276 ─五月、薔薇の木の下で。
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≪それ≫が、キミの 紫陽花?
[ 『こっち見ろ、莫迦』と、謂いたい相手?
彼と彼の瞳は合っているように思う。 ]
ならば、もうあとは奪うだけ。
多少強引にだって、いいんだよ、今は。
───だって、手に入れたいんだろ?
[ どろどろと甘い、胸を焼くような
薔薇の匂いが、モリスを包み込む。 ]
[ 薔薇の荊蔦は沈む身体を捕らえ、
純白には程遠い"小麦"の膚を 柔く疵付ける。
馨る泥に全身を浸す様な 、
─── 甘美な快楽が、其処には 確かにあった。
"天使"の訓戒も、 "悪魔"の歌声も、
総てが甘やかに脳を掻き混ぜ、]
──── "善いものをくださるのですね"
──── "何時ものように 良い子にします。"
[ 夢見る呟きは、──もう低い"男"の声では違和感さえある
舌ったらずな響きをもって、
"誰もいない"部屋に ぷかり と 浮かぶ。
─── 揺り動かすのは過去の記憶。
清算されない純潔の罪だ。]
[ 薔薇の精が離れても、
夢の荊蔦は "誰か"の手を記憶のままに模倣し、
指先を捉え、 腰を撫で、
軈て、"穢れた"中心へ達する。
───あまい あまぁい 悲鳴は、
だれの耳にも 届かない*]
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―廊下―
[食堂を目指しかけ、そういえば談話室にチーズタルトがあると聞いたのを思い出し。先にそっちを取りに行こうか考えて彷徨う。]
ん。
[うろついているとシャワー室近くで驚かれたような声。>>75 髪を結わえない、裸足のパジャマ姿に、相手を認識するのにかかった時間数秒。身なりは整えている印象の強い相手だったから。]
……マーク。 朝食……夜食?摂ろうかと。 そちらは、シャワーに?
[どうしてここに、の問いに、真意とズレた回答。場所も手伝い、寝起きでさっぱりしてから色々整えるのかという予測。**]
(79) 2018/05/19(Sat) 16時頃
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―現在シャワー浴びている先輩とは―
[パン作りが得意な先輩のことは、ロビンも話に聞いていたし、級友に混ざってパンを貰い、もくもく食べていたこともある。
ある日調理室を通りかかったら、パンを作っている最中だったので。]
……見学させて頂いてもいいですか。
[なんとなくの興味。 駄目だと言われたら、頭を下げて出ていっただろうが。
許可を得られたら、邪魔にならないよう黙りこくっているから、実に静かな空間が形成されたことだろう**]
(84) 2018/05/19(Sat) 16時半頃
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ロビンは、モリスに貰ったキーホルダーは、四角い。
2018/05/19(Sat) 18時半頃
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―廊下―
他にも早起きがいるんだな。
[横目で見たシャワー室の明かりはついていて、人の気配がしていた。]
……時計も見たら、そろそろ明るくなってもおかしくない時間だと思ったんだけど。……暗いな。
こんなことも、あるらしい。
[小さく頷いた。空がおかしくなっていると疑うより先に、自分や家電を疑うのは普通の反応だろう。何気なく窓の外を眺めると、眠る前と比べても月の位置は変わっていないように思えて。]
…………。
[何とも言えない顔になる。**]
(107) 2018/05/19(Sat) 21時頃
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ロビンは、イアンよりも背が低い。
2018/05/19(Sat) 21時頃
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ん……
[常識が邪魔をして、怪異などまさか、と思う。しかし、マークもよく寝たと言っているわけで、笑い飛ばせない物があった。……何だろう、何が起こっているのだろう。>>112
答えは見つからないまま、新しい人影。]
あ、ケヴィン先輩。 僕は通りすがりですので。
[先輩らしく襟を正そうとしている様を見上げ。 動いた時にふわり、漂う花のような香り。>>109
そんな匂いの石鹸でも使ったのかと、シャワーの後だから然程気にはならず。しかしこの先輩から小麦以外の匂いがするのは珍しい。*]
(121) 2018/05/19(Sat) 22時頃
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――……、
