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【人】 白銀∴秘星 マユミ―― 寮・自室 ―― (1) 2014/03/03(Mon) 00時頃 |
【人】 白銀∴秘星 マユミ[けれど貴女のそんな表情もすぐに、別のものに変わります。 (6) 2014/03/03(Mon) 00時頃 |
……それは、旅立つ人目線の歌だもの。
[小さく、誰かが呟く。]
[ぺたり。
無意識に、数学書を支える手とは逆の手が、木肌に触れる]
……ああ、そうだったな。
[ぺらりとページをめくりながら、低い声で呟いた]
僕には、やりたいことがあったのだった。
【人】 白銀∴秘星 マユミ (16) 2014/03/03(Mon) 00時半頃 |
[木肌に触れていた手は、一度するりと撫でて。
ごく自然な仕草で、その手を持ち上げてひらりとマユミに向かって振った]
【人】 白銀∴秘星 マユミ (25) 2014/03/03(Mon) 01時頃 |
――……風邪引かないように気をつけてくださいね。
それだけ、言えばいいのに。
申し訳ありません、ハルカ先輩。
[木肌に触れた手をこちらに向けてくれたハルカ
この声はきっと、届かない。そう思ったから。
どうして?]
世の中は 夢かうつつか うつつとも
夢とも知らず ありてなければ
[26歳の自分と、16歳の自分。
唇から零れたそれは、詠み人知らずの和歌**]
別に謝ることはない。
言いたいことを、言いたい口調で。
そこに謝る理由など存在しない。
[かくいうハルカも、上級生にすら口調はぶれず、一人称は「僕」である。
偉そうだとか敬意が足りないとか言われるハルカより、よほどいいんじゃないだろうか]
[届かないはずの声が届いたことに、最初違和感は覚えなかった。
それくらい、自然で、当たり前のことのように感じたのだ。
おかしい、という理解は遅れてやってきた]
む?
[数学書を抱えなおし、わずかに首を傾ぐ]
君も、なにか後悔しているのか?
……僕のように。
えっ、……――――?
[食堂へ行くと、ハルカは確かに口にした
振り返れど、眼前にあるのは外界と隔たるガラス窓。
続けて、彼女は問うた
「僕のように。」
そうだ、ハルカは女性であるけれど、一人称は「僕」であった。
けれどどうだ、自らの中には、「私」
数度、黒眼を瞬く。大きく、息を吐く。]
……はい。
とても、……とても大きな、後悔を。
[言葉に滲んだ苦味を、溶かしていくかのようにゆっくりと紡いだ。]
―裏庭―
そうか。
[マユミとの会話が成立する。
冷静に考えれば、どう考えてもおかしいのに、やはりそれは、ごく自然な、当たり前のことのような気がした。
そうだ、今のこの状況に比べれば、これくらいの不思議はどうということはない。
当たり前のように、10年前の春にいる、この状況そのものの方がよほど不思議だ]
そうか。僕と同じなのだな。
後悔を抱えて、なぜか10年前のここにいる。
これは、夢なのだろうか。
[夢だとしたら、誰の?
己の見ている夢か。それともマユミの?
それとも……皆の見ている夢なのだろうか?
考えても、答えは出ない]
後悔を抱えているなら、やり直してみてはどうだろう。
人生に「もしも」はないというが、今僕たちは「もしも」の世界にいる。
後悔しなかったバージョンを体験してみるというのも、悪くないかもしれない。
[10年前の自分には、踏み出す勇気が足りなかった。けれどその結果を知っている。嫌というほど味わった、苦い苦い後悔の味を知っている]
うまくいっても、いかなくても。
どうせ、夢なのだから。
【人】 白銀∴秘星 マユミ (72) 2014/03/03(Mon) 22時半頃 |
夢 ――――……なのでしょうね。
[ルーカスとぶつかる少し前。
考え事をしていたのは、帰ってきたハルカの言葉
こんなことが、現実に起きるはずがない。
目の前には、ルーカスが居る。10年前のまだ、幼い面影を残したクラスメイト。
26歳の自分自身が、それを懐かしいと見つめている。]
やり直し、そうですね。
できることなら、……
[口にしかけたそれは、未だ飲み込むように沈黙に流し
けれどハルカもまた、同じように苦く思うところがあったのかと、ほっと綻んだ口元は彼女にはつたわらないけれど]
ええ、やってみましょうか。
素敵な夢にできるよう、頑張りましょう。
私にできることがありましたら、仰ってください。
