人狼議事


19 生まれてきてくれてありがとう

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視点:


[森に近い、村外れの粗末な小屋の中。月光を浴びながら、一人の女が糸を紡ぐ。

時に、銀色の光が注ぎ込む窓辺から――。


森から村へと続く小途を、慈しむように眺めながら]


 あの人の生まれた村を静かに見守ってきたわ。
 あの人の愛した村を、私も愛してきたわ。


 でも――。

 もし、村が悲しみのうちに滅びるようなら――。
 どうすれば、いいと思う?

[誰ともなく問いかけて]





[そんな事は起きないで――


   そう、願いながらも。]


.


愛する人の死を告げられるのは、辛い、わ。

自分の命が天に召す神様の御手により、刈られるよりも辛いこと、よ。
魂が千切られるような、痛みと悲しみに晒される、の。



埋めきれない空白を、疵を、魂に深く残すの。
それを埋めることなんてできるものでは無いわ。


 あの人が愛したこの村が悲しみにくれるのなら――。
 あの人の愛したこの村の人々が、身近な人を、村の人を失い。

 魂に喪失という残酷な疵を受けるのなら。

 私の手でできる事を――。

 し て、あげる――。

[例え、自らの手を赤く染めたとしても――

丸い銀の円盤を、静かに眺めながら心の奥で思って。]


漂白工 ピッパは、メモを貼った。

2010/07/03(Sat) 02時頃


【人】 漂白工 ピッパ

―― 小さな森 ――

 …

[空を仰ぐ。
 宵の灯りは優しくリンダのカラダを照らしている。
 緩やかに視線を落とし、頬にそっと触れた。]

 
           冷たい。

[ぽつ、と零して儚い笑み。
 滑らせて、何度か手の甲を擦ってみても
 其処に温もりが灯る事は、無い。]

(21) 2010/07/03(Sat) 02時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 昔、ね。

[声は随分と穏やかになっていた。
 ガーベラと木製の椅子が傍に無言で佇んでいる。]

 おじいちゃんって、凄く怖かったんだ。
 逢うたびに、何時も、何時も、怒鳴られてた。

[双眸を細めて、苦笑する。]

 おじいちゃんが、怖くて仕方無かったんだ、私。
 でも、ね。

 おじいちゃん、優しかった事もあったの。
 

(25) 2010/07/03(Sat) 02時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 ピッパ、ピッパって。
 私の頭を撫でながら、笑うんだ。

 甘いもの食べるか、とか。
 一緒に遊ぼうか、とか。

 本当に、ね。
 今でもあの笑顔、忘れられない。

[くす、くす、と穏やかな笑い声が響く]

 おじいちゃん、ね。
 それからすぐ、死んじゃった。
 

(28) 2010/07/03(Sat) 02時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 多分。

[そ、とリンダの赤毛を一房、両手で握る]

 おじいちゃん、解ってたのかもね。
 ……どんな気持ちだったかは、
 ―――、今も未だ、解らない。

 遠いんだ。
 私は未だ、子供、なんだと思う。

 でも、きっと。
 寂しかったのかもしれない、って。
 覚えていて欲しかったのかもしれないって、思うんだ。

[愛おしそうに、赤毛を撫ぜて]

(30) 2010/07/03(Sat) 03時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 私が、忘れちゃった時。
 誰も、おじいちゃんを覚えて居られなくなったとき。

 おじいちゃんは、きっと
 ――――、初めて本当に、死んじゃうんだと思う。


 ……リンダ?
 だから、リンダ。

 死なないよ。
 居なくならないよ。

 リンダは、生きていてね。

[どれだけ言葉を紡いでも足りそうに無い。
 未だ枯れぬ涙は、再び目尻を静かに濡らしていく]

(33) 2010/07/03(Sat) 03時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 あれ…?
 う、  …っと   …あれ?
 ねぇ、三つ編ってどう、するの?

[苦笑した。
 今まで三つ編なんてした事も、された事も、無い。]

 ごめんね―――。
 せめて綺麗にしてあげたいのに。

 友達甲斐の無い奴だなぁ。
 ………ごめん、ね

[ひた、ひた、と赤毛を雫が濡らして行った]

(34) 2010/07/03(Sat) 03時頃

漂白工 ピッパは、リンダの上半身を両腕で抱き寄せると、引き摺るように椅子の上へ。

2010/07/03(Sat) 03時頃


【人】 漂白工 ピッパ


 ――――っ!

[ぐぐぐ、と引き摺るようにリンダを椅子へ。
 なんとかという具合に座らせると、苦笑い。]

 ごめん。
 ちょっと痛かった?

 ……運動不足。
 力も無いから、さ。

[あは、と能天気に、笑う。]

(43) 2010/07/03(Sat) 03時半頃

漂白工 ピッパは、リンダの頭へ手を伸ばしそっと撫ぜた。

2010/07/03(Sat) 03時半頃


【人】 漂白工 ピッパ


 少し。
 ……少しだけ、此処で待ってて。

 誰か、呼んでくるから。

[何時までも此処に置いては、おけない。
 そしてリンダの事を誰かに報せなくては、いけない。
 身寄りの無い子だったから、少なくとも村長にだけは。]

 寒いかもしれないけど。
 ……我慢、しててね。

[一瞬、自身の格好を見遣るが
 暖を取る為に渡すだけの余剰な衣服は着ていなかった。
 言い残し、静かにその場を後にする。]

(45) 2010/07/03(Sat) 03時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

―― 村・大通り〜村長邸前 ――

 はっ、
  はっ、
   はっ―――!

