな。アンタの言う通りだ。 失礼した。
獣と言ったな。このヘンは猪やらクマがそれなりに棲んでる。そいつらかもしれん。
(237) 2010/07/30(Fri) 00時頃
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[ >>243の内容に流石に言葉を失った ]
何だそれは。 ……獣がそんな器用なマネをするはずないだろう!?
…すまん。少し取り乱した。 どう考えてもそれは人間の仕業だろうが。お前さんさっき獣と言ったじゃないか。どっちなんだ。
[ 呆れと疑いの混ざった声音で詰問するようにイアンに尋ね パピヨンの肩を労るように撫でる ]
…今のお前さんじゃムリだろう。 俺でよければ代わりに行ってやるが、どうする。
(249) 2010/07/30(Fri) 00時半頃
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わかった。ムリはするな。 出歩くなら使用人一人は必ず連れて歩くんだ。いいな。
[ パピヨンの肩から手を離しイアンに近づく ]
獣に食い荒らされたソフィアを何者かがそう並べた、と考える方が早そうだがな、さすがに特殊な信仰の残っている村だとて、そこまで危篤な人間はいないよ。
夫人は落ち着くまでそっとしておくべきだろう。 …そう思わないか?
[ 探るように是非も言わさぬ口調で部屋の外へ促す ]
悪いが案内を頼めるか。森は広くてな。
(259) 2010/07/30(Fri) 01時頃
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肉屋 ニールは、メモを貼った。
2010/07/30(Fri) 01時頃
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都会の記者さんは死体を見ることも少ないらしいな。 屠殺が生業の俺にとっちゃ、死んじまった人間なんざ、家畜の死体とそうかわらないよ。
…それが明日にも嫁入りするような幸せの絶頂にある娘のものであってもな
[ 少しだけ遠い目をして、ブルーノとすれ違えば目で挨拶を ]
[ その後はイアンの案内により、目的とする場所へ向かう* ]
(269) 2010/07/30(Fri) 01時頃
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肉屋 ニールは、メモを貼った。
2010/07/30(Fri) 01時半頃
[何故忘れる・・・何故・・・
こんなにも人の子は愚かだったのか?
我等が慈しみ護ってきた者らよ
幾度の潮の満ち引きと共に、汝のその英知はいずこかへ消えてしまったのか]
[ 同胞の憤りがじわりと伝わってくる。
「声」は殆どの場合において、音声による言語以上にその感情を能弁に伝える。
彼は伝わる怒りの感情を、舌の上で転がすようにじっくりと吟味した。]
肉屋 ニールは、メモを貼った。
2010/07/30(Fri) 21時頃
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―回想・遺体発見現場―
[ 森に慣れない青年と目的地を知らぬ自分とで 少々時間を食いはしたが間もなく "現場" にたどりつく ]
…なるほど。 こりゃ「獣」の仕業ではあろうが、獣「だけ」の仕業じゃないな。
アンタが混乱したのもムリはない。
[ 検死をするように傷跡を検分して言った ]
(310) 2010/07/30(Fri) 21時半頃
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[ 踵を返した青年に無言でついていく 祭の中止か続行かを問われるとため息をついた ]
さてねェ。年寄り連中のハラ一つってヤツだ。
どうもこの祭は、特に年寄り連中にとっちゃァ、ただの収穫や平和を喜ぶだけの祭じゃないらしくてな。
確かに一番大事なのは、今日からしばらくなのは間違いないが。 とはいえ、俺らくらいから若い者にすれば、幸せを奪われた哀れな娘の喪に服すのと、それに比べりゃ "続けなければならない" 理由が見当たらない祭と、どちらが大事かなんて
言わずとも知れたことだろう。 違うかい。
……まあ年寄りが何がなんでも続けるんだ、と言い張れば、そうなるだろうがな。
(312) 2010/07/30(Fri) 21時半頃
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[聖なる樹、聖なる泉に捧げられし供物は、
再び人へと巡るだろう。
その肉体は人として大地に還そう。]
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―森の道―
