44 【game〜ドコカノ町】
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『 先日の彼、来たわよ 』
[ そこから先は慌しすぎた。 ぱちり、瞬きしてる間に、看護婦さんがベッドの角度を少しあげて、乱れた髪を直してくれた。どうしよう、困る、いやだ。見られたくない。
管に繋がる体、一番嫌なのは、あれ。 カテーテルの先につながった、あれ。
とりあえず、みたいな形で隠してくれたけど、 でも問題なのはそれだけじゃない。心の準備も出来ていないし、なにより――何よりやっぱり、会うのは怖い ]
[ ―――会ってしまったら、諦めるのが辛くなる ]
(@43) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 05時半頃
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[ そして最後の扉が開かれた時 ]
[ その白い部屋に、溶け込むように少女は在る。 白い寝台の上、少しだけ身を起こして。 睫毛の影の落ちる重たげな眼差しは――外を見るふりをして、窓の方を向いていた。白いカーテン越しに差し込む日差しが、日に触れぬ肌を一層透かす。細すぎる腕に、白い寝着は痛々しく、その布を余らせて。
ガラスに映るその表情に滲むのは、 怯えと戸惑い――管のない片手が、ぎゅっと胸元を握る ]
…………、
[ 幾度幾度も思考の中で繰り返した名前。 呼べる気もしないのに、どうすればいいのだろう。 どうすればいいのかわからないのに――泣きそうなほど嬉しくて、 くちびるを*かみ締めた* ]
(@44) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 05時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/03/02(Wed) 05時半頃
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[ びくり ]
………ッ、
[ 唐突に発せられた病室にはいささか大きい声に、 驚いて反射的にそちらをむいてしまった。 大きい声出さないでよ、と、言いかけて慌てて下を向く。]
(@45) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 14時半頃
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[ 間違いようもない『彼』だ。 とりあえず背が高いのと、女の子連れだということはわかった。 俯きながら、言葉に困っているとその子が傍らにきた ]
みやさかさん。 ……志乃の、うしろ?
[ 『チトセ』の志乃、そう言っていたことを覚えている。 どういうことだろう、よくはわからないけれど、とくん、と一度鼓動が脈打つのを感じた。 差し出されたブーケと、もうひとつ。あの、水族館のマンタくんに、よく似たぬいぐるみ。]
あ、ありがとう……
[ 眩しい笑顔、志乃とはやっぱり違うな、と思って。 でも、マンタくんを撫でたら、少し口元が綻んだ ]
(@46) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 14時半頃
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[ マンタくんに落としていた視線を、恐る恐る上げる。 あらがきてつた。あらがきさん?てつたくん? どう呼べばいいのかわからない。 見上げた影は大きい、そして『セシル』から見た『ナユタ』と違って、 なんだか、男の人なんだと強く意識してしまう。]
…………、
[ 意識したところで、思い出してしまった。 ほんのり、頬が熱くなったのが、わかる。 目があわせられない、すこし胸が苦しくて ]
(@47) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 14時半頃
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[ 名前、ああ、名前を聞かれていた。 名乗られたけれど上手く呼べそうにないから、 あの時は言えなかった自分の名前を口にする ]
名前は、 ………天音。
[ 天の音と書いて あまね。 そんな説明を加えて、何か言わなくちゃ、変に焦ってしまった。 何しにきたの?言いかけた口を慌てて防ぐ、 と 言うことが見つからなくて、やっぱり沈黙してしまう ]
(@48) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 14時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/03/02(Wed) 14時半頃
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>>433>>434 [ 病室の前の花束が、手元に届いたのはいつのことだろう。 知らない名前の横に、知った顔――ネズミに顔というのも変だけど ]
……アシモフ。
[ あんなことに巻き込んだのに、 どうしてこんなところまで、来てくれるのだろう。 不思議なひとたち ]
[ アシモフの言ったことば、ひとつ 覚えていることがある。 『 実験用ラットは檻から出られない 』 意味のある言葉だったのか、諧謔じみた自己卑下だったのか、 わからないけれど――わたしの夢も『檻』だったのだろうか。]
[ 白い部屋にまた一つ増えた、春の色を見つめている* ]
(@49) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 15時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/03/02(Wed) 15時頃
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>>441 [ 反射的に小さく頷いた。 だいじょうぶ?と問われると、頷いてしまう癖。 花瓶に触れる手を見て、あ、と思ったけれど ここで否定するのもおかしいし ]
……すみません、
[ 花を活ける程度のことも、人の手を借りなければ出来ない。 こんなところ見られたくなかったな、思って]
>>450 [ 音にされた『わたし』の名前、 どんな風に呼ばれたんだろう、些細なことが気になって 顔をあげようとしたら、目の前に置かれた紙袋 ]