[森を抜け、大通りを走り
 一直線に目指すのは村長の元へ。
 とうに息は切れ、ほとんど気持ちだけが足を動かしている。]


 ……っ

[そして辿り着いた、扉の前。
 すぐに手を掛ける事は出来ず、逡巡するのは、
 『眠り姫』などと虐げられる現実が憚るから。

 ―――自分にそんな権利があるだろうか―――

 事、此処に至っても、未だ手は、震える。]

(50) 2010/07/03(Sat) 03時半頃

漂白工 ピッパは、メモを貼った。

2010/07/03(Sat) 04時半頃


 初めて目を覚ましたときにあったのは、
 幸せそうな笑顔と自分の泣き声でした。


 子どもの頭を撫ぜる親はどうしてあんなにも幸せそうなんでしょう。


 もうこれ以上は無い、と思える平凡。
 当たり前のことが当たり前にある奇跡。

 理解したらもう失っているもの。


 病気になった、と聞きました。
 詳しいことは分かりません。
 誰が病気になったのでしょうか。
 パパとママじゃありませんように。
 せめて私でありますように。


 パパもママも隠れて出てきません。
 必死に探し回るかくれんぼ。
 外は雨が降っていました。
 雨はいつも通りに音を奏でていました。


 パパとママは死んだらしい。
 嘘だ。


 何度も呼びました。
 パパ。
 ママ。
 隠れてないで出てきてよ。
 私は自分を偽って、平気な笑顔を作っていました。


 その日初めて、私は本当に、
 パパとママの為に泣きました。
 自分を騙すのをやめた途端、涙が溢れて止まりませんでした。


 パパとママはびょういんで
 なんにちも、苦しんだ末に逝ったのだそうです。
 そんなの聞きたくなかった。


 墓前に立つと涙が溢れます。
 どうして苦しんで逝ってしまったんだろう。
 どうして楽に逝けなかったんだろう。
 何を責めたらいいかわからない。


 パパとママがいない毎日が目まぐるしく過ぎていきます。
 私はいつしかパパとママがいないことが当たり前になりました。
 私は私だ。


 いつしか、私は、この記憶を封じて生きてきました。
 だけど今、鮮明に思い出せます。
 ソフィア、と呼んで呉れた優しい声。
 パパとママを蝕んだ病気。
 最後に頭を撫でて貰った刻。


 すべてはしあわせで
 すべてはふしあわせな
 おもいでです。


 わたしに できることは
 くるしまずに いかせてあげること。


 こんなときなのに、不謹慎だけど
 どうか、わらってください。**


漂白工 ピッパは、メモを貼った。

2010/07/03(Sat) 08時頃


【人】 漂白工 ピッパ

―― 昨夜・村長邸前 ――

 ……村長さん

[どれほどの時間、扉の前で悩んでいたか。
 伸びた手が、す、と逃げて。
 伸びて、逃げて、を何度繰り返したか。
 漸くあけたのはリンダの笑顔が背を後押ししたから。

 開け放ち、震える声で村長を呼ぶ。]


 おっ、 おは
 お話が、ありま、す……

[どもりながらも告げれば、
 あちらも何か抱えてるのか、深い溜息をつきながら
 入りなさい、と声を掛けてくれた。

 言われるまま、中へ。]

(96) 2010/07/03(Sat) 08時頃

漂白工 ピッパは、メモを貼った。

2010/07/03(Sat) 08時頃


【人】 漂白工 ピッパ

[村長と女の二人きり。
 自警団は全て出払った後なのだろう。
 テーブルを挟み、向かい合うように座る。
 間には、蝋燭の火が二つ、ゆらゆらと揺れている。]

 ……あ、あの
 り、りん――

[どもりながら、胸の内の怯えを、
 誤魔化すように、繕うように、薄桃を手で弄る。
 "独り"であれば既に逃げ出している程。

 けれど、眸には強い力を残し
 す、と村長を見つめ

 リンダに起こった事実、
 隠されてきた秘密を全て、隠す事無く、告げた。]

(98) 2010/07/03(Sat) 08時頃

【人】 漂白工 ピッパ

[村長は緩やかに首を振り、深い溜息を吐いた。
 そして、返されたのは嘘の様な現実 >>#2]

 え、
 そ、   ぅ

[言葉が続かない。
 頭の中はリンダの事で、既に手一杯だったのに。
 はちきれてしまいそうで、手の力が抜ける。

 村長の言葉は続く。
 恐らく沢山の死者が出るだろう、と。
 村に残るものは、誰も助からないだろう、と。

 だから。
 要約すれば、リンダの葬儀も、
 埋葬すらも行っている暇は、無い、と。]

(99) 2010/07/03(Sat) 08時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 そんな――!

[がたりと木製の椅子を弾いて、前のめりに村長へ詰め寄った。

 御願いだから。 何でもします、だから。
 リンダの葬儀を。せめて埋葬を出来るだけの助力を、と。

 独りでは何も出来ない非力な自分を呪いながらも
 ただ、ただ、縋るしか無かった。

 重い沈黙の後、村長は溜息と共に。
 翌朝までにギリアンへ話をつけてくれると言う。

 とにかく今日は休みなさい、と。
 二人の会話は、其処で終わる。

 安心した女が、すとんと、眠りにおちてしまった*から*]

―― 昨夜の出来事・了 ――

(100) 2010/07/03(Sat) 08時頃

【人】 漂白工 ピッパ

―― 翌朝・墓地(ギリアンの住処)前 ――

 …

[翌朝。
 墓地へと訪れたのは、女、ただ独り。
 村長は話をつけるので手一杯という事。
 しかしそれだけでも女にとっては十分有り難かった。]

 ぎ、
  ……ギリアン、さん

[何かの作業中、だろうか。
 動いている背後から、そっと声を掛ける。
 呼ぶ声は、低く、微かに震えていた。]

(101) 2010/07/03(Sat) 08時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 し、
 ……仕事?

