299 さよならバイバイ、じゃあ明日。
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[あの時の狐の笑い声には、何も返しはしなかったが。
こうして死に向かい合って、改めて思う。
生まれた以上死ぬとは、理屈でわかっていたとしても、受け入れがたい。]
――死ぬとわかっていたら、死を嫌悪するのはおかしいかい。
わかっているからこそ――というのも、あるだろ。
[絶対の終焉に怯え続けた結果がこの鎧だ。
身を包む金属の量が、恐怖の量。]
[死にたくない。死ぬのは怖い。
こうして共に過ごした仲間がいなくなることすら、己の未来を見ている気がして、怖い。
だというのにこの街に居座っているのは、ここにいれば或いは、憂いなくこの生という恐怖を終えられるのではないかと思っているから。]
――なあ。
死ぬのは、どうだ?
[七度も体験した狐なら、この問の答えを持っているだろうか。]
ねえ、ソルフリッツィ。
ソランジュの姿が見えないのですけれど。
貴方は見かけていませんか?
[待つ間、手持無沙汰にそう問いかけてみたりしながら。]
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