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― 夜 ―
[静まり返る町と路地。
人々はみな眠りに就き、夜明しの人間も外の変化に気付く事はない。
時計の長針と短針が仲良く重なり合う頃、どこかでねこが、にゃあと鳴いた。]
[ cafe & bar ]
[ Twilight ]
[揺れる看板には、昼間とは違う文字が現れる。
しかしそれは誰かが書き加えた物では無く、昔から刻まれていたかのような顔でそこにあった。
明かりのついた店の窓に人影が揺れても、きっと誰も気づかない。]
― cafe & bar ≪Twilight≫ ―
やー、悪いね。
休みの日だってのに来てもらっちゃって。
[カウンターの前の、背の高い椅子。
そこに陣取る店主は、今はグラス片手にすっかりだらけきっている。
先ほどまではきちんと掃除をしていた筈…だったのだが何時の間にかエプロンを外し、煽るのは何杯目かのアルコール。
店主が握っていたであろうモップは今は壁に身を預け、臨時の休憩を言い渡されて居た。
店内のイスやテーブルは隅の方に積み上げられ、床はまだ濡れたまま。
客は居ない。定休日だ。
勿論店員もそれに伴い休みを設定されていた日付だったのだが、何故かスタッフ全員、出勤を余儀なくされて居る。
店主からの緊急通達は、]
『掃除するから、汚れてもよさそうな服でテキトーに来て。』
[緊急でもなんでもないゆるい用件と、潰れた休み。
不満を投げられても、店主は何時もの調子で笑うだけ。]
− cafe & bar ≪Twilight≫ −
[ふわふわと、ほんのりアルコールで酩酊する頭を揺らし、
けれど足取りは迷うことなく通い慣れた職場へと向かう。
呼び出しに気づいたのは、いつものように
『バー ファミリア』で飲んでいた時のこと。
どうにも性質の悪い男に絡まれ、
まじで蹴りかかる5秒前の着信はトレイルを救ってくれた。
――色んな、意味で。]
ホレさーん、それ全然
悪いと思ってるように聞こえなーい
[やや間延びした声を上げて、店内の惨状と店主に肩を竦める。]
[暴力沙汰を起こし、
『ファミリア』を出禁になることは免れたが
一難去ってまた一難。]
つーか、風呂敷拡げすぎでしょ……
これどっから手をつければいいの?
[びしょびしょの床と、
すっかりできあがってる店主へ呆れた視線を向けて。
スニーカーの踵を鳴らし近づくと、
手にしているグラスを半ば無理やり奪おうと手を伸ばす。
この半端な状況、どこから片付けようか考えて
まずは飲み足りない酒を身体に補充し、難を興に変えようかと。]*
[しゅるしゅるしゅる。
音を立てて蠢くのは、全長3m程の黒蛇である。
尻尾の先にモップを被せ、手の届かない狭い場所に突っ込んだ。
そのまま器用に拭いてゆく]
あー、俺も飲むー
[頭の部分はテーブルまで伸び、ウィスキーの瓶に絡みついて、器用に蓋を開ける。
そのままロックグラスへと注ぎ、ぴちゃぴちゃと舐める。
酒を飲みつつ掃除もする手腕である。手は無いが]
床組は頑張れよー
[床の惨状を見つつ、酒を舐める。
面積が広い部分は、手が有る奴が頑張れば良いのである。
自分も人間体になれば良いのだが、それはそれ]
――cafe & bar ≪Twilight≫――
[掃除だの片付けだのは、力仕事で、得意分野。
得意分野だけれど急の呼び出しは想定外で、今日も今日とて天邪鬼は若干不機嫌だ。
というのも、今日は珍しくゲームにログインもせず買い出しなんぞに時間を割いていて、さてこれから葉野菜と根菜でも炊いて鍋いっぱいにスープでも作るかなというタイミングだった。
小鬼は食わねば死ぬし、それで食うのがこの店の何やらというのは避けたくて、人並み程度の飯は作る。
仕事が増えるので、店員含む関係者には一度も言ったことがないし、そのためこの地味な不機嫌をどこにもやれない。]
酒。
オレにも。
[やけとまで言わないが、飲みたい気分だ。]
[酒の一杯でも貰えたなら、それをガソリン代わりに取り敢えず床を広げる作業をしよう。
テーブルの上に椅子を乗せたりと、まとめて片付けていく**]
そーお?