[もう既にそんなに抱えてしまう程。
 死者は出始めているのだろうか、と心臓が大きく跳ねる。
 すぅ、すぅ、と呼吸を繰り返し心音を落ち着かせながら]

 あの―――。
 村長さんからお話は、い
 いって  る、と思います、けど

 ……リンダが。
 リンダが、……病気でしん、じゃって
 未だ森の中に居るんです

 ささやかでも  ……運んで頂けるだけでも構いません
 助力を、願え、ません……か
 

(104) 2010/07/03(Sat) 08時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 あ、ありが

[んく、と言葉が詰る。
 礼すら上手く紡ぎ切れない、纏わり着く"どもり"。
 けれど女は何度も、小さく頭を下げて嬉しそうに笑う。

 立ち上がる大男を先導するように、森へ。
 途中教会へ寄り、棺を抱えるのを見守り、
 二人、森に辿り着く。]


 あそこ、です

[やがて、その場所へ。
 指差した先には、幾本かのガーベラと。
 椅子に力なく座る、リンダの姿。
 優しい木漏れ日に照らされて薄ら、微笑んでいるように見えた。]

(106) 2010/07/03(Sat) 08時半頃

漂白工 ピッパは、リンダの姿を見ると再び滲む雫。ぐ、と手の甲で乱暴に拭った。

2010/07/03(Sat) 08時半頃


【人】 漂白工 ピッパ

―森の中・朝もやに微笑む少女の前で―

 そ、

[ギリアンの率直な感想を聞く。
 恐らく彼が紡いだ意味の全てを理解は、出来ないが。
 綺麗、という点で深く理解を得て、
 嬉しくて、嬉しくて、言葉を紡ぎ切れず
 ぽろぽろ、と涙を零して、頷いた。]

 ……よかったの、かな
 少しでも、辛く……なく、なれば
 私はそれ、だけで……

[身勝手かもしれない。
 けれどそう望まずには居れなくて。
 置かれた棺の真横で、華、と零すギリアンに頷く。]

(110) 2010/07/03(Sat) 09時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 ええ。

[微笑で、ガーベラの傍へ。
 納棺する横で、一つ、二つ、三つ。
 摘んでは、棺の傍へ寄り、ギリアンへ微笑んだ。]

 ほん、とは。
 全部いれてあげたい、けど
 ………同じ華を、見ていたい、から。

[添える"希望"と、残す"希望"。
 どちらも、傍に在ればいいという、ささやかな願い。
 リンダの髪に一つ、挿してやり
 一つは、リンダの手に握らせて、

 もう一つは、願うように、胸元へ添えた。]

(111) 2010/07/03(Sat) 09時頃

漂白工 ピッパは、墓堀 ギリアンに『御願い、します…』と涙交じりの声を向けた。

2010/07/03(Sat) 09時頃


【人】 漂白工 ピッパ


 ぴ、
 ピッパです……ピッパ・レッシグ。

[問われれば、小さく掠れた声で応答した。
 一旦閉める、と言われ名残惜しげな視線を落としつつも]

 ……

[リンダの表情と。
 偉かった、と。それだけの言葉が何よりも嬉しくて。
 く、と奥歯を噛み、言葉を紡げぬまま
 歩き出す背について、共に歩き出す。]

 ……はい。 その、   あり、
      ありがとう、ございます――。

[大男には見えない、だろう。
 けれど、顔をくしゃくしゃにしてなき続けた。
 今はただ、この男の言葉が優しく、心を支えてくれたから。]

(115) 2010/07/03(Sat) 09時頃

【人】 漂白工 ピッパ

[女の世界は
 大男と、棺と、自身だけで手一杯だった。
 だから大男が呼びかけた声ではた、と我に返る。]

 ――…。

[声を向けたほうに視線を遣れば、
 >>116 その姿を見つける、だろうか。]

(118) 2010/07/03(Sat) 09時半頃

漂白工 ピッパは、墓堀 ギリアンの背とキセルを手にする青年を交互に見遣る。

2010/07/03(Sat) 09時半頃


【人】 漂白工 ピッパ


 お、
 ……御願い、します

 きっと、リンダも喜ぶ、から

[ギリアンの声に小さく頷いて、
 願う言葉と眸が、キセルの青年へ。]

(121) 2010/07/03(Sat) 10時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 ありがと。

[柔らかな笑みを青年へと向ける。
 道中、名を問うたりもして、
 此方からも青年へと名乗り返したかもしれず。]

 一緒に。

[土を掘り始めたギリアンに声を掛けて、
 手伝える事であれば、了承を得て、
 彼の指示を仰ぎながら、手伝ったかもしれない。

 低く響く歌を、聴きながら。]

(125) 2010/07/03(Sat) 10時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 …

[ラルフの声を聴く。
 ちらと見遣る眸には言葉の内容に、
 聊か冷たい色が灯っていた。
 けれど、その表情を見て、]

 良かったって言うなら
 ……なんでそんな
 か、  悲しそうな顔、してるの

[見えたままを、問い掛けた]

(127) 2010/07/03(Sat) 10時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 …

[言葉を受けて、手が止まる。
 なんて莫迦な事を聴いたんだろう。
 どうかしてる、と自分を戒める、溜息。]

 ごめん。
 ……でも、
     ―――そう。

         そうだよ、ね。

[何故だろう。
 気付けば、口許に、緩い笑みが浮かんでいた。]

(130) 2010/07/03(Sat) 10時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

[ちらと窺った表情と、掌。
 泥だらけの其れが、綺麗だと、零す。
 自身の掌も出来る事を手伝ったせいか、汚れている。]

 うん。

[ラルフの横に並んで、ぽつり、零す頷き。]

 あっちでもきっと、
 この子なら、引っ張り凧だよ

[あえてそんな軽口を向けて、微笑]

(134) 2010/07/03(Sat) 11時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 ん。

[ギリアンの声には緩い頷き。
 他にも参列者が居れば、小さな礼を告げたかもしれず。
 被さる土で棺が隠れてしまう前に、
 女は小さく、別れの言葉を呟いた。]