[ヴェルツ。呼ばれた先に、彼がいるのならばと視線を向けた。
けれど、呼びかける言葉は出てこない。
渦巻いているのは感謝と謝罪に似た感情だけれど、ありがとうもごめんもそぐわない気がした。
ただ、思い返すのは、どろどろと胸の奥に溜まって自分の中を染め替えるような、甘い甘い薔薇の香り。]
俺が手に入れたいのは、紫陽花じゃなくて。
紫陽花の隣だ。
[紫陽花の花は、一輪では咲かない。
小さな花が、己を飾って寄り添いあって、ようやく見知った姿で咲ける。
その、寄り添う隣を、手に入れる。
奪ってでも。多少、強引にでも。
ここにいると、こっちを見ろと、振り向かせて。
独白のように呟いた言葉。薔薇の精には届かなくても、いいつもりで。]
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…………。
[行かなくて大丈夫か。 その言葉に、元々部屋を出た目的を思い出す。>>149
何が起きているのだとしても、空腹ではいざという時に力がでない。実はあまり空いていないが、詰めておいて損はない。]
……うん、大丈夫じゃないな。 補給してくる。……では。
[マークに頷き一つ。ケヴィン先輩にも会釈して、ゆったり歩き出した。**]
(169) 2018/05/20(Sun) 01時頃
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[ 中庭の二人と、図らずしも同じ構図をとっていると思いもしない。
緑を踏んだ時に呟かれた言の葉()を
ただ、思い出していた。
手に入れたいのは、紫陽花の隣。
紫陽花そのものではなく、その隣の場所だと。
人はおかしなことを考える生き物だ。
それもまた人の──彼の
想う、心の、かたちなのだろう。
悩み、押し殺し、隠して生きれば生きるほど
彼らの中には美しいものが詰まっている。
俺はどうやら、空っぽだ。 ]
[ 独白めいた響きであったから
言葉を返すことなど、なかったけれど。
見せずにいた顔は確かに
笑っていた。
モリスが望むものを手に入れたなら。
いっちゃんが望む姿を見せられたなら。
それ以上の事が、あるはずもない。
その形がどうであれ。
風景の《薔薇》は彩りに変わるだけ。 ]*
[ 良い子にしていると呟いた()
あの幼子(おとこ)はどうしているだろう。
首筋に降った薔薇の花弁は
洗い流しても、そうそう落ちはしまいが。
罪も、水で洗い落とせるものじゃない。
彼に詰まったものも、中身は知らねど
ぎゅうぎゅうと美しいものが詰まっているんだろう。 ]
[ ひらり、夜風は凪いでいるのに
はらり、薔薇の花弁が舞う。
ふたつ、ひとつ。 ]
[ そんなキラキラした記憶を思い返しながら。
平気で他者に口付けようとする、俺こそ。 ]
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[背にかかる声に、去りかけた足を止めてゆるりと振り返る。まだ声の届く距離。>>221
いつもよりも言葉が多く、自然な笑みを浮かべる先輩。小さな違和が降り積もる。変化すること、そのもの自体は厭いはしないけど、その変化には胸がざわついた。
色香と……どこか、不安を伴うような。
言われた言葉が忠告なのか何かの例えなのか、計りかねたけれど。>>221>>222]
(224) 2018/05/20(Sun) 11時頃
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……少しくらいの疵なら平気です。
[そんな状態になったら、愚かなのかもしれなくとも、きっともがくだろうと思う。
礼をして、今度こそその場を後にする。 無口な先輩の微笑が、胸に残った。*]
(225) 2018/05/20(Sun) 11時頃
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―廊下―
[シャワー室から離れてすぐの廊下で。]
ん。お……
[走る同級生を見た。>>223 挨拶しかけたが、考えごとに夢中なのか脇を走り行く。]
……おい、廊下走るな。
[果たして声は聞こえたか。**]
(226) 2018/05/20(Sun) 11時頃
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[ 薔薇と、紫陽花とは違う。
雨に濡れながらも、寄り添い咲くのが紫陽花とすれば
蔓を絡ませ棘で傷付けながら、一人咲くのが薔薇。
中庭にあるただの花(おれ)に
誰が愛を囁くというのか。
棘で傷付くだけの薔薇(おれ)に
誰が寄りそうというのか。
咲こうとしていた蕾をもぎ取り
迷いも無く握り潰した。
溺れるような花の中――― ]
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―廊下―
ん?