僕なりに精一杯謝ってるつもりなんだけどなー。
[出勤した店員
まさか気まぐれの通達がそんなお助けになっていたとは思いもせず、出来上がった店主はアルコールをもう一口。
昼は喫茶店店主として。しかし本業は、夜営業のバーテンダー。
酒を提供する職業の者が職場で出来上がるのもどうかと思うが、男のグラスの中身はそれなりに度数の高い物であった。
だからつまり、しょうがないよね。って感じで。
グラスを奪わんとする手
普段と変わらぬ口調に見えて、これでもトレイル店員より酔っている。]
だいじょーぶだいじょーぶ。
ケーくんもコーちゃんもすっごい頑張っててくれてるし、終わるって。
[どうせちいさい店だし。
それに、ものすごく汚れて害虫害獣が出たという訳でもない。
…害獣の方は、ケイ店員に恐れを為して絶対に出ないのだが。
器用に掃除と飲酒を行う蛇
何やら不機嫌なコテツ店員
なに?
コーちゃんなんかのむ?
俺、超働いちゃう。
[酒を所望されれば自分の出番と、ふわっふわした足取りでカウンターに入って行った。
モップは壁に立てかけたまま、酔った店主はトレイル店員に更に一難与える事になっただろう。**]
[昔は、害獣も出ていた。
出ていたのだが。
蛇にとってはおやつにしか見えないそいつらを片端から丸呑みしていった結果
全く出なくなったのである
ちなみに一部の虫も丸呑みしていたので、出てこない]
[モップ尻尾がみょーんと伸び、今度は雑巾を装備。
壁の高い部分をごしごしと拭いてゆく。
何だかんだと全員酔っぱらいの掃除である]
おつまみでも作ろうか?
[もう食料品店は開いてないから、食材はここの冷蔵庫の野菜を使うしかないが]
[普段もっと美味しい物を飲み食いしている筈なのに、どうしてこの店員は拾い食い
駆除用の罠や薬を置かずに済むのは有難い事だが、いつか遭遇した丸呑み現場には、正直ドン引きの店長であった。]
じゃー、
ケーくんは、おつまみ担当ね。
[なかなかどうして、この蛇の作る食事は美味い。
ネズミ丸呑みとかするのに。
店長から彼への任務は掃除から厨房行きへ切り替わり、掃除担当はきっとまた一人数を減らす。
終わらなかったらどうするつもりなんだと、そんな事を言われたのならこう答えるだろう。
「今日の昼は臨時休業しよっか」と。]
いらない。
[オレにも、と言っておきながら、働こうとする店主
勝手知ったる(知らなきゃ困る)バータイムのグラスの配置。
ショットをひとつ取り出して、透明な酒を自力で注いだ。
度数の高い火酒を、一息。]
っし。
[景気づけってのはこういうものだ。
けふ、と息ついて、掃除開始
食い物作れよ。
[つまみを作りに行くケイに短く釘を刺して、あとはだんまりのまま、黙々と片付けと掃除を進めていく。人出を減らして終わらなくなるなんて、そんな殊勝な心配をする頭も口も持ち合わせちゃいなかった。
床がすっかり広がったら、トレイルに拭くよう頼んだか。
オレ自身はその積み上げた椅子だのテーブルだのを拭いていく。]
まあ、いーんだけど。慣れてるし
休日手当、つけてくれるんでしょー?