 また、ね。

[魂なんていうものが、在るのなら。
 その願いは何時か叶うのだろうか。]

 ――、ありがとう。

[墓標に対しては、そんな言葉をギリアンへと向けた。]

(137) 2010/07/03(Sat) 11時半頃

【人】 漂白工 ピッパ






[暫く墓標の前で無言に佇んでいたが。
 去っていったギリアンの後を追い、
 静かに、彼の小屋の方へと。]

 ギリアンさん

[小屋の入り口。
 確かな声で、彼へと呼び掛ける。]

(138) 2010/07/03(Sat) 12時頃

【人】 漂白工 ピッパ

[振り返る彼に向く眸は真っ直ぐ向いて。
 先程までの涙は既に、乾いている。

 あ、と言い掛けた口が一度閉じて
 再び、開くと]


 御願いが、あります。
 ……私は、この村を出る心算は、無いから。

 だから、貴方の仕事を。
 どんな小さな事でも、良いから、仕事を。

 手伝わせて、ください。

[きゅ、と自身の服の裾を掴んで、見据える]

(139) 2010/07/03(Sat) 12時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 貴方を見ていて、思ったん、です。
 私が出来る事、してあげられる、事。

 此れは貴方にとって、失礼な事かもしれない。
 だけ、ど。

[去来するのは、去っていく笑顔。
 祖父の、リンダの。そして、見送る者達の、笑顔。
 自身が抱える物のせいで、役に立たないかもしれない。
 むしろ、邪魔、かもしれない。]

 あの話が本当、なら。
 私は最後まで、………見送る立場で在りたい。

 それだけじゃ、駄目ですか。

[けれど、相当に拒否をされぬ限りはもう
 下がる心算も無い、意志の双眸。]

(141) 2010/07/03(Sat) 12時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

[其れでも構わない、と彼が漏らすなら。
 一度、俯いて]

 さよならと。
 涙を流す人は、傍に居て欲しい、から。
 私は、誰も、独りで死なせたくないから。

[ゆっくり顔を上げて]

 好きだったんだ。
 この、村が。

[虐げられた事も、上手く行かなかった日々も。
 こんな時に、漸く愛せるようになって、
 気付かされるなんて、と
 ―――、女は笑った。]

(143) 2010/07/03(Sat) 12時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

[差し出されたバケツと、
 お世辞にも彼に似合うとは謂えない笑み。
 けれど初めて向けられた笑みは、嬉しかった。

 バケツを両手で受け取って]


 ありがとう。
 そ、  それじゃあ

[早速、と足を向けようとするが]

 其れくらい、貴方の眸を見ていれば、解るよ。

[部屋には入らない、という彼に
 くす、と零して、とりあえずはいわれた部屋を見に行った。]

(151) 2010/07/03(Sat) 12時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

―― 墓地の小屋・少女の部屋 ――

 …

[バケツを抱え踏み入った部屋は。
 入ってすぐに、小さな後悔を生む事となる。
 それは、彼にとって恐らく"大事"だと思える、
 そんな、場所だとすぐに、思ったからだ。]

 っ、と

[一度、床にバケツを置いた。
 不躾かと思いながらも、気になったのだ。
 "墓守の子"というのがどういう子だったのか。

 そ、と言われた衣服を探ろうと手は伸びる。]

(160) 2010/07/03(Sat) 13時頃

【人】 漂白工 ピッパ

[結論から言えば。
 其処に在るのはきっと男性の残滓だと思っていた。
 けれど、大きさ的にもその線が直に消えた。]

 ……女の、子?

[幾つかの衣服のうち、
 一つを手に取って、広げながら首を傾いだ。
 他の衣服も、そう。
 少なくとも自身より幼い、子の衣服。]

 …

[それ以上の詮索は辞めた。
 衣服を元、在った場所に戻し、二度と。
 二度と、開く事は無い、と心に刻む。]

(161) 2010/07/03(Sat) 13時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 ―――、そうだ、行かなきゃ

[言って、バケツへ手を伸ばそうとする。
 けれど突如、襲い来る強い、眠気。

 くら、と後方によろめいてそのままベッドへ
 お尻から倒れこみ、臥せる。]

 しご、と
 ……や、だよ
          これだけはさきに
    ―――、したい、のに…

[抗おうとするも、抗いきれぬのは、
 ナルコレプシーという名の、女が抱える、*罪*]

(162) 2010/07/03(Sat) 13時頃

漂白工 ピッパは、メモを貼った。

2010/07/03(Sat) 13時頃


 ねえ、あなたは何を望む?

 あなたの大切な人が――。
 死から逃れる事のできない、その日に遭遇したら。
 共に行く事を望む、かしら?

 それとも、その人を看取って――。
 短くとも、その死を悼んであげたい?

[共に生きる選択は、病の蔓延を告げられたこの村では、ほぼ難しいけれど。

自らに出来る、ことを。死の馨を纏わせた女は、そっとソフィアに告げて――**]




 これは私の進化の過程の一頁です。

 


 生まれてから、23年。
 私は初めて自分の足で立っている感覚に気づきました。


 ねぇパパ、ねぇママ。
 私は恋をしたんだよ。


 一人で息をするのがつらいから、
 あの人と一緒に呼吸をしたいと思う。


 手が生えました。
 人に触れたいと思う手です。

 すっと伸ばすと、あの人に触れられそうだった。
 なのに何故だろう。

 この手はあの人を包みたいのに、
 傷つけるナイフに変わってしまうんです。


 触れれば触れるほどに傷を付けて、
 あの人を殺してしまいそうだ。

 じゃあナイフを放つその前に
 あの人を殺してしまおうか。
 それがあの人の心を傷つけずに済む方法じゃない?