(@50) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 19時頃
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[ 思わず、見上げた。 不意だったせいで、無防備だったこころが 締め付けられる。 見開いた瞳、そして眉根が寄った ]
――……食べ残し、 勝手に食べられてたから、嫌だっただけ。
[ マンタくんの上に乗ったドーナツ、 ここは、もう、あのカフェテラスじゃないのに。 意地悪なことしか、してないのに ]
なんで……
[ 寄った眉根は、こらえているから。 見上げているけど、相手の顔が赤いなんてわからない。 また視界が滲み始めてしまったから ]
(@51) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 19時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/03/02(Wed) 19時頃
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>>457 [ 重なる瞬き、じっと堪えながら。 でも、こころが寄るのが、とても怖くて 突き放すよう言葉を捜してしまう ]
……そんなに、 意地悪されたい の?
[ でもきっとこの表情は泣き出しそうで、 伸ばされる指先に、びくりとしてしまう。 寝台の上では、身を引けなかったけれど、でもきっとどこでも同じだっただろう。 ]
(@52) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 19時半頃
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[ 動けない ]
[ きっとそれは優しいだけの手じゃないのに、 触れて欲しい と思ってしまった ]
(@53) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 19時半頃
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……なんで、君が泣いてるの。
[ 髪に触れる手が近いから、 重い腕をのろのろと動かして持ち上げれば、 袖が落ちて、腕の細さがむき出しになる ]
[ それをいやだなと思ったけれど ]
(@54) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 19時半頃
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なんで……、
[ 蝋のような指先が、 彼の零れた涙を拭おうと、恐る恐る目尻に伸ばされて ]
(@55) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 19時半頃
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[ 触れるのは怖いと思うのに** ]
(@56) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 19時半頃
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>>462 [ 指先にじわりと沁みていく。 あたたかい、涙。傍らに腰掛けられると、近すぎて。 つい、目蓋を伏せてしまう ]
意地悪されてもいいなんて、 そんなの、おかしいよ……。
[ ぽつり ]
[ こころに抗いたくて、言葉を捜すのだけれど。 けれど――『生きたい』と願った言葉は ]
[ いなくなるはずの自分を留めたその願いは、 『そこ』にいるあなたに繋がっているから ]
(@57) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 20時半頃
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……ばかみたい。
わたしなんて、いつまたどうなるか、わからないのに。
ばかみたい。
[ 優しく抱き寄せられれば、 身体のじゃない苦しさを感じて、息が止まりそうになる。 目尻に触れた指先は落ちて、弱い力で肩に縋った。 ]
(@58) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 20時半頃
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[ 優しさが苦しいのに、 それでも腕の中にいて温度を感じられることが、 今はただ、嬉しくて。
滲む瞳のまま、くちびるはかすかに笑んでいた*]
(@59) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 20時半頃
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>>479 [ 素直、なんて 自分からは凄く遠い言葉だと思ったけれど。 でも言葉には優しくて損してる人なのかな、少し思う。
知っていること 知らないこと
この人はどんな人なんだろう、 知りたくなってしまうから ]
(@60) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 22時頃
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>>480 [ でも、知りたいと思うのも、まだ怖い。 だってわたしは『ここ』からどこにも行けない ]
毎日来る、って言わないで。 そんな約束、しないでほしい。
[ 会いたい、と ] [ 伝えられる言葉が、忘れられるのが怖い。 いつか果たせなくなる時が来るのも嫌で。 それにこの白い部屋で、出来ることはとても少ないから―― ]
……たぶん、 すごく、待っちゃう から……。
[ こころが寄っていくのが、止められない。 今、どんな顔をしているのだろう、 恥ずかしさに目蓋を伏せたままでいれば ]
(@61) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 22時頃
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―――……。
何言ってるの?