[ 青年に素性を尋ねられて ]
ああ…そうか、まだだったな。 俺はニールだ。家畜を捌いたり、売り買いの仲介をしてる。
村長は確か事故死だよ。10日近く前だったかな。 不甲斐ない話だが、ここしばらく祭の準備なんかでおおわらわでね。ロクに親友の死も把握しちゃいない有様だよ。
…ただ、ここしばらくは様子がヘンではあったな。日に日にやつれていくとでもいうか… 事故ではあったが、心労がたたったのかもしれん。
(314) 2010/07/30(Fri) 21時半頃
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[ イアンの言葉に不思議そうな顔をして ]
…アンタに何か出来ることがあるとするなら、これ以上何事も起きないことを祈って大人しくしてくれることだろうと思うがねェ。
[ ともすれば嫌味に聞こえる言葉そのものはあくまで 感想を述べるようにポツリと零す ]
とはいえそうもいくまい。アンタにも仕事があるわけだし。
どうせ祭は年寄りどもの鳴り物入りで続くだろうから、精々祭のことをいい記事にして、あの世のアルフへの手向けにしてくれりゃァいいさ。
[ 気安くイアンの肩を軽く叩いて、寂寞の笑みを浮かべた ]
(315) 2010/07/30(Fri) 21時半頃
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肉屋 ニールは、メモを貼った。
2010/07/30(Fri) 21時半頃
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[ 意味ありげな笑みを浮かべた青年に、同じように笑み返す ]
普通に考えりゃ、中止だろうな。 だが、この村は多分、普通じゃないんだ。
[ 空を仰いで禿頭をさする ]
…さっきの夫人の話からするに、村長はそういうことに悩みか何かがあったのかもしれんなァ。
……死者に敵も味方もないなら、余所者もへったくれもありゃしないさ。 不幸なあの娘のために祈ってやってくれる人間が一人でもいるなら、あの娘も冥土への道のりは軽かろうよ。
(329) 2010/07/30(Fri) 22時半頃
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…この村じゃ誰か人が殺されても大概は獣か、それなりに理由がありそうな誰かで決着ついちまうんだよ。 だから、「外」に頼ったことは滅多になくてね。
さて、今回はどうだろうなァ。 年寄り連中のシワが増えるのが目に浮かぶようだ。
[ イアンの表情が緩んだ>>332のを見て少し訝しげな顔をし ]
礼を言われるようなことを言ったつもりはないが、まあいい。
……溌剌、か。アンタと会話した時はまだ、心労に潰されていない頃だったのかもしれんな。 アイツは学者肌なところがあったから…アンタみたいなのと話ができて嬉しかったのかもしれん。
[ あくまでイアンの話より自分の印象を信じている様子 ]
(335) 2010/07/30(Fri) 23時頃
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テッド。 …そうか、お前も知ってたか。 いや、あの様子じゃ知らん方がおかしいってところらしい。のんびり村長夫人とこへ出かけた俺はまるで馬鹿じゃないか。
[ 動揺する村人を一瞥し自嘲的な苦笑いを一つ >>336と問われ ]
うん? ああ、まあ、そんなとこだな。 彼をこの村に呼び入れたのは村長だし、死亡の連絡が行き違いになったとかで、まあこの人も色々混乱してるってとこだ。 ……滞在数日であんなものまで見せられちゃあ、仕方ない。
ところで、俺はほとんど何も知らなくてな、お前何か知ってることがあるなら教えてくれよ。
(338) 2010/07/30(Fri) 23時半頃
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情けないが、あの頃は祭の準備で何やかやあってなァ… 連絡聞いたのも、翌々日になってからだとか、笑えるだろ。
[ テッドの説明がもしイアンの耳にも入っているとしても 気にしているとは見えない様子で若者の話を聞いていた、が ]
……呆れた話だ。 アルフに限って自殺なぞありえん。
ましてや夫人に殺された? 誰だ、そんな適当なことをホザくヤツは!? ったく何を考えてるんだ。
[ 憤りを吐き捨てるように言って ]
……まあいい。わかった、ありがとう。
(353) 2010/07/31(Sat) 00時頃
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