191 忘却の箱
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-少しだけ前・ズリエルと-
―――こちらに行けば中庭。あと、あっちは―――
[自分よりも体躯の大きな彼に対して、柔らかく少年に説明するように指を指し示す。 案内図の場所も丁寧に示した。]
本を読むなら、図書室がここにある。 何かもし必要なものがあれば、この右に備品庫がある―――
[記憶を喪失するという病気の特性上、このサナトリウムは随所に案内看板が備え付けられている。 それの追い方を丁寧に伝えながら少し歩く。]
―――そして、ここが君の部屋。
[そう言ってドアに取り付けられたネームプレートを指し示せば、少年はアルファベットを丁寧に指で追った。>>125 安堵するような声に、ふっと笑いをこぼし、彼が部屋に入るのを確認した。]
(32) 2014/09/07(Sun) 17時半頃
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-廊下-
[身体を支える肩にかかるサミュエルの重みは次第に増え――それは彼の中の急速な開花を示していた。
途中で、ズリエルが履物を差し出す。が。]
―――。
[履けそうにない、という言葉>>2:134にその足先を見やれば、そこにはすでに。 ズリエルには微笑みで返し、半ば体を抱えるようにして廊下の曲がり角を曲がった。
鼻腔をくすぐるのは青い草の香り。]
(33) 2014/09/07(Sun) 18時頃
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[慟哭する声は、もはや遠く。
花の香りは強く。
シーシャがつかみかかろうとして、とっさに体を挟もうとするが、間に合わず。]
――っ!!
[サミュエルの体から、糸が切れたように力が抜けた。
声にならない声で叫ぶシーシャ。
男はそんな中でも冷静にスタッフを呼ぶ。 まるで子供のように泣きわめくシーシャは、いつものあの表情ではなかった。]
(34) 2014/09/07(Sun) 18時頃
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[サミュエルの体を一旦スタッフに預け、シーシャの腕を強くつかむ。]
シーシャ、落ち着け。シーシャ。
[それでも青年は腕の中でもがく。もがく。もがく。
スタッフの一人が見かねて鎮静剤を投与すれば、彼もその意識を闇に溶かした。]
――――診察室へ、お願いします。
[スタッフへの指示は思ったよりも湿り気を帯びた声だった。]
(35) 2014/09/07(Sun) 18時頃
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-喧騒のあと-
[サミュエルに声をかけ、その体を彼の自室へ―――ベッドへ横たえる。
錆びたギターの弦が音を立てた気がした。
主のいないギターにそっと触れる。
さわり、と今度は、花たちが揺れた気がした。]*
(36) 2014/09/07(Sun) 18時頃
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[男は―――覚え続ける。
失われた記憶を、彼らを、覚え続けることが、男の、仕事。
しばし揺れる花とその香りに包まれ立ち尽くしていた男は、ふいに手のひらを見る。 いつの間にか握りしめていた拳にはうっすらと血がにじんでいた。
後悔の言葉が口を衝きそうになり、そのままこらえる。 それは自分の仕事ではない。
そう言い聞かせて、男は病室を後にし、診療室へと向かった。]**
(37) 2014/09/07(Sun) 18時頃
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-診察室-
[扉を開けて、そして少しだけ面食らう。 最初に目に入ったのは、自分が想定していたのとは別の人物で。]
―――セシル、何かあったかい?
[もともと自分と同じく医学の道にいた男。彼自身はその経験からか、己の体を傷つけたりといった行動は少ない。 だから、たいてい彼がここに来るときは彼以外の誰かに「何か」があった時で。
白いカーテンの揺れる先、シーシャも見える。彼の様子は、表情はどうだったか。]
(49) 2014/09/07(Sun) 22時半頃
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-回想・パセリのざわめき-
は―――やりたいこと、ですか。
[声に戸惑いを隠せない。
男は矢継ぎ早に言葉をつづける。>>56 どうやら発症者である男自身が、己に対して何かを。]
それは―――あなたの体を傷つけることですか?