 そんなの厭だ。


 一層、二人息絶えて。
 何もかもを失ってしまうべきなのでしょうか。

 だけど、私は進化する。
 私はまだ、進んでいく。

 あの人を失っても、私は未だ終わらない。


 
 だから 私は生きたい。



 そう、あなたは生きたい、のね。

[その言葉を聞けば、それ以上は今は語る事無く。
静かに、彼女の進化を、歩む道を見守る事を決めた。]


 だけれど、

 もしも、


 "その時" が 在るならば

 私など切り捨てて下さい。


 それも、私の、願いです――――


 ”その時”

 あなたがどの道を選択するにしても。
 あなたが何を望むにしても――…。

 私が、その時に生きていられたら――…。


 あなたの希望に添うように、するわ。


ヴェス。
愚図ってても、死んじゃうんだろうけど。



私には、何もできないよ。
セシ兄は、私のこと、見てないもん。


私は、ヴェスみたいに。

まっすぐに気持ちを伝えることなんて、出来ない。


どうすればいいか、わかんないもん。


だから 諦めるのか?

だったら 厚意に あぐらでもかいてればいいさ。
言葉じゃなくても 出来ることくらいあるんじゃないのか?

モラトリアムは 長くないぜ


─…っ

[心で呟いたことに、返事が返ってくるとは思わなかったから驚いたものの。
何故、と思わなかった自分もいて。]


…諦めたく、ない。

私のこと、見てなくても、子供扱いでも。
セシ兄に、笑ってて欲しい。

…ありがとね、ヴェス。

ヴェスも。諦めないんだね。


さて――

[聞こえるということ、伝わるということ。一呼吸の間にどうでも良くなって]

どうだかな。
願っても動いても叶わないことは あるからな。
要は 自己満足出来るかどうか それだけだ。

だから――礼を言われる筋合いはない。

[いつものようにざくりと切り捨てて]

まぁ――脈はなくもないんじゃないか?

[皮肉るように言って話を打ち切った]


うん、それでも。
ありがとう、ヴェス。

脈?
─…ないよ、絶対。

セシ兄があのひとのこと、忘れるわけないじゃない。

[もう話す気はないだろうヴェスに、それでも礼を言って。
儚い笑みをたたえたまま、彼の言葉を否定した。]


漂白工 ピッパは、メモを貼った。

2010/07/04(Sun) 01時半頃


【人】 漂白工 ピッパ

―― 墓場の小屋・少女の部屋 ――

 ……っ、ァ

[どれ程の時間、眠っていたのか。
 女は何度も、夢を見た。
 そのうちのほとんどは、悪夢、だ。
 そして決まって睡眠麻痺(金縛り)がついて回る。]

 ……あぁ

[だから、漏らす声は酷く憔悴していた。
 頬に残る涙の道筋を、指先で優しく拭い去る。]

 ……

[一番最初の夢が、妙に鮮明だった。
 未だ過ぎたばかりの現実だからだろうかと整理をつける。
 何時も、こうだ。
 女は現実と夢の狭間を数多の表情でクロールする。]

(312) 2010/07/04(Sun) 01時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

[自身の笑い声で起きる事もあれば、
 叫びで起きる事もあった。

 そして鮮明な夢は何時も現実の時間を暫し奪う。
 心を縛って、離さない。]

 ………なんでかなぁ。
   やっぱり私のせい、かなぁ

 ……

[漏れた弱音は、諦めに近い色を灯す。
  >>235 去来する過去は『殺せ』という人伝いの噂。
 現に面と向かって、『死ね』と言われた事もあった。
 そして今、リンダが夢の中、『死ね』と言い放ったのだ。]

 ごめん、ね――

[そんな事を言う子では無いと解っていても。
 漏らさずには居られぬ、謝罪。]

(318) 2010/07/04(Sun) 02時頃

【人】 漂白工 ピッパ

[ベッドの上で暫し膝を抱え丸まっていた。
 時折鼻を啜る音だけが小さな部屋に響いていた。

 夢が現実に少しずつ薄れていくと、
 漸くベッドからそっと足を地へつけた。
 傍に置き放ったままのバケツを手に取ると]


 行かなきゃ――


[水、とギリアンから受けた事をすべく、部屋を後にする]

(324) 2010/07/04(Sun) 02時頃

【人】 漂白工 ピッパ

―― 墓地 ――

 っ、と

[水の入ったバケツを両手で抱えながら
 墓地の隅に現われた女の姿。
 此処に長い年月建っていそうな墓標から
 少しずつ、少しずつ、水を掛け始める。]

 ……へぇ

[きっと気のせい、だろうが。
 水を浴びて墓石が少し陽光に煌いてみえた。
 それが喜んでいるようにも見えて――。
 女は柔らかく、微笑した。]

(333) 2010/07/04(Sun) 02時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

[呼ぶ声がした。
 何処かで聞いた事のある、声。
 ゆらり振り向けば]


 ソフィア―――?


[ぱち、ぱち、と緩やかに瞬いて、名を呼んだ。]

(339) 2010/07/04(Sun) 02時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

[深い辞儀に一寸遅れて返したのは、浅い辞儀。
 すぃと視線を逸らし、墓標へ戻す。]

 こんにちは。

[返す声は、淡々と。
 別にもう、ソフィアに対し蟠りがある訳では無くて。
 吐き出した言葉の手前、
 向ける表情を持ち合わせていないだけ。]

 ……そんな、崇高な物じゃないよ
   ただの、お手伝い。

[だから淡々としては、居ても
 あのとき、森で向けたような鋭さも、冷たさも無い。]

(342) 2010/07/04(Sun) 03時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 ………詩人?
 さぁ――。

[少し呆れたような吐息を漏らした。
 双眸を細めて、連なる墓標を臨む。]

 始まりを見た事が無いの。
 何時も、終わり。

 だから。
 ……誰かの言葉を借りて、酔うなんて
 到底―――。

[小さく左右に首を振って、少しだけ笑った。]

 ……ソフィアは、お参り?
 