今の私なら、昔の私より頑張れそうです。
[その声は、弾むような音色をしている。]
【人】 白銀∴秘星 マユミ (98) 2014/03/03(Mon) 23時半頃 |
【人】 白銀∴秘星 マユミ (99) 2014/03/03(Mon) 23時半頃 |
ああ、夢の中でまで後悔を繰り返すのも、詰まらないからな。
[弾むような声で、やってみようというマユミに、こくりと頷く。
その様子までは、見えなかっただろうが]
せっかくこうして会話もできるのだからな。
僕にできることがあれば、いつでも言ってくれたまえ。
[後悔。
そう、己は、後悔している。
いろんな感情がない交ぜになって、
後悔しない道がどれなのかわからなくて、
結局、選ばなかった。ただ流されただけだ。
だから、ずっと後悔している]
[付き合いが長すぎた。
幼馴染で、腐れ縁で、クラスメイト。
抱く感情はひとつではない。
ある時は、母親のような、
ある時は、姉のような、
ある時は、友達のような、
そのどれもが本物で、だからどうすればいいのか、戸惑うのだ]
[男のような言葉遣い。一人称の「僕」それは自然に身についた。
彼は女性が苦手だから。
男のように振舞えば、女性を感じさせなければ、彼は脅えることはない。
深く意識したこともない、それは呼吸をするように、当たり前にハルカに根付いた]
[女性が苦手な様子は、気になっている。
爪を噛む癖の次ぐらいに、改めてもらいたい。
だから彼が恋を覚えたなら、それはハルカにとって喜ばしいことだ。
頬を染めてジリヤに相対する姿。苦手克服の一歩。
ハルカの中の、母親のような感情が、姉のような感情が、友達のような感情が、確かにそれを喜んだ]
だから10年前の僕は、胸の痛みに気づかない振りをした。
[この感情に名前をつけることを恐れて。
彼に女性という警戒対象であると認識されることを恐れて。
彼にとっての、母親で、姉で、友達。
そんな存在であり続ける方を選んだ]
[腐れ縁という名の鎖が、いつまでも続くものではないことに気づけず。
だから――――ずっと、後悔している]
【人】 白銀∴秘星 マユミ[貴女は、シーシャ先輩>>148の絵についても手紙で教えてくれましたね。 (154) 2014/03/04(Tue) 01時頃 |
【人】 白銀∴秘星 マユミ[黒眼は褐色の視線に、逃げられてしまいます>>156。 (159) 2014/03/04(Tue) 01時半頃 |
【人】 白銀∴秘星 マユミ (160) 2014/03/04(Tue) 01時半頃 |
……、私のこと、苦手だったのでしょうか。
[つい、そう口にするのは過去を振り返るマユミ。]
[1年生だったあの日々、
その行動は幼さがはっきりと見て取れる。
だからある意味、この日々こそが後悔の塊でもある。
もっと自由に、もっと素直に、もっと明るく。
そう振舞えていたら、別の高校生活を送れていただろう。
けれど――]
[ぺらりとページをめくりながら、この場所ではないところの声を聞く
マユミが苦手というわけではないのだよ。
シーシャが苦手なのは、女性という人間そのものだ。
……いや、程度の差はあれ、人間という生き物すべてが苦手なのかもしれない。
[ぺらり]
だから、気にすることはない。
[ポケットの中の封筒。
そしてこれから綴るであろう、――。
この先を知る自らの行動を、夢とはいえ、覆す。
本当に、できるのだろうか――?]
……、あ
[聞こえたハルカの声
その言葉を聞いてふと、口元に笑みが浮かんだ。]
私、シーシャ先輩のことって……
言いませんでしたよ?
当たり、ですけれどね。
[告げるのは10年前のマユミは言えなかった、そんな言葉。]
ハルカ先輩はシーシャ先輩のこと、よくわかっていらっしゃいますよね。
ああいう関係、いいなと思っていました。
[彼と彼女の間に、独特の空気感があった。
腐れ縁、そんな関係を男性と築くことができなかった自らには、とてもまぶしかったことを記憶している。]
マユミのことが苦手なんて人間は、シーシャくらいしか思いつかなかっただけだ。
[口調がやや言い訳がましくなってしまったのは、マユミの声が笑みを含んでいたからだ
いい……?
いや、別に羨んでもらうようなことは何もない。
[続く言葉には、苦いものが混じる]
この世界が夢だと知っているマユミなら、知っているだろう?
10年後のシーシャがどんな風だったか、覚えているだろう?