[ホレーショーから強引に奪った酒の中身は、
思いのほか濃いアルコールが詰まっていて、ひとくちだけで
喉がかっと熱くなり。
酩酊する頭をぐらり、傾け語尾が更にだらしなく伸びる。
といっても、全長3メートルには遠く及ばない。]
ケイってほーんと、器用だねえ
[今は文字通り、掴みどころがなくなった同僚へ向けて。
昼間、厨房でふるっていた腕がどこへ消えたのか、
ほかにも謎は多いが、謎のまま済ませている。
店主も、店員も、今や気が置けない存在で。
それだけで、トレイルには十分なのだ。]
[どれだけ悪態をついても、
呼ばれれば宴の最中でも駆けつけるのはつまりそういうことで。
それはきっと、ホレーショーにだって伝わっているだろう。
届いていなくとも、それはそれで構わない。]
おお、コテツかっけえ
[純度の高い酒を煽り、軽々と家具を移動させ広がる床に。
感嘆の息を洩らし、しぶしぶモップに手をかける。
何をどうしたって、動かなければ終わらない。
ひとまずはケイの作るつまみをニンジンに、働くとするか。
忠告は先にコテツがしてくれたから
トレイルやホレーショーの口に合うものが出てくる、はず。]
【人】 酒屋 ゴドウィン[残り少なくなったコーヒーとビスケットを齧りながら半年前の出来事>>7をぼんやりと思い出す。 (120) 2015/08/03(Mon) 23時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィン[この男は自分の店では誰の話に対してもそうする。 (121) 2015/08/03(Mon) 23時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィン君は…ブローリン君の。 (128) 2015/08/03(Mon) 23時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィン…そうか。亡くなったんだね… (137) 2015/08/04(Tue) 00時頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィン場所と酒を提供するくらいなら問題ないかな。 (147) 2015/08/04(Tue) 00時半頃 |
わかったって
ちゃんと作る
[コテツからの釘刺し
害獣つまみ食いは、所謂ジャンクフードなのだ。
高級料理ばかりでは舌が飽きる、ジャンクを食べたくなる時だってある。
ただそれだけなのだ]
へへ、器用だろ?
[トレイルからの言葉
蛇がうねり、とぐろを巻くと、鱗が捲れるように黒髪の人間が現れた。
原理としては、東洋の狐が化けるのと同じである。
さすがに料理をする時は手が欲しいので人間姿だ。
ジャージを来ている辺りは、ちゃんと掃除を想定していたらしい]
じゃ、マスターの指示通りってことで
[人間姿だがどことなくにょろにょろと、音もなく厨房へ]
さーて、何があんのか……おお
キノコ有るのか、いーじゃんいーじゃん
貝ねーかなあ……シュリンプは居る、と
[ごそごそと冷蔵庫を漁りつつ、消費期限を確認しながら積み上げて
メニューを考えていた]
[様々なキノコ類をフライパンに投げ込み、バターで炒める。
ここに貝が入ると美味しいのだが、無いので諦めた。
酒やコンソメで味を整えつつ、醤油を加えた。
漂うバター醤油の香り。東洋の神秘の味である]
[ついでにもう一品。
小エビをオリーブオイルで炒めて。
みじん切りにしたアンチョビとニンニクを加えれば、香ばしい匂いが漂った。
タマネギとプチトマトが追加され、華やかに。
アルデンテに茹でたパスタを加え、白ワインとバジルで味を整え、完成。
盛った後、チーズと胡椒を振りかけた。
ボリュームの有るオイルパスタの完成である]
出来たぜー
[キノコのバター醤油炒めと海鮮オイルパスタがテーブルに並ぶ。
野菜類の無いメニュー構成だが
肉食の蛇はサラダという観念が抜けがちなだけである。
要望が有れば、冷やしてあったコールスローが出てくるだろう]
なんか……酒のつまみどころじゃなくなったな……
[何故か完成したのは、がっつりと食事が可能なメニュー。
単に、蛇の腹が減っていたというだけの理由であった**]
【人】 酒屋 ゴドウィンシャーベットに…ワインに…ブランデーに? (176) 2015/08/04(Tue) 02時頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィンさて、それじゃ、買い出しに行こう。 (177) 2015/08/04(Tue) 02時頃 |
ええー?いらないのー?