(349) 2010/07/04(Sun) 03時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 ?

[不思議に思った。
 墓場、では無かったのか、と。
 けれど笑う様子に、まぁそういうものなのだろうと
 深くは追求せずに。]

 ……伝えたい事?

[続く言葉には、ちら、と視線を向けて
 続きを促すよに問い掛けた。]

(352) 2010/07/04(Sun) 03時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 嫉妬?

[リンダの墓標がある方向へ一度視線を移し、
 ソフィアへと移す。
 カラダをゆっくりと其方へ振り向かせて。]

 行き成り、何、言ってるの?
 ……悔しいとか、
  ……真実とか、

 ……嫉妬、とか。
        よく、意味が解らない

[信じられないといった態で、首を左右に振った]

(357) 2010/07/04(Sun) 03時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

[けれど真っ直ぐな眸と、続く言葉。
 緩やかに振った首は真ん中で、静止した。]


 …………本気で、謂ってるの


[病気、の噂はもう既に村中に蔓延しているのだろう。
 だから、では無いかと思っている、声。]

(358) 2010/07/04(Sun) 03時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 …

[ソフィアの言葉を受け、
 じっと見据えたまま、失った音。]

 私は。
 ……そんなこと、い、
 いきな、り

   ……謂われても

[つい、と視線を地へと逃した]

(362) 2010/07/04(Sun) 04時頃

漂白工 ピッパは、ゆっくりと顔をあげて、こく、と喉を鳴らした。

2010/07/04(Sun) 04時頃


【人】 漂白工 ピッパ


 そんな、資格、無いよ――。

[上がった顔は少し寂しげな笑み]

 もう、やめてよ
 ……此れ以上、私を傷つけないでよ

 恋をした、なんて。
 …………今度は何、考えてるの?
 貴方は一緒、を望むのに、
 リンダには何て伝えたか、覚えてる?

[罵声にならぬように、必死で声色を抑えるが。
 何時もより、畳み掛けるような声になってしまう。]

(365) 2010/07/04(Sun) 04時半頃

【人】 漂白工 ピッパ




  貴方の言う、大切って。
    他の何を犠牲にしても


   ―――、手にしたいものなの?

[ねえ?と問う頃、眸からは一筋。
 涙がぽつりと地へ流れ落ちていった。]

(366) 2010/07/04(Sun) 04時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 怖いのは、貴女、でしょ?
 ………独りになるのが、

 ……自分を包むものが
 何も、無いのが、怖いだけ、でしょ……?

[す、とその場にバケツを置いた。
 薄桃をさらりと後ろへ追いやり、深く息を吸う。]

 私は、あれからずうっと考えてた。
 貴女は、リンダの為に
 ……わざわざ嫌われ役を買って出たのかもって。

 私の知っている貴女は、
 ……知っている貴女なら、きっと。

 そうかもしれないって、思った。
 

(369) 2010/07/04(Sun) 04時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 でも、違ったね。

[違う、と零す表情は酷く優しかった。
 はら、と涙を零しながら、何処までも優しく。]

 誰かの悲しみが無きゃ
 成り立たない優しさなら

 ……幸せなら。

 私はそんなもの、要らない。

[はっきりと告げ、そのまま小屋の方へ歩き出した]

(370) 2010/07/04(Sun) 04時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 ……ッ

[待て、という声に振り返る姿には
 怒りを露にした表情が在る。]

 じゃあ、何?
 誰の為?
 ……まさか、ピッパとリンダの為だとか
 今更言い出す、心算?

[ぷちん、と何かが切れた音。
 多分もう、止まらない。
 リンダは、泣く、だろうか。
 視界の端に入る墓標につきんと心が痛んだ。]

(374) 2010/07/04(Sun) 05時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 幸せに死ぬことを望んで何が悪いの?って?
 悪くないんじゃない?

 ……リンダのカラダを借りて、
 そっくりそのまま、あんたに返してあげようか

[内心自嘲した。
 嗚呼、私は此処まで酷くなれるのだ、と。
 その時、女は醜悪に、口許の笑みを繕った。]

(375) 2010/07/04(Sun) 05時頃

【人】 漂白工 ピッパ

[くす、くす、くす、と笑う。
 琥珀の眸は二つ。
 確りと開かれ、その中にソフィアを捉えている。]

 じゃあ、

[握った左拳で自分の左胸を柔く叩いて]

 ―――、殺しなさいよ。
 リンダが望もうが、其れを奪おうとした癖に。

 恋をした相手には、選択を赦すって?
 ……それこそ、泣きながら、苦しみながらでしょ?
 違う―――?
 

(378) 2010/07/04(Sun) 05時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 今の貴女に殺されるなら。
 同じように奪われるなら。
   ―――、私、きっと幸せに笑えるよ?

[両腕を広げ、薄汚く笑い続けた。]

(379) 2010/07/04(Sun) 05時半頃

【人】 漂白工 ピッパ


 …

[何を謂っているのか、と言う。
 その眸に、笑みは消えた。 広げた両腕を降ろし]

 もう、いい。 貴女は結局、そうだから。
 率直に、言う。 ………私は貴女の事が、大嫌い。

[>>0:@68 何時かと同じ、言の葉。
 けれど明らかに違うのは、女とソフィアの距離。]

 幸せな時間は、与えて貰うのを待つものじゃない。

 自分から、作るものだから。
 ……笑っていた、あの子のように。

[完全な拒絶の言葉を返し、
 バケツを取りに戻ると一切其方を見ぬまま、小屋の*中へ*]