[立ち止まる同級生は絵の道具も持たず、必死な様子。>>263]
……ああ、うん。 空いている。 どこか、行く所だったか?
[付き合える、と頷いて。 行く予定があったならついていくつもり。*]
(266) 2018/05/20(Sun) 21時頃
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ロビンは、ピスティオにひっばられていく。
2018/05/20(Sun) 21時頃
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………………。
[たいへんだ。 ピスティオがとちくるった。
何を言われたか、理解した頭に真っ先に浮かんだ失礼な感想。表情には出さず……出せず、固まった。>>277]
……えっと。さすがに、驚いた。
[ようやくそんな言葉を絞りだし。]
……額か、頬か、手の甲か。く……唇、とか? ……場所によっては、不可、だ。
[珍しく、動揺で声が詰まる。それに気がついて、余計に恥ずかしくなった。*]
(279) 2018/05/20(Sun) 21時半頃
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ロビンは、フェルゼくらい背が高ければキスもしやすいかもしれない。
2018/05/20(Sun) 22時頃
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……うん。
[どういうつもりか、冗談か、おふざけか、それとも……告白か。一体何なのかを確認してから対処しようと思っていたので、額と聞いて、幾分か落ち着いた。どうやら告白ではなさそうで。>>284
冗談だよ、とふざける様子もないので、何か理由があるとみて。]
……よし。
来るなら来い。
[腕を組み、目を閉じた。*]
(292) 2018/05/20(Sun) 22時半頃
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…………。 何、探ってるんだ?
[キスをしやすかったのだろうか。 何度もされたデコを撫でる。>>295 言い分から、何か確かめようとしていることはわかって。]
なんだ、他の箇所もとかいうのか? もう、好きにしろ。
[自棄になっているというわけではなく。 受け止めてやると言わんばかりに構え。*]
(298) 2018/05/20(Sun) 23時頃
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可愛い? そんなこと言われたのは初めてだ。
[どちらかと言えば、男前と言われた方が嬉しい。>>306
が、しかし。]
……っ、おい……?
[顔が近づいて、止めかけたのに止まらない。>>306
そこは、ちゃんと好きになったら用、ではなかったのか。>>284
だからそこにはしないだろうと高を括り、好きにしろと許可したのに、伝達に問題があったらしい。ふにふに触られた唇に、唇を押し当てられ。]
(309) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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…………。
[しかし、今更「そこは駄目なつもりだった」と言っても後の祭り。
表情の堅い顔が熱くなるのを感じつつ、二の句が告げられずにいた。*]
(310) 2018/05/20(Sun) 23時半頃
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ロビンは、ピスティオをまじまじと見ている。
2018/05/20(Sun) 23時半頃
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……しちゃったな、じゃない、ばか。
[何でもないように笑いやがって、と口を引き結ぶ。>>314 気を紛らわすよう、ずれてもいない眼鏡の位置を直した。]
……気持ちいいかの、実験? 全く……まったく。
[何だか、何を言っても今は格好がつかない気がした。*]
(317) 2018/05/21(Mon) 00時頃
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