[
まあ彼が頼まなくても、作るし。自分のを。
シェイカーもミキシンググラスも使わず手近な酒をビルドして、没収された一杯
ウォッカ少々を拝借して、共に注いだのは、薬草のリキュールがほんの少し。
ロックグラスに大きめの氷を浮かべれば、仕上がったのは、氷山の名を冠すカクテルだったか。
風味がついた物の殆どロックと変わらない度数のアルコールを再び煽り、しかし誰かに取り上げられたのなら、再びすんなり没収されただろう。]
はいはいきゅーじつてあて。
大丈夫、ちゃんと、つけとくから。
増しにしとくから。
[口調はどんどん溶けていく。
これでもきっちり従業員の出勤記録は付けて居て、そろそろノートパソコンでも導入してデジタル管理にでもしようかなあなんて、経営者はいろいろ大変なのだ。
勿論今日の出勤の事もきっちりノートにメモして、書いたのは酒で思考が揺れる前。
酔っぱらった日の計算は、ドンブリ勘定になりがちである。
雇用主と店員。彼らとはそれだけの関係であった。
のだが、緩すぎる店の為かどうにもそんな間柄を超えている気も、偶には、する。
するが別に悪くは思わないし信頼関係も築けているようで、
つまり、店長感激。
きょうも店員達で酒がうまい。]
[トレイル店員がここに勤めるようになったのは、さてどういった経緯だったか。
親はふっさりした耳としっぽであったにも拘らず、しかし息子の彼はつるりとした肌。
人狼の親に人間の息子とは、面白い事もある物だ。
養子と知ったのは意外とすぐに。
トワイライトの『前』の店長
前の店長の、知り合いか友人の、息子サン。
昔は子供だった彼と再び再会したのは、店長の称号が自分に引き継がれてから。]
[で、だ。]
ケーくん、これガッツリ夜食だね?
[仕上がったアツアツの炒め物とパスタを見れば、進んでいた掃除の手はぴったりとまる。
ああ、まずい、すっごいおなかすいてきた。
自分は元々夜間営業中は数度に分けた軽食で食事を済ませる事がほとんどで、こんなガッツリした食事久しぶりっていうか、抗える筈ないじゃない?みたいな?
こうばしいバターと、あまりお世話になる機会の無いソイソースの、香り。
チーズと、ニンニク、オリーブオイルの、暴力の様な、香り。
っていうかケーくんわざと香りのいい物選んでない?ぜったいそうでしょ。
料理が出来上がる頃にはそれなりにアルコールが抜けて、今はモップ片手にきちんと床を磨いている。
居たのだが、]
――ワイン、開けよっか。
[だからご飯にしよっか、と。
掃除はいったん休憩で、彼の料理が冷めないうちに。
大丈夫。まだ夜は長いのだから。**]
【人】 酒屋 ゴドウィン― 商店街 ― (242) 2015/08/04(Tue) 22時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィン[けれどもしれっと放たれた核心を突く単語>>192には] (243) 2015/08/04(Tue) 22時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィンん…好き…なのかな? (259) 2015/08/04(Tue) 23時頃 |
[客の連れから、ひとりの客としてここを訪れた時には、
ホレーショーは店員から店主に変わっていた。
働かせてほしいと頼んだのは、更に一年ほど後のこと。
ここにいれば、いつか。
養父が、帰ってくるかもしれないと。
そんな淡い期待を寄せてから、
間もなく両の手が塞がる年月が経つ。]
【人】 酒屋 ゴドウィン食べないわけではないんだけれどね。 (280) 2015/08/04(Tue) 23時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィン喜んでもらえたようで何より。 (298) 2015/08/05(Wed) 00時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィンさて。こんなものか。 (330) 2015/08/05(Wed) 01時半頃 |
【人】 酒屋 ゴドウィンこれはホレーショ―が来たら請求しよう。 (331) 2015/08/05(Wed) 01時半頃 |
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