(382) 2010/07/04(Sun) 05時半頃

漂白工 ピッパは、メモを貼った。

2010/07/04(Sun) 06時頃



 私は何を誤っているのだろう。
 


 好きなのに、こんなにも大切なのに
 私の言葉はナイフになってしまうんです。

 器用な恋愛なんて出来なくて。
 いつもいつも、付き合った人を捨ててきた罰なのでしょうか。


 甘い誘惑でもなく、
 快楽でもなく、

 もっともっと純粋なものが私には分からない。


 腫れ物に触るように接するなんて誠意が無い。

 私は正直です。何処までも正直です。

 そう、私が正直になればなるほど、嫌われてしまう。



 もう、一層―――死んでしまいたい。
 


 そんな、絶望感に、苛まれています。

 だけど、私にとってピッパという人はとても大切で。

 大嫌いな私が死んでも泣いてなんて呉れないかもしれないけれど

 それでも…――


 もしも、万が一
 
 ピッパさんが私を亡くしたことで悲しむこと

 その可能性がある、限りは

 私は、未だ、死ねない。



 私は……

 私は、

 何を、誤っているんだろう。
 


 パパ、ママ。
 はじめての恋で、めげそうです。

 だけれどパパとママが病に苦しみながらも
 最期まで必死に生き抜いたことを忘れない。

 私も苦しみながら、もがきながら、
 大切な人の幸せを――**


[何処からか響く声が、砕け壊れた魂に響く。]

 あなたは、立派よ?
 逃げなかったんですもの――。

 真っ直ぐに向かったんでしょ。

 思うところを、気持ちを伝えるため、に。


 私は逃げた、卑怯にも、自分の気持ちを隠して逃げたの。
 好きだったの、愛していたのに。



 怖かった、から。


 逃げた結果――。





 生まれたのは、別れ。

 あの頃に戻って、自分を変えたいと。

 何度後悔の涙を流したかしれない、わ。



 そして、私の死は直ぐ其処まで迫っている。
 私の心は壊れたまま――




 10年以上も
 深い深い疵を負った心の底で。

 ――時を止めたまま眠っている。


 でも、あなたは――。
 勇気をもって、想いを告げたの。

 
 最期まで生き抜くために――。

 最期の時を後悔しない、ために。


 それは――…。
 とても、大切なこと。



 あなたが、生きた証、よ。


 あなたの想いが届いて、――…。
 少しでも、あなたのために。

 大切な人が心を動かしてくれる事を。

 私も祈る、わ。






 あなたは私の鏡のような存在だから――…。


.


【人】 漂白工 ピッパ

― 墓地の小屋・少女の部屋 ―

 …

[ベッドに腰掛けて暫くの間。
 静寂は物思いの為の僅かな、時間。]

 きっと。
 他にも、言い方、あったよね。
 ……リンダなら、どうしたかなぁ。

[漏らしたのは、弱音。
 こんな時に頼ろうとするなんて卑怯だろうか。
 自嘲しながらゆっくり立ち上がれば
 一度、小屋を後にする。]

― 墓地の小屋→自宅 ―

(393) 2010/07/04(Sun) 14時頃

漂白工 ピッパは、メモを貼った。

2010/07/04(Sun) 14時頃


【人】 漂白工 ピッパ

― 自宅 ―

 ……ッ

[自宅へと辿り着き、扉の前で足は止まる。
 中から届くのは、父と母の怒声。
 伸びた手が扉を開こうとしたまま宙に在る。]

 別に、いいのに――。

[薄ら届く内容に微笑した。
 そしてそっと、扉を開く。]

 ただいま

[すぐ其処に父と母は居て。
 両者とも息を荒げて居り、父は母の胸倉を掴み
 母は頬を赤く腫らして、泣いていた。]

(396) 2010/07/04(Sun) 14時頃

【人】 漂白工 ピッパ

[父は言葉を返さなかった。
 ただ、一度。
 実の娘を、忌み者を見る目で一瞥した。
 
 母は泣きながら唇を振るわせた。
 おかえり、と。待って居たのだ、と。

 一緒に、と言い掛けた母の言葉を父が遮った。]


 ……別に、いいよ。
 私は、何処へも行かない。

[父は恐らく言うのだろう。お前は連れていけない、と。
 ある程度の予想はしていた。
 閉じられた村社会なんて、所詮そんなものだ。
 そうでもしないと、父は母を護れない。]

(397) 2010/07/04(Sun) 14時頃

【人】 漂白工 ピッパ

[父が、母が。 酷く小さく、見えた。
 あんなに大きくみえた父の背中も。
 包んでくれる優しさの、母も。

 今はこんなにも、小さかった。]

 ……父さん。
 間に合わなくなるよ。

 お母さんを、御願い。

[女は、笑った。
 上手く笑えただろうか、と自身に問い掛ける。
 けれど誰もそれを評価してくれる人など居ない。

 母は、可笑しくなる位、大きな声をあげ、
 顔をくしゃくしゃにして、泣いた。
 父も一瞬、悲しみで歪んだように、見えた。

 きっと―――、気のせいだろうけど。]

(398) 2010/07/04(Sun) 14時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 作業は、何処までやってあるの?