結局僕は、シーシャになにもしてやれなかったのだよ。
[近しいと思っていた。
母のように、姉のように、友達のように。
しかし腐れ縁という名の鎖は、やがて途切れる日が来て。
爪を噛む癖も、女性に、そして人間に脅える様子も。
10年という時を越えて、シーシャは何も変わっていなかった。いやむしろ、悪化していたと言ってもいい。
ハルカには何もできなかった]
【人】 白銀∴秘星 マユミ ……ああ! (168) 2014/03/04(Tue) 02時頃 |
[だから、後悔している。
胸の痛みに気づかない振りをしたこと。
その感情に名前をつけることを恐れたこと。
女性という警戒対象であると認識されることを恐れたこと。
ハルカは逃げて、結局己を守ることを選んだのだ。
想いが通じるなんて思っていない。
けれど、あの時伝えていたなら、シーシャの中で何かが変わっていたかもしれない。
己が彼に、自信を与えることができたかもしれない。
そうしたら、もしかしたら10年後のシーシャの未来は、もっと違っていたかもしれないのに]
……なんてな。そう思うことも、うぬぼれだろうか。
[けれどもう、「やればよかった」という後悔はしたくない]
[やや渋く聞こえた声音
それ以上言及することはせず。
シーシャの印象については、少しばかり考え込み]
……ええ、確かに印象はあまり、変わっていませんでした。
変わらずいらっしゃったんだなと、私は思っておりましたが……
[何もしてやれなかった。
その言葉の意味を、汲み取る。
何しろそれが、今の自らの職業でもあるのだから。]
変えて、さしあげたかったのですね。
――あなたの、手で。
[その意味が、どんな感情からくるものなのか。
生徒に問題を出すときに、「あなたがたなら、どう考えますか」まずはそう問いかける。
自らもどう考えるか、既に答えは導けたけれど、それが正解かどうかはハルカに採点を求むことでしかわからない。
その採点を求むことを、自らは実行できない。]
いいえ。
ハルカ先輩は、お優しい方です。
[彼女の声
自らが導き出した、ハルカの中にあるだろう感情の名が正解でも不正解でも、それが後悔していることなのなら、こんなに優しい人はいない。そう思う。]
……成せますよ、必ず。
そうですよね、先輩。
[それはまた自らに向けても。
声は彼女と、自らのものしか響かない。だから
せめて明るく、エールを**]
変えたかった……?
[マユミの言葉を反芻し、考える]
変えられたかもしれない。だが、僕はそうしなかった。
だから、後悔しているのだよ。
僕が行動しても、未来は同じかもしれない。
だが、僕はベストを尽くさなかった。
[母のような、姉のような、友達のような、ひとつではない感情。
その中で、己をさいなむ後悔の理由を探す]
変えたかった、というより。
僕にできることを、してやりたかっただけなのかもしれない。
[ベストを尽くして、それでも未来が変わらないなら、仕方ないと諦めることもできる]
結局、僕の原動力は、シーシャのためというより自分のためなのかもしれないな。
[けれどマユミは、きっぱりと優しいと言ってくれる。
こんなハルカのことを、優しいと]
……ありがとう。
[噛み締めるように、その言葉に感謝して]
ああ。
せっかく、こんな機会を得たんだ。
夢の中なんだ、きっとなんだってできる。
僕も、マユミも。
――――……未来を、変えよう。
[成功するかなんてわからない。
けれどせっかく得た奇跡のようなこの機会に。
ベストを、尽くそう**]
【人】 白銀∴秘星 マユミ[ポケットに写真を再び仕舞った頃、ゴロウ先輩>>186とマドカさん>>189の姿が見えたでしょうか。 (208) 2014/03/04(Tue) 22時頃 |
ゴロウ先輩……やはり、眼鏡じゃなかったですよね。
[思わずまじまじと見つめてしまったのは、そのせい。]
―― 廊下で一人佇む間に ――
[未来を変えよう
そう言ったハルカの声に、とても励まされる。]
私は、自分で行ったことをやり直したいだけなのです。
本当に、我侭なことですし……
ああ、でも、先輩にも、関係あることなのですよ?
[正確には、この寮に残っている生徒全てに関してだ。
ほんの些細のことだけれど、ずっと引っかかっていたこと。
忘れられていればいい、そう考えたけれどやはり、自らが忘れられないかぎり永久に何も解決しないこと。]
ええ、変えてみましょう。
それが夢に消えても、きっと……
[そこにもう後悔はないだろう。そう、思うのだ*]
【人】 白銀∴秘星 マユミ[マドカさんの小さな身体が元気よく飛びついてきます>>212。 (218) 2014/03/04(Tue) 23時頃 |
【人】 白銀∴秘星 マユミ (220) 2014/03/04(Tue) 23時頃 |
[あの木の根元はお気に入りの場所だった。
名前も知らぬ木。良くあの根元に座って、数学書に没頭した]
……だが、本当は。
[登ってみたいと思っていた。
そして結局、登ることのないまま、10年の時が過ぎた]
【人】 白銀∴秘星 マユミ―― 食堂 ―― (235) 2014/03/04(Tue) 23時半頃 |
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