[いくら相手が一度その研究をしていたとしても、その体を傷つけることは許すことは医師として許せなかった。 何よりも―――その声には、どこか……救いを求めるような。]
……空きはありますので、では―――
[入院の手続きを口頭で伝える。足りないものは郵送でも、手渡しでも。 等しくここは、そのためにあるのだから。]
(112) 2014/09/08(Mon) 19時半頃
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-回想・薔薇園の-
今日から、ここが君の部屋だ―――
[少女が部屋に入るのを見て、その左手をもう一度見やる。 一見どこにでもいる少女。しかしその腕には薔薇の茎蔓がしっかりと絡みついていた。
先ほどの診察で言っていたことが確かであれば、おそらく左手首を中心に薔薇が育っている。 それも―――かなり長期間。]
―――もし不便があればいつでも声をかけてくれ。
[彼女の母も、連れてこれたらよかった。
少しだけ薔薇のとげが刺さったような痛みが、心に走った。 写真で見ただけの美しい薔薇の彫像が、刹那、彼女にダブって見えた気がした。]
(117) 2014/09/08(Mon) 19時半頃
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-診察室-
―――ああ。
[掠れた声が声帯を震わせる。
マーチェは、その年齢から進行はゆっくりだったけれど、確かにいつどうなってもおかしくない状態であった。 セシルの言葉にすべてを悟る。
恐らくは――この病に侵された全ての人と同じく――その人としての生はきっと安らかで。]
ありがとう。
[横をするりと通り抜けるセシルの背に声をかけ――シーシャの頭に触れる。 まるで泣きじゃくる子供をあやすように。
花が、揺れ。]
(118) 2014/09/08(Mon) 20時頃
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[言葉を発せばそれは陳腐になりそうで。 なにかシーシャが言葉を発せば、目を見てそれに頷いた。
それからさほど時間はかからなかったろうか。
扉の開く音がまた。]
―――ペラジー?
[そこにいた少女の、瞳があった場所から咲いた花に、一瞬息をのむ。
少女には、しかし恐怖の感情はすでになく。]*
(120) 2014/09/08(Mon) 20時頃
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-いつか-
[ここに来た日は、雨が降っていた。 雨の中、濡れる緑があまりにもきれいで]
『ちょうど、みんな変わっちまったところだが―――明後日また新しい患者が来るだろう。よろしくな。』
[前任者の白衣の男は、そう言って自分の荷物をまとめた。]
『―――一つだけアドバイスだ。「彼らを治そうと思うな」』
[老齢の男は皺深い目を少しだけ細めてそうつぶやいた。 その声は静かだが、どこか重さがあった。]
あの―――それは。
[問いかけた僕の目の前で車のドアが閉まる。 彼はこちらを見ずに、窓から1度だけひらりと手を振って、丘を下って行った。]**
(121) 2014/09/08(Mon) 20時半頃
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[戸惑うような、迷うようなヤニクの視線。 半ば花に埋もれかけた少女は笑う。]
―――こんにちは。
ペラジー、ちょっとだけいいかな―――?
[そう言ってその頬に手を伸ばす。 ヤニクには、ありがとうと小さく微笑み。
瞳に成り代わった花を少しだけ揺らし、その生えている場所を見る。 手の甲で少し潰れかけていた花が、その花弁を揺らす。]
……ペラジーは、好きな場所はあるかい?
[そう言って優しく頬をなでた。
恐らく―――それはあと少しで。]
(125) 2014/09/08(Mon) 21時半頃
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[心の中でマーチェに少しだけ謝った。 ペラジーを手当てしたらすぐにマーチェの身体も日の当たる場所に映してあげないと。
みんなを、安らかに、望む場所で。
ただそれだけ。 ただそれだけ。 ただそれだけ。
本当にそれだけ?]
『彼らを治そうと思うな』
[耳の奥で老医師の言葉が鳴る。 でも、ああ、彼らは、彼女らは、まだ生きている。人として、生きている]
(126) 2014/09/08(Mon) 21時半頃
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[男は感情を殺し、ただ微笑みながら少女を見つめる。
柔らかく、微笑みながら。]*
(127) 2014/09/08(Mon) 21時半頃
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-マーチェの部屋-
――遅くなって、すまなかったね。
[それは喧騒の後だったか。
黄色い花が、男の顔をみて、少し揺れた気がした。]
(155) 2014/09/09(Tue) 00時頃
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