[不意な問い掛けに父も母も、此方を凝視した。
 あ、あ、と母があたふたする。

 父がそれを手で制し、静かに作業場を指差した。
 伝う途中の作業工程。
 父の声は、僅かに震えていた。

 女は、微笑して―――緩く頷いた。]


 ほら。……急ぐ、急ぐ。
 街に行ったら、少しゆっくりして来て。

 お土産、待ってるから。

[傍に纏め置かれた荷物を強引に父へ、母へ。
 押し付けながら、扉の外までその背を押した。]

(399) 2010/07/04(Sun) 14時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

[静かに扉を閉める。
 少しの間、母のすすり泣く声がした。

 それも父の声を切欠に遠のいて。
 やがて二人の気配は完全に、無くなった。]

 ……

[扉を背に、ずる、ずる、とへたり込んだ。
 膝を抱き、顔を埋める。]

 あーあ。

[そっと顔を上げ]

 ―――、広かったんだなぁ。

[独りの我が家を見回して、笑った。]

(400) 2010/07/04(Sun) 14時半頃

【人】 漂白工 ピッパ

[どれほどの間、膝を抱えていたろうか。
 立てぬ女の意識を現実へと引き戻すのは]


 『こつ――、こつ――、』


[背後、扉を叩く音と
 数人は居るかと思われる、男性の声。]

 はい。

[答えて、立ち上がり、扉を開いた。]

(401) 2010/07/04(Sun) 15時頃

【人】 漂白工 ピッパ

[其処に居たのは軽装の自警団員達。
 皆、一様に緊張の面持ちで、女を見ると余計に
 表情を堅く、強張らせた。

 そして威嚇するような声で言うのだ。
 噂 >>237 にしか過ぎぬ事を、実しやかに。
 それが普遍の事実で、
 今正に村を襲う、悪魔の仕業であるかのように。]


 ――。

[女は、ゆっくり、俯いた。]

(402) 2010/07/04(Sun) 15時頃

【人】 漂白工 ピッパ


[ 嗚呼、そう、か。

 リンダも――。
 父も、母も―――。

 そして、自警団員(こいつら)も。
 全て、私が。

 嗚呼。

 そうか――。
 そうか、そうか……。

 そうか、そうか、そうか―――。 ]
 

(403) 2010/07/04(Sun) 15時頃

【人】 漂白工 ピッパ


 は、ははは――、

[笑い声にざわめく自警団員達。]

 の、のろっ
 ―――、呪ってやる、よ

[顔を上げた女は、醜悪に]

 私と同じ、
 あっ、 あんた、 たちが望む、
 ―――、永遠の眠りに引きずり込んでやるよ

[泣きながら、笑う。
 あは、あはははは、あはははははははははは!!
 何処で歯車は狂ったのか。やっと。
 "この村が、好きだ"と云えるように、なったのに――*]

(404) 2010/07/04(Sun) 15時頃


 あは、
 あははは、
 あははははは!!
 
 ―――、っ

 あははははははははははははははは!!!
 


漂白工 ピッパは、自警団員達が怯え去っても、暫くは扉の傍で*笑い続けた*。

2010/07/04(Sun) 15時頃


漂白工 ピッパは、メモを貼った。

2010/07/04(Sun) 15時頃


[サイモンがあげた狂気の哂い声――。

でも、女の耳には、
それとは別の、狂ったような女の哂い声も届いた気がして――]

 ――…。

[周囲を見渡しても、女の姿は見えない。

何処か痛々しく感じる女の哂い声が、ただ耳に残った――**]


 鏡…―――

[ぽつ、と呟く。
 彼女の言葉に対しての、感想が、喉元で引っ掛かる]

 貴女は、

 つらかった、でしょう。

 ぶつけようの無い、想いを抱えるのは

 とても残酷だわ――


 ある妊婦が、隣の魔女の家のラプンツェルという果実を
 食べたくて仕方なくて、
 夫は「ラプンツェルを食べさせなければ死んでしまう」と
 魔女に乞いました。


 魔女は生まれてくる子と引き換えに、
 ラプンツェルを好きなだけ食べて良い、と言いました。
 そして生まれてきた子は、魔女に浚われてしまいました。


 子はラプンツェルと名付けられ、
 外に出られないように、塔の上で育てられました。
 魔女はラプンツェルの長い髪を伝って、塔に登り
 それが魔女とラプンツェルの会う唯一の方法でした。


 ある青年が、ラプンツェルの髪を伝い、塔に登りました。
 二人は一目見て、互いに惹かれ合い、何度も逢瀬を重ねました。
 口付け、身体に触れ、深みを知る。
 背徳的な逢瀬。


 ラプンツェルが子どもを孕んだと、知り、
 魔女は怒り狂って、ラプンツェルを塔から追い出し
 遠く遠くへとやりました。


 青年はラプンツェルの行方が分からず、
 絶望して塔から身を投げ
 失明してしまいました。


 それから暫しの時が経ち、
 ラプンツェルは、双子の男女と一緒に暮らしていました。


 青年は、ラプンツェルと再会し、
 ラプンツェルの流した涙によって、
 青年の目は奇跡的に再び光を取り戻しました。


 そうして二人は、しあわせに、なりました。
 めでたし、めでたし。



 ……とってつけたようなハッピーエンドね。
 世界はそんな風に幸せに巡る筈が無いのに。

 ラプンツェルが子を孕んで
 青年が失明して
 かなしいかなしいおしまいにすればいいのに。


 貴女も、そう。

 姿を消して、
 互いの居場所も分からずに、
 絶望して、
 後悔して、

 ……世界の全てがハッピーエンドになるわけがないのだわ。





 そうと分かっていても
 無慈悲な世界に生きても、
 それでも、

 幸せを願うのが、人なのでしょうね。
 此の物語を幸せに終わらせた、著者のように――。


[残響が掠める哄笑には、唯]

 ―――…。

[瞳に陰りを落とし、その眸を細めるだけ]


 幸せな、終りは――
 望んでも手に入れられないわ。
 
 それを望んでも、得られるのはほんの一握りの人だけ。
 多くの人にとっては、それは儚い願い。

 いいえ、一握りの人にとっても、他の人からみれば幸せなだけで――。

 本当は幸せではないのかもしれない、わね。


 でも、縋ってしまう。


 最期だから、特に――。

 幸せな終りを……。


 幸せなんてものは
 憧れる為に在るのかしら。

[ぱちり、と、瞬きをした]

 縋ってしまう、か。
 そうね。

 ……そう。

 なんだかんだ、言っても、
 それを望んでしまうのね――


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