[ けれど>>481 言葉に、慌てて顔をあげた。 嬉しさよりも、驚きよりも、 夢から覚めたようなそんな気持ちになる ]
……無理、だよ。
だって、わたしじゃ、 普通の女の子ができるようなこと、何も出来ない。
[ 今だって身体一つ起こせないのに。 この腕の中から離れなくちゃ思って――縋る指が震える ]
(@62) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 22時頃
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>>510 [ 力の込められた手、少しいたい。 待つことしか出来ないのが、期待の分の不安が怖い。 でも、嬉しいといわれたらわからなくなって ]
―――……。
[ 言い聞かせるように繰り返される言葉。 とうに諦めていたことだから、 いまさら傷ついたりはしない、つもりだったけれど。
やっぱり応えられないことは、 くるしくて――…… ]
[ うそだ ]
(@63) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 22時半頃
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[ 諦めていたなんて、嘘だ。]
――……きらい?
[ 緩められた手が、だってこんなに寂しくて。 無理だといった光景が――さっきまで、空想で描いていた光景が甦ってしまって。答えようとくちびるが開きかけたまま、喉の奥が熱くて詰まる ]
…………ッ、
[ 懸命に首を振ったら、ぼろっと涙が零れた。]
(@64) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 22時半頃
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ちがう。
きらいじゃない。 すき、………好き。
[ 認めてしまったら、諦めるのが辛くなるのに。 零れた言葉が、うわ言みたいにとまらないから やっぱりまだ夢の中にいるのかも しれない* ]
(@65) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 23時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/03/02(Wed) 23時頃
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>>524 [ 少し視界が霞む、幾度が言葉を繰り返して、 涙まで出てしまったから、きっと疲れてしまったのだろう。 みっともない出来損ないの身体、 痩せた背中をその手が撫でてくれる。]
――………、
[ ぼうっと見上げていた。 返される言葉を手放しで喜ぶには、 こころは望まないことに慣れ過ぎていて、
でも―― ]
(@66) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 23時半頃
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>>525 [ 覗き込まれて確認された、 ふつうの女の子、どう答えていいかわからなくて ]
……天使じゃ、なくなったけど。
[ 笑おうとすれば、 濡れた跡を辿るくちびる、その手に引き寄せられる。 あの時、と同じだから少し身構えたけれど ]
―――――ん、
[ 頷く前に、くちびるを塞がれて。 あの時ほどくるしいものじゃなかったけど、 ―――あのセカイとは同じようにはいかなくて、 跳ね上がる脈動と呼吸の苦しさを、隠す ]
(@67) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 23時半頃
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[ そして ]
[ 今度こそ微笑った。 『 仕方ない 』とでも言いたげな、 可愛くない微苦笑だったけれど ]
[ そこには天使の面影が、ちらり、覗いた* ]
(@68) sen-jyu 2011/03/02(Wed) 23時半頃
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……ありがとう。 てった、くん。
[ 恐る恐る、その名前を呼んでみたところで、 ノックの音、プラス2秒――離れる姿をぱちり、 またたき、見てた ]
(@69) sen-jyu 2011/03/03(Thu) 00時頃
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チトセ?
[ 聞こえた名前に、とくん、胸が脈打つ。 知っている 名前。『ここ』にいる彼女。
つれてくるという言葉に、こくこくと、頷いた。 人に会うのは怖かったのに、少しだけ勇気が沸いたから。
もう一度、彼を見つめて小さく微笑って ]
[ 届けられた花束>>@49 そしてまた、また聞こえるだろう扉をたたく音 >>546 開かない窓の外、風の温かさは知らないけれど >>550
そこにもまた、 白い部屋に春の色が増える兆し* ]
(@70) sen-jyu 2011/03/03(Thu) 00時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/03/03(Thu) 00時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/03/03(Thu) 00